JIROの独断的日記
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2005年09月18日(日) |
「憲法のどこを読んでも集団的自衛権が認められるとは思えない」(小泉純一郎) |
◆出典は、昨日取り上げた「コイズム」(小泉純一郎著)です。
Amazonの古本(マーケットプレイス)で500円台から買える(送料は別)。
「コイズム」は多くの政治家が出す、自己宣伝用のプロパガンダ本だ。永田町には、こういう本を書く専門のゴーストライターがいるそうだ。
「コイズム」に関しては、小泉純一郎氏が話した内容を、読みやすく文章化したものだ。専ら若い、政治の「せ」の字も知らないような高校生・大学生をターゲットにしている。
巻末では、10人の女子高生(平成8年当時、高2、高3)と「座談会」を開き、「コッカイギインて、なにしてるんですかー?」とか訊かれている。(^_^;
馬鹿馬鹿しい本ではあるけれども、私が、こんな本でも何故買ったかというと、
1.ある本に対して評価を下すならば、兎にも角にも、実際に読んでみなければ、話にならない。
2.情報にカネを惜しんではならない(限度がありますがね)。
という原則にのっとっている。
だから私は、 話が逸れるけれども、この日記ではアホくさくて取り上げていないが、「マンガ・嫌韓流」も、「のだめ・カンタービレ」も読みましたよ。
まあ、いいです。これは。 ◆コメント:印象に残った記述。(直接引用、間接引用 併用ですみません。)
- 集団的自衛権に関して(166ページ) 「僕の考え方はどうかというと、憲法のどこを読んでも集団的自衛権が認められるとは思えない、憲法の拡大解釈は非常に危険、というのが基本的なスタンスだ」。
- 「僕は、自衛隊のPKO派遣のときも反対した。国際協力をダメといっているわけではない。むしろ、積極的に行うべきだと思うけど、現行の憲法では、自衛隊の海外派遣はどう考えても無理がある」 「だから、自衛隊を海外に派遣するのであれば、その前に憲法を改正して、スッキリとした形で行うべきだ」
- 「こっち(日本)は(米国に)守ってもらっている立場だけど、だからといって、米国のいいなりになる必要もない」
- 「若い読者諸君も政治家を見るときには、どれだけその政治家が自分の発言に責任を持ち、ホンネで有権者に訴えているかに注目して欲しい。ゴマカシ、二枚舌を使っていないか。自分の耳と目で確かめて欲しい。これは政治家を見極める重要なポイントといっていいね」
◆所感:ははあ。恐れ入りやして、ごぜえやす。
なるほどね。自分の発言に責任を持たないといけないのですね。小泉純一郎氏によれば。なるほど、なるほど。そうですか。
そう言っているご本人の変節ぶりを見ると、誠に興味深い。
尤も、公平を期する為に書くが、彼の主張の全部が全部間違っているわけではない。たとえば、
赤字国債のこれ以上の発行は危険だ、とかね(但し、自分が首相になったらどんどん発行しているところが、すごい)。
「美談」もある。
国会議員は25年務めると、「永年在職議員表彰」というのがあって、歳費(給料)とは別に、月々30万円の特別交通費の支給があるのだそうだ。
とんでもないですな。
これを、小泉純一郎は「要りません」と断ったそうだ。
本当かどうかは確認できない。
なにしろ、自己宣伝用の本だから、そういう「美談」は当然強調するだろう。
そして都合の悪い話が全く書いていないと言うところが、胡散臭い。当然何かヤバいこともあるでしょうに。
そう言う話は全く書いていない。
それはさておき、大衆を感心させるのが上手いんだよ。この人。
「一つの仕事を25年務めるなんて、普通のことだ。サラリーマンなら皆やっている。国会議員を特別扱いする理由はない」なんて云っている。
これで、一般大衆は、感激してしまう「立派な人だ」と。
しかしですね。 他にもまだ国家議員の特典は沢山ある。それらは小泉氏が首相になった後にも廃止していない。 例えば、国会議員年金は何故廃止しないのか?
25周年表彰を辞退した、ということだけで、手放しで絶賛するわけにはいきません。少なくとも、私は。 ◆何と言っても、すごいのは、「集団的自衛権」に関するスタンスのコペルニクス的転回。
これは、この本を買った最大の収穫(?)である。
「憲法のどこを読んでも、集団的自衛権の行使が認められるとは思えない」
「現行の憲法では、自衛隊の海外派遣は、どう考えても無理がある」
と実際に書いているのですよ。小泉純一郎は。
それがどうだ。
イラク戦争を世界で最初に公式に支持した国は、日本である。
その後、政府・与党はイラク復興支援特別措置法を強行採決し、憲法を拡大解釈して、自衛隊をイラクに派遣して、米軍の後方支援に当たらせることを決めた。
平成8年の小泉純一郎氏の解釈によれば、純然たる違憲行為だ。全部許されない行為の筈だ。
いや、小泉君が言わなくても、明らかに違憲だ。後方支援は武力行使の一翼を担っているからである。
いずれにせよ、よくもまあ、これほどいけしゃあしゃあと、変節出来るものだ。
私に「小泉さんの、のらりくらりは政治家として必要な資質です」と書いてきた御仁がおられましたがね、のらりくらりどころじゃない。180度の方向転換だ。
「米国のいいなりになる必要はない」といっているが、歴代総理で、これほど、米国のいいなりになっている人物は珍しい。
彼はいっている。
「政治家を見るときには、どれだけその政治家が自分の発言に責任を持ち、ホンネで有権者に訴えているかに注目して欲しい。ゴマカシ、二枚舌を使っていないか。自分の耳と目で確かめて欲しい。」
言われなくても、私はずっと前から彼を観察している。そして信用できないと考えていた。
その考え方は、残念ながら間違っていなかったことを「コイズム」で確認できた。
小泉支持者、反対派、いずれにも一読をお奨めする。
2004年09月18日(土) 「シティバンク行政処分」いつもは対米弱腰の日本政府が、随分強気ですね。何故でしょう? 2003年09月18日(木) 「首相『支援ひるんじゃいかん』 イラク自衛隊派遣で」 殴りたくなるほど無責任な野郎だな。 2002年09月18日(水) 北朝鮮への憎悪
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