2007年09月02日(日) |
Jユース杯 ガンバ大阪戦 (H) |
07年09月02日 (日) 14:00開始 日本平スタジアム Jユースサハラカップ2007 第15回Jリーグユース選手権大会 Fグループ 対 ガンバ大阪ユース (H) ※45分ハーフ 天候: 曇りのち晴れ
[前半] 清水エスパルスユース 控え:柴田、鍋田圭、曽根、深澤、佐野諒、佐野孝、藤牧 −−−−−−−−長島−−−−−−−− − 望月卓 −滝戸−−山崎−−江守−− −−−−−−柴原−−青木−−−−−− − 望月恭 −−−−−−−−−西澤−− −−−−−−前田−−池上−−−−−−
−−−−−−大塚−−吉本−−−−−− −−− 宇佐美 −−−−− 池 −−−− −−−−−−安田−−田中−−−−−− −−岡崎−−菅沼−−内田−−前田−− −−−−−−−−森廣−−−−−−−− ガンバ大阪ユース
27分、清水、警告: 池上 28分、ガンバ、FW池上が中盤で犯した上記のファウルで得たFK、何事もなかったように近くの選手にショートパスを出して再開。小気味よく繋いで右サイドに流れたFW大塚にパスが渡る。小気味よいテンポを落とさず、大塚がDFラインの裏に速いクロスを入れると、スライディングで飛び込んだCB滝戸の足の深い位置に当たってコントロールできず、ゴールへと転がり込んでしまう。滝戸の奥にいたFW吉本がオフサイドポジションで、副審の旗が上がるが、主審はプレーへの関与がなかったとして、ゴールを認めた。0−1
ガンバ大阪 清水エスパルスユース 10(2) シュート 3(1) ×恭平、○前田、×滝戸 4(0) 右クロス 1(0) ×恭平 3(1) 左クロス 0(0) 3(0) 右側CK 1(0) ×柴原 1(0) 左側CK 0(0) 1(−) 犯OS 1(−) ・前田 7(2) ファウル 4(2) ・前田、×西澤、×江守、・池上
[後半] 清水エスパルスユース (60〜74分) −−−−−−−−長島−−−−−−−− − 望月卓 −滝戸−−山崎−−江守−− −−−−−−青木− 佐野諒 −−−−− − 佐野孝 −−−−−−−− 望月恭 − −−−−−−柴原−−前田−−−−−−
−−−−−−吉本−−瀬里−−−−−− −−− 三ノ宮 −−−− 宇佐美 −−− −−−−−−安田−−田中−−−−−− −−岡崎−−菅沼−−内田−−前田−− −−−−−−−−森廣−−−−−−−− ガンバ大阪ユース (78〜82分)
45分、清水、交代: 西澤→佐野孝、池上→佐野諒 (佐野諒CH、柴原FW) 60分、清水、ポジションチェンジ: 佐野孝RH、望月恭LH 71分、ガンバ、中盤右サイドで開いて受けたRH池が、ゆっくりと加速しながらドリブルでバイタルエリアに向かう。と、10M弱進んだところでグラウンダーのクサビ。顔を出した大塚がDFを背負いながら倒れ込みつつ、PAの裏にワンタッチでボールを流す。そこへ外から斜めにRB望月卓の背後に駆け抜けたLH宇佐美が。ワントラップからシュートを放つと、距離を詰めたGK長島も触れるが、大きく空いたゴールのファー側へ転がっていった。0−2 72分、ガンバ、交代: 大塚→三ノ宮 74分、清水、交代: 望月卓→深澤 76分、ガンバ、右サイドを崩しに掛かるが攻撃に詰まり、RB前田が中盤の底に位置するCH田中に戻す。田中は大きく空いた中盤を持ち上がる。と、左サイドに速いクサビを入れて、自らは前へ。パスを受けた宇佐美はワントラップから縦に持ち出し、加速する。投入間際のRB深澤はこのスピード変化に全くついていけず、置き去りにされた。最後はゴール前を平行移動する速いクロスを、ファーサイドの吉本が余裕を持って頭で押し込み、0−3
78分、ガンバ、交代: 池→瀬里 (宇佐美RH、三ノ宮LH、瀬里FW) 80分、清水: 交代: 柴原→藤牧 82分、ガンバ、下がってクサビを受けたFW瀬里に対し、CB山崎も上がって潰しにいくが、それに気づいて早めに中盤へ戻す。受けたCH安田は中盤をゆっくり持ち上がり、瀬里とそれをマークする山崎もゴール前へゆっくり戻る。と、RH宇佐美が瀬里がいた前線のスペースへと中に絞り、安田はそこへ速いクサビ、そして自らはダッシュ。宇佐美がキープして裏のPA内へパスを落とすと、飛び出した安田が再び受ける。GK長島は前に出ざるを得ず、それを見た安田は冷静に右に小さくパス。後は吉本が押し込むだけ、0−4 82分、ガンバ、交代: 菅沼→橋本、田中→平川 85分、ガンバ、交代: 吉本→ブルーノ 90+2分、清水、警告: 滝戸
ガンバ大阪 清水エスパルスジュニアユース 12(7) シュート 2(1) ×孝洋、○藤牧 9(2) 右クロス 2(0) ×孝洋、×孝洋 5(1) 左クロス 0(0) 2(0) 右側CK 0(0) 3(1) 左側CK 1(1) ○柴原 3(−) 犯OS 1(−) ・恭平 1(0) ファウル 4(1) ×柴原、・青木、・藤牧、・滝戸
●個人的MVP 青木 達也 ●個人的MIP 長島 潤、山崎 教史
プリンス東海2部降格決定から1ヶ月半。先々週のJユースカップ緒戦でサガン鳥栖に負けるなど、未だ好転の気配は見えない。戦術は変わらず4-4-2ながら、前節から青木を公式戦初先発させるなど、だいぶメンバーを入れ替えてきている。先発は3年生2人、2年生5人、1年生3人、中学生1人。小澤は前節退場で出場停止、鍋田亜は先週末の中日本で怪我。対する夏の王者、ガンバ大阪は3年生4人、2年生5人、1年生1人、中学生1人で、クラブ選手権決勝と同じメンバーを並べてきた。CH田中とFW大塚は、U-17ワールドカップの代表である。昨年も同大会で対戦し、1−2、0−4。Jrユース当時、現2年生と1年生は夏・冬、共に対決しており、2年生世代はガンバの2勝、1年生は1勝1敗だった。
行徳監督再任以来、「ボールをしっかり止めて蹴る」サッカーを徹底して追及している清水だが、そうした意味では全二種チームの中で最もマイボールを大切にするガンバユースとの試合は、似た方向性同士の対戦だった。ただ、目指すサッカーが同じでも、それが実現できてないチームと、実現しているチームとの対戦であったが…。清水の選手はファーストタッチ (止める) が狂うので、その間に相手に詰められてしまい、次のプレーの選択肢が著しく狭まってしまう。主体的に次のプレーを選択できたのは、比較的プレッシャーの少ないCBの2人、ボールを奪った時の青木、中盤で受けられた時の柴原、前線にグラウンダーのパスが通った時の前田ぐらいだろう。全員がワンタッチでボールを足下に置き、同時に体の向き (ボディシェイプ) を整えるガンバの選手とは、絶望的な差があった。 ただガンバの場合、ポゼッション過度で縦への展開速度は遅いため、清水はMFや時にFWまで下がって人の数で守ることができた。また最後はPA内で勝負を仕掛ける形が非常に多く、そこを守る滝戸・山崎・青木が地上戦に強さを見せて、最後の一線を割らせなかった。ミドルシュートやSBより外から斜めにPA内の裏に抜けることで、ガンバは清水の最後の砦の周囲から攻撃するが、そこはGK長島の好守とゴールの枠が食い止める。結局は波状攻撃のボディブローで足が重くなったところ、70分からの約15分間で3点を叩き込まれて力尽きるが、守備面では収穫も見えた試合だった。やはり問題は攻撃面、ろくにパスも繋げず、意図する形すら見えてこないだけに深刻だ。
青木はJrユース時代、バイタルエリアに鎮座し、向かってくる相手を待ち構えてボールを奪うや、早い判断でロングフィードを一気に前線に供給するのが役割だった。だが、山田や荒井といった掃除屋が相方にいないこの試合、青木は自ら動いて奪いにいき、運び、繋ぎに入ることまで求められた。更にゴール前に飛び出しやサイドの大外を回るなど、戦術上のおどりの動きも見せる。同時に強い体で相手を遮り、確かなテクニックで足下へとボールを抑え、時にはダイレクトで大きく展開する、そうした青木の長所は変わらず。70分過ぎから明らかにバテたが、戦術的素養を豊かに磨き上げた姿を見せてくれた。 昨年の対戦でも中学生ながら出場した長島だが、ループで決められたり、ニアを抜かれたり、強いシュートに前へ弾いて詰められたり、苦い経験を舐めさせられた。この日はシュート反応、クロスに対する空中戦、スルーパスへの飛び出し、キック精度と、あらゆるプレーを高いレベルでこなし、成長を証明。とりわけ69分の足でのシュートストップは圧巻だった。CB両名も粘り強い対応で、PA内に侵入する相手に仕事させず。共に守備エリアが広く、中央の守備の堅さに手を焼いて、サイドから斜めに侵入してくるガンバにも、機敏に対応していた。奪ってからの展開も冷静で、波状攻撃を受けないようにパスを処理していた。CBの展開力の方が安心できるとは、情けない話だが…。 小澤は出場停止だったが、長島・山崎・青木という昨年のJrユースの堅守を支えた選手が、順調に成長してユースの基盤になりつつある。それだけに、中盤から先の停滞がもどかしい。前田・池上・西澤・望月恭・望月卓といった2年生は、一昨年のJrユースの主力中の主力。その時はガンバにこそ2敗したが、全国で横浜M・大分を下し、一定の結果を出した。少なくとも、この日ほどの差はなかったはず。もう一度自分を見つめ直して、奮起してほしい。
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