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JIROの独断的日記
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2002年11月01日(金) Everything is relative.(全ては相対的である。)

 学生の頃、NHKのラジオ英会話のテキストに、Everything is relative という言葉を見つけた。英語の決まり文句の一つである。「全ては相対的である」というこの言葉は、真理を言い当てているように思える。

 たとえば、「人を殺してはいけない。」という考え方には普通の人に訊けば、ほぼ100%が同意するだろう。しかし、同時に、私を含めた多くの人は死刑の存続に賛成しているはずだ。8人の小学生を殺した宅間という男は死刑になって当然だ、と考える。言うまでも無く、死刑は国家が法の手続きの下、刑罰として実行する殺人である。もし、厳密に「いつ、如何なる場合も、如何なる理由によっても人を殺してはいけない」と考えているならば、死刑制度には反対を唱えなければ、矛盾している。

 、歌舞伎やテレビドラマで何回やっても人気がある「忠臣蔵」。これも、ありていに言えば、主君の仇を討つという大義名分の下に、赤穂浪士が吉良上野介という年寄りを殺した歴史的事実を演劇化したものであるが、人を殺した四十七士はけしからん、という人は、よほど変わった人であって、多くはクライマックスの場面で「よくやった!」と胸の中で快哉を叫ぶ。

 この二つの例は、世の中の多くの人が場合によっては殺人を容認している事を端的に表している。つまり、絶対、ではない。「すべては相対的である。」

 北朝鮮は、国家的事業として外貨獲得のために、覚醒剤を日本に大量に密輸していることが知られている。この行為は非人道的なものであるが、北朝鮮だけが「絶対的に」悪いとはいえない。なぜなら、密輸が続いている事は、日本人に覚醒剤を買う人がいてこそ、初めて可能になるからである。買う人間がいるから、売る人間がいるのである。「全ては相対的である」。

 何事に対しても一面的なものの見方は、良くない。存在するものには理由がある。自分が絶対正しいという考えになりかけたときには、Everything is relative. と頭の中で呟くようにしている。 


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