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◆ここ1年で一番感銘を受けたのは小柴先生のお話です。
社会人になると、なかなか「講義」を受ける機会がないけれど、今年の4月に東大がノーベル物理学賞受賞者、
小柴名誉教授の「物質はどのようにつくられたのか」という講義をポッドキャスティングしてくださって、とても感激した。
その時のことは、2006年04月14日(金) 「東大の講義をビデオポッドキャスト」小柴先生の講義に感銘を受けました に書いた。
小柴先生の講義の一番最初の部分も文字に起こしてあるので、よろしければお読み下さい。
私は、小柴先生の講義の主題である物理学上のテーマは、きちんと理解できていないが、
とにかく講義の冒頭(文字に起こしてある部分)を聴いて、完全に小柴先生を尊敬してしまった。それは、
あのね。あなた方はそう思わんかも知れないけどね。立派な学者っていうのはね、「沢山のことを知っている人」じゃないの。
「知らないことがこんなに沢山あるぞ」と言うことを痛感しているのが、立派な学者なんですよ。
という言葉である。これは、感動しましたね。
ノーベル賞物理学賞受賞者ですら、いや、だからこそ、言えることかも知れない。
◆ソクラテスがいう「無知の知」も同じだ。
小柴先生がソクラテスの真似をした訳ではあるまい。
ご自身の体験から痛感されたことを仰ったのだろうが、古代ギリシャの哲学者ソクラテスも小柴先生も、
偉い人は皆同じことを言うのだな、と素直に感動した。
「無知の知」とは、古代ギリシャ(紀元前5世紀頃)の哲学者、ソクラテスの言葉だ。
「人間は、『自分は何も知らないのだ』ということを自覚するところから、真理の探究が始まる。」
ということである。
そして自分は無知だが、少なくとも「無知であることを知っている」点において、それを知らない人間よりは幾分マシだ、
と、大雑把にいえば、そう述べたのである。
初めてその話を知ったのは高校の「倫理社会」授業だった。「倫理社会」とは、いわば「哲学・思想史入門」のごとき科目である。
そのときは、ソクラテスの話を聞いても、ふーんと思うだけだったが、年を重ねるほどにその意味がわかってきた(ような気がする)。
◆読者の方から色々なことを教えていただいた。
私は自分が多少、ものを知っていたり、客観的、論理的に物事を観察できている(ある程度は)つもりでいたが、甘かった。
「無知の知」に至らなかったわけである。
例えば、昨日のエントリー、いじめを続ける「攻撃的性格」には、脳の器質的異常、若しくはセロトニンが関係していないのでしょうか?は、
JIROの独断的日記ココログ版を読んで下さっている、
伊達さんのいじめの加害者にも心のケアを からTBを頂いてヒントを得たのである。
(ちなみに、伊達マリオさんは、ヨーロッパの言語数カ国語をお話になる、大変な努力の方である)。
また、JIROの独断的選曲による日曜コンサートの稿で、
「オーケストラで一番高い音を出すのはピッコロだ」と書いた。
これに関して、やはり、JIROの独断的日記ココログ版に、
プロのクラリネット奏者でいらっしゃるNべさんから、「一番高い音を出せるのは、シンバルであるらしい」こと。
また、上手いピッコロ奏者は大変貴重な存在であることを教えていただいた。
さすがはプロの音楽家である。説得力がある。
さらに、最新のエントリーで食品と精神状態のことを書いたが、
これに対しては、ココログ版の読者、てんけいさんのコメントにより、
モンゴルの人が日本に来て、コンビニ弁当を食べていたら、キレやすくなった、という情報をおしえて頂いた。
これも私は知らなかった知識である。まことに有難い。
◆要するに私も何も知らないのだ。
「何も」というと極端だが、私は世の中のほとんどのことは知らないし、
ものの考え方も、自分で思っているよりも一面的であることを、読者の皆様から教えていただいた。
ミス・リードするといけないので、念のため書くが、これは、本当に有難いことだと思うのである。
負け惜しみでも、皮肉でも何でもない。
皆さん、完全に善意で様々な情報を、或はものの考え方を教えてくださったり、ヒントをくださっているのだから、感謝しないではいられない。
今日御紹介した方々だけではなく、今までも数え切れないほど読者の方に教えて頂いたり、励まして頂いたので、書き続けることができるのである。
この場をお借りして、全てのかたに御礼申し上げます。
拙い文章ですが、今後ともよろしくご指導、ご鞭撻のほど、お願いいたします。
2005年11月06日(日) 「<NHK記者逮捕>視聴者の不信感に再び火」←受信料不払いの理由にはなりませんよ。/本田美奈子さん。
2004年11月06日(土) 新潟中越地震に群がるマスコミ・政治家の言語道断
2003年11月06日(木) <睡眠改善薬>「ドリエル」、都市部で販売好調←これは抗ヒスタミン薬であって、睡眠のための薬ではないのです
2002年11月06日(水) マスコミのいい加減さ