JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆ご祝辞御礼 もう少し早く23日のNHK教育テレビ「毎コン本選」に気が付いて、 ◆コメント1:毎コン全般 以前は存在しなかったシステムで最近採用されたのは、順位とは別の「聴衆賞」です。 ◆コメント2:そうは云うものの、出場者の今までの苦労を思い、涙が止まりませんでした。 くどいようですが、毎コンの本選に残る、ということは並大抵のことではありません。 「1日(練習を)休むと自分に分かる。2日休むと仲間に分かる。3日休むとお客さんに分かる」 皆、努力しているのです。 バイオリンなら130人ぐらい受けて、本選に残れるのはわずか4人。それだって、第2次予選の日程が一日ずれていたら、全然別の顔ぶれになっていたかも知れない。 プロの演奏家への道。プロになってからの苦労は並大抵ではありません。 多くの出場者が「お客さんに聴いていただけて嬉しい」と云っていました。 そうでしょうとも。この日のために苦労してきたのです。 バイオリン入賞の中川さんは、大舞台でオーケストラ伴奏で弾けた事自体に感激して涙ぐんでいました。 ホルンは実に上手くなりました。 昔は、日本人には金管は無理ではないかと思われるほどホルンはよく音を外しました。それぐらい難しい楽器なのです。 今回の本選の1位と2位はプロです。オーケストラの仕事をしながら、コンクールの準備をした。 1位の大野さんは、非常に難しい、リヒャルトシュトラウスの「ホルン協奏曲第2番」を音を外さないだけではなく、絶えず楽器の向き、即ち身体の向きを変え、音色を変化させていました。 ホルンはベル(ラッパの先端、「朝顔」といいます。あの大きく広がった、開口部です)がトランペットやトロンボーンと異なり、 普通に構えた状態で、前を向いていないのです。ベルの向きを変えることにより、曲想により色々な工夫が可能となるのです。 声楽で1位を獲得した志田雄啓氏は、あまりにも有名なプッチーニのオペラ「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」を歌いました。 テノール歌手でこの歌を歌いたくない人はいないでしょう。誰もがステージ上でこのアリアを歌うことを夢に描くことでしょう。 この歌は本当にイタリア語が一言も分からなくても、聴き手の胸が苦しくなるほど、気持ちが高ぶります。 「これぞ、テノール。これぞ、オペラ」という曲です。 志田さんはすでに演奏歴があるわけですが、声楽の本選会に来てくれたお客さんを前にクライマックスの最高音を歌いながら、 「この時のために、自分は歌を勉強してきたのだ」と感無量だったのではないでしょうか。 歌い終わった後、涙を堪えている姿に、私が泣けてしまいました。 毎年のことですが、第74回日本音楽コンクール。予選で落ちた人も含めて、全員の研鑽と栄誉を讃えたいと思います。 ◆コメント3:演奏者への敬意。 音楽を聴く側は、勿論お客さんなのだけれども、音楽家が幼い頃から積み重ねてきた研鑽に対する敬意を忘れてはいけないと思うのです。 「楽器を演奏なさること。それがハーモニカであれ、ウクレレであれ、ヴァイオリンであれ、ピアノであれ、そして演奏が玄人はだしであれ、たとえ、お話にならないぐらいヘタクソであれ、楽器を演奏なさることこそ、音楽を理解するための近道です」 もちろん、世の中には生まれついた時代や、環境があるから、全ての人が楽器を習うわけにはいかない。そんなことは芥川さんも理解しているのです。 但し、確かに楽器を習ってみると、楽器を人に聴かせることが出来るぐらいまで上手くなる、ということが、如何に難しいかがわかりますよ、という意味です。 私は学生時代から下手なトランペット吹きですが、大人になってからどうしてもオーケストラの心臓部たる弦楽器、 しかも、楽器の中の楽器、バイオリンを習ってみたくなり、26歳から習い始めました。 最初は鈴木・メソッドに通いました。鈴木メソッドの最初の曲は「キラキラ星変奏曲」というのですが、まず、音を出すまでが大変です。 バイオリンは構え方がなかなか決まらないのです。 プロは子供の頃から毎日やっているので、曲が始まる寸前に、ごく自然にスッと構えますが、初めてのものには、腹が立つほど難しい。 基本的にバイオリンは肩に「置く」のであり、それを多少アゴで押さえるだけなのですが、初心者は例外なく、アゴ、つまりクビにもの凄く無駄な力を入れるのです。 身体の一カ所でも無駄な力が入っていると、全体に影響が出て、音を出す(弓を持つ)右手が自由に動かず、弦を押さえる左腕の角度が不自然になります。 それを何とかクリアして初めて音を出すのです。 ただ、バイオリンの初心者が出す音をよく「のこぎりの目立て」といい、聴くに堪えない雑音になるようにいいますが、あれは、嘘でした。 余程勘が悪くなければ、弓を早く動かしていないときに、弓の圧力を高めれば、のこぎりの目立てになることは、感覚的にすぐに分かります。 しかし、まだまだ、難関が山積みです。 バイオリン奏者がまるで自然に行っていること。「弓を直線的に上下運動させること」が至難の業です。 あれは、何も滑り止めなどないのです。 初心者は、弓と弦が接する位置が駒よりになったり、逆に指板(「しばん」と読みます。弦を押さえる黒い部分です)の方に流れます。 バイオリニストの美しいボーイング(弓使い)は練習で獲得したものなのです。 それに左手。ご存じの通り、オーケストラの弦楽器(バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス)の指板にはギターのようなフレット(弦を区切る出っ張り)がありません。 ただひたすら繰り返し繰り返し練習して、正しい音程が出る位置に指をもっていけるようにするのです。 それは、もう、気の遠くなるほど大変なことです。1ミリ、押さえる場所がずれたら、完全に間違った音程であることが、ばれます。 それ以前に僅かな音程の狂いでも認識出来る「耳」が無いとお話になりません。弦楽器はそういうわけで実に難しいことがわかりました。 それが分かっただけでも、私には収穫でした。 みなさんは、何もバイオリンを習わなくてもいいですが、想像してみてください。 例えば、学校で習ったリコーダー。あれは、立派な独奏楽器でテレマンやヘンデルがソナタを書いているのですが、それはここでは、割愛します。 貴方があのリコーダーを「ステージ上で」、「スポットライトを浴び」、「1000人のお客さんの前で」、「ただ一人で」、 「ドーレーミーファーソーラーシードー」とそれだけでいいです。吹くことになった、と想像してみてください。 曲を吹くのではありません。1オクターブの音階を吹くだけです。 それでも、大抵の人は、絶対に間違えるか、音がひっくり返るか、音が震えることでしょう。 プロはその1,000倍も難しいことを毎回、演っているのです。 このような経験・または想像をしてみると、「○○管弦楽団は弦が甘い(弦楽器セクションが上手くない、という意味です)とか、 「管が鳴っていない」とか分かったようなことを、簡単に口に出来なくなります。 無論、プロにも上手い下手はありますし、お客さんはお客さんですから感想を述べて構わないのは当然ですが、 ときどき立ち止まって、今、私が書いたようななことを思い出すのも必要だと思います。 「『ハ長調とト長調』の違いも分からないのに、知ったかぶりをするのはあまり感心できない」と云っても、特に傲慢な思想だとは思いません。 ◆コメント4:バイオリン。 昨日の教育テレビはは毎コンのダイジェスト版でしたが、NHKBS2では12月中旬から、本選会全部門・全員の演奏を全曲(カット無しで)放送していたのです。 ◆コメント5:シベリウスはバイオリニストでした。 シベリウスは「フィンランディア」(あまりに有名ですがやはり名曲だと思います。但しトランペット吹きの私は出来れば避けたい。あの「タッタ・タカタカ・タ・タッタ」というフレーズはテンポが中途半端でタンギングしにくいのです。私が下手な所為ですけど)で有名ですが、本当はバイオリニストになりたかったのです。 ◆コメント6:シベリウスのバイオリン協奏曲、その他バイオリンと言えばこれ、という名盤。 教科書風に書くと、3大バイオリン協奏曲はベートーベン・メンデルスゾーン・ブラームスです。 ◆コメント7:ハイフェッツ さて、シベリウスのバイオリン協奏曲のCDは数え切れないほどあります。
2004年12月23日(木) 「モスルの米・イラク軍共同基地に攻撃、22人死亡」ファルージャ総攻撃でテロリストを掃討したんじゃないの?
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