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みんみん



 引っ越し

のいと一緒の部屋に寝たら、夜中、思っていたよりものいはにぎやかに運動していた。夜行性の証明。おとなしく私の近くで一緒に丸くなってくれたこともなくはなかったけれど。とても暑い夜だったので、私は寝汗をかいていた。そしたらのいが額の汗をなめてくれた。
猫の舌はとてもざらざらしている。手をなめられるぶんにはあまり気にならないが、顔の皮膚はうすいので、一所懸命になめられると実は皮膚が痛い。でも猫ばかは嬉しくて、痛ッと思いながら心の中で喜ぶ。やめるなやめてくれやめるなやめてくれやめるな・・・眠いながらもグルーミングのお礼を言い、私もなでてやる。

朝起きたらつんとしたにおい。のどの奥が痛くなるような。
空中散布のにおいではないか。でもこんな街中でまさか(田舎じゃあるまいし)。外に出たりー氏が、除草剤のにおいだろう、草が枯れている、と言う。
うちの周りは雑草が生い茂っている。りー氏の命により(笑)むしり取ることは禁止されている。しかし大家さんは目に余ると判断し、その結果*好意で*除草剤がまかれたのだろう。朝顔や葡萄やキウイの周りは避けてある。だからそこは変わらずに青い。
昨夜母がやってきた時に、まだ草は青々としていた。それが一晩で枯れる。夏の緑の中に、季節にはそぐわない部分的な茶色。知っているのに違和感のある風景。どこか「間違っている」ような異様さ。

昔、のいがやってきたばかりの頃。ある朝、まだ野良だったのいが、水たまりの水をぴちゃぴちゃと飲んでいたことがあった。私が朝顔に水をやったら、土のくぼみに水がたまったのだ。
そんなことを思い出した。のいが草を食べたりしなくてよかった。のいはもう外に出ていないのに一瞬そんなことを思う。

別に大家さんは悪いことをしたわけではないし、除草剤は必要悪なのかも知れないし、きれいごとばかりでもないのだろうとは思うけれど、あからさまな変化にはショックを受ける。

農薬のにおいはすぐにわかるのだ。私は田舎の子だから。

夕方、車のトランクと後部座席いっぱいに荷物を載せていよいよ引っ越し。
ケージ・届いたばかりの猫砂たくさん・使用中猫砂・えさ・トイレ(仮)・猫本2冊・のいノート(覚え書き)、それからキャリーに入ったのい。
実家でのいが行動を許された場所は、玄関・廊下・居間・ダイニングキッチン・脱衣所・階段・2階のうちの2部屋。他の部屋はドアや襖を閉めておくことになった。
ダイニングの一角にトイレと食事場所を確保した。寝場所はこれからのいが決めるだろう。

新しい家(と、わかっているのだろうか。言い聞かせてはあるけれど)の中をくまなく探検。
初めてうちに来た時ののいの目といったら、(人間の)子供と同じやね、と母。

夜、『釣りバカ日誌』シリーズ最初の作品をテレビでやっていたので、りー氏と両親と4人で寝ころんで観る。お約束のシーン(が、あるんですな)で、やだなー親とこういうの観るの、と思っていると、じつにタイミングよくのいが部屋に入ってくる(笑)。
意外なキャスティングをも楽しむ。

2002年07月27日(土)
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