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2004年10月28日(木) ■ |
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震災列島(石黒耀)読了 |
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●読了:震災列島(石黒耀) 著者からのコメント 東京の自然災害危険度はニューヨークの17倍。日本で暮らすということは、実はそれだけで相当リスキィな行為だということを、著者コメント欄に書こうと考えていたら、初版発行翌日に新潟県中越地震が発生。初の新幹線脱線とか、既存の断層の前後に延びる未知の伏在断層、震度6強など、作中で想定したある地震そっくりの状況が展開して、唖然としました。地震規模もほぼ同じです。私に予知能力があったわけではありません。この規模の地震は、日本のどこでいつ発生してもおかしくないのです。恐ろしいことですが、私達が暮らすのはそんな国なのです。・・・(後略)・・・
期待はずれだった。前作『死都日本』のインパクトが強かっただけに、今回はちょっと期待しすぎたかも。 大震災が日本を襲うという舞台背景の上で、主人公(中年男)が娘を殺したヤクザに復讐する話。ヤクザとの戦いに勝つための手段が、東海地震によって起きる津波というわけ。 地震についての専門的な記述は結構あるものの、ストーリーの方は割合的にヤクザとの争いの方に力点が置かれていて、地震は事件の"背景"。もしくは復讐の手段。地震そのものが話の主役という感じがしない。早川首相と日銀の総裁やらの秘密計画、政治家たちの思惑、日本全国を襲うテロ・・・色々詰め込みすぎて、ぜんぶ中途半端に終わっている感じがした。彼氏持ちの若い女性がヤクザにさらわれて暴行を受けて・・・という話なので、ハッキリ言って読んでいて気分のいい話ではなかったし。 う〜ん、でも話に乗り始めたら一気に読めたから、悪くはなかったんだけど。
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