DiaryINDEX|past|will
2004年09月02日(木) |
強迫的にデジタル志向な世の中 |
◆PC、携帯に代表されるデジタル機器が世の中を席捲しているが・・・
それが、悪いというわけではない。現に私もこうして毎日パソコンに向かって文字を打ち込んでいる。ただ、世の中が、デジタル機器を「使わねばならぬ、」という一種の強迫的な観念にとらわれているのが、少々滑稽に思えるときがある。
話が横道にそれるが、「強迫」と「脅迫」は違う。
強迫神経症といって、戸締まりをしたと、自分でも分かっているのに、何度も確かめないと気が済まないとか、別に汚いものをさわったわけではないのに、始終手を洗わないと気が済まない(洗浄強迫)とか、そういう精神症状を呈する病気がある。
字を見れば分かるだろう。「強く」「迫る」のである。ときどき、「脅迫観念」と書いている人がいるが、そういう言葉はありません。「強迫観念」です。広辞苑を引いてみると分かる。ご参考まで。
さて、デジタルであるけれども、あまりにこれにばかり頼るのはどうかと思う。
勿論、デジタル機器の方が優れている場合もある。辞書・事典はその最たるものだ。
語学学習者などは紙の辞書よりも、電子辞書を使ったほうが、本気にやる気があるひとならば、絶対効率がよい。単語学習ソフトなど、必要ない。電子辞書なら、たとえば、英語学習者ならば、とにかく沢山英語を読んで、分からない言葉は片端から、電子辞書で調べていけば、自然にボキャブラリーは増える。
辞書のような、出来合のデータベースなら、もし、データが消失したり、機械が壊れても、また買えばよいが、個人的なデータを保存することに関して、あまりにも、デジタル機器に頼ると、一発で全てを失う危険があり、だから、初心者向けのパソコンの本にはバックアップの大切さ、などと言う項目がかならずある。
しかし、たとえば、内蔵HDDのデータを外付けHDDにバックアップしておけば、一応安心だが、いきなり、すぐそばに落雷があって、雷ガードタップを使用していなかったら、あら、残念でしたということになる。
◆一番大事なことは、やはり、紙に記録する。
では、一番大切なデータはどうしたらよいかというと、やはり、紙に書いておく(プリントアウトでもいいけどさ)のが、安全である。何といっても紙はやはり便利なものだ。
PDAが世の中に出回り始めた頃に、ザウルス文庫とかしきりに宣伝していたが、ああいうもので、小説を読んでいる人を見た試しがない。
本は便利だ。電車がゆれて、手から床に落っことしても、びくともしない。それに引き替え、ポケットPCやPDAをガチャンと床に落下させたら、たいていの人は真っ青になるであろう。
勿論、紙だって、水に濡れたり、間違って捨ててしまったら、データは消失、若しくは紛失する。また、保存に場所を取るという大問題はあるけれども、そのかわりに、落雷や、床に落としたぐらいではびくともしないたくましさがある。
◆記録には、速記
それから、会議や人との打ち合わせなどの記録を取るとき、ボイスレコーダーというのもあるが、あれだって、下手して電源が無くなって、綺麗さっぱりデータ消失、という心配がある。タッチタイプが早いのが自慢の人でも、シグマリオンとかモバイルギアで、完全にナチュラルスピードで話される日本語を打ち込むことが出来る人はほとんどいないだろう。
時代に逆行するように感じるかもしれないが、速記を覚えておくと、その点、大変便利である。
要点だけをメモするのなら、独学でも十分に役に立つ。普通の文字では、要点だけでも、結構、書き留めるのは難しいものである。
早稲田式と中根式が古くて有名だ。国会の速記は衆議院と参議院では、何故かメソッドが異なる。その他にも、ネットで検索すると分かるが、驚くほどいろいろな種類がある。数十種類はある。
私が勧めるのはV式というもので、これは独習が十分可能だ。速記の通信教育は勿論あるが、大抵挫折すると思う。V式は非常に単純である。
そんなもの、覚えても仕方がないと思う人は、メモの大切さを知らない人か、学生なら、ノートをろくに取らない人だろう(つまりあんまり本気で勉強していないひとだ)。
今をときめく売れっ子作家、宮部みゆき氏は元速記者である。その頃にいろいろな人の話を記録したことが、今の、文章構成力に明らかに役に立っていると書いているのを読んだことがある。そして、速記文字は一種の暗号として役に立つ。人に見られたくないデータは速記文字で書いておくと安心だ。
今ではタッチタイプが早い人など、珍しくない。そういうときには、あえて時代に逆行するのも一つの定見だ。他には、書道なんかいいだろうね。そのうち、筆を使える人なんて、非常に貴重な存在になるだろう。人と同じ事をやっていては駄目だ。
2003年09月02日(火) 「高島忠夫 うつ病治療から復帰」 良かったですね。
2002年09月02日(月) 世界で最も危険な人々