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2004年08月24日(火) ■ |
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象と耳鳴り(恩田陸)@曜変天目の夜 |
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●読書中:『象と耳鳴り』祥伝社文庫(恩田陸) ミステリ界“奇蹟”の一冊 「あたくし、象を見ると耳鳴りがするんです」退職判事関根多佳雄(せきねたかお)が立ち寄った喫茶店。上品な婦人が語り始めたのは少女時代に英国で遭遇した、象による奇怪な殺人事件だった……。表題作をはじめ、子供たちの会話、一枚の写真、携帯電話など、なにげないテーマに潜む謎を、鮮やかな手さばきで解き明かす論理の芳醇なる結晶。幻惑と恍惚の本格推理コレクション! 目次:曜変天目の夜 新・D坂の殺人事件 給水塔 象と耳鳴り 海にゐるのは人魚ではない ニューメキシコの月 誰かに聞いた話 廃園 待合室の冒険 机上の論理 往復書簡 魔術師
≪曜変天目(ようへんてんもく)の夜≫ ―きょうは、ようてんへんもくのよるだ。 語り手の関根多佳雄が、曜変天目の茶碗を見に美術展へ行ったことから昔の記憶が蘇り、10年前に「病死」した友人・酒寄順一郎の死の真相を推理する話。彼の死は、本当は自殺ではなかったか・・・? * 曜変天目, 窯変
作者が世田谷の美術館へ、曜変天目の茶碗を見に行った経験がベースになっているのだそうな。妻と娘に囲まれた現在の「ごく普通のおじさん」が、死んだ旧友のことを思い出している・・・という、まぁどうってことない短編。昔の記憶と現在が入り交じった文章で、語り手の内面をそのまま文章にしたみたいな感じ。
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