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2005年11月01日(火) |
普天間基地の問題とは何か? |
◆はじめに、内閣改造に関するコメント:小泉のイエスマンしか置いていないのだから、誰が何大臣になろうが大同小異
それ以上、言うことは、今のところありません。
◆記事:普天間移設日米合意、地元首長は不満表明
米海兵隊普天間飛行場を米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に移設するという日米合意を受け、政府は27日、沖縄県や移設先の名護市への説明を開始した。
しかし、両首長は合意の受け入れに否定的な考えを示した。政府は、「普天間移設と沖縄の負担軽減策はパッケージだ」として説得を続ける一方、環境影響評価や埋め立てなどの手続きを促進するための特別措置法の検討にも着手し、硬軟両様で対応する方針だ。
西正典那覇防衛施設局長から合意内容の説明を受けた沖縄県の稲嶺恵一知事は27日午後、記者会見し、「県外移転を求める県の基本的な考え方とは全く相いれない」と不満を表明した。
名護市の岸本建男市長も同日夕、移設計画の具体的な内容に関する西局長の説明が不十分だとして「(国が)疑問に答えられないような状況では受け入れられない。地域住民を説得する自信は全くない」と記者団に語り、不快感を示した。
稲嶺知事の不満表明について、小泉首相は27日夜、「基地の問題は、どこでも賛成というわけにはいかない。それでも理解と協力を得るよう努力しないといけない」と語った。
ただ、稲嶺知事は、海兵隊の大幅削減案などは「評価する」と語った。
このため、政府は、移設とともに、海兵隊の削減や司令部のグアム移転などの地元負担の軽減が実現することを強調し、「誠心誠意、理解していただけるように説得する」(守屋武昌防衛次官)方針だ。
一方で、県などの許認可権などを国が代行したり、環境影響評価の期間を短縮したりする特措法の検討も進める。
防衛庁幹部は27日、「米軍の再編はドイツ、韓国では終わったが日本だけが遅れている。沖縄が反対するから、という問題ではない」と述べ、普天間の移設の早期実現を目指す決意を強調した。
ただ、特措法の制定については、政府内にも、「沖縄に『問答無用』と力ずくでやれば、反発は避けられない」と懸念する声も少なくない。政府は、地元の反応を見極めながら、慎重に検討を続ける方針だ。(読売新聞) - 10月28日1時59分更新
◆解説及びコメント:沖縄の人は米軍はもう沢山なのです。
元々は、太平洋戦争中、唯一日本本土にアメリカの兵隊が上陸して決戦が行われたのが沖縄だという悲惨な歴史があります。
このとき、本土からは応援も無く、沖縄の兵隊と住民は孤軍奮闘を余儀なくされました。
より一層悲惨なのは、沖縄の一般市民の間に、「万が一米兵に捕らわれたら、虜囚として辱めを受ける。かといって降伏するのは非国民だ」という一時的、限局的ファシズムのような雰囲気が蔓延したことです。
実際に捕虜になった人は、(例外はありますが)丁寧に扱われたのですが、戦時中で、一種異常な心理状態にあった市民は、もう、これ以上アメリカ軍に抵抗できないという場面で、次々と手榴弾や拳銃で自殺した。
また、そのような武器を持たない人は家族同士、刃物で肉親を殺して、自分は生き残ってしまったという体験がいまだにトラウマになっている。まさにこの世で地獄を見たわけです。
だから沖縄の人たちの反戦思想はもの凄く強い。それは、琉球新報とか、沖縄タイムズの社説を読むと良く分かります。当然でしょう。
このような歴史的背景があるので、正直を言えば沖縄の人は地元に米軍基地があるというだけで目障りで、本音は、一人残らずいなくなって欲しい。
しかし、日本全体の安全保障体制のために我慢してきた。
それなのに、本土の人間は自分のところに基地が無ければ、沖縄のことなど知ったことではないというのが、沖縄の人には分かるのでしょう。怒りを、ずっと抑えていたわけです。
◆沖縄県民の対米感情を一気に悪化させた、「米兵による日本人少女レイプ事件」
今から10年前に、沖縄の米兵が、現地の少女を暴行したことにより、沖縄県民の怒りが爆発しました。
当然でしょう。あまりにも激しい抗議に日米安全保障条約の危機とまでいわれたのです。これは、アメリカが悪い。完全に悪い。
いつもアメリカ政府に頭が上がらない歴代の首相(この時は橋本政権だった)ですが、さすがになんとかしなければ、沖縄県民の怒りが収まらない。
そこで、1996年4月、橋本首相が今後5年〜7年以内に普天間基地(飛行場)を日本、つまり沖縄に返還してくれといいました。
これに対して、アメリカは、「普天間は明け渡しても良いが、他の基地を用意してくれ」といってきた。
そこで出てきた案が、「名護市にあるキャンプ・シュワブ沖に海上ヘリポートを建設する」、という話だった。
これで、沖縄の人たちはまた、怒りました。当然です。
「普天間を明け渡せ」ということは、「沖縄から、本土へ移せ」というつもりだったのに、何のことはない。沖縄のこちらから、あちらへ移るだけ。
沖縄は、面積としては日本全土の0.6%、人口は約1%を占める場所に過ぎないのに、在日米基地の78%が沖縄に集中している。
しかも、前述のとおり、沖縄はアメリカ軍と本土決戦をした唯一の場所。なんという皮肉でしょう。
沖縄のひとは「日米安保条約があるから、日本が在日米軍基地を受け入れなければならないのは分かるが、何もここまで、「沖縄だけ」に押しつけなくても良いではないか、ということなのです。
因みに普天間基地はいまだに返還されていません。
◆極東条項
日米安保条約の第6条のことです。
第六条 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリ力合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基づく行政協定(改正を含む)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。
つまり、在日米軍は日本の安全、極東の安全保障のため、という目的のためにのみ、日本が用意してやった基地や施設を使うことが許される。ということです。
日本を出城にして、ここから世界中に飛行機を飛ばして爆撃なんかしては、いかんぞ、という意味です。
ところが実際には、第6条は守られていないのです。
イラク戦争は2003年3月20日に始まりましたが、それよりもずっと前、1991年の湾岸戦争以降、イラクに設定された飛行禁止空域の監視活動には、青森・三沢基地から飛んでいったF-16が随時派遣されています。
少し話がそれますが、イラクにおける飛行禁止空域とは、湾岸戦争後まもなくアメリカ、イギリス、フランスによってイラク北部(北緯36度以北)および南部(北緯33度以南)に設定されたもので、北部のクルド人および南部のシーア派イスラム教徒という国内少数派への弾圧を予防するためと説明されています。
アメリカ、イギリス両軍が偵察、監視を行っており、イラクの戦闘機やヘリコプターがこの空域に入れば撃墜の対象とされます。
但し、これは、米英仏が勝手に設定したもので、国連決議を経ていないので、国際法上の法的効力は無いと思います。イラクも同意していませんから。
いずれにせよ、ここで私が何を主張したいかと言えば、米国は安保条約を守っていないこと、そして、日本政府もそれを百も承知の癖に文句を全く言わないのはあまりにもひどいのではないかということです。
◆米軍再編成。
アメリカは世界中に兵隊を送っています。
昔、ソ連が存在していたとき、つまり冷戦の時代はソ連を常に見張って、攻撃できるようにしておかなければならなかったから、ヨーロッパにも大勢の兵力を割いていたのですが、今は、ソ連が崩壊して、冷戦はありません。
その代わりに、やたらと世界中で「テロリスト」が出てきて、今、アメリカ政府の中枢部の頭はもっぱら、テロリストに対応できるような軍事力の配備に集中しています。
911テロの後、アメリカ政府は北東アジアから中東にかけての弧状の地域を「不安の弧」と呼んで、ここら辺が世界で一番注意を要する、と見ているのです。
けれども、その辺りまで米国本土から毎回戦闘機やら、軍艦を派遣していたら間に合いません。
そこで、他の国に配備している兵隊はアメリカ本国を守るために、呼び戻すけれど、日本は丁度良いところにある「基地」として使おうとしているのです。
◆テロリストをやっつけるための基地があれば、テロリストの逆襲に遭う可能性が高まる。
テロリストは、米軍が日本の基地から飛んでくるのを十分に承知しています。ということは、日本にある米軍基地が、テロリストの報復標的になりやすい。
それなのに、日本政府は唯々諾々とアメリカの要求に応じます。 たまらないのは、沖縄の人です。
何しろ、日本全体の国土面積の0.6%しかない沖縄に、全在日米軍の兵力の78%が集中している。テロ攻撃があったら、一般市民がとばっちりを受ける可能性が高い。
◆日本の安全保障だというなら、他の都道府県ももう少し在日米軍を引き取れよ、ということです。
沖縄は、太平洋戦争の時にあんな悲惨なことがあって、しかも1972年まではアメリカだったのです。
つまり、それまで沖縄は右側通行だったのですよ。通貨はドルだったのですよ。東京から沖縄に行くのに、パスポートが必要だったのですよ。
そんなに苦労したのに、沖縄の人から見れば、日本政府は、面倒な基地は殆ど全て沖縄に押しつけている。
日米安保が大切だというなら、本土はいくら何でももう少し基地を作るとか、負担を引き受けても良いじゃないか、なんだ、面倒は全部沖縄に押しつけやがって、ということなのです。
◆沖縄県民を軽んじているのは日本人です。
有名な日記作家の江草さんが、昨日、「アメ公は沖縄県民をナメるんじゃねえ」ということを書いておられました。
全くその通りですが、沖縄県民以外の日本人もまた、あまりにも沖縄に冷たいのではないかと思います。
2004年11月01日(月) 「宿営地内に再び着弾か=隊員避難、被害なし−自衛隊テロ標的明確・サマワ」。 イラク人の死者、10万人に達していた。
2003年11月01日(土) 1.前の公約を破った人物の公約を信じる事などできない。2.投票は情緒的な選択であってはならない。
2002年11月01日(金) Everything is relative.(全ては相対的である。)