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2007年04月01日(日) |
能登半島地震その後/今月のN響アワーは面白そうですよ。 |
◆能登半島地震その後
美しい、楽しい音楽を聴いた後、現実(人の世の出来事)に戻るのは辛いものです。
しかし、明日の朝から仕事なので、リハビリもかねて、若干触れます。
◆記事:仮設入居で調査書配布=「とにかく早く」、住民ら切実−能登半島地震・輪島市
能登半島地震で多数の家屋が倒壊し、約1000人が現在も避難所で生活している石川県輪島市は1日、
仮設住宅への入居希望者数を確認するため、市内24カ所の避難所で調査書を配布した。
長期化する避難所暮らしに、調査書に記入した女性からは「とにかく早く入れるように」との声が聞かれた。
調査書には、自宅の被害状況や入居希望人数などを記入し、避難所の市職員に提出する。
親類の家などに避難している住民からは電話での申告も受け付ける。
(4月1日21時32分配信 時事通信)
東京では、桜が満開です。というか早くも散り始めました。
私は、桜を見て酒を飲んで騒ぐという趣味はありませんが、都内はどこも花見客で一杯だった様です。
多分、皆、能登半島で地震があったことや、いまだに約1,000人もの人々が避難所で途方に暮れて暮らしていることなど忘れていたことでしょう。
余談になりますが、私は30数年前に中学に入学しました。
真新しい国語の教科書を開いたら、最初に、短いけれど、極めて分かりやすい「詩」(というか殆ど散文ですが)が載っていました。
思わず身が引き締まる思いでした。一言一句はっきり覚えています。
「春だという。桜だという。だが、ちょっとお待ち。どこかで泣いている人もあろうに」
今、まさにそのとおりですよね。
意外にも、多くの方は、Yahoo!ボランティア「 インターネット募金」「「能登半島地震」義援金」の存在を知らなかった、
或いは今でも知らないようなので、今一度、リンクを貼っておきます。
2007年04月02日(月)00時15分現在、募金金額は5,847,500 円に達しています。
◆今日(4月1日)のN響アワーはボレロの希代の名演だったのです。
日曜日の夜9時から放送されるN響アワーという番組は、クラシック・マニアのみならず、
「クラシックとか、オーケストラのこと、良く知らないんだけど」という人にもなるべく楽しめるように工夫してあります。
今日の企画がまさにそれで、視聴者から、何でもいいからオーケストラに関する質問を募って、
司会の作曲家池辺晋一郎先生が答えるという、楽しいものでした。
勿論、過去の演奏の録画も何曲も放送しました。
番組のはじめの方で、あれは何年前だろう?10年にはならないと思うのですが、
デュトワ指揮、ラベル作曲「ボレロ」を演ったんです。
この時のボレロが、非常な名演でして、これを放送するなら事前に知りたかった。
そうしたら、皆さんに予めお知らせ出来た訳で、残念です。
私は「ボレロ」について語るとき、どうしても、難しいので有名なトロンボーン・ソロに
言及したくなるのですが、今日放送されたのは特に素晴らしかった伝説的名演なのです。
当時の首席トロンボーンの神谷さんという方(どういう訳か、既に退団なさいました)が、ソロを吹いたのですが、
いや、上手い上手い。なかなか、これほど完璧な演奏はないです。
演奏終了後、指揮者がソロを吹いた管楽器奏者(首席全員ですね)を立たせて
(これは、ボレロに限ったことではありません)、演奏を讃えるのですが、
神谷さんのときには、N響の他のメンバーがお客さんより興奮気味に、盛大に拍手してました。
ファゴットの岡崎さんなんか、完全に振り返ってしまって、大喜び。
オーケストラプレイヤーにとって一番怖い聴衆は、実は仲間の音楽家なんですね。
そりゃそうですよね。誰よりも苦労が分かるし、お客さんが分からないような、ちょっとした失敗も分かってしまうのですから。
◆ソリストをオーケストラがどの程度評価しているか、簡単に知る方法。
上述したのはオケ内部の話です。
コンサートに行って、特に協奏曲が、プログラムに含まれている場合、
「上手いのかどうか今ひとつ分からん」、と思ったら、オケのメンバーの反応を観察することです。
何か無表情に、如何にもおざなりに拍手の真似(弦楽器の人は、弓を持ったまま軽く振るだけ)をしているのなら、
そのソリストは、大したことないです。
「下手じゃないけど、これぐらいの人は、ゴロゴロいるわい」と、思っているのです。
本当に、ソリストの演奏にオーケストラが感心したときは、弦楽器の人々は楽器と弓を膝において、「まともな」拍手をします。
但し、誤解しないでいただきたいのですが、たとえ、その日の演奏が「大したことがなく」ても、
そのソリストが、ずっとダメなソリストだ、という意味ではありません。
音楽の演奏は毎回が「勝負」で、たまたまその日の演奏は調子が悪かったけど、次は非常な名演奏をするかも知れないのです。
逆の言い方をするなら、如何に有名なソリストであっても、
その日、その時の演奏が、何らかの理由で「凡演」だったら、オケはお義理で拍手をしません。
厳しい世界です。
◆ハイドンの続き。弦楽四重奏曲「皇帝」第二楽章。きれいですよ。
時事問題とN響を書いたら、昨日お約束したハイドンが最後に来てしまいました。
ハイドンは「交響曲の父」といわれますが、カルテット(四重奏という意味ですが、普通、弦楽四重奏のことです)の父でもあります。
音楽家にお話を聞くと例外なくカルテットなどの小規模な合奏(「室内楽」といいます)はとても楽しい、と云います。
オーケストラが楽しく無い訳じゃないけれども、結局、指揮者の音楽です。
自分はこう弾きたい、と思っても、指揮者の要求に従わなければならない。
それに対して、室内楽は自分たちの演りたい曲を、演りたいように演奏できる。
カルテットなら、第一、第二バイオリン、ビオラ、チェロの四人が話し合いながら練習して、音楽を創っていくから、楽しいのでしょう。
因みに池辺晋一郎先生のダジャレによると、「始終相談」するから「四重奏団」なのだそうです。なるほど・・・。
前置きが長くなってしまった。
ハイドンの弦楽四重奏曲で最も有名な一つ。「皇帝」の第二楽章です。
説明は要らないと思います。一応、変奏曲なんですが、主題が常に残っているので、割と単純な形式の変奏曲です。
そのかわり、というか、そのおかげで、美しいメロディーをずっと聴くことが出来ます。
ダウンロード Emperor.mp3 (7146.3K)
いいですよね。これ、演奏しているのは全員日本人なんですよ。
並の上手さじゃないです。世界的レベルです。
◆今月のN響アワー、面白いですよ。きっと。
放送日が近づいたら書きますが、
来週はチャイコフスキーの交響曲第五番(カッコイイのです)。
次が、「吹奏楽部員に聴いて欲しいオーケストラ曲」
その次の週が、トランペットの特集(ムヒヒ)。
という次第です。
それでは、また。
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