08年11月16日 (日) 13:00開始　藤枝市総合運動公園サッカー場
　Ｊユースカップ2008 第16回Ｊリーグユース選手権大会　Ｅグループ
　対 徳島ヴォルティスユース　※45分ハーフ
　天候: 雨

[前半]
清水エスパルスユース
　控え: 柴田、曽根、山田、西澤、成田、石原、畑
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−中原− 望月恭 −山崎−−稲毛−−
−−−−−−前田−−青木−−−−−−
− 佐野傑 −−−−−−−−−杉山−−
−−−−−−柴原−−池上−−−−−−

−−−−−− 岡 −−小林−−−−−−
−−藤本−−−−−−−−−−友成−−
−−−−−−大西−−尾形−−−−−−
−−谷脇−−喜多−−渡邊−−中村−−
−−−−−−−−新居−−−−−−−−
徳島ヴォルティスユース

徳島ユース　　　　　清水エスパルスユース
５（２）　シュート　７（３）　○柴原、×前田、×柴原、○青木、×池上、○杉山、×佐傑
２（１）　右クロス　４（２）　×佐傑、○中原、○中原、×佐傑
１（０）　左クロス　１（１）　○杉山
０（０）　右側ＣＫ　２（０）　×佐傑、×佐傑
３（１）　左側ＣＫ　０（０）
０（−）　 犯ＯＳ 　３（−）　・稲毛、・杉山、・池上
６（０）　ファウル　11（１）　・前田、・柴原、・池上、・青木、×杉山、・柴原、・池上、・池上、・佐傑、・池上
　　　　　　　　　　　　　　　・池上

[後半]
清水エスパルスユース (70〜83分)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−中原− 望月恭 −山崎−−稲毛−−
−−−−−−前田−−青木−−−−−−
−−柴原−−−−−−−−−−成田−−
−−−−−− 畑 −−池上−−−−−−

−−−−−− 岡 −−井坂−−−−−−
−−藤本−−−−−−−−−−小林−−
−−−−−−大西−−尾形−−−−−−
−−谷脇−−喜多−−宮本−−反田−−
−−−−−−−−新居−−−−−−−−
徳島ヴォルティスユース (60〜90分)

　57分、清水、警告: 杉山
　58分、清水、交代: 佐野傑→畑 (柴原ＲＨ、畑ＦＷ)
　70分、清水、交代: 杉山→成田
　72分、徳島、交代: 中村→反田
　77分、徳島、交代: 友成→井坂 (小林ＲＨ、井坂ＦＷ)
　79分、徳島、交代: 渡邊→宮本
　83分、徳島、警告: 大西
　83分、清水、交代: 中原→山田、稲毛→曽根

　86分、清水ＬＨ成田が自陣でパスを受けると、待ってましたとドリブル開始。縦にボールを運び、ＤＦが寄せてきたところで左足アウトでサイドに開いたＦＷ池上にパスを捌こうとするが、ここは読んでいた徳島ＤＦに奪われてしまった。しかし、すぐにＣＨ青木が縦を切り、仕方なく中盤中央にパスで逃げたところ、逆サイドから寄せてきたＲＨ柴原が体を入れる。こぼれ球の浮き球処理でマイボールにするや、スルーパス。中央には池上とポジションチェンジしたまま成田が。パスが出た時点ではＤＦより引いた位置にいた成田が、スピードだけでＤＦを追い抜いて１対１に。角度のない位置から強シュート、…と見せて逆サイドにパスを振る。フリーで走り込んだＦＷ畑が確実にゲットし、１−０
　88分、清水、交代: 池上→石原 (石原ＣＨ、前田ＲＨ、柴原ＦＷ)
　90分、徳島、交代: 藤本→小笠
　90+1分、徳島、警告: 新居
　90+1分、中央に寄せていた清水ＲＨ前田が右オープンスペースにパスを送ると、畑が加速する。進路を塞いだＤＦをパワーとスピードで強引にブチ抜き、ＰＡ内へ。１対１から再加速した畑にＧＫの反応が一瞬遅れ、両者交錯、判定はＰＫ。畑自らゴール左上に強シュートを蹴り込み、２−０

徳島ユース　　　　　清水エスパルスユース
１（０）　シュート　９（５）　×稲毛、○前田、×池上、×恭平、○柴原、×火田、◎火田、○火田、◎火田
０（０）　右クロス　６（２）　×前田、○火田、×柴原、×柴原、×柴原、○柴原
０（０）　左クロス　５（３）　○前田、×稲毛、○曽根、×池上、○池上
１（０）　右側ＣＫ　３（１）　×柴原、○柴原、×柴原
０（０）　左側ＣＫ　２（０）　×杉山、×柴原
２（−）　 犯ＯＳ 　２（−）　・柴原、・稲毛
８（２）　ファウル　６（１）　・前田、×杉山、・前田、・青木、・火田、・？？

●個人的ＭＶＰ　畑 直樹
●個人的ＭＩＰ　青木 達也、柴原 誠

　前節、ガンバと清水のグループリーグ突破が決まり、消化試合となったこの試合。清水の先発は田代と入れ替わり、前節ベンチ外だったＣＢ山崎が何事もなかったように復帰したほかは (修学旅行でも行ってたのだろうか)、変更なし。深澤諄が出場停止から明けたが、中原が前節のままＲＢを務め、田代と深澤諄の２人はベンチではなく、怪我人続出のサテライトに回った。ベンチも西澤が怪我から復帰し、ＧＫを二重に登録する必要がなくなった以外は変化なし。先発は３年生５人、２年生４人、１年生２人。対する徳島ヴォルティス。緒戦となった徳島ホームで清水に０−２で負け、以後も０−３ガンバ、０−４大分、１−４大分と４連敗している。アウェイでは前田が退場している清水、ホームでは点差をつけて勝ちたいところだ。徳島の先発は、３年生３人、２年生４人、１年生４人。

　ガンバは日本一マイボールを大切にするチームであり、そのガンバにショートパスとドリブルで真っ向から勝負を挑んだ清水も、非常に特異なチーム。対して攻撃は縦に速く、奪われればさっと引いてポジションを整える標準的なスタイルの徳島に対して清水は戸惑い、前節獅子奮迅の活躍を見せた前田からボールが上手く展開されない。しかし、地力で勝る清水は相手のミスと独力での崩しで決定機をつくり、5分、ＲＢのバックミスをＣＢから奪ったＦＷ柴原のループはＧＫの腕を越えられず。7分、ＬＢ稲毛のクサビがカットされたのをＣＨ前田が拾い、ＤＦ網を破りつつシュートを撃つが、大きく浮かせてしまう。16分、前田が右サイドに散らし、ＲＨ佐野傑のキープを追い越したＲＢ中原のクロスを、下がりながら柴原が合わせたが、ポスト右に外れた。25分、ＤＦクリアをダイレクトでバウンドさせたＣＨ青木のミドルはＧＫにキャッチされ、31分には右ＣＫのクリアを望月恭が左に再展開し、杉山の左クロスにＦＷ池上がフリーになるが、枠を外してしまう。32分、中原のクロスをＬＨ杉山が巧くミートしたボレーはＧＫ正面。42分、杉山が逆サイド裏のスペースへ綺麗に通したスルーパスに佐野傑が飛び出したが、枠を捉えなかった。
　一方の徳島は、長いボールを蹴り込み、そこに前線の選手が走り込むか、セカンドボールを拾ってドリブルで持ち込もうとする。清水のミス頼みであり、とりわけ「ＳＢ仮免中」の中原が意図的に狙われた。21分、ＬＨ藤本がドリブルを仕掛けて中原が左ＣＫに逃れると、ＧＫ長島の前に徳島の選手が入って飛び出せなくさせたところ、小林のキックから喜多がヘッドを放つが枠を外す。35分、ＦＷ岡がダイレクトで流したボールがバウンドしたのをＣＢ望月恭が見失い、裏に走り込んだ藤本のシュートはニアサイドネットに外した。45分には最大のピンチ。中盤からＣＨ尾形の入れたアーリークロスがファーに流れたところ、中原がマークを見失ってしまい、ＦＷ岡にフリーでヘッドされたが、ふんわりしたクロスのせいもあってシュートスピードがなく、ＧＫ長島がこれを抑えた。決定機を一つでも決めていれば楽な試合だったのだが、笛をよく吹く審判の判定もあってリズムが徐々に乱れ、それが守備にも影響している印象だった。

　58分、ＦＷ畑を投入して柴原をＲＨに。これでようやく試合が動き出す。それまで引いて守る相手にも律儀に中央突破を仕掛けていたが、柴原がサイドに開くことでフィールドを大きく使うプレーが出てくる。70分の成田の投入で、その狙いは更に加速。58分間で６本だったクロスは、残り32分間で10本に増えた。シュートは62分の柴原の右ＣＫから稲毛のヘッド (枠外) のみと、回り道の展開に決して好機は多くないが、後半相手のシュートは58分のＦＫから喜多のヘッドのみ、クロスは１本も許さず、前半は何度か見られた相手の縦に速い攻撃を完全に封じていた。76分、池上のポストプレーをＣＨ大西が倒し、ほぼ中央20ＭからのＦＫは前田が曲げて狙うがＧＫ新居が反応、すかさず詰めた池上がゴールに押し込むばかりだったが、フリーのヘッドは枠上に。大榎監督は83分、両ＳＢをより攻撃的な山田と曽根に代える。
　既に徳島が専守防衛の状態だっただけに、交代の効果は如実に表れた。ＳＢがＳＨの更に外を回ることでサイド攻撃が徹底されると同時に、ＳＨの柴原・成田の自由度が高まる。84分に柴原の右クロスと曽根の左クロスから畑が２本のヘッドを放つと、87分、遂に均衡破れる。その後も89分に先制点と同様の形から成田が今度はサイドに開いた池上にパスを捌き、池上の左クロスをまたも畑がヘッド、ＧＫ新居はＣＫに逃れる。ロスタイム (90+1分) に畑がＰＫを奪って駄目を押し、膠着した試合を最後は攻め切って終える力強さを見せて、２−０で勝利した。

　スーパーサブの役割を果たした畑が私撰ＭＶＰ。体格が固まってきたことでJrユース時代のひ弱さが消え、プレーに力強さが出てきた。トップスピードでのプレー精度に著しい成長の跡があり、アクロバティックだけでなく、バランスの良い基本的なプレーでゴール前以外でも役割をこなしている。青木は空中戦で相手を圧倒。要所を得たポジショニングで短中距離の展開を悉くＤＦラインの前でカットし、ポゼッションに貢献した。柴原はサイドに回った後、きっちりクロスを上げる役割に対する忠実さと正確さ、それと相反するようではあるが、ポジショニングを中央に寄って展開する柔軟性が印象的。私にはＦＷよりサイドで使われる立場になった方が、柴原の良さが活きる気がするのだが、いかがだろうか。