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2005年07月06日(水) |
英、シラク発言に反発 各紙が1面で報道「あんなまずい料理を作る国民は信頼できない」←わっはっはっはっは。 |
◆記事:英、シラク発言に反発 各紙が1面で報道「あんなまずい料理を作る国民は信頼できない」
【ロンドン5日共同】「あんなまずい料理を作る国民は信頼できない」と英国をからかったフランスのシラク大統領の発言が英国で大きな反発を引き起こしている。5日付の多くの英各紙は1面でこの問題を取り上げた。
デーリー・テレグラフ紙は社説で「ほかの人がシラク大統領と同じ土俵に立ち、大統領をにんにく臭い気取り屋で過去の人だと言ったらどう思うか」と批判。タイムズ紙も「フランス大統領が英国をこきおろす」との見出しで1面で報じ「英国に対する本当の気持ち」と分析した。(共同通信) - 7月5日22時43分更新
◆コメント:「イギリスはおいしい」という本を読んだことがありますか?
林望(はやしのぞむ)という大学の先生(専攻は日本文学と、書誌学。書誌学とは何かは調べて下さい)が「イギリスはおいしい」という逆説的な本を書いて、日本エッセイストクラブ賞を受賞したのは、もう、14年も前、1991年のことである。
この本は 面白いですよ。食い物のことだけではなくて、イギリス文化一般に亘る知的なエッセイです。
読めば分かるけれども、リンボウ先生(はやしのぞむ先生の愛称)は、イギリスの「料理」が全部美味いといっているわけでは決して、無い。
中にはうまい料理もあるということと、「食材」には比較的恵まれている(だからロンドンには、日本人がやっている美味い寿司屋が沢山あります)。ということ。
ちょっと、いい加減な要約ですが、そういうこと。
私がイギリスに転勤したのは、その2年後だったので、この本は大変参考になった。
例えば、リンゴなんて、私は日本では好きではないのだが、イギリスなら、何処でも売っている「コックス」、正式には、Cox Orange Pippin(コックス・オレンジ・ピピン)という奇妙な名前の、小ぶりのリンゴなどは、甘くて美味いので随分食った。積極的にリンゴを食いたいと思うようになったのはこのときだけだ。
日本に帰ってからはまた、食べなくなった。
今、検索して、思ったのだが、日本人はいまだに、西洋のものは、「舶来品」なのね。
コックスなんて、ほんとタダみたいな安い、ごくごくありふれた、日本で云ったらミカンみたいな、どんな貧乏人でも食えるものなのに、ネットショップでは「コックス・オレンジ・ピピン・ジュース3本セット」が5,000円だって!そんなもの、500円でいいよ。
◆但し、料理はまずいですよ。というか、選択肢が無い。
日本人ほど、家庭でも外でもいろいろな種類の食品、料理を食べる国は無いと思う。
それから日本では、季節の食べ物があるでしょう?
イギリス人なんて、1年中同じ物を食っている。大きなお世話だが、気の毒になってしまう。
勿論、フレンチやスパニッシュや、イタリアンやチャイニーズやジャパニーズ・レストランはあるよ。しかし、彼らはそんなに外食なんてしない。
普段食うものが、年中同じなんですよ。
ソーセージ(イギリスはおいしいを読むと分かるが、なんとソーセージにパン粉が混ざっている、ひどくまずいもの)か、ポテト。
ベークドポテトといって、馬鹿でかいジャガイモを焼いて真っ二つに切って、中を少しくりぬいて、ベークドビーンズという、うすいトマトスープで煮た大豆の缶詰や、チーズや、バターをのっけて食う。或いは、ソーセージとマッシュポテトとかね。
イギリスの夏は、涼しいと思われているが、最近は地球温暖化の所為かなんか知らないけど、かなり暑い。
日本人は暑いときは素麺とか、さっぱりした物があるが、イギリス人は暑い中でも、あのモコモコする喉につっかえそうなポテトを食う。それしか知らない、というか、食べる物の選択肢が極端に狭いのだ。知らなければそれでいいけど、可哀想だなとおもった。
◆子供の弁当は「ニンジンとチョコレートバー。」
息子は日本人の幼稚園など近所になかったので、現地の幼稚園に入れた。親切にしてくれたが、イギリス人が子供に与える「弁当」を見て驚いた。
生のニンジン(小さい、細いのがあるのです)一本と、ソーセージが一本ごろり、と弁当箱(っていうのかな?あれ)に入っている。それが、「昼飯」。
ニンジンとチョコレートバー(スニッカーズみたいなの)という子供もいた。
ポテトチップス(イギリスでは、ポテト・クリスプスといいます。チップスというと、日本で云う「フライドポテト」になる)一袋が昼飯、という子供もいる。
断っておくが、彼らは虐待されているのではない。 それが、普通なのだ。
私の隣に住んでいた、ヘンリーという英国人中年独身男性は、ロイヤルバレーのバレーピアニスト(バレエの稽古はピアノでやるから、大勢のピアニストが必要で、表舞台には出ないが、大切な存在なのだ)をしていた(熊川哲也のこととか、当然よく知っているわけですよ!)が、1年中、朝食と夕食は、「コーンフレークス」だけ。
すごいでしょ?
◆シラク大統領は日本びいきですからね。
フランスも思ったほど美味くないけど、まあ、イギリスよりはいいですね。
私見では一番ヨーロッパで日本人の口に合うのはスペインではないかと思う。
パエリアなんかじゃなくて、タパスって奴ね。おつまみというか、小品がいくつも出てくる形式。小皿料理というのか。大抵びっくりするほど美味かったです。
それは、ともかく、シラク大統領は非常な日本通で日本びいきで、プライベートだけでも、数十回は来日していることで、有名だ。日本食も口に合うらしい。
だから、イギリス人に、「この世には(君たちイギリス人が知らない)美味いものが沢山あるのだよ」と云いたいのだろう。
◆イギリス人、フランス人、ドイツ人は互いに他をバカにしているのですよ。
フランス人から見れば、イギリス人は、食い物もまずいし、ファッションセンスもダサいし、陰気くさい。ドイツ人はジョークが通じない。
イギリス人から見れば、フランス人は、食い物とか、ファッションとか世俗的な欲望ばかりにとらわれて、女の尻ばかり追いかけて(勿論、フランス人男性のことです)、要するに、「本能のまま」じゃないか。というわけ。節度を知らない。理性的じゃない。分別がない。大人じゃない。というわけです。ドイツ人は、融通が利かないという。
◆ここは一つ、イギリス人らしく、対応して欲しかったね。
シラクが「英国のように、料理がまずい国は信頼できない」というのは、半分本音であることが、イギリス人にも分かったのでしょうね。
しかし、そこで、ムキになったら、相手の云うことを認めているも同然。図星を指されたから怒っている訳ですよね。
だけど、イギリスはユーモアの国。シラクの言葉にまともに反論するなんて、イギリス人らしくないよ。
よほど、頭に来たのかな。
普通、イギリス人なら、こう切り返す。
「毎朝ネクタイを選ぶのに、一時間もかけているような奴らは使い物にならん」或いは、
「食い物のことしか頭にない奴は、大抵、頭が悪い」とかね。
2番目はあまり出来が良くないけど、とにかくそういう風に反応してこそ、イギリス人ですよ。
ムキになるとは、ちょっと、残念。
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