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HELEN&HEAVEN
Helen
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2004年04月19日(月)
遺歯


私がアメリカ行きの前にしたことは、虫歯の治療と親知らずを全部抜くこと。

アメリカでは健康保険なんてシステムはないし、医療費は高額だと聞いていたので、治せるところは全部治そうと思った。

親知らずは合計3本しか生えてなかったけれど、一番、磨きにくく虫歯になりやすいところ…。

上の歯だったか下の歯だったか忘れたけれど、根本の先が二股に別れた歯の標本そのものの形は面白かった。

銃社会の危険渦巻くアメリカ。

人種の坩堝アメリカ。

車社会のアメリカ。

国際線の飛行機に乗るのは初めてだったので、落ちる危険も考えた。
どんな事件に巻き込まれても、どんな状態で命を落としても不思議ではない。

覚悟は決めていた。

虫食いのない標本みたいな歯の1本を母に渡して「私に万が一のことがあったら遺骨だと思って大事にして。」と言ったら…

「そんなん(歯)気持ち悪いし要らん。」と言下にアッサリ断られた。チッ(・д・)

母の居ぬ間に仏壇の引き出しに放り込んでやった。

もう1本は自分で持ち…

残る1本は、その頃つきあっていた彼氏に渡そうとしたら…

「欲しくない。」とまた断られた。(爆)

あんたたち!愛してないの?(笑)

その拒絶された歯も彼氏の居ない間に彼氏の鞄の奥底に放り込んでやった。へっ

そののち母には、それまで育てて貰ったお礼の手紙を書いた。
照れくさい…初めて真剣に書いた母への手紙だった。
うっすらと「遺言になるかも?」と感じていた。
彼氏とは書簡の航空便が何度も往復した。(最後の方には途絶えたけれども…)

幸か不幸か3往復した飛行機は落ちずに済み…

フリーウェイから車ごと落ちた時も、車はお釈迦になったが自分は無傷で済み…

飲酒運転で捕まった時も、私のレコード(記録)が紛失されたので罰金も面取りも免れ…

そうして2年後、無事に帰国することができた。

帰国して変わっていたことは唯一、出国前の彼氏に新しい彼女が出来ていたことか…。
川・ε・川 チョームカツクー!!(コギャル風)
しばらくのち…
風の便りで出来ちゃったケッコンをしたことを聞いた。


こうして、いまだに…

生かされていることの不思議を時々考える。

将来、自分の命が尽きる時、贖罪は少しは済んでいるかなぁ…と思うんです。