JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆【お詫び】 原稿を若干加筆訂正しました。 ◆記事1:心臓移植:さくらちゃん「救う会」が募金活動 目標1億3600万円−−三鷹 /東京(毎日新聞) - 9月22日11時2分更新 ◇心臓移植手術しかない−−年内渡米目指し ◆記事2:難病女児の募金に批判 ネット掲示板 (産経新聞) - 9月28日8時0分更新 重い心臓病におかされた女児の救済募金が、インターネット上の巨大掲示板「2ちゃんねる」などで激しい批判の対象になっている。 ◆記事3:臓器移植:みらいちゃん、来月中旬に渡米−−難病で移植手術(毎日新聞) - 9月29日12時1分更新 難病「全結腸型ヒルシュスプルング」の患者で、全国から約1億5000万円の寄付を受けた山下みらいちゃん(6カ月)=春日井市=が、 ◆コメント:何故「みらいちゃん」には何も言わず「さくらちゃん」を批判するのか。 それぞれのサイトから得られる情報によれば、 「さくらちゃんを救う会」の目標額は1億3600万円。9月29日現在、集まったのは、60,031,460円。 さくらちゃんへの募金活動が批判に晒されている、というのでネット上いくつかのブログを拝読したが、 どうも、
などが「批判の根拠」らしい。 特に父親が「NHK」職員である、と言うことが世間の反感を呼んでいるようだ。(要するに単なる嫉みではないのか?) 中には、どういう根拠があってのことかは知らないが、さくらちゃんは移植する必要までの病状ではない「ようだ」などと書いているサイトまであった。 これらの批判を受けて、さくらちゃんを救う会のサイトは、 (当初どのような内容だったか知らぬが、)現在は、費用内訳を掲載し、手術前に病院に支払うデポジット(預け金、保証金のようなものですな)請求書の写し (それが偽物かも知れない、と疑い出せばキリがない)まで、公開している。 ※ロマリンダ大学病院から上田夫妻に届いた文書を添付いたします。(PDF/139KB)(http://www.sakurahelp.com/hp_img/bokin-uchiwake/20060929224042717.pdf) 750,000ドルと確かに表記してある。 また、ご両親からのメッセージが事情を説明する長い文章を書いた。 その中で、上田さんは、 確かに自分は戸建ての家に住んでいるが、当然ローンで借りているから、預金と相殺しても、純資産は負債であること、 医療上の必要性などに関して などが、述べられている。(http://www.sakurahelp.com/contents/ryosin-message.html) 「みらいちゃん」のときには、批判が出たのか出ないのか、確かめられないが、「さくらちゃん」のときほどの騒ぎにならなかった筈である。 「さくらちゃんを救う会」が批判されるのは、要するに、父親がNHK職員であることなどが理由だと、産経は書いているが、そんなことは関係ない。 ◆親がNHK職員であろうが、無かろうが、子どもの病には関係が無いだろう。 「さくらちゃん」募金批判を読むと要するに、親がNHKの「冬のソナタ」のプロデューサーでそこそこの所得がある「筈」で、 「子どもの病気も移植を受けるほどひどい状態じゃないようだ」 という言葉である。 一体、何を根拠に書いているのか、信じられないほどひどい罵詈雑言を書いている人がいる。 何故、困っている人を叩くのか。 ◆移植手術の困難。 「さくらちゃん」の両親の年収が3000万だか、4000万だかある「らしい」と書いた人は源泉徴収票でも見たのだろうか? ◆移植の後は拒絶反応との闘いだ。 移植手術は、「手術が成功すれば終わり」ではない。 ◆最悪の場合は、再移植が必要となるが、上田さんはそこまで想定していないと思われる。 免疫抑制剤を用いても、移植した心臓が、さくらちゃんの身体に合わない、という最悪の場合は、再移植しか手段がない。 ◆結論:募金したくない人は、しなくて良いが、憶測にすぎない「情報」をみだりに流すべきではない。 私はさくらちゃんを救う会に募金したが、私は、医者ではない。 「余程の悪党で無い限り、人間、他人様(ひとさま)に『カネを貸してくれ』と頼むほど、惨めで、切ないことは無い」 と書いている。その通りだと思う。 ましてや、今回は、上田さん夫妻は「カネを恵んでくれ」と世間に顔を名を晒して頼んでいるのだ。 ブログの中で、 「これは、乞食じゃないか」 とひどいことを書いている人がいる。 その通りだから、ひどいのである。それを書いてはいけない。 これは人の親にならないと分からない。 親なら、乞食をしてでも我が子を救いたいと思う。それは、恥ずかしいことでも悪いことでもない、自然な気持ちだと思うのである。 それはそうなのだが、それでも、「乞食ではないか」ということは、多分親の上田さんが一番辛いと思っていることである。 だから、書くべきではないのだ。ひどすぎる。 昔からの知恵で 「借りたカネは必ず、返せ。しかし、貸したカネは相手にやったものと思え」 という。借りても返さない人は意外と多いものである。 今回は、募金だから、これに応じた人は、当然、返して貰えるとは全然思っていない。 あくまでも、仮定上の話として、ひどいことを敢えて書くならば、 私は「さくらちゃん」の話が全部嘘だったとしても、それはそれで仕方がない、と思って募金した。 根拠を示すことは出来ないが、上田さんは本当に募金を必要としていると「感じた」が、そうではなくても、今更何も言わぬ。 繰り返すが、だから、他の人にも「募金するべきだ」とは言わない。貴方が「募金しない自由」は完全に確保されている。 されているのだから、せめて、「上田さんは、そこそこの高収入らしい」とか、「三鷹に戸建ての家を持っている」とか、 「NHK職員だから」、というような「批判」をネット上に展開するべきではない。 そのような文章を読んだ人が、募金をしようとしていたのに、次々と止めてしまい、必要な費用があつまらず、 さくらちゃんが移植手術を受けられず、幼い命を落とすようなことがあったら、取り返しがつかない。 大切なのは、親の懐具合を探る意地悪さではなく、「子どもの命を助けられるものなら助けたい」という善意である。 ◆結論は同じだが、多少加筆。 多少、書き方を変えてみようか。 「娘が重病でカネが要るから、寄付してくれ」 という親がいる。 それを信じて、寄付する人がいる。 寄付しない人がいる。 する、しないは各人が自由意思に基づき、検証したい人は検証してから寄付すればよいし、 話を聞いただけで、「胡散臭い」と思う人は寄付しなければよい。それだけではないか。 ただ、寄付しない人は、黙っていれば良いではないか、と言いたいのである。 仮に、本当は寄付を必要としていないのに、募金を募り、それに応じる人がいたら、両親の行為は詐欺罪の構成要件に該当するであろう。 そして、これだけの騒ぎになっているのだから、当然司法は怪しいと思えば捜査するだろう。 わざわざ、素人が、「本当に必要なのかも知れない募金」を邪魔することはないだろう。 産経新聞のあいまいな記事も同様である。というか、産経は曲がりなりにも、(バカだが)プロなのだから、 「ネット上で問題になっている」で終わらせずに、真面目に取材するべきである。 「インターネットの掲示板で、募金が本当に必要なのか、批判が起きている」という事象を伝えるだけの記事などは、載せるべきではない。 ↓がその記事(のキャッシュ。ウェブ魚拓経由)。 難病女児の募金「本当に必要?」 ネット上で批判集中 こういう書き方をしたら、読者は「本当は怪しいのかな?」という疑いを抱く可能性が高い。 ミス・リーディングだ。
2005年10月01日(土) 「内閣総理大臣の靖国参拝が違憲である」という高裁判決は初めてではない。
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