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2006年07月03日(月) |
北朝鮮の目論見 6カ国協議より対米直接対話 現状解説。 |
◆北朝鮮は何故あんなことをしたのでしょう。
北朝鮮がミサイル発射の準備をしているという情報は5月から一般にも報道されていました。
金正日は、アメリカに言いがかりをつけられて、国の中をごちゃごちゃにされたイラクを見て、「あの二の舞はご免だ」という気持ちがあります。
アメリカは北朝鮮を「悪の枢軸」と言っています。
まあ、アメリカも核兵器を持った国の本土をいきなり攻撃したことはないのですが、北朝鮮は、世界一の超大国に、北朝鮮という国家の存在を認めさせたい。
◆北朝鮮と世界との窓口は六カ国協議しかないのですが、北朝鮮は乗り気ではない。
6カ国協議というのは、2002年、北朝鮮が核兵器を開発していることを世界に対して認め、核拡散防止条約から脱退したのがきっかけで、
こりゃ、北を放っておくと何をするか分からんというので、関係が深い、日本、中国、ロシア、韓国、アメリカ、北朝鮮で会議を開こうとしたのです。
何とか、北朝鮮を国際会議の場に引きずり出そうとして作られた会議なのですが、北朝鮮は中国や韓国との交渉はどうでも良い。
日本は、日本のカネは欲しいけれども、(当然なのですが)拉致問題をしつこく言ってくるので北朝鮮から見ると、鬱陶しい。
それよりも、世界で最も軍事力その他強大な国力を持つアメリカに「お前のところはイラクみたいにしないから、安心しな」と云って欲しいわけです。
そうすれば、北朝鮮から見れば、他の国など怖くない(失礼な話ですが)。
また、アメリカは北朝鮮がマカオに持っている口座を凍結したりして、北朝鮮が外国の銀行においている多額の資金を使えないようにしています。
これが、かなり効いた(北朝鮮にとって打撃だった)ようです。だから、このカネも何とか凍結を解除して欲しい。
大雑把に言うと、このような理由により、北朝鮮はアメリカとの二国間対話、直接対話を実現したいのです。
◆6月上旬にアメリカ高官を平壌に招待して断られた。
直接対話を実現するために北朝鮮は6月1日に、アメリカ政府の北朝鮮担当者、ヒル国務次官補を平壌に招待したい、といいました。
ところが、ブッシュが断りました。
「米国は6カ国協議でのみ、北朝鮮と交渉する。直接交渉はしない」
と言ったのです。6月9日に共同通信が伝えています。
◆その後から、ミサイルをチラつかせてきたのです。
北朝鮮がミサイルの発射準備をおおっぴらに始めたのが、大体その後からです。
「アメリカが直接対話に応じないなら、ミサイル撃つぞ!」ということですが、これも手段としては幼稚です。
「ミサイル撃つぞ」と脅かされて、アメリカが、「分かった。会おう」というわけないじゃないですか。
面目丸つぶれ。北朝鮮の脅しに屈したことになるのですから。
ただ、北朝鮮はこれより他に、アピールする手段がないのです。
◆アメリカは中国に六カ国協議に「北」を出させろよ、と要求しました。
六カ国協議を主導しているのは中国なので、アメリカから、中国に対して、北朝鮮を六カ国協議に出させるよう説得しろよ、と要求が入りました。
中国は北朝鮮を支援していますが、アメリカと北朝鮮のどちらがよりおっかないかといえば、それはアメリカですから、色々と試みているようでしたが、上手く行きませんでした。
韓国も盧武鉉大統領は、北朝鮮を追い込むより、対話に持っていこうという「宥和政策」を続けています。
金大中の頃から始まった「太陽政策」(イソップ物語の北風と太陽の寓話から来ています)を踏襲している。
アメリカの偵察衛星や、日本の情報当局が、「北朝鮮がミサイル発射準備をしているぞ」といっているのに、
「いや、あれは人工衛星だよ。大丈夫だよ」と言い張っていました。
昨日、やはりミサイルだったことが明らかになり、韓国も面目をつぶしました。
今日の中央日報【社説】ミサイル危機、韓日米の共助優先は怒り狂っています。
「日本やアメリカがミサイルだといっていたのに、わが国だけ、人工衛星だと言い続けて、いまさらどうやって弁明するつもりだ!」
ということをかなり厳しい論調で書いています。
◆日本も内閣総理大臣が対話対話と言い続けているからあまり威張れた物ではない
北朝鮮は、もう一発テポドンを撃つ準備をしているようですが、これを撃ってしまったら、とりあえずテポドン2号は打ち止め。アメリカに届くミサイルがない。
やらないとは思いますが、アメリカは、「事前通告も無しに発射されたら戦争と区別がつかない」と言っているし、
万が一、テポドン2号がアメリカ本土に届くか届きそうになったら本当にヤバい。
アメリカは相手に先制攻撃させておいて反撃するのが大好きですから。
金正日は狂っているように見えますが、それはない、と思います。
ミサイルを落下させた場所は、丁度無難な場所に集中させています。やけくそではない。しかし、一触即発、というのが、現状です。
日本では、小泉首相が、「対話が大事だ」と繰り返しながら、全然対話が進まず、緊張緩和に成功していない。
やはり、金融制裁とか、その他の経済制裁とかしないと、ダメでしょうね。
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