DiaryINDEX|past|will
2004年02月06日(金) |
「患者が選ぶいい病院」は、意味が無い。医療機関評価機構という組織があるのだ |
◆歌謡曲のヒットチャートの会社が出版した「病院ランキング」
昨年、もともと歌謡曲のヒットチャートを作るオリコン(オリジナルコンフィデンス)という会社が(厳密にはオリコン・メディカルという子会社を設立したようだが)、患者が決めた!いい病院―患者9万人アンケート という本を出して、随分売れているらしい。
私は、精神科の患者だから、精神科の様子を調べたら、相当、病院も迷惑しているようである。この本で上位にランキングされた個人クリニックは、大変な事になっているという。東京の真中にあるのだが、東京中は勿論、神奈川県や埼玉県からも患者が押しかける。
病院は、前もってこの本に名前が出ることを知らされていなかったのに、怒涛のごとく患者が押し寄せるので、医師が足りず、パニック状態に陥り、急遽アルバイトを雇ったが、それでも、3分診療ですませないとさばききれないのだという。1人の医師が8時間ぐらい全く休みを取らず、60人の外来を診なければならないのだそうで、それじゃあ、医療の質は下がらざるを得ない。結局「いい病院」ではなくなってしまうじゃないか。医学に素人の会社が勝手に本を出すからだ。バカな話である。
患者にアンケートをとったって、患者が良いと思う病院は、往々にして「患者にとって都合がよい病院」、(たとえば、この薬が欲しいといったら、すぐくれる、というような)になりがちである。医療はなるべく少ない薬や治療行為によって、患者の自然治癒力を引き出すのが、名医の技であるが、素人にはそれは理解できなくて、こういう医師や病院を、「不親切な病院」と判断することは、毎日、日本のどこかで起きている筈である。
知識の裏づけの無い素人の主観的、感情的な回答は、井戸端会議の噂の域を出ず、客観的な評価からは、程遠い。
◆第三者であり、評価専門の組織の見解を参考にするべきだ。
医療機関を評価するならば、同じ調査者、しかも、患者ではない第三者、が一定の評価基準に従って、複数病院を廻って、時間をかけて行うべきである。要するに、医師でも患者でもないが、医療機関を見るポイントは押えている、第三者による評価を参考にするべきだろう。そして、そういう機関が実在するのである。
医療機関機能評価機構という。ここでは、順位などは掲載されていないが、前回問題点があり、指摘して、それが、改善された病院には認定証が出る、という仕組みになっている。全ての病院が網羅されているわけではないし、この組織の評価が100%妥当かどうかは、私にも分かりかねる。しかし、少なくとも、「患者アンケート」によるランキングよりもあてになることは、確かだろう。
2003年02月06日(木) 日本政府がアメリカによるイラク攻撃を支持するだと!?・・・子供が殺されるのを黙って見ているということだ。