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JIROの独断的日記
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2007年07月03日(火) 「久間防衛相辞任、参院選への危機感背景に」←参院選があろうが無かろうが、関係ない。

◆記事:久間防衛相辞任、参院選への危機感背景に

久間防衛相が自らの発言の責任をとって辞任した背景には、目前に迫った参院選を前に、

与党内で、参院議員を中心に、「これでは選挙を戦えない」との反発が高まったことが背景にある。

当初、防衛相の更迭は必要ないとしていた安倍首相にも批判が及ぶ可能性も出てきた。

参院選で自民党が敗北した場合、首相の責任がより一層問われることになるのは必至だ。

公明党の浜四津敏子代表代行は3日午前、「ご自分で身の処し方を賢明に判断していただきたい」

と記者団に述べ、自発的辞任を強く促した。

同党の支持母体である創価学会は、核兵器の廃絶など平和主義に力を入れている。

一方、参院自民党内でも、「参院選を控えたこんな時期に国民感情を逆なでするような閣僚は辞めるべきだ」(幹部)との声が出ていた。

自民党の片山参院幹事長は3日午後、「現職閣僚の、しかも防衛相の意見は重い。しかも長崎出身だ。

総合的におもんぱかって、責任を明らかにしたのではないか。(辞任は)ご本人の判断だから、尊重すべきだ」と述べた。

参院選への影響について、町村派の町村信孝会長は

「政権にとってマイナスは間違いないが、早期に辞めたことでダメージを食い止められるのではないか」との見方を示したが、

党内では参院選の情勢について悲観的な見方が強まっている。(2007年7月3日14時16分 読売新聞)


◆コメント:選挙前だろうが、後だろうが、久間発言の不謹慎、非常識は同一である。

読売新聞の記事を転載したことに特に意味は無いけれど、

久間防衛相が自らの発言の責任をとって辞任した背景には、目前に迫った参院選を前に、

与党内で、参院議員を中心に、「これでは選挙を戦えない」との反発が高まったことが背景にある。


と、「解説」しているが、読売は、ひとをバカにしている。

そんなこと、皆、分かっている。

分かっているが、その何でも「選挙」を軸に考える政治家やマスコミの思考自体が、久間発言問題の本質を正しく捉えていない。

久間前防衛相の、あの、辞任会見においてまで、「こいつ、まだ、分かっていないのではないか」と思いたくなるほどの

驚異的なノーテンキさ加減は、最早、論じても始まらない。箸にも棒にもかからない、とはこのことだ。

問題の本質は、太平洋戦争末期に、米国が広島と長崎に原爆を投下したことを許容する内容の発言そのものである。

その不見識・不謹慎・非常識さは、例え目前に国政選挙があろうがなかろうが、また、選挙前だろうが後だろうが、

同一である。それは、感情論ではなくて、歴史を読むと明らかなのだ。


◆広島への原爆投下への第一報を受け取ったとき、トルーマン米大統領らが見せた感情は「ほとばしるような歓喜」だった。

私は昨年、『暗闘 スターリン、トルーマンと日本降伏』(中央公論新社刊)←ポツダム宣言対日「通告」前に原爆投下は決定されていた

という記事を書いた。

取り上げた本は暗闘―スターリン、トルーマンと日本降伏である。

著者の長谷川 毅氏は、日系アメリカ人の、ロシア史を専門とする歴史学者である。1941年生まれで東大教養学部卒。

米国籍を取ったのは1977年だが、国籍は問題ではない。

「暗躍」は、ロシア語、英語、日本語の資料を自在に読みこなすことが出来る長谷川氏にしてはじめて書ける本である。

最も重要な点を要約すると次の通り。

原爆投下の背景にあったのはアメリカとソ連との間に繰り広げられた、「日本を巡る覇権争い」だった。

アメリカは何としてもソ連よりも先に日本を無条件降伏に持ち込みたかった。

その手段として、「原子爆弾を日本に投下すること」は、ポツダム宣言を日本に通告する前から既に決まっていた。

広島に原爆が投下されたとき、トルーマン大統領はポツダム会談を終え、帰国途中で、米海軍重巡洋艦「オーガスタ」艦上で

ランチの最中だった。

海軍士官が一枚のメモをトルーマン大統領に渡した。それは広島への原爆投下大成功の知らせだった。

トルーマンがその瞬間に見せた感情は、

「ほとばしるような歓喜だった」

強調するが、「暗躍」は資料に基づいてプロの歴史学者が書いた歴史書であり、想像で書かれた本ではない。


◆非戦闘員の虐殺は紛れもなくテロである

一人なのに、「日本のCIA」と呼ばれるほど、内外の情報に通じている青山繁晴氏が世界政府アメリカの「嘘」と「正義」

ではっきり書いているが、広島・長崎への原爆投下は非戦闘員の大量虐殺であり、永遠に許されないテロリズムである。

「あれ以上戦争を長引かせない為に、原爆投下は有効だった」とアメリカは今でも主張するが、それはウソである。

敵国ならドイツも敵国なのに、ヨーロッパには原爆を落とさず日本を標的にしたのは、同じ白色人種よりも、黄色人種の方がやりやすい、

つまりレイシズムによるものである。

また、科学実験は、最低二回行って、結果を確認するのが常識であること。また、戦争体験者の読者が教えて下さったが、

米国が、原爆投下後、「被害者の治療の為」と称して医療施設を広島に建てたことを考えると、

アメリカが広島のみならず、長崎にも投下したのは、人体実験であったことは、明らかである。


◆米国調査団は終戦翌年、トルーマンに「原爆を投下しなくても日本は無条件降伏しただろう」との報告書を提出している。

原爆投下後、米戦略爆撃調査団という政府の調査団が日本に来て、日本各地を視察・調査した報告書をまとめた。

それを終戦の翌年、1946年7月、原爆投下を決定したトルーマン大統領に提出したが、結論は、

「あらゆる可能性を考えに入れても(原爆投下、ソ連参戦、本土上陸作戦がなかったとしても)1945年11月1日までに−中略−(日本は)無条件降伏していただろう」

ということである。


◆結論:実証的に考察しても、「原爆はしょうがない」は誤りである。

久間前防衛相の発言は、「国民感情を逆撫でするから」けしからんだけではなく、ましてや、「選挙前だから」などは全く関係なく、

歴史学者が検証した事実を見れば、冷静に判断して、間違っていることは明らかである。

本当はこういうことは、新聞その他、プロのジャーナリストが国民に分かりやすく書くべきことである。




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