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JIROの独断的日記
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2006年08月05日(土) 「公約は守るべきもの 小泉首相 」←そうですか。それでは検証してみましょう。

◆記事1:公約は守るべきもの 小泉首相

【12:03】 小泉純一郎首相は9日午前、長崎市内で記者団に15日に靖国神社を参拝するとの自らの公約に関し「公約は生きているから、守るべきものだと思っている」と述べた。


◆記事2:衆議院会議録 第156回国会 予算委員会 第3号(2003-01-23)

菅(直)委員:いいですか。総理は、首相になる前後の中で、国民の皆さんに対して三つの公約をされております。

首相に就任したら、八月十五日に、いかなる批判があろうとも必ず参拝する。

二つ目には、財政健全化の第一歩として、国債発行を三十兆円以下に抑える。

三つ目には、ペイオフについて、予定どおりペイオフ解禁を実施します。この三つの約束を国民にされました。

総理、この三つの約束の中で、一つでも守れた約束がありますか。

小泉内閣総理大臣: 今の言うとおりならば、確かに、そのとおりにはやっていないということになれば約束は守られていない。(中略)

しかし、もっと大きなことを考えなきゃいけない、総理大臣として。その大きな問題を処理するためには、この程度の約束を守れなかったというのは大したことではない。(発言する者あり)


◆記事3:小泉内閣総理大臣記者会見[イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について]平成15年12月9日より、記者団との質疑応答抜粋。

【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。

【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。

【質問】 行わない。

【小泉総理】 行いません。


◆記事4:武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める(2004/04/8 共同通信)

【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。

8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。

イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、

コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。

津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、さらに「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。

輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。

これまでの輸送回数や状況については「20回弱の任務を実施したが、(地上からの)攻撃はなかった」と述べ、

武装勢力によるテロはなく安全だったことを強調。タリルやバスラの空港があるイラク南部は「比較的安全」との認識を示した。

(共同通信)[4月8日13時26分更新]


◆コメント:なるほどねえ。

「公約は守るべきもの」だそうだが、実際には、この有様である。よく言うよ、全く。

私は、小泉純一郎氏が在任中に行った数々のパフォーマンスや公約破りは、それ自体けしからんけれども、教育上、非常に良くなかったと思う。

何しろ、内閣総理大臣という国政の最高責任者が、「約束は守らなくても大したことはない」と公式に発言したのである。

なによりも良くないのは、人の質問に真面目に答えなくても良い。適当に話をすり替えて、その場ではへらへら笑って誤魔化せば何とかなる、という態度を率先垂範したことである。

つまり、誠実さの対極にある生き方で、適当にやっていりゃいいのだ。世の中努力じゃない。要領だ、

という不真面目な態度が成功することを子供たちは見てしまった。甚だ、よろしくない。


◆アメリカの「人殺し」を正しいと公言した内閣総理大臣。

また、書く。

イラク戦争はこの戦争自体違法である。大量破壊兵器があろうが無かろうが、

2003年3月20日、アメリカがイラクに対して武力行使を開始した瞬間、これは、違法行為として世界から糾弾されるべきだった。

実際戦争が始まる数ヶ月前から、世界中の街で市井(しせい)の一般の人々がベトナム戦争以来最大級の反戦デモを繰り返していたのに、

アホのブッシュはそれを無視して、言いがかりを付けてイラクを攻撃し、何万人もの罪のないイラク人を殺した。

小泉首相は、この行為を「正しい」と言った。何の正当性もない人殺しを「正しい」と公言したのである。


◆日本にはプライド(自尊心)が無いのか。

以前は、日本人の言葉のなかに「〜するぐらいなら死んだ方がマシだ」という表現があった。

数学者の藤原正彦氏の「国家の品格」という本が非常に評判になった。

あの本の中で、藤原正彦氏は、意識的に「武士道」などという時代錯誤的な言葉を使っているのは、そういうことだ。

同書には書いてないが、侍にとって「卑怯者」と呼ばれるほどの恥は無かったのである。

その場合で「果たし合い」(決闘)を申し出なければならない(江戸時代には、殆ど、そうした事態は起らなかったらしいが、武士の原則論、ということだ)。



もう一つ、前近代の例を出す。

プライドが重んぜられたのは、武士だけではなかった。江戸時代の商人が借金をするときの証文(借用書)には、次のような意味の文言がある。

「万が一、この返済がまかりならないときは、満座にてお笑い下されたく候」

自分が期日に借金の返済が出来なかったときは、衆目の中で嘲笑ってください。ということだ。

商人と言えどもプライドが高かったわけである。

人前で嘲笑されるなどという「恥」をかくぐらいなら、「死んだ方がマシ」だったのである。

だからこそ、このような言葉を借用書に書いたわけである。「絶対に返します」という意思表示として有効だったのだ。



ところが、今の日本、日本人はどうだ。

日本人がアメリカの庇護を受けるためなら(有事の際本気で助けてくれると思っているところが相当おめでたい)、

彼らの暴挙、「人殺し」を見て見ぬふりをしても構わない。というのが、現実だ。

「武士道」から言えば、本来そんな卑劣なことをするぐらいなら「死んだ方がマシ」、というべきことなのだが、誰もそうは考えない。



また、「満座にてお笑い下されたく候」が現代に通用するかといえば、そんなことを金銭消費貸借証書に書いたら正気とは見なされないであろう。

「衆目の中で嘲笑される」ことで債務が消失するなら、いくらでも笑われてやる、という輩が続出するのではなかろうか。

やや乱暴な結論であることを承知の上で敢えて書くが、小泉純一郎氏が内閣総理大臣として支持されたことと、

日本人における「プライドの消失」とは、無関係ではない、と、思われる。


2005年08月05日(金) 大阪豊中で38・4度 今夏の全国最高を記録 ←温暖化ですよ・・・・。
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2003年08月05日(火) 「田中元外相は不起訴、秘書給与流用なし…東京地検方針 」 そんなバカな話あるかい。
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