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2006年12月02日(土) |
ベートーベン「交響曲第7番」のお薦めCD |
◆若い人に7番が人気だそうですね。
私は、普段クラシックCDの売上げチャートというのは、見ないのです。
日本人は、「他人が買っているなら自分も・・・」という行動をとりますけれど、
他人がいくら気に入っても、自分が気に入るとは限りません。
但し、「最近はどんなものが売れとるのかな?」という単なる好奇心から、チャートを見ることがあります。
予想はしていたのですが、「のだめオーケストラ・ライブ」というのが、非常に売れているそうですね。
これを見ると、曲目の構成が如何にもちぐはぐなのですが、
それは(私はのだめカンタービレのマンガを読まず、ドラマを見ていないので分かりませんが)、
ストーリーの展開に合わせているからなのでしょうか?
まあ、それは、いいです。
ちょっと面白いのは、ベートーベンのシンフォニーで、所謂「タイトル付き」(「英雄」「運命」「田園」「合唱付き」)ではない7番から
取り上げていることです。
マンガ作者やCD制作者の意図は不明ですが、確かに、7番は名曲です。
◆好きな曲ができたら他の指揮者とオーケストラで聴いてみるのが、クラシックの面白さのひとつです。
歌謡曲と異なり、クラシック音楽は例外的な場合を除き、ある楽曲を特定の演奏者しか演奏しない、ということはあり得ません。
作曲家の原譜に「誰それにこの曲を捧ぐ」などとメッセージが書かれていることがありますが、それは作曲者の気持ちを書いているのであり、
他の人が聴いてはいけないとか、演奏してはいけない、ということは原則としてありません。
そして、ベートーベンの交響曲は世界中のオーケストラが演奏します。
ベートーベンの交響曲を演奏できないようなオーケストラは、オーケストラではありません。
ちょっと話が堅苦しくなります。
クラシック音楽の名曲の凄さは、作曲者の死後数百年(ベートーベンは1770〜1827ですから、来年で没後180年です。ハンパですね)経っているのに、
つまり、すっかり人間を取り巻く環境が変っているのに、
そして、ベートーベンが恐らくその存在すら全く頭に無かった(全く異なる文化圏ということです)、
日本人の心さえ、捉えてしまうということで、これはベートーベンに限らず全ての優れた芸術作品に共通することです。
クラシックは古くさいといいますが、古いのは当たり前ですね。200年前に書かれたのだから。
その古くさい音楽を「今でも、繰り返し演奏されて、聴く人々が感動する」ということは素晴らしいことだと思います。
さて、何故かわかりませんが、「のだめ」で演奏されたベートーベンの交響曲第7番を若い人が気に入ったというのは、
どの程度気に入ったのか知りませんが、結構なことです。
ただ、のだめのCDだけで終わらせるのは勿体ない。
ここで、話が冒頭に戻ります。
クラシックが好きになっても、ならなくてもいいのですが、好きになっていく過程には、いくつかパターンがあります。
同じ作曲家の別の作品を聴いてみる、というのが、一つ。ベートーベンの7番が気に入ったら、3番、5番、8番などは同じように聴けると思います。
もう一つは「同じ曲を別の演奏者(指揮者も演奏者の一部です)で聴いてみる」というやり方です。
これをやると、同一の作品を演奏しても、演奏者の「解釈」により、まるで違って聞こえることに驚きます。
できれば、いろいろ聴いてみます。
そうすると、段々、自分の「好み」が出てきます。
「ここのトランペットはもう少し弱くていいのではないか」
「このティンパニはもっとフォルテで聴きたい」
「この楽章のテンポはもっと速く(遅い)方が好きだ」
こうなると、クラシックが本格的に、趣味に近づきます。
無論、どうするかは、各人の自由です。
◆「7番」の名盤といえば・・・。
ここでは、ベートーベンの7番がたまたま、話に出ましたので、とびきりの名盤を紹介します。
ずっと前にカルロス・クライバーという指揮者が亡くなった時に、
彼の名盤として、ベートーベン 交響曲第4番を紹介しました。
私は、CDとか演奏家を紹介するときに、「伝説的」という言葉を使いすぎることに気が付きましたが、
このカルロス・クライバー、バイエルン国立管弦楽団のライブ録音は間違いなく、「伝説的」名演の名盤と云って良いと思います。
これは、先日「カール・ベーム&ウィーン・フィル(1977年日本公演)」(DVD)30年ぶりですね。ベーム先生。お久しぶりです。(リンク先では「運命」の一部を聴くことができます)で、
DVDをお薦めした、カール・ベームという指揮者が亡くなったときに、カルロス・クライバーが追悼コンサートを行ったライブです。
ベートーベンの4番は、地味な曲とされがちなのですが、クライバーの演奏は、ものすごい迫力です。
このCDジャケットのクライバーの写真、を見て下さい。
「ものすごさ」が伝わってきます。
このCDをお薦めするときに、地味な曲なので迷ったのですが、読者の方から、
「初めて聞いたけれども大変に良かった。」という感想をメールで頂戴して、私も嬉しく思いました。
この4番が演奏された演奏会では、実はもう一曲、ベートーベン交響曲第7番も演奏されたのです。
ところが、指揮者のカルロス・クライバーという人は気むずかしい人で、7番の演奏が気に入らなかったらしく
(どこが、どのように気にくわなかったのかは、分かりません)
CD化を許可しなかったのです。ところが、やっと許可が出て(細かいいきさつは省略します)、今は聴けるのです。
これも、第4番に劣らない、希代の名演です。
これを、国内版として買うと、
3,000円するのですが、輸入盤なら、税込みで約2,000円です。送料は別です。
解説などが日本語で書いてあるか、英語か、ということです。
トラックは何しろ4楽章しかないから、4つしかないわけで、特に日本語でなくても良いし、演奏に関する解説は「必要な」ものではないから、
輸入盤でも良いのではないかと思いますが、これはお好みです。
とりあえず、本稿はここまで。とりあえず、というのは、
明後日がモーツァルトの命日なので、モーツァルトはまた、別に書きます。
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