○○先生は、実際には「T上さん」と呼んでいる。 省略して「ガミさん」と呼んだりもする。 私の声楽の先生のお友達だ。
自宅の一室を改装したスタジオで、音楽の方の録音は、しょっちゅうされている。 今回、朗読録音はお互い初めての試み。
T上さんは、コアな音楽マニアなので、自分でミキシングの機械を作ったりする。 音に対するこだわりは想像以上で、アメリカ製・オーストラリア製・イギリス製…と、それぞれ機械を使い分けていらっしゃる。
T上さん:「普通なぁ〜、made in Japan とか、made in Italy とか書いてあるやろ?イギリスは違うデー、プライドがあるねんで。こう、ばぁーっんと“Kingdom”(王国)って書いてあんねん。」
なるほど、なるほど…。
以前、いつも利用する電車に乗って京都駅まで出る時に、伏見駅から白人の年配の団体が乗り込んできた。 とりわけ、1人の老女がお疲れのご様子で、つり革二つにぶらさがるように立っておられたので私の座席をお譲りした。 京都駅までつたない英語で会話するのに、疲れたこと。(笑) 伏見で日本酒の試飲をしてきたんだって。 北アメリカの方から来たって言ってたっけ? 白人種とお話していて感じることは、彼らの根底に「このイエロー・モンキーが…。」って意識があるように思えること。
「私たちは、あなた達より、優秀な人種なのよ。」って意識が見え隠れして仕方がない。
京都駅についたとき、老女は澄まし顔で座っていた。 「もしもし、終点ですよ。」と伝えようか、伝えまいか考えたけれど、「もう、あんたとの会話は終わりよ。( `_ゝ´)ツーン」って感じだったので(笑)、そのまま、サヨウナラを言って別れた。
まぁ、人間って、そんなもんだと思うな。(笑)
ちょっと脱線してしまいました。
さて、T上さんの生態がまこと面白い。 齢、56歳ぐらいですか…。看護士を育てる教師をされている奥さんと二人ぐらし…。
私が始終、歯医者通いの話題をするせいか、ある時、こんなことを仰った。
「おれなー、中学生ぐらいまで歯ぁ磨く習慣なかってん。みんな、磨いてなかったし、そんなもんやと思ってて。だから、今、歯ぁガタガタやでぇ。(爆)」
そこまでとなると徹底していて、かなり笑えた。
他にも…
「ずっと実の姉やと思って、一緒に育って来た人がいてんやけど、実はまったく血が繋がってなかってん。ハハハ♪ (*’▽’)」
なんでも、T上さんのおじいちゃんが人の良い人で、戦後の混乱時に、よその子を預かっていたそうな。
…そんなこんなで、幼少の頃は、おぼっちゃまだったT上さんは、どんどん家が落ちぶれて行き、貧しい生活を送るようになったそうだ。
…察するに、現在の家計費の大半は奥さんが担っているのと違うかな。 以前、奥さんがボソッと「ごくつぶし」みたいなことを、T上さんを指して言っていた。(笑)
T上さんは、ユニークなキャラで、おそろしくマイペースで… それでも、電気関係の仕事、音楽会のミキサーの仕事、ギター教師と…ほそぼそと仕事を取って来る。
人は、なんなり生きて行けるもんだなぁ…と思う。
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