外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
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2007年02月17日(土) 「外為取引で追徴100人、申告漏れ半年で計20億円」←為替なんかやってはいけません。

◆記事:外為取引で追徴100人、申告漏れ半年で計20億円

個人投資家向けの外貨金融商品として人気の高い「外国為替証拠金取引」(FX)で多額の利益を得ながら税務申告を逃れたとして、

投資家が国税当局から相次いで追徴課税されていることが分かった。

昨年12月までの半年間だけで100人を超え、申告漏れ総額は約20億円に上るとみられる。

1年間で数億円の利益を上げながら無申告の投資家もいた。

取引業者には一部を除き、個別の取引を記した書類を税務署に提出する義務のないことが、

相次ぐ申告漏れの背景にあり、税法の不備が浮かび上がった形だ。

外為証拠金取引は、元手となる証拠金の数倍から数百倍に上る米ドルや欧州ユーロなどの外貨を売買し、為替の変動による利益を狙う。

リスクも大きいが、わずかな手持ち資金でハイリターンを期待でき、

インターネットで24時間取引できることもあって、投資家の人気を集めている。

(2月18日3時11分配信 読売新聞)


◆素人が外国為替取引などやってはいけない。

以前にも、外為取引に関して書いたことがある。

組織的詐欺」と慰謝料も=外為証拠金業者に賠償命令−東京地裁 素人が外国為替に手を出してはいけません。である。ココログ版ではここにあります

尤も、この時のニュースは、外為証拠金取引業者が顧客から集めた証拠金で自己売買をして、

損失を被り倒産して、どこかへ逃げてしまったり、捕まったり、と言う話で今回とは状況が違う。

引用した記事によれば、今度は、個人が外為で実現利益を上げておきながら、所得として申告しなかったので、

脱税として扱われ、追徴金を取られていた、という話である。

つまり、2005年11月では顧客は「損をし」ていたのに、今回は「儲かっ」ていたのである。


私が強調したいのは、脱税・追徴金云々(うんぬん)ではない(それが問題ではないとは、言わぬが)。

それよりも、この「大儲けした人間が100人以上もいる」事実に気を取られ、

「自分も・・・」と考える人がいることである。

外為証拠金取引で扱うのは、所謂「スポット為替」という一番原始的な相場取引なので分かりやすいが、これほど危ない取引も無い。

株のデイ・トレーディングどころではない。

下手をすると、文字通り一秒で数百万円、数千万円の損失を被る。詳しいことは、

組織的詐欺」と慰謝料も=外為証拠金業者に賠償命令−東京地裁 素人が外国為替に手を出してはいけません。か、

又はココログ版の同じ記事を読んでいただきたい。


◆それにしても、読売新聞の記事の締めくくり方が良くない。

読売の記事の書き方、特に最後が良くない。

リスクも大きいが、わずかな手持ち資金でハイリターンを期待でき、

インターネットで24時間取引できることもあって、投資家の人気を集めている。

「人気を集めている」のが「良いもの」とは限らない。

リンク先にも書いたけれど、いくら金利や経済指標を分析しても、チャート分析を駆使しても、損をするときは必ずある。

ありていにいえば、「丁半バクチ」なのである。

銀行・証券会社・生命保険をはじめ、普通の事業会社(商社・メーカー等々)で、

一日中、何年も、何十年もこういうことをしているプロですら、毎回上手く行くとは限らないのである。

また、欧米の大証券会社や投資銀行(メリルリンチとか、ゴールドマンサックスとか、挙げるとキリがない)には、

お抱えのエコノミスト(文字通りの意味は「経済学者」だが、要するに、経済全般・金利・為替などの予想をする専門家)がいるが、

彼らが定期的に出すレポートでも、こと「為替相場」に関しては慎重だ。

たとえば、3か月後、6か月後、1年後にはいくらになっているか、に関しては、出来る限り表現に曖昧さを持たせている。

後で、もしも、予想が外れてもクビになったり訴えられたりしないためである。

要するに、外為相場取引は、理屈でやっても、勘に頼っても、百発百中ということは絶対にない。


引用した記事では、印象として「個人で莫大な利益を上げた人がいること」、が読者の記憶に刻み込まれる。

実際には、その何倍、何十倍もの(多分)損をした人がいることを併記するべきなのである。


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