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2007年08月04日(土) |
「テロ対策特措法:国会の事前承認に否定的…小池防衛相」←国会に説明出来ない理由があるのか? |
◆記事:テロ対策特措法:国会の事前承認に否定的…小池防衛相(毎日新聞 2007年8月3日 19時57分)
小池百合子防衛相は3日の記者会見で、テロ対策特別措置法の延長問題で民主党が求めてきた自衛隊派遣に関する国会の事前承認について
「国会がチェック機能を果たす観点から1年ごとの(法改正による)延長という仕切りがある。
今の制度でも十分役割を果たしている」と述べ、必要ないとの考えを示した。
過去3回行われた延長で、民主党は事前承認や十分な説明がないことを理由に反対してきた。
小池氏は、国会への説明についても「安全保障上の問題があり、各国で連携しているので説明できない点もある」
と否定的な見解を示した。
◆コメント:時限立法を国民に説明せずに延長するとは何事だ。
私は、約一ヶ月前、小池防衛相が、テロ特措法に関して「今、(自衛隊派遣を)止める選択肢はない」
と発言した時に、
海自が6年間無償のガソリンスタンドをやった成果は?という記事を書いた。
ココログではここにある。
テロ特措法は、911テロのあと、アメリカがアフガニスタンに潜伏しているタリバンを潰すために軍隊を派遣するので、
日本も手伝えと云われて、あっと言う間に国会で強行採決された法律だ。
リンクした前回の記事に書いたとおり、自衛隊は戦闘中の同盟国の艦船に給油しているが、これは後方支援であり、
集団的自衛権の行使である。憲法は改正されておらず、集団的自衛権の行使は認められないというのが政府の公式見解である。
これを安倍首相は変えたがっているわけだが、現時点まで、一度も変わっていない。
だから、テロ特措法は違憲である。
大体イスラムのテロ組織に恨まれるようなことをするから、アメリカが攻撃されたのである。はっきり云えば、自業自得。
にも関わらず、「日本も国際社会の安定に貢献する義務がある」とアメリカが日本を恫喝するとは盗人猛々しい(ぬすっとたけだけしい)。
テロ特措法が成立してから、6年間で11カ国の軍艦に給油し、その費用は800億円にもなるが、一向にテロは無くならない。
つまり、成果が上がっていないのである。
成果の上がっていない活動を、日本がガソリンスタンドをやることにより支援し、「世界平和に貢献し」ているというのは欺瞞だ。
延長するならば、防衛相はその合理的根拠を国民に示し、国会の承認を得るべきだ。
◆民主党はテロ特措法延長に反対だ、といっている。変えるなよ。
参院選直後から、民主党は11月に期限がくるテロ特措法延長に反対だ、といっているため、
来週、駐日米国大使が小沢氏と会談し、反対しないよう、説得しようとしている。
民主党は、初めは威勢が良いが、途中から翻意するし、与党と馴れ合うことが多い。
だから今でも頼りないと云われるのだ。反対なら反対を貫き通せ。
◆イラン・イラク戦争の際、当時の後藤田官房長官は、徹頭徹尾「反対」を貫いた。
イラン・イラク戦争を知らない方は調べて下さい。
この時初めて、日本の自衛隊を海外に出すかどうかが問題になった。
自衛隊派遣と言っても機雷を除去する掃海艇である。
中曽根総理はアメリカの要求を飲もうとしたが、当時の官房長官、一昨年の九月に亡くなった後藤田正晴氏は、
「イラン・イラク戦争が続いているのに、どちらかの機雷を除去したら敵対行動となり、戦争に巻き込まれる。絶対にダメだ。」
とテコでも譲らなかった。そして、中曽根首相に向かって
「どうしても、というのなら、私は閣議で署名しません」
と云った。
閣議決定は全員一致でなければならない。一人でも反対したら、決定にならない。
閣議決定を実現したければ、内閣総理大臣は反対している閣僚を罷免し(クビにするということ)、
自分が、そのポジションを兼務し、改めて採決しなければならない。
つまり、後藤田官房長官は、
「どうしても自衛隊を海外に派遣したいのなら、俺をクビにしてからにしろ」
と内閣総理大臣に詰め寄ったのである。
後藤田さんには、思想があり、信念があり、それは正論だった。信念を貫く迫力が違った。
民主党は、テロ特措法延長に反対するならば、これぐらいの気概でやって頂きたいものだ。
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