外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2005年07月05日(火) 「郵政民営化法案、衆院通過」← 郵政民営化は「国民が政府に望むこと」17項目中、14番目なんですけど。

◆記事1:郵政法案可決、大量造反で5票差…自民の亀裂深まる

 小泉内閣が最重要課題とする郵政民営化関連法案は5日の衆院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決、参院に送付された。民主、共産、社民の3党は反対した。採決では、自民党の37人が反対するなど大量の造反者が出たため、賛成は233で、反対の228を5票上回る小差となった。(読売新聞) - 7月5日22時13分更新


◆記事2:郵政法案に反対、副大臣と政務官4人を罷免

 

 政府は5日夕の臨時閣議で、同日の衆院本会議での郵政民営化関連法案の採決で反対票を投じた滝実(たき・まこと)法務副大臣ら副大臣2人、政務官2人の免職を決めた。

 4人は採決前に担当省の閣僚に辞表を提出していたが、各閣僚はこれを受理せず、罷免する異例の形をとった。辞表を受理した上での副大臣、政務官の免職は例があるが、辞表を受理しない免職は2001年の副大臣制度導入後、初めてという。

 免職となったのは、滝氏のほか、衛藤晟一厚生労働副大臣、森岡正宏厚労政務官、能勢和子環境政務官。

 小泉首相は5日夕、首相官邸で記者団に、4人の更迭について「政府の法案に反対するんだから、やむを得ない」と強調した。


◆コメント:郵政民営化推進派も反対派も、結局利権争いではないか。国民のことなど考えていない。

 

 小泉首相の地元は横須賀ですが、元来、小泉首相の祖父は浜口雄幸内閣の逓信大臣(郵政大臣)を務めた小泉又次郎氏です。小泉又次郎氏は、三浦半島地区の「特定郵便局」を整備した人なのです(特定郵便局については後述)。

 ところで、小泉首相という人は、昭和40年代にロンドン留学中に、親父さんの小泉純也氏が急逝したため帰国して、44年の総選挙に立候補したのです。

 本来、特定郵便局は全力で彼をバックアップしてくれる筈でした。

 ところが、特定郵便局長達は、寝返って、後に新自由クラブ代表となる田川誠一氏を応援したので、小泉純一郎氏は憐れ、落選という屈辱を味わいます。

 このときの怨恨がいまだにあるといわれています。

 ちなみに、小泉首相は、昭和47(1972)年、漸く初当選しました。

 その後の小泉純一郎氏の政策、主張を見ると、「郵貯非課税の廃止」とか、「老人マル優限度額引き上げ反対」、とか、郵政に噛みつくようなことばかりを言っています。

 今の小泉純一郎氏を見て、お分かりのように、彼は論理的・合理的思考能力に極めて乏しい人です。

 「自衛隊のいくところが『非戦闘地域だ』などという、内閣総理大臣にあるまじき、詭弁を弄するのを見ても分かります。

 ですから、彼が国会議員になってから、郵政事業を敵視してきたのも、何らかの長期的なビジョンに基づく政策的構想に基づいていたとは到底信じがたく、初当選で裏切られた、郵便局、特に特定郵便局への恨みが、少なくとも無意識下に抑圧されている、と考えられます。



 国民は、とにかく、まず最初に景気対策に取り組んで欲しいと望んでいることは5月中旬に読売新聞が行った世論調査でも明らかのに、完全にそれを無視して、17項目中14番目にやっと出てくる「郵政事業民営化」が至上課題なのだ、と言い切るのは、国民をバカにした行為ではないでしょうか?


◆コメント:特定郵便局は昔の村の名士の世襲なのです。 

 

 日本における郵便事業の普及のスピードはもの凄かったのです。

 明治政府は維新後、僅か4年で、全国に郵便局ネットワークを構築したのです。何故、このようなことが出来たのか?

 郵便事業といえば、日本史で出てきますね。前島密。

 彼は、全国の村々の名主(庄屋)に中で、きちんとした人を選んで、郵便取扱所というものをやらせました。

 これが、今も「特定郵便局」として残っているわけです。彼らは、先祖代々、国から任命された国家公務員である、という自負心を強く持っているようです。

 全国には、郵便局が二万三千局もありますが、その四分の三は特定郵便局です(郵便局にはその他に、少し大きい「本局」といわれるのがありますが、あれは、「普通郵便局」、そして、民間に日本郵政公社が業務を委託している「簡易郵便局」というのがあります。田舎の「よろず屋」さんに郵便局の看板が出ているところがあるでしょう?あれです)。

 特定郵便局長は、身分は国家公務員です。他の国家公務員は採用されるためには試験に合格する必要があるけど、特定郵便局長は、いいのです。代々世襲で、公募なんかしないのです。


◆コメント:全国特定郵便局長会が自民党郵政族の集票マシーンなのです。

 

 今日、郵政民営化法案に反対した、綿貫さんとか、ああいう人たちは、この特定郵便局長会という組織の支援なしにはやっていけない。某宗教団体じゃないけれど、非常に選挙の時には有難い集団なのです。

 民営化されてしまうと、特定郵便局長の地位がどうなるか分からん。特定郵便局長会は、だから、民営化に大反対。

 当然、彼らに指示されている国会議員も反対、ということです。

 要するに、国会における郵政民営化を巡る攻防は、国民の利益なんか考えていない。政治家の利権争いです。


◆コメント:本当はそういう問題じゃないでしょう?

 

 小泉首相は、郵政事業を民営化すれば、サービスが向上し、国民の為になるとか、言っているけれども、私は、今の様なひどい財務状態のまま民営化するのは、無責任だと思います。

 郵便は、ちょっとおいておきます。

 郵貯と簡保も民営化されるわけですが、国民が郵貯・簡保に預けたお金は、財政投融資といって、道路公団に貸し付けているのす。他には住宅公団などにも貸し付けている。

 ところが、道路公団はご存じのとおり、大赤字なんですね。郵貯・簡保のお金を道路公団に貸して、焦げ付いているのです。「不良債権」です。その不良債権が40兆円もあるのです。

 国民から、郵便局を通じて預けて貰った金を道路公団などに貸し付け、もの凄い不良債権をつくりながら、国はそれを処理しないで、民営化するということは、つまり、民間の人、あとを頼むね?と云っているのです。無責任です。


◆コメント:郵貯・簡保が民間金融機関になったら・・・。

 

 それから、郵貯、簡保が民営化されたら、民間金融機関になります。銀行です。

 当然、金融庁の検査を受けて貰わねばならない。

 銀行は、国際業務を営むためには自己資本比率が8パーセント以上、国内業務だけを営むのなら、4パーセント以上無ければならないのです。

 りそな銀行は4パーセントを僅かに下回り、一昨年、公的資金を注入されて国有化されました。

 いいですか、4%を僅かでも下回ったら、ダメなのです。

 今の郵貯・簡保の自己資本比率は0.3%ぐらいです。

 これを民営化したらどうなるでしょう?

 金融庁検査が入ったら、たちまち、自己資本比率が問題外ですから、公的資金を注入されて、「国有化」されてしまうのではないでしょうか?

 なんですか?これは。ギャグでしょうか?

 これほど自己資本が過少なのに、民営化して、自分で稼いで、自己資本を積み上げろ、というのです。小泉首相は。

 そんなこといったら、無茶苦茶なりふり構わず傍若無人に稼ぎまくらないと、いや、それでも無理でしょう。

 それに、そんなことをされたら、不良債権にカタがついて、これから、収益力を付けていこうとしている日本の既存の民間銀行の経営がおかしくなる。

 折角収束した金融危機が又訪れます。 小泉首相も竹中大臣も、まともに物事を考えていると思えません。


2004年07月05日(月) 自民党参院選公約の滑稽「憲法9条を世界にPRすれば平和になるというような状況ではないのです。」軍隊を派遣すると、平和になるの?
2003年07月05日(土) イラク復興特別措置法は間違っている。イラク戦争は「大量破壊兵器除去」が目的だったはずだからだ。

JIRO |HomePage

My追加