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2007年02月02日(金) |
小泉前首相の大問題発言では騒がなかったのに、柳沢発言で大騒ぎする滑稽。 |
◆記事:<柳沢発言問題>野党ボイコットを閣僚批判(2月2日18時4分配信 毎日新聞)
柳沢伯夫厚生労働相の発言問題を理由に野党が補正予算審議を拒否していることに対し、2日の閣議後会見で各閣僚から批判が相次いだ。
長勢甚遠法相は「大事な補正予算を審議しており、論議に参加するのが当然だ」と指摘。久間章生防衛相も「言葉をとらえて審議しないっていうのはちょっとどうか」と述べた。
◆コメント:柳沢発言でこれほど騒ぐのなら、小泉はものすごい大問題発言を連発していたのに何故騒がなかったのか?
以前、"Sense of proportion"(平衡感覚)ということ。と題して稿を上げたことがある。
物事の重要度を正しく判断し、それぞれに相応しいエネルギーを配分する感覚という意味である。
今回の「柳沢発言」に対する世間と野党の反応は、Sense of proportionに欠けている。
柳沢発言が不注意だったことは、私も認める。
それはエンピツでは1月30日付の日記に書いた。
しかし、はっきり言って「天下の一大事ではない。」
◆イラク戦争を「正しい」と言った小泉・安倍の発言こそ、内閣総辞職か、衆議院解散してもおかしくない大問題発言だったが、国民は全然騒がなかった。
今回の柳沢厚労相の発言を、普段ブログで時事問題を取り上げないような人まで(言い方は悪いが猫も杓子も)取り上げるのか?
理由は簡単。何の専門知識も要らないからだ。
国家の仕組みも法律の知識も、国会運営のあり方も知る必要はない。
マスコミによって不適切に伝えられた
柳沢厚労相の「女は子どもを産む機械」(30日付(エンピツ)の日記も書いたのでくどいが、
柳沢氏はこの通りに発言したのではないのだが・・)という、デフォルメされて伝わってしまった発言に感情的に反応すればよいからである。
普段、天下国家を論じていなくても、感情を剥き出しにするだけで政治的な論評をして、政治家=権力を叩きのめした気分になれる、絶好の場になったのである。
しかし、私に言わせれば、柳沢発言が全く問題ではないとはいわないが
(それは、1月30日付の日記で既に書いた)、
小泉純一郎前内閣総理大臣が公の席で述べた数々の大問題発言と比べれば、大騒ぎをするような話ではない。
◆柳沢発言でこれほどさわぐのに、アメリカの人殺しを「正しい」と公言した内閣総理大臣には、何の反応も示さない日本人。
先日、イラク戦争は違法行為であり、議論の余地はないことを、根拠を提示して説明した。
そして、小泉純一郎氏はこれを「正しい」と言い続けた。イラク戦争に正当性はない。つまり、人殺しである。
日本国は公式に、「アメリカによる人殺しは正しい」という見解を世界に向けて発信したことになる。
日本の政治の最高権力者は、日本だけ何とかつつがなく、毎日を送ることが出来ればいいのであり、
その為には、アメリカの機嫌を損ねないことが大切であり、結果として、無辜(むこ)のイラク人が何万人も殺されても、構わないと考えていたのだ。
(開戦直後のみならず、小泉首相は、その後も「私は今でもアメリカの武力行使は正しかったと思っている」と述べている)。
そして、日本の有権者はこういう考え方をする首相を2005年9月の衆院選で大勝させた。
本来、こういうときこそ、内閣総理大臣を非難するべきだったのである。
日本人は、肝腎な局面では、決して騒がない。
「国際法、安保条約、集団的自衛権、何だか面倒臭そうだ。アメリカの言うことを大人しく聞いていればいいだろう」
ということか。
(お前はどうなんだ?と言う方は、私の日記の全過去ログを読んで頂きたい。
そして、「イラク戦争は正しい」という記述が一回でもあったら教えていただきたい。徒労に終わるだろうから、予め書いておくが、一度もない。)
「面倒くさい」で済むのか。「難しそうだから、国際法なんか調べなかった」で済む問題か。
言っておくが、小泉純一郎の問題発言はこれだけではない。枚挙にいとまがない。しかし、誰も騒がなかった。
そして、厚労相の発言になって初めて大騒ぎしている。
Sense of proportionが無い。
これこそ、大問題である。
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