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2005年12月04日(日) |
「<イラク自衛隊>サドル師派デモ隊が車両に投石、一部破損」 それでもサマワは安全だという防衛庁長官 |
◆記事1:<イラク自衛隊>サドル師派デモ隊が車両に投石、一部破損 (毎日新聞) - 12月4日21時59分
イラク南部サマワで4日午前11時半(日本時間午後5時半)ごろ、陸上自衛隊の車両が郊外へ移動中に、
イスラム教シーア派の反米指導者サドル師派のデモ隊と遭遇した。
デモ隊からの投石で軽装甲機動車1台のサイドミラーが割られたが、隊員にけがはなかったという。
防衛庁によると、陸自の車両はサマワから北へ約20キロのルメイサ市で担当していた養護施設の修復工事の完工式に出席するため現地に向かっていた。
現在派遣されている第8次隊トップの立花尊顕(たかあき)群長も同行していた。
デモ隊は「ノージャパン」と叫んで投石していたが、陸自の車両を待ち伏せしていたかどうかは不明。
サマワの宿営地には3日、額賀福志郎・防衛庁長官が訪問し、
「現地の治安は比較的安定している」とコメントしたばかりだった。【反田昌平】
◇額賀長官「サマワの治安はよくなりつつある」
サマワ訪問を終えて4日夜に帰国した額賀福志郎・防衛庁長官は、記者団に「(投石被害は)初めてのことではない。
サマワの治安はよくなりつつあるという感じを受けた」と語り、治安情勢に問題はないとの認識を示した。
◆記事2:陸自など狙い3連続攻撃 サマワ、警官ら2人負傷 (共同通信) - 11月8日7時3分更新
【サマワ7日共同】陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワの警察当局によると、
7日夜(日本時間8日未明)、陸自宿営地と警察を狙ったとみられる攻撃が3件続き、
警官とタクシー運転手が負傷した。陸自に被害はなかったもよう。
まず午後9時ごろ、警察署前で、車に乗った武装集団が発砲し、見張りをしていた警官らが応戦、銃撃戦となった。
近くにいたタクシー運転手が首を撃たれて負傷し、武装集団は車で逃走した。
約1時間後、サマワ南部で巡回中の警官がロケット弾で攻撃され、1人が負傷、警察車両1台が損壊した。
さらに数十分後、陸自宿営地を狙ったとみられる砲撃があり、宿営地の外に着弾したという。
サマワでは先月15―16日にも、警察と武装集団の間で銃撃戦が起きたほか、
郊外で警官が銃撃を受けて死亡する連続攻撃が起きていた。
◆記事3:「サマワの外国軍必要ない」=最も安全な地域の1つ−イラク報道官(時事通信) - 11月18日11時1分更新
【シドニー18日時事】18日のオーストラリアの国営ABC放送によると、イラクのジャファリ首相の報道官は、
自衛隊が駐留するイラク南部サマワについて、「最近サマワを訪れたが、イラクの中で最も安全な地域の1つ。
(外国の)軍隊は必要ない」と語った。
サマワには現在、豪州と英国の軍隊が駐留し、自衛隊警護のほかイラク軍の訓練を行っている。
◆記事4:<イラク自衛隊>額賀長官が派遣延長方針を明言(毎日新聞) - 12月2日12時16分更新
額賀福志郎防衛庁長官は2日午前の記者会見で、14日に期限切れとなる自衛隊のイラク派遣について
「イラク移行政府が強く自衛隊の活動を望んでいる。引き続き行動していくことを前提に協議している」と述べ、
延長方針を明言した。
政府は現行の基本計画の活動内容や派遣規模を維持したまま、派遣期間のみ1年間延長する方向で与党と協議を進めているが、
派遣延長を前提にしていることを正式に認めたのは額賀長官が初めて。
当初、派遣延長を盛り込んだ基本計画の閣議決定は9日の予定だったが、党首会談などの日程調整で8日に変更された。
◆記事5:陸自撤収後も空自残留=対米配慮で輸送先拡大も−政府検討(時事通信) - 12月2日23時1分更新
政府は2日、自衛隊のイラク派遣に関し、来年前半に陸上自衛隊が撤収した場合でも、
クウェートを拠点とする航空自衛隊の輸送活動は続ける方向で検討に入った。
自衛隊の活動継続を求めている米国に配慮した措置で、輸送先の拡大も検討する方針だ。
(時事通信) - 12月2日23時1分更新
◆コメント:これでも、サマワは安全ですか。
イラク復興支援特別措置法では自衛隊が活動するのは非戦闘地域でなければならない、と定められている。
イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年八月一日法律第百三十七号)
第二条 3 対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。
非戦闘行為でなければならないと定めているのは、言うまでもなく日本国憲法により、
こちらから武力を行使することを禁止されている(攻撃されたときに防衛のため、武器を使うのはやむを得ない)
自衛隊の安全を確保するためである。
イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊のイラク派遣は、本当は、昨年12月で終わるはずだったが、
わが国の内閣総理大臣は米国のいいなりなので、あっさり、1年間の延長を決定した。
このときに、臨時国会が開かれており、民主党の岡田代表が、
小泉首相に、「この先1年間、サマワが非戦闘地域であり続ける、と判断する根拠を示せ」と詰め寄ったら、
小泉首相は「将来のことなど分かるわけがない」と発言した。
つまり、はじめから、非戦闘地域などというものは存在しないのだ、と首相自らが認めたのである。
◆自衛隊の宿営地は何度も攻撃を受けている。
一番はじめに載せたニュースは今日の話である。自衛隊のトラックに投石があった。
また、記事2のような、「武装集団」による攻撃が行われた回数は、既に10回をとっくに超えている。
しかし、これは、政府見解によると「戦闘行為」ではないのである。
戦闘行為とは、主権を有する国家が主体となった、国権の発動としての武力の行使を指すから、
一般市民が乱暴をはたらいたところで「戦闘」ではない。
また、イスラムテロ組織が10回以上もサマワの自衛隊宿営地に迫撃砲や、ロケット弾を撃ち込んでいるのだが、
テロ組織は「国家」ではなくて、「犯罪集団」だから、これも「戦闘行為」ではないのである。
法律は、書き方により、このように、いくらでも国家権力による「言い訳」を可能にするのである。
◆イラク人が、サマワに軍隊はいらんといっているのに、「いや、必要だ」という日本政府
日本の自衛隊のうち、陸上自衛隊はサマワにおいて「人道復興支援活動」を行うために派遣されており、
無論、自衛官には何の責任もなく、内閣総理大臣の命令にしたがっているだけだが、
これまでに沢山の道路を修復し、学校や、病院を建てたり、それはそれなりに良いことをしているが、
記事3でイラク政府の報道官は、「サマワに軍隊は必要はない」といっている。
これは、今に始まったことではなく、陸自の車両が「給水事業」を行っているのなどは、甚だ滑稽で、
サマワには立派な浄水場があり、何も外国の自衛隊に「水くみ」をして貰う必要はない、というのである。
◆それでも、「自衛隊派遣延長」を主張する防衛庁長官
防衛庁長官がサマワに行って様子を見てきたらしい。数日間で何が分かるのだろうか。
また、現地が要らないと言っている上、自衛隊は武力を発動しないのであるから、
治安維持の為に必要だ、というのもおかしい。給水事業などは、地元民が自分で出来ると言っている。
宿営地は10回以上も攻撃を受け、今日は住民に自衛隊のトラックが取り囲まれて、投石を受けている。
「戦闘」でないという、言葉の問題ではなく、現実に危険が存在する。
それでも自衛隊が、まだイラクへ行かなければならない理由は何か?
自衛隊の駐留には当然、莫大な費用が投じられ、勿論それは、税金でまかなわれている。
内閣総理大臣は国民に説明する義務があるが、何の説明もない。
◆航空自衛隊が行っている米軍の物資輸送は違憲である。
自衛隊のイラク派遣というと、もっぱらサマワの陸上自衛隊が注目されるが、
他にも航空自衛隊がC-130輸送機でクウェートからイラク各地の米軍基地に物資輸送を行っている。
これは、イラク復興支援特別措置法では「安全確保活動」という良く分からない言葉になっている。
実は、これこそ、違憲である。
米軍の武器弾薬を輸送すると言うことは、戦闘中の同盟国への後方支援であり、
後方支援は自分で武器を用いなくても武力行使の一端を担う。
つまり、集団的自衛権の行使であり、今の憲法はこれを禁止している。
◆小泉首相は2003年12月9日、自衛隊派遣に関する記者会見で武器弾薬輸送は行わないと言った。
約2年前、イラクへの自衛隊派遣を閣議決定した後、
小泉首相は「イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について」の臨時記者会見を開いた。
今でも残っているからリンクをご参照いただきたい。
リンク先を見れば分かるが、記者との間で以下の質疑応答があった。
【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。
【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。
【質問】 行わない。
【小泉総理】 行いません。
【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。
【小泉総理】 そうです。
【質問】 そういうことですか。
【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです。
これほど、はっきり「約束」しておきながら、今や米軍の武器弾薬輸送は空自の「日常業務」になっている。
それは今一度繰り返すが、違憲である。
こういうことを、平気で行う内閣(何度も書くが、自衛隊に責任はない。
自衛隊の最高司令官は文民たる内閣総理大臣であると自衛隊法で定められている)、
記者会見で直接首相に質問して答えを聴いているのに、事態を問題として取り上げない、大新聞、大テレビ局。
全く無関心で、約束を破った総理大臣を選挙で大勝させてしまう有権者。
いずれの責任も重大である。
簡単に自衛隊派遣延長を決めてはいけないのである。
2004年12月04日(土) 「旧橋本派事件、元会計責任者に有罪」「NHKプロデューサー横領」←不祥事発覚の影には陰謀が有ることが多い。
2003年12月04日(木) <自衛隊派遣>「非戦闘地域」該当の判断せず 基本計画←こいつらは、悪魔だ。
2002年12月04日(水) 英語とPCとインターネット