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JIROの独断的日記
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2007年09月02日(日) 9月1日は、英国の天才ホルン奏者、デニス・ブレイン(1921〜1957)が亡くなってからちょうど50年でした。

◆ホルンという楽器はどうも本当に難しいらしいです。

冒頭から言い訳がましくてすみませんが、クレームが来る前に先手を打っておきます。

どんな楽器でも、本当に上手くなるためには、非常な努力を続けなければなりません。

ピアノ、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、

ハープ

ピッコロ・フルート、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、

トランペット、ホルン、トロンボーン、テューバ、

ティンパニ。

スネアドラム(小太鼓)、バスドラム(大太鼓)、シンバル、トライアングル、カスタネット、

タンバリン、シロフォン、グロッケンシュピール(鉄琴の一種)、ゴング(銅鑼)、

テューブラーベル(のど自慢で使う、鐘です、幻想交響曲を聴けばすぐ分かる)、

これが、オーケストラで使われる楽器です(ピアノを除く。例外はあるが)。

どれも難しい。

オーケストラで使われない楽器(ギター、マリンバ、リコーダー、アコーディオン、サクソフォーン、ドラムス)

全て大変なんですよ。本当に上手くなるということは。


ただ、私が30年、色々なオーケストラを聴いて、見て、分かったのは、

ホルンの音色はオーケストラ全体の響きにかなり大きな影響を与える(ホルンセクションの責任は重大である)

ということ。そして、
本当に上手いホルンセクションというのは、厳しく吟味すると、かなり少ない

ということです。



昔は、曲の中で、ホルンの難しいところは、「間違えても当然」というと言い過ぎかも知れないけど、

「あ、やっぱり」ということがよくあったのです。

これは、私ひとりの偏見かどうか、思い悩んでいたのですが、幸い、拙日記・ブログの読者に、

中学から大学まで吹奏楽に打ち込んだ、というアマチュア・ファゴット奏者がおられます。私の半分以下の年齢の、若い方。

吹奏楽といえどもピンからキリまでありまして、この方は吹奏楽コンクールに出場するようなバンドに所属していたので、

盆も正月も、ゴールデンウィークも関係なく、すさまじい練習に耐えてきた方です。

この方がかつておっしゃたのですが、
「中学から大学まで、何百という吹奏楽団を聴いてきたけれど、ホルンセクションがホントに上手い、というバンドは、聴いたことも見たこともない」

そうです。やはり、ホルンの難しさは、ハンパではないようです。

色々と仰りたい方、いらっしゃるでしょうが、今日はデニスブレインを讃えるのが目的なので勘弁してつかあさい。


◆わずか36歳で事故死した天才ホルン奏者、デニスブレイン。(1921〜1957)

この人は、車が好きで、オーケストラのリハーサル中(仕事中ですな)ですら譜面の後にはカー雑誌が広げてあったそうです。

その趣味が災いしました。

前夜、スコットランドの首都エディンバラでの音楽祭に出演した後、徹夜で車を飛ばしてロンドンに帰る途中、もう少しのところ、

ハットフィールドという場所で、街路樹に激突してしまいました。

もったいない。あまりにも勿体ない。その他、デニスブレインに関する諸々の情報は、

私の数百倍も詳しい方が沢山いらっしゃいますので、そちらをご覧下さい。

ウィキベディアには勿論のっています。

それから、リンクして良いのか分からんので、サイト名だけ。

熱烈なデニスブレイン信奉者が作った、「憧れのデニス・ブレイン」という、詳細を究めたサイトがありますから、

Googleで検索してください。簡単に見つかります。すごいね、この人。日本語と英語でこれだけのサイトを作るとは・・。


◆何が天才なのか。聴いて下さい。モーツァルト「ホルン協奏曲第一番 ニ長調」です。

デニス・ブレインの、何がそんなに、天才なのか。

一言で書くなら、音のコントロール。それ以外に書きようがないのです。



ホルンは4メートル近くもある、長い真鍮(ブラス)の管をグルグル巻いたものです。

管が長いと、難しくなるので理論は省略しますが、同じ指使いをしても沢山の異なる音が出る。

ほんのちょっとした、息のスピードや量の加減で音がひっくり返る。唇に余計な力が入るのは問題外。

ところが、デニスブレインがホルンを吹くと、不安定さを微塵も感じさせないのです。

この人が、間違った音を出すとは考えられない。人間業ではない。

「天才的」ではない。紛れもなく天才なのです。

とにかく、聴いて下さい。

モーツァルト、「ホルン協奏曲第一番」より第一楽章。指揮はカラヤン。

オーケストラは、ロンドンのフィルハーモニア管弦楽団です。

ダウンロード MozartHornConcertoDmajor1st.mp3 (4350.0K)



何しろ半世紀以上も前の録音なので、音質はあまり良くないけれども、そういう問題じゃないですね。

この演奏には「デニス・ブレインのデニス・ブレインたる所以(ゆえん)」が良く現れていると思います。


レコードは、モーツァルト:ホルン協奏曲全集。永遠の名盤です。

それでは、また。

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