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JIROの独断的日記
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2007年03月10日(土) 「同じ曲を異なる楽器・演奏形態で」シリーズ。パガニーニ「無窮動」

◆弦楽器の神秘

昨日、私は、人間の能力は捨てたものではない、と書いたけれども、

オーケストラで用いられる弦楽器の演奏を考えただけでも、それは明らかである。

楽器の製作の面からも論ずることはできるが、それはややこしいので、置いておく。

演奏するときに、弦楽器奏者は、右手に弓を持ち、左手の指で弦を押さえる位置を変えて、音程を変化させる。



その、左手の位置は、ただひたすら練習によって身体に覚え込ませるのである。

今となっては当たり前だが、最初にバイオリンなどの弦楽器を作った人は、一体どうしてそんなことが可能だと思えたのだろうか?

普通、絶対に無理だ、と考えるのではないかと思うが、「出来るはずだ」と見抜いた天才がいたのだろう。

事実可能だった。

但し、これを習得するためには、気の遠くなるほど、辛抱強く、繰り返し練習しなければならない。

オーケストラの弦楽器奏者は全員、その試練に耐えた人々なのだ(勿論、ソリストも、だが)。


◆パガニーニという天才がいた。

イタリアにパガニーニ(1782〜1840)というバイオリン演奏の天才がいた。

あまりにも上手いので、悪魔に魂を売り渡した代償としてあの技術を手に入れたのだ、と言われた。

自ら作曲もした。自分が上手いから、これでもか、というほど難しい技術をてんこ盛りにした曲集を書いた。

「24のカプリース」という。

バイオリン協奏曲は2曲かいた。第2番の第三楽章の主題を使って、

のちに、リストがピアノ曲「ラ・カンパネラ」を書いた。

リストはパガニーニの演奏を聴いて、音楽家になる決心をしたのである。


◆約四分間、ずーっと16分音符を弾き続ける「無窮動」

パガニーニの作品の中でもユニークな「無窮動」という曲がある。「常動曲」と訳すこともあるが、

文字通り、弾き始めたら最後、細かい16分音符を約4分間弾き続ける。一カ所つまずいたら、終わりだ。

まあ、聴いて下さい。まずは、バイオリン独奏。古い録音だ。昔の名人である。音質が良くないがご容赦のほど。

ココログへのリンクです


一人で弾いても充分難しいが、なんとこれをオーケストラのバイオリンセクション全員で弾いた録音がある。

昔、トスカニーニという世界的指揮者がいた。彼の手兵、NBC交響楽団の為に、自分でアレンジした。

バイオリン10数名(又は20数名)が、恐るべきテンポで、ピタリと合わせている。

この場合、曲自体の難しさに「合わせる」難しさがあるが、NBCってのは、トスカニーニにしごかれて、

すごい実力を持っていたことが分かる(もともと上手い人しか入れないのだが)

これも、音質は悪いが、70年前の録音なので、悪しからず。

ココログへのリンクです


次は、このバイオリンの何曲を、チェロで弾いている録音。楽器が大きいから、当然、左手の運動量、移動距離は大きくなるが、

この人は、上手い。完璧。



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最後はなんと、リコーダーである。ソプラノリコーダー。



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リコーダーは、日本では不幸にも、子供のオモチャと思われているが、極めればこういう演奏ができるのです。

それでは、また。

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