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2005年02月17日(木) |
マーチ(行進曲)で元気を出してください。 |
◆一番馴染みやすい音楽。
私は、発掘あるある大事典という番組を見る習慣が無いので、知らなかったけれども、先日の放送で、集中力を高めるにはマーチが一番効果的だという実験結果を放送したらしく、番組のホームページにも載っていますね。集中力云々という「御利益」はともかく、マーチは楽しいですよ。
◆そこに紹介してある曲だけでは、つまらないです。
多くの人はマーチを運動会や軍隊が行進するときのための「実用音楽」だと思っていて、マーチだけを、鑑賞の対象として落ち着いて聴いたことは無いと思うのです。
実用音楽としてのマーチで一番よく使われるのは、アメリカの作曲家、ジョン・フィリップ・スーザという人の作品です。
よくぞこれだけマーチばかり(ほかの作品もあるのだけれども)たくさん書いたなとおもいます。
曲名が面白い。「ワシントン・ポスト」は云うまでもなく、いまでも米国の大新聞ですが、この会社が昔、「全米小学生作文コンクール」を開催して、その表彰式のために、スーザに作曲を依頼したので、新聞社の名前が曲名になっちゃった。
たぶん、新聞社の名前が付いた音楽は世界でこの曲だけでしょう。
「キング・コットン」というのも企業名です。
これは、年代はちょっと手元に資料がないが、ある年に開かれた「全米農業博覧会」に出品していた「キング・コットン」という紡績会社が、展示場の前で演奏させようというので、やはり、スーザ先生に作曲を依頼したのであります。
面白いね。日本なら「行進曲・朝日新聞」とか「行進曲・丸八真綿」とかいうことですな。
スーザのマーチは、実用のために創られた曲であっても、なかなか気持ちが良い音楽だと思います。
マーチングバンド(更新しながら、マーチを演奏すること)用に、チューバという低音楽器を持ちやすいように改良したのを「スーザ・フォン」といいます。
アメリカでは、マーチ=スーザなので、この名前になったのですね。
ちなみに、以前テレビを見ていて、本人が云っていたのでびっくりしたのですが、女優の仲間由紀恵さんという子は、華奢な感じですが、ブラスバンドでこのスーザフォンを吹いていたそうです。
◆スーザだけじゃない。理想的なマーチ集といえば、これ。
もうだいぶ前に亡くなりましたが、レナード・バーンスタインというアメリカの作曲家(ウェストサイドストーリーを書いたのはこの人です)・指揮者・ピアニスト。ユダヤ人ですから、もう天才です。
指揮者としては、アメリカ最古のオーケストラ、ニューヨーク・フィルハーモニック(よく、日本では、「ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団」と訳しているけれども、正式な団体名は、"New York Philharmonic"で、「管弦楽団」に相当する単語はないのです。)の音楽監督をずっと務めて、その名を世界的なものにしました。
但し、若い頃のバーンスタインはエネルギーが有り余っていて、何でもオーケストラをがんがん鳴らしすぎる傾向がありました。若気の至りです。
晩年、落ち着いてからは、非常に深い音楽を演奏するようになりました。
一般的にいって、ヨーロッパ人はアメリカ人をバカにしています。ところが、由緒正しい、彼のウィーン・フィルですら、晩年のバーンスタインを「カラヤンと並んで、いつでも振って欲しい音楽家だ」と最大級の賛辞を与えるようになりました。
ウィーンフィルに「いつでも、振って欲しい」なんて云ってもらえる指揮者は、まず、いないのです。
そのバーンスタインがまだ、「若気の至り」の頃ではありますが、大変、オーケストラと気があって、オーケストラもやる気満々で演奏しているのが星条旗よ永遠なれ マーチ名曲集というこのCDです。私は、このアルバム、CDで聴いたことがまだありません。高校生の頃、何十回も聴きましたが、当時はCDというものはまだ、この世に存在せず、アナログレコードだったのです。
その頃は、気に入った盤を何度も聞くことを「レコードがすり切れるほど」と表現したものです。今では死語になってしまいましたね。
◆アメリカのマーチだけではないのが、特徴です。
このCD、たくさんはいっていますよ。
- ワシントン・ポスト(スーザ)
- 忠誠(スーザ)
- 雷神(スーザ)
- 双頭の鷲の旗の下に(J.F.ワーグナー)
- 海を越える握手(スーザ)
- 星条旗よ永遠なれ(スーザ)
- ラデツキー行進曲(J.シュトラウス1世)
- リパブリック讃歌(ステッフ)
- 錨を上げて(ツィンマーマン)
- ボギー大佐(アルフォード)
- ラ・マルセイエーズ(ルジェ・ド・リール)
- 国民の象徴(バーグレイ)
- カルメン」第1組曲~闘牛士の行進(ビゼー)
- 「威風堂々」第1番(エルガー)
- 劇音楽「アタリー」~僧侶の戦争行進曲(メンデルスゾーン)
- アイーダ大行進曲(ヴェルディ)
- タンホイザー行進曲(ワーグナー)
- 歌劇「予言者」~戴冠式行進曲(マイアベーア)
- 「コーカサスの風景」~酋長の行列(イッポリトフ=イヴァノフ)
- 劇音楽「ファウストのごう罰」~ラコッツィ行進曲(ベルリオーズ)
アメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、ロシアの作曲家がほどよく混ざっています。
「威風堂々」はエルガーという英国の作曲家の作品ですが、聴けば、絶対に「ああ、あれか」と思うでしょう。
「アイーダ大行進曲」っていうのは、本当は、そんな名前の曲は無いのです。 ヴェルディというイタリアの作曲家が書いたオペラ・「アイーダ」の中の「凱旋行進曲」です。
どうしたことか、この前のサッカーのワールドカップのときに客席の坊やたちが、これをぼそぼそ歌っていましたね。
本当はもっとキリッとしまった音楽です。
「アイーダ」のこの部分では、この曲でしか使われない、「アイーダ・トランペット」という特別なかたちをしたトランペットが、大活躍をします。
普通、オペラでは、オーケストラの奏者はオーケストラピットという「あなぐら」に閉じこめられて、全然人目につかないのですが、アイーダでは、衣装をつけて、舞台上で、アイーダトランペットを用いて演奏します。非常に印象的であります。
そのほかにも、随分ありますね。「ラ・マルセイエーズ」はフランスの国歌ですね。しかし、確かにマーチです。
◆「コンサートにおけるマーチ演奏」を楽しんでください。
コンサートといっても、もちろんこれはスタジオ録音なのですが、運動会の入場行進のためにブラスバンドがマーチを演奏するときと、このように、演奏会の曲目として演奏する場合とではプログラムの組み方も、演奏の仕方も違います。
スーザの曲は実用にも鑑賞にも使えます。
演奏会でマーチを演奏する場合は、人間の歩くテンポでやると、間延びした感じになります。
ですから、コンサートでマーチを演るときは、ずっと早目のテンポに設定するのが普通です。
テンポが違うだけでも、音楽は、全く違う表情を見せます。 そのあたりも、楽しんでいただきたいですね。
とにかく、どうぞ、気軽にお楽しみください。
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