JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:河邨文一郎氏死去 詩人、札幌医大名誉教授
なんという、美しい日本語!なんという、ロマンティシズム!と、私は子供心に思った。今もその思いは変わらない。ところが、ずっと後になって知って驚いたのだが、この曲の作詞をなさった、河邨文一郎という人は、整形外科の先生だったのである。 医師であることは驚くには及ばない。医者であり、文学者であった人は大勢いて、古くは森鴎外にはじまり、斎藤茂吉、その息子の北杜夫も医師である。文学ではないが、手塚治虫も医学博士だった。河邨文一郎氏と同じ札幌医大からは、ご存知、渡辺淳一がいる。しかし、河邨先生と渡辺淳一を一緒にしては、河邨先生に失礼だ。河邨先生のほうがよほどロマンティックである。 無論お目にかかったことはなく、テレビで写真を拝見しただけなのだが、写真を拝見して驚いた、というと本当は失礼なのだが、如何にも実直な、大正生まれの、お医者様、という雰囲気の紳士なのだ。 偉そうなのではない。ただ、このおじさん(重ね重ねご無礼)があれほどロマンティックな歌詞を書いたとは・・・・という、うれしい驚きを覚えたのを鮮明に覚えている。やはり、男はロマンティストが多いのだな。 当時、この曲を歌ったのは男女混声デュオ、山室英美子と芥川澄夫によるトワ・エ・モア。(山室さんは今は確か白鳥さんになっている)。詩もメロディーも、演奏(歌)も夢のように美しい。 オリンピックは言うまでもなくスポーツの祭典であり、スポーツとは要するに勝つために行うものだ。ミュンヘンオリンピックの男子バレーの森田選手がいみじくも「スポーツってのは要するに喧嘩ですからね」とおっしゃっていた。そのとおり。争いごとなのである。 しかし、「虹と雪のバラード」は、そういうことを感じさせないやさしさに包まれている。 「世界から若者があつまる。そこには美しい町ができて、歌ができる。恋が生まれるかもしれない。それは、君のおかげだ、オリンピックよ。」と、静かに語りかける河邨氏は、天性の詩人だ。 今日は、私の頭の中でずうっと、「虹と雪のバラード」が流れつづけている。河邨さん、美しい詩を、ありがとうございました。
2003年04月01日(火) イラク戦、これまでに8700発以上の爆弾やミサイル使用=米国防総省 アメリカの方が余程「大量破壊」しているじゃないかよ。
JIRO
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