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2005年02月06日(日) |
「月曜の朝は血圧にご注意 仕事のストレスで急上昇?」 あたりまえだろ。(追記を含む) |
◆記事:月曜の朝は血圧にご注意 仕事のストレスで急上昇?
【ワシントン6日共同】月曜日の朝は普段に比べ、血圧が高くなりやすい−。こんな調査結果を大阪医大第3内科の村上省吾医師と東京女子医大の大塚邦明教授らのチームがまとめ、6日までに米高血圧学会誌に発表した。
月曜には心臓発作や脳梗塞(こうそく)が増えることが既に知られており、これに血圧上昇が関与している可能性が今回の研究で浮上した。チームは、仕事が始まることに伴う精神的、肉体的ストレスが血圧上昇の引き金ではと分析している。
調査は、国内のある地方都市の住民175人に携帯式血圧計を7日間連続で装着してもらい、指示通りに続けられた135人(平均年齢56・6歳)の血圧の平均値を算出した。
◆コメント:そんなの、当たり前じゃないか。
こういうのを疫学(epidemiology)といいますね。 広辞苑によれば、
「疾病・事故・健康状態について、地域・職域などの多数集団を対象とし、その原因や発生条件を統計的に明らかにする学問。最初は疫病の流行様態を研究する学問として発足。」
ということだ。なるほど、だから、疫病の疫なのですな。
こういう、疫学的研究成果というのは、普通の新聞でもしばしば見かける。
最近だと、煙草の本数(喫煙量)が多い人ほど自殺しやすいとかね。よくあるじゃないですか。趣味などストレス発散の方法を持っている人の方が、心臓発作になりにくいことが、「調査で明らかになった」とかね。
読むたびに「アホか」と思う。
はい。承知しております。ある事象、傾向を「科学的」に証明するためにはこのような、正しい統計学的手法を用いたデータ収集が欠かせないというのでしょうが、こういうところに理科屋さんの頭の固さがある。
全ての科学者及び自然科学系技術者がそうだは云わないけれども、しばしば、あたかも、このような統計・データで証明されていないことは(証明されるまでは、と云ってもいい)、存在しないような言い方をする人がいる。
科学的に証明されていないことは、存在しない、という命題(?)は真にあらず、でしょ?
重力の存在が証明される以前から重力はあったわけだし、冥王星が発見される前から冥王星は存在したのでしょう?
これは、ちょっと例がよくなかったかな。兎に角、理屈にこだわりすぎず、見て明らかなことには、それなりに対処して欲しいと思いますね。
◆追記:
上に書いた内容に関して、「科学的に証明されていないことは、存在しない、という命題(?)は真にあらず、でしょ?」という論理は、必ずしも正しくない、ということを、読者で理系大学生のkasaさんが、大変丁寧に説明して下さいました。なるほど、と得心致しました。
理系に弱い私の早とちりだったようです。
kasaさんのお言葉をお借りしますが、、科学者は「アタリマエのことをアタリマエ」と考えてしまうことを極端に怖がるように出来ている。ということ。そういう意味での「理科屋さんの頭の固さ」は修正が不可能であろうという事。
なるほど。一件アタリマエの事柄を懐疑的に観察することから、真理を見出すのが、科学的思考というものなのでしょう。「アホか」「理科屋さんの頭の固さ」というような表現を、私は、いささか軽率に用いてしまったので、不快に思われた方もあろうかと思います。お詫びします。
ただし、その部分を抹消してしまうのも、自らの不明を隠蔽することになり、狡い行為と思いますので、間違いは間違いのまま、残しておきます。
重ね重ね、kasaさんのご指摘には(嫌味ではなく衷心より)感謝します。ありがとうございました。
◆血圧に注意って、どうすりゃいいのさ?
要するに、月曜日に体調が悪いことなど、世界中の人間が経験則から知っていることだろう。
調子が悪いというのもいろいろな種類に分類出来るのだろうが、当然、ストレスを強く感じているわけだから、血圧だって高くなるでしょうよ。
今回は、血圧に明らかな兆候が出たというのがポイントなんでしょうけど。この「研究」の。あたりまえではないか。
だけど、血圧にご注意って(これは共同通信の記者が付けた見出しだろうが)、具体的にどうすればいいというのだ?
私事で恐縮だが、私はれっきとした高血圧症と診断されているから、毎朝、3種類の降圧剤を飲みますよ。
治療を受ける前は、180-120ぐらいだったが、いまでは、110-78だ。薬を毎日飲んでいるが、肝・腎機能に障害は出ていない。主治医のおかげですよ。このように、はっきり高血圧と診断され、治療されている人はいいですよ。薬を一生飲まなければならんけどね。
しかし、当然のことながら、降圧剤なんて、薬局では売っていないよ。ちゃんと、循環器の専門医に診て処方して貰わなければ。高血圧症と診断されれば、継続的に降圧剤を服用しなければならないが、一時的に血圧が高い人を慢性的な高血圧と間違えたら、大変だ。降圧剤を飲んだら、めまいを起こしてぶっ倒れるかも知れない。
だから、「どうすればいいのか」?を必ずしも述べないのが、この手の「疫学的調査」の歯痒いところなのだ。
月曜の朝、素人が家庭用の血圧計で自分の血圧計を測って、最低が100を超えるとか、最高が200を超えたら、会社を休むようにとか、そんなこと、出来るかどうかは別として、具体的に指示して貰わなければ、徒に不安をあおるだけだ。
◆どのようにしてみても、仕事は身体に悪いのさ
金を貰うのだから、仕事は大変に決まっている。「身体のために」仕事をしているのではない。そう割り切らないと、職業人は務まらない。
サラリーマンを続けるために最も重要な能力はなにか?
忍耐力である。我慢できるかどうか。それが全てといっていい。
サラリーマンになろうという学生さんに言っておく。
サラリーマンになったら、「好きな仕事」を出来る可能性は極めて低い。
各人の「やりたい仕事」の希望をいちいち叶えていたら、会社なんぞ、なりたたない。嫌なことでもやらんとしかたがない。ハンコ一つで、どこにでも転勤させられるのが総合職というものだ。
大部分の人間は、別に面白くもないが、我慢して働いているのだ。月曜に限らず、シャバに出て働いて、カミさんと子供を養うということは、自分の命を削っているのさ。
2004年02月06日(金) 「患者が選ぶいい病院」は、意味が無い。医療機関評価機構という組織があるのだ
2003年02月06日(木) 日本政府がアメリカによるイラク攻撃を支持するだと!?・・・子供が殺されるのを黙って見ているということだ。