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2006年08月04日(金) |
6月14日に可決した「健康保険法等の一部を改正する法律案」の内容は、あまりにも酷だ。 |
◆高齢者の医療費があがる。長期入院患者は全額負担。
今更、書いても、と思ったが、知らないよりは良いだろうと思い、取り上げることにした。
約2か月前、6月14日、参議院本会議で「健康保険法等の一部を改正する法律案」が自民・公明の強硬採決により、可決された。
これによって、次の事が現実となる。
- 今年10月から、現役並の所得がある70歳以上の人の医療費窓口負担は、2割から3割に引き上げられる。「現役並」の基準は夫婦2人の世帯で年収520万円である。
- 2008年4月からは、所得の多寡をとわず、70歳以上の全てのひとの窓口負担が1割から2割に引き上げられる。
- 入院患者については「療養病床」(慢性的な病気で長期間入院している人の病床)に入院している70歳以上の人の食費と居住費が、今年10月から全額自己負担になる。いきなり、月3万円の値上げで、9万円になる。2008年4月からは、全額負担の適用年齢が65歳から69歳の人に拡大され、この場合、月13万円の入院費になる。
◆高齢者が新たな年金保険料を天引きされる。
2008年4月から、75歳以上の人は全て「高齢者医療制度」に加入させられ、平均年間6万円の医療費(病気じゃなくても)を年金から「天引き」される。
国民健康保険の加入者だと65歳から「年金天引き」が行われる。
◆高齢者だけではない。高額療養費(人工透析など)の自己負担率も上がる。
高齢者のみならず、入院や手術が必要となったとき、「高額療養費」においても患者負担が増額される。
人工透析の場合は、所得が一定額以上の患者は、自己負担額が倍になる。
◆どさくさ紛れの強行採決。
この法案が、可決したころ、世の中はワールドカップサッカー(6月9日〜7月9日)が始まったばかりで浮き足立っており、面倒くさいニュースは国民の多くが注意を払わない事が予想された。
また、折しも、村上ファンドに福井日銀総裁が投資していたことが明るみに出て大騒ぎになり、ますます、医療制度「改革」法案のことなど、考えなかった。
そして自民・公明による強行採決である。
医療財政が本当にどの程度逼迫しているかの説明がなく、仮に少子高齢化に鑑み国民の負担が増加するのはやむを得ないとしても、
長期入院患者や、慢性的な病人はもともと働けないか、給料が上がらず、その上医療費で家計が苦しい。
このような、一番苦しい人々からまず金をむしり取る必然性がない。まず、比較的余裕があるところから取るのが順序だろう。
私は、昨年、障害者自立支援法案が成立した時にも書いた。
月収が10万円に満たない障害者の負担を増やすのは、酷い。
昨年亡くなった、後藤田正晴・元官房長官の「時事放談」での発言を集めた日本への遺言
という本に、次のような一節がある。
小泉政権は「強者の論理」が強すぎる。
やはりどんな時代になっても、
立場の弱い人、気の毒な人は出ている。
ならば、そういう人に対して
政治の光をどう当てるかということは、
政治を担当する者の、大きな責任だと思う。
私が付け加える事は、全くない。賛成だ。
2005年08月04日(木) 「原爆を投下したことを後悔していない」(原爆を投下した爆撃機の乗員)--BBC
2004年08月04日(水) 「統合交渉差し止め、UFJの異議申し立て却下」 金融庁のUFJいじめ
2003年08月04日(月) ロッシーニ風人生もいいかな。昨日は「ウィリアムテル」初演の日。