それは、お金。
勉強のしすぎで(嘘つきは泥棒のはじまり♪)仮性近視から、本格的な近視に進んでしまった…。
…というのは軽い冗談で、今から思えばアメリカの間接照明の薄暗さで一気に近視が進んだような気がする。 あとパソコン中毒と、寝る前の本。 薄暗い中で本を読むのって、淫靡な感じがして素敵じゃありませんこと? (〃δーδ) ニヤ〜
一昨年前、得意先の担当女性がレーシックの手術をされた。
「夜中、目を覚ましても裸眼で時計の針が見えるんだよーぅ♪」とても幸せそうだ。 ちっとも羨ましい。 通常、近視というのは角膜がきつくカーブするから、一般の視力の人からみると薄暗い世界に住んでいるらしい。 レーシックのサイトを読んでいると、文字通り「世間が明るくなった。」との意見が圧倒的に多い。
私は日中はソフトコンタクト、帰宅すると目がしんどいので、めがねに変えている。
って、めがねってね、私の鼻は低いのでズリ落ちちゃうんですよ。 あと、めがねの上下の隙間が、階段の登り下り時に怖い。視界がどうしてもぼやけちゃうんでね。
最近は、レーシックのオペ代もやすくなってるし、どうにもこうにも裸眼生活がしたくなった。
…そんなわけで、ある日、有休を使って近隣で有名な眼科に検査の予約を入れた。 その眼科は通勤電車とは反対方向で、電車を一本乗り過ごしていた私は、雪舞うホームを呆然と見つめていた。 「良かった、今日、出勤じゃなくて。」 運動音痴の私は駅から会社までの道のりで、間違うことなく自転車もしくは徒歩ですっころぶだろう。
あまりの寒さに、ホームの待合室に滑り込んだ。 …と、ホームのベンチに薄汚いレザー緑色のポーチが置いてある。 そばに男性トイレがあるので、誰か所用を足しに行ったのかも知れぬ。 ベンチに小物が置いてあったって、誰も気にもとめない田舎の駅、それとも殺伐とした世相を反映しているのかも知れない。
しばらく様子を見たが、誰も取りに来ないので、駅務室へ持って行こうと思った。(親切) ふと、持ち上げると、かんなり重たい。 携帯が10個くらい入ってそうな重量だ。 中をみたくなって、そのまま女性トイレに消え、チャックを開けてみると両替だろうか、10円玉や100円玉の棒状にフィルムされた(銀行の両替のまま)のが幾本か…。 千円札が束で幾数枚か。 他に銀行の封筒がいくつかあった。
唖然呆然眺めていたが、Σ(o'(ェ)'o) ハッと我に返った。
「いかん、いかん、このままだと猫ばばしそうだ。」
もう、眺めるのは止めて、元通りチャックをしめて、駅務室へ持って行った。
「集金日なのできっと困っていらっしゃると思います。」駅員さんは、住所名前も聞かずに、受け取った。
ヽ(´o`;lll オイオイ 1割寄こせ。
…とも言えず(交番じゃないしね)、そのまま、次の電車に乗りました。
猫ばばするのは簡単だが、私が将来的に良心の呵責に耐えきれないだろう。 もし、罰があたって、近視の施術が失敗したら…。 根っから、ブッディストの私は、少々、びびり気味。
ひとまず、良いことをした!
結果的に「年老いた時に老眼鏡をかけたくない。」私には、レーシックの手術は向いていないようだった。 あれこれ、瞼をひっくり返されたり、目にこよりのようなモノをつっこまれて、涙量の検査をしたり…2時間に渡っていろんな検査をしただけで、手術は断念して帰ってきた。
数日して、思わぬお金が転がり込んできた。
結果的に、それで懐かしのロスへ行くわけです。
人に善いことをすると3倍返し。
悪いことをすると2倍返し…血の涙を流すはめになるのやデ!と、母は口を酸っぱくして戒める。
当たっているのかも、いないのかも。
レジで釣り銭を多くもらうと黙っているが、少ないと文句を言い出す小市民の私には、こなへんが妥当かな…とも思う。
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