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2008年11月09日(日) Jユース杯 ガンバ大阪戦 (H)

08年11月09日 (日) 14:00開始 日本平スタジアム
 Jユースカップ2008 第16回Jリーグユース選手権大会 Eグループ
 対 ガンバ大阪ユース ※45分ハーフ
 天候: 小雨

[前半]
清水エスパルスユース
 控え: 柴田、久保田、曽根、山田、成田、石原、畑
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−中原− 望月恭 −田代−−稲毛−−
−−−−−−前田−−青木−−−−−−
− 佐野傑 −−−−−−−−−杉山−−
−−−−−−池上−−柴原−−−−−−

−−−−−ブルーノ−大塚 −−−−−
− 三ノ宮 −−−−−−−−−神門−−
−−−−−−田中−−水野−−−−−−
−−岡崎−−菅沼−−橋本−−臼井−−
−−−−−−−−森廣−−−−−−−−
ガンバ大阪ユース

16分、ガンバRB臼井がPA右角手前にクサビの縦パスを入れ、自身もパス&ゴー。そこに飛び出したCH水野がパスを受けると、そのエリアはガンバの得意とする「スモールフィールドに敵味方が密集した状態」。水野のドリブルに警戒したCB田代が進路を阻もうと前に出ようとすると、FWブルーノが田代の背後をとり、水野がスルーパスを送る。文字にすると長いが、一瞬の判断。あっさり裏に抜けたブルーノが飛び込むGK長島を軽く越えるシュートで、ボールをゴールに収めた。0−1
31分、ガンバ、警告: 大塚
34分、清水LH杉山が戻したボールをCH青木がサイドに散らし、そこに流れたCH前田が意を決してドリブル開始。あれよあれよと20Mほども持ち込み、サイドからPA内の進入を図るが、DFに引っ掛かってしまう。しかし、セカンドボールはLB稲毛の元へ、稲毛も意を決してドリブル開始。強引に力業で縦に持ち上がると、意外とあっさりとDFの間に割り込むことに成功、PA内から45度マイナスのパスを中央に戻すと、杉山のミドルシュート。GK森廣、胸元でがっしりキャッチ、のはずが雨でファンブル。しっかり詰めていたFW池上が、すかさずゴールに蹴り込んだ。1−1
43分、ガンバ、警告: 橋本

ガンバ大阪     清水エスパルスユース
3(2) シュート 7(3) ×佐傑、○杉山、◎池上、×佐傑、○杉山、×前田、×柴原
1(0) 右クロス 1(0) ×柴原
3(0) 左クロス 1(1) ○稲毛
0(0) 右側CK 0(0)
3(0) 左側CK 1(0) ×柴原
0(−)  犯OS  2(−) ・柴原、・柴原
5(1) ファウル 5(0) ・青木、・池上、・池上、・恭平、・池上


[後半]
清水エスパルスユース (79分〜)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−中原− 望月恭 −田代−−稲毛−−
−−−−−−前田−−青木−−−−−−
− 佐野傑 −−−−−−−−−成田−−
−−−−−− 畑 −−池上−−−−−−

−−−−−ブルーノ−大塚 −−−−−
− 宇佐美 −−−−−−−−−大森−−
−−−−−−田中−−水野−−−−−−
−−岡崎−−菅沼−−橋本−−山田−−
−−−−−−−−森廣−−−−−−−−
ガンバ大阪ユース (60〜81分)

 46分、ガンバ、ポジションチェンジ: 三ノ宮RH、神門LH
 50分、田代がガンバお株の短い縦パスを読み切り、前に出ながら刈り取ると大きく蹴り出してカウンター。逆サイドに伸びたボールを、FW柴原が見事な浮き球コントロールでRH佐野傑に落とし、佐野傑は柴原を追い越して中に切れ込む。進路を塞ぎつつ、左足で巻き込むシュートを警戒するガンバ。と、彼は左足をアウトに掛けてパスを送った。DFの裏とGKの間を抜ける速いボールに、逆サイドから走り込む杉山。綺麗なインパクトでゴール右へと突き刺した。2−1
 51分、ガンバ、警告: 神門
 51分、ガンバ、交代: 神門→宇佐美
 60分、ガンバ、交代: 臼井→山田、三ノ宮→大森

 70分、中盤でCH前田がフェイントを仕掛けるが、上手くいかずに囲まれて水野?に奪われる。縦にドリブルで持ち出した後、スクエアにパスを繋いでサイドを変え、PA外へ引いてきたFW大塚の元へ。PA左角に顔を出したブルーノにクサビを当て、あからさまにワンツーでの崩しを仕掛けた。さすがに清水もその動きを見越し、望月恭と田代で大塚を挟み込む基本どおりの守備で自由を奪うと、大塚は2人の間で倒れた。と、これがPK。大塚自らグラウンダーのコントロールショットで、ゴール右に流し込んだ。2−2
 75分、清水、交代: 柴原→畑
 79分、清水、交代: 杉山→成田
 80分、清水、警告: 青木
 81分、ガンバ、交代: ブルーノ→原口
 85分、清水、警告: 池上

ガンバ大阪     清水エスパルスユース
7(3) シュート 10(5) ○佐傑、○杉山、×青木、◎杉山、×柴原、○池上、○稲毛、×佐傑、×成田、×前田
1(0) 右クロス 4(2) ○池上、○柴原、×中原、×佐傑
3(1) 左クロス 0(0)
0(0) 右側CK 2(0) ×佐傑、×佐傑
2(0) 左側CK 2(0) ×柴原、×柴原
1(−)  犯OS  1(−) ・池上
8(0) ファウル 9(3) ・佐傑、・池上、・恭平、・佐傑、×恭平、×前田、・青木、・池上、×池上

●個人的MVP 前田 陽平
●個人的MIP 佐野 傑、稲毛 拓也

 2週間前の前節、アウェイで0−3の完敗を喫したガンバとの対戦。近年、Jrユースはガンバに負けて最後を迎える屈辱を味合わされており、3年生は夏の2−4に続いて冬も0−2で敗れ、横浜Mと大分に連勝しながら1次リーグ敗退。2年生は夏こそ2−0で勝利したが、冬は0−3から一時2−3に追い上げる反発力を見せるも、結局2−4で敗れた (ガンバは大会優勝)。昨年も一昨年にも出場した柴原・深澤諄・成田・田代がリベンジを果たすべく奮戦したが、やはり1−2で敗れている (ガンバは大会優勝)。ユースでも、ここ3年連続してJユースカップの同グループに組み込まれており、一昨年は、昨年は1勝1敗である。彼我の実力差は勿論あるが、相性も悪いと言わざるを得ないだろう。
 清水は深澤諄が出場停止。西澤が (山崎も?) 怪我人リストに加わり、GK2名がベンチに入るなど、台所事情は苦しい。深澤諄の代わりのSBは左に稲毛が復帰し、右は山田ではなく中原を抜擢。慢性的に人数不足のCBには、CHの田代をU-16代表同様にコンバート。3年生5人、2年生3人、1年生3人。一方、夏のクラブ選手権4強のガンバは、その大会でレギュラーだったU-16代表組 (内田、山田、宇佐美、原口) と同じく1年生の大森が先発から外れた。代わって元U-17代表の大塚・田中、大塚と共に来年の昇格が決まった菅沼など、3年生が10人並んだ (水野のみ1年生)。3年前の再戦、…と言うには、同じ顔ぶれが菅沼・田中・大塚 (は夏のみ) しかいない。最強のJrユースを抱えながら、ガンバはユースからの外部加入組も多いのである。ちなみに清水の方は3年生5人は勿論、柴原や青木も出場していた。

 清水もガンバも攻撃を作りたがる傾向があり、静かな立ち上がりを迎える。ポゼッションではバックパスも厭わないガンバが圧倒的で、4分、13分、14分とCKを奪うなどスタッツ上でも優位に立つが、ファーストシュートは結局15分を過ぎてから。16分、RB中原をサイドに釣り出したLH三ノ宮のキープから、引いていたFW大塚が追い越しながらパスを受け、そのまま放ったドリブルシュートだった。ガンバと言えば個人技のイメージが強いが、本当の脅威は完璧な「止める技術」にある。後ろでパスを回しつつ隙を窺い、ここぞで入れる速い縦パスを足下にしっかり収められる。失わないから、後方の選手が信じて前へ飛び出し、それまでの緩いパス回しが嘘のように一気に縦へ攻めきってしまう。16分の先制点は、CB経験が乏しい田代がマークから離れた一瞬を見失わなかった、あっさりという印象すらあるゴールだった。
 だが、格上に先制されながら、意気消沈とはならなかった。そもそも中盤の守備は、シュート2本に抑える健闘を見せていたわけだ。豊富な運動量かつ1対1で優位に立つ前田を、同期の佐野傑・杉山が頻繁に中に絞って助けていたが、失点後はバイタルを青木に任せ、3人が前に出る。そして、互いに前掛かりの中盤勝負になった時、ガンバは意外な脆さを見せた。25分、CH前田がCH青木とのパス交換でボールを落ち着かせ、FW柴原へ縦パス。柴原のスルーパスにRH佐野傑が飛び出し、切り返して左足でシュートを放つが惜しくも枠外 (これが2点目の伏線となる)。35分、前田とLB稲毛と2回、前線で仕掛けて追いついた後も37分、FW池上がCB橋本に潰されて得た中盤のFKを望月恭が素早く再開、DFの裏に落としたボールをLH杉山がミートするが、威力なくGK森廣。前線で体を張る池上の献身も素晴らしかった。対するガンバは39分、RB臼井のロングボールのこぼれ球に大塚が突っ込んだぐらいで (枠外)、清水が優勢を保って前半を終えた。

 後半、清水の勢いは加速する。いきなり46分、前に出てきたCH田中から前田がボールを奪い取り、持ち運んで縦パス。受けた柴原が右サイドに捌き、再び佐野傑が飛び出してシュート。GK弾いたところを逆サイドで杉山が拾ってシュートはCKに逃げられる。49分、右サイドから戻されたボールを青木がサイドチェンジ、LB稲毛が再度返すと青木が35Mミドル。この距離でバーに直撃させて本気で悔しがるあたりが、青木の真骨頂だろう。50分、フィールドを大きく使った綺麗な崩しで逆転した清水は、遂に宇佐美を引きずり出す。しかし、宇佐美は大塚とプレーゾーンが重なるのを嫌ってか、左サイドを漂うばかりで運動量が少なく、大塚もそれを嫌ってか中盤に下がることなく前線に張るようになり、ガンバの攻撃はむしろ停滞したように見えた。
 対する清水は快調。59分、前田の奪取から池上の右クロスを柴原がボレー、62分、田代のダイアゴナルフィードを柴原がサイドに開いて受け、右クロスに池上がニアで頭を合わせるが、GK森廣が左手一本でCKに逃れる。65分、佐野傑の右CKのこぼれ球を拾った前田のPA内への放り込みを、稲毛が左足で軌跡を変えたが、GK森廣が反応。ボールを支配し、ほぼ一方的に攻めていただけに、ここで決めておけば大差をつける可能性もあった。だが、現実はそうはならず、70分、微妙な判定ながら大塚のPKで同点に追いつかれてしまった。その後の清水は72分、ドリブル突破した池上から柴原がポストになり、佐野傑が切れ込みつつ左足で狙うが枠外。互いに徐々に運動量が落ち、交代で新しい選手が入って、膠着状態となる。それでも個で決められる力を持つ両者、89分、宇佐美がポストに入った大塚とのワンツーで左45度10Mから濡れたピッチを這わせるシュートを撃つが、GK長島はこぼすことなくキャッチ。清水もロスタイム、PA内左側での混戦から強引に縦に持ち出してシュートするが、ニアポストに阻まれた。

 独力でボールを奪い、持ち運び、前線で仕掛けまで行う前田は、間違いなくフィールド上で最も優れた選手だった。2失点目の起点となったが、これはマイナス面では捉えるのでなく、試合を通してこうしたチャレンジで中盤のガンバのプレスをいかに交わし、次の展開を容易にしていたか、そのプラス面を評価すべきだろう。豊富な運動量を前に向かって出せている時の前田は、本当に凄い。その前田の周囲で支えたのが、同期の池上・佐野傑・杉山。とりわけ佐野傑は近づいては前田に匹敵する足技でショートパスを繋ぎ、離れてはスピードで活かしてドリブルで切り刻んだ。盛んに最前線と入れ替わる姿は、ちょっとだけクリロナっぽかった。この試合が復帰戦となった稲毛は、足下勝負の多かった試合の中で、180cm超の神門・三ノ宮にフィジカル真っ向勝負で勝利。交代出場の大森にも仕事をさせなかった。確実な守備は攻撃面でも自信をもたらし、得意の球足の速いクサビだけでなく、迫力満点のドリブルも見せていた。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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