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JIROの独断的日記
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2006年11月04日(土) JIROの独断的選曲による日曜コンサート

◆気が滅入る話が続いたので、よかったら、音楽を聴きませんか?

いじめの話を二日続けて書いたら、少々気が滅入りました。

勿論、被害者やその家族に比べたら、これぐらいで気が滅入るなんていうのは、甘いかもしれんけど、

ちょっと気分を変えたいと思いました。

CDを売っている店(余談ですが、今のひとって、やはり「CD屋」っていうの?

私はどうしてもいまだに「レコード屋」と言わないと、しっくり来ないのですよ。)で、

「ヒーリング・ミュージック」(心を癒す音楽)というコーナーを見かけます。悪いけど、笑っちゃう。

何故なら、優れた音楽は普(あまね)く、人の心を癒す力を持っているからです。

ヒーリング・ミュージックなどという特別な音楽は、無いのです。

まあいいや、前置きはこのへんで。今日は言葉は少なめにします。

今までは、静かな音楽が多かったので、今日は、パーッといきます。

エンピツをご覧の方は、恐縮ですが、こちらでお聴き下さい。


◆ピアノ:本当の「ラ・カンパネラ」をお聴かせしましょう

何だか、最近の日本では、リストの「ラ・カンパネラ」というと、フジ子・ヘミングになってしまいますね。

私は、音楽記事を書く場合、原則的に、作品も演奏も褒めることしかしません。

つまり、この曲のAさんの演奏はすばらしいけれどもBさんは下手だ、という書き方はしません。褒めるだけです。

しかし、それでも、どうしても我慢できない演奏が、たまにあります。

フジ子・ヘミングさんがその代表格なのです。

これに関しては、以前、大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソですに書いたので、

ここでは繰り返しません。

そのかわり、本来の「ラ・カンパネラ」の演奏を聴いていただきたい。

「カンパネラ」はこのように、テクニックの「切れ味」と終盤にかけてのすさまじいパワーが無ければいけません。

因みに、これを弾いているのは、女性です。

これがプロの演奏というものです。

蛇足ながら、もう一言だけ。

何か気に入った曲に出遭ったら、色々な人の演奏を聞き比べてみることを、勧めます。

そうすると、次第に耳が肥えてきます。


◆次はマーチです。

マーチといえば、スーザ。数多い作品でも最も有名な「星条旗よ永遠なれ」です。

政治の話は無し。

こういうアメリカ人の底抜けの明るさは、私は大変好きです。

本来吹奏楽で演奏する曲ですが、これは、オーケストラで演奏したものです


マーチは、必ず中間部にトリオといって、旋律を優先した、比較的静かな部分があります。

「星条旗〜」の聞き所のひとつは、ここでオブリガート(対旋律というのですが)を吹く、

ピッコロ(正しくはピッコロ・フルート)です。ピッコロというのは、音域が普通のフルートの1オクターブ上です。

実物をみると小さい楽器ですが、その音の響くこと、響くこと。

オーケストラの全ての楽器で最も高い音を出せるのも、この楽器なのです。

大抵の楽器は、他の楽器と音を解け合わせることができますが、ピッコロはあまりにも鋭い、よく通る音なので、

音を出したが最後。隠れることができません。間違えたら一発でバレます。結構専門職です。


◆「芸術は、爆発だ!」ものすごい速さで最後まで演ってしまった「ルスランとリュドミラ」序曲

「芸術は、爆発だ!」を知っている方は、私と同年配以上かな?

昔、テレビのコマーシャルで、故・岡本太郎画伯が、例の興奮状態で叫んでいた言葉ですね。

それはさておき、この言葉がぴったり当てはまる演奏があります。これ、スタジオじゃない。ライブです。

ロシアのサンクト・ペテルブルグは昔、レニングラードといいました。レニングラード交響楽団という凄腕のプレーヤーばかりのオーケストラがありました。

指揮者は、ムラビンスキーという、どんなときでも厳しい、というか、こわーい顔をしたままの、しかし、優れた指揮者です。

外見からは、これほどすさまじい演奏をする人とは思えないのですが、まあ、とにかく、これはすごい。

このテンポで、速いパッセージを全員見事に弾きこなしている。並のオーケストラ、指揮者ではありません。

最近の指揮者は皆平均的になってしまって、このような、聴いている者がひっくり返るほど印象に残る演奏はなかなか、無いのです。

曲は、ロシアのグリンカという作曲家のオペラ、「ルスランとリュドミラ」序曲です。

多分、聴いたことがあると思います。運動会のかけっこで良く流れるのですが、

本来は、オペラの序曲です。運動会用に書かれた音楽ではございません。

始めに書いたように、今日は、「たまには、パーッといきましょう」。という感覚で選びました。

是非、ご感想をお聴かせ下さい。それでは。


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