|
|
2003年11月17日(月) ■ |
|
魔法の声 インクハート(コルネーリア・フンケ) @12/59章 |
|
●読書中:Inkheart(Cornelia Funke)@12章 いやー、おもしろい。本に夢中になって、電車を乗り過ごしそうになったわ。急展開のストーリーに飲み込まれてしまった。話の主な舞台はイタリアらしい・・・って、またか!(笑) 主人公は12歳の女の子Meggie。記憶に残る限りずっと父子家庭で育った父親っ子で、Meggieの愛するパパ Mo(モー)と2人で、本で埋め尽くされたボロ屋で暮らしている。ある夜のこと、2人のところへDustfingerと名乗る怪しい人物が訪ねてくる。Moの知人らしいがMeggieは事情を全く知らされないまま、翌朝何の説明もなしに突然「しばらく出かけることになったから」と夜逃げ同然で家を出て行くことに。2人は基本的に放浪生活をしているらしく、1年前に引っ越してきた今の家よりもキャンピングカーの方がずっと"自分の家"という気がする、と思うMeggie。 ここまでで最初の2章くらい。この後、イタリアに住む親戚のElinorおばさんを訪ねたらそこが本に埋め尽くされた広大なお屋敷で、すっごく良い感じだとか、Moがさらわれてしまったりとか、Dustfingerが怪しすぎるとか、色々あって・・・・・・。
Meggie、Mo、Elinorという主要人物たちが本好きという設定なので、色んな本のタイトルが話の中にぽろぽろ出てくる。その場の状況を本に例えたり(Ex.夜、お屋敷の巨大なベッドの真ん中に沈み込む自分を『不思議の国のアリス』みたい、と言ったり)章の始めには必ず意味深な引用があるし。Inkheartというのは、話の中に出てくるMoの大切な本のタイトルだ。 MoやElinorの、Meggieに対する対応がいかにもドイツっぽくて可笑しい。ヨーロッパの国はどこでもそうかもしれないけど、大人と子供の境がものすごくキッチリしていて、Meggieの言い分を「子供は黙ってなさい」と切り捨てて平然(笑)もしMeggieがあと4歳年上で16歳だったら、全っ然違う話になってたんじゃないかなぁ。 それから、MoがDustfingerに"Silvertongue"と呼ばれているけど、口が達者な人をそう言うらしい。そういえば、『黄金の羅針盤』のライラもLyra Silvertongue(銀の舌のライラ)と名乗っていたよね。ここではMoの「本を朗読すると、登場人物に息がふきこまれる」という能力を指しているんだろうけど。
≪登場人物≫ Meggie -主人公 Mo(Mortimer) -Meggieの父、"Silvertongue"と呼ばれることも Dustfinger -謎の人物 MeggieとMoに付きまとう Elinor -Meggieの母のおば。本で埋め尽くされた屋敷に住む。
≪4-12章で出てきた本≫ ◎4章 ≫J.Doraston,quoted by W. Blades J.Dorastonの"The Bookworm"という詩の一節。≫全文 章頭の引用 ≫The Selfish Giant(Oscar Wilde) (この場合は)絵本 p 31おばさんの家の門の形がこの本からじゃないかと言って
◎5章 ≫Curse on Book Thieves The Monastery of San Pedro, Barcelona, Spain 章頭の引用 本じゃないかも。中世以前の本が貴重品だった時代の、本を盗んだ人への対処とかが書いてある文章の一節か何か? 翻訳を待とう。 ≫Alice in Wonderland (Lewis Carroll) 『ふしぎの国のアリス』 ≫Tom Sawyer(Mark Twain) / 『トム・ソーヤーの冒険』 ≫How the Rhinoceros Got His Skin(Rudyard Kipling) (この場合は)絵本
◎6章 ≫Herzt, Book of Minstrelsy 章頭の引用 これもよく分からん。本じゃないかもね。
◎7章 ≫"A thousand enemies outside the house are better than one within" アラブの諺 章頭の引用 本じゃないね。
◎8章 ≫The Witches(Roald Dahl) / 『魔女がいっぱい』 章頭の引用。この本が出てきたのは2章に続いて2回目。
◎9章 ≫Solomon Eagle 章頭の引用 分からん!
◎10章 ≫Princess Bride(William Goldman) / 『プリンセス・ブライド』 章頭の引用
◎11章 ≫The Wind in the Willows(Kenneth Grahame) / 『たのしい川べ』 章頭の引用(3章に続いて2回目)
◎12章 ≫The Fellowship of the Ring(J. R. R. Tolkien) / 『指輪物語』第1部『旅の仲間』 章頭の引用。ガンダルフやビルボがよく歌ってる歌。 "The Road goes ever on and on Down from the door where it began...... " ≫Alice in Wonderland (Lewis Carroll) / 『ふしぎの国のアリス』 5章に続いて2回目。
|
|