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■ 歌舞伎町の今日は雨
彼が 酔いに任せて吐露する
私への愛は
饒舌でストレート。
でも、以前から比べたら
ずっと減った
愛しているよ
の、言葉。
私は 毎日シャワーのように
それらの言葉を聞きたいのに。
不満な私は 今日、
彼に私の思いを 打ち明ける。
「ねぇー、このごろ愛してるって 言ってくれない。」
私は おどけた調子で彼の顔に自分の顔を近づけ
彼の目を覗き込む。
しらふの彼は 少し照れたような風をして
一呼吸置いて 私に愛を告げる。
「瑠璃ちゃん、愛してるよ。」
こころなしか、彼の顔が赤い。
それを見て
私は 彼が嘘や言い繕う気持ちで
その言葉を発したのではない事を すぐ悟る。
「本当? 嘘じゃないの?」
今度は 私が照れてしまい
彼を 逆に責めるような事を口走る。
「あったその日の最初と最後、
それは必ず kissで始まり、kissで終らなくちゃ 駄目なの。」
日常
彼に指示する人間はいない。
彼に 自在に物を言うのは
私くらいだと 彼もいう。
彼がわたしを愛してくれている間だけの魔法。
それが、私の唯一の特権。
誰にも彼が与えない、私だけの特権。
「たくさん 愛してるよって 言って。
毎日、言って。
言って 言って、毎日言って。」
そういう私に
愛しているよを 君は強制するんだねと、
言いながらも
愛を語ってくれる彼の車のサイドシートに座り、
今日があった証明に
写メを一枚取りたいという私に
車のワイパーを止め
ワイパーが映らないよう 配慮してくれる彼。
歌舞伎町の 今日は雨。
2009年01月29日(木)
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