先週半ば… 歯医者のジィちゃん先生から電話があった。
先生:「あんたの歯の模型を今見てたんだけど…、犬歯がだいぶチビって来てるし、足しといた方がええナーぁ。」
…ということで、金曜日に継ぎ足しに行ってきた。
犬歯と言ってバカにしてはいけませぬよ。 犬歯は我々の歯の上下の咬合運動のストッパー的な役割をしていて、これがちびると奥歯に負担がかかるのです。
奥歯に負担がかかると、奥歯がちびてきて、ちびている間は良いのですが、それが進むと、顎関節がやられる。
顎関節の手術はオオゴトで(歯を抜いてするから)あまりしない方が良いらしいです。 皆さんも、鏡で犬歯の有無を確認してね、上下の歯の接する部分が前歯のようにフラットになっていたら、すり減っている証拠で要注意です。
さて、ほんとは、下の犬歯を継ぎ足すのが理にかなっているらしいが、下の犬歯は上の犬歯より削るのが痛いらすぃ…。 ......\( ><)シぎょぇぇぇ 痛いのイヤ。。。
よって従来通り上の犬歯を継ぎ足すことにする。 まずは、左から…。
私:「先生、麻酔してねっねっねっねっねっ!!」
先生:「あんたは、おおげさやなー。(^▽^笑)だいじょうぶやって、敏感やねんなー。」
私:「先生、この前、犬歯削ってから継ぎ足した時も非常に痛かった。おおげさでもなんでもなく、痛いもんは(ノ≧ロ)ノ<痛痛痛痛痛痛痛痛痛…。」
先生:「ほぉかぁ〜?しゃあないな、ちょっと(麻酔)打っとこうかぁ?」
私:涙目になりながら、「(○ `人´ ○) タノンマスー!」
先生:「せやけどなー、鈍感な人もいるんやでぇ…。その人はおばあさんやけどなー、いっぱい削ってもけろっとしてはったでええ。」
私:「(" ̄д ̄)けっ! 神経ないんとちがうー?私は痛いネン、痛いネン、痛いネン。。。」←しつこい・笑
まずは、左上犬歯のはぐきに、ピチッと麻酔の針を打つ。これがつねられるように痛い。待つこと5分。鼻の左側の感覚が無くなって来た。 再度、麻酔液を入れる…5分後、左の顔面がしびれてくる。そっと手で触れても、他人の顔みたい…、殴られたみたいにジンジンしてる。
それから、犬歯をちょっと削って調整する。 プラスチックだか陶器だかの粉をねりねりして犬歯を盛り上がらせて行く…。 ここまでが先週の治療。
昨日は、右の犬歯をした。
治療前に、近隣にある内科のチコツ先生の話題をしてさんざん笑う。ヾ(-д-;)ぉぃぉぃ ※チコツ先生 地元で風邪以外はヤブで有名。以前、Helenがお腹を壊したとき、触診のついでに恥骨まで触ったので、以来あだなが“チコツ”になった。
チコツ先生と、歯医者のジィちゃん先生は、昔おなじPTAの役員をしてたんだそうな。
「あいつ(チコツ先生)、僕んとこ来てな、あの早口でワーッと喋りよるねんけど、“何言うてるかわかれへん!”って言うたこと有るわ。」
そう、チコツ先生は、早口で何をいうてるのか良くわからない。 聞き返すと怒られるので、(´_ゝ`)ハイハイ・・と適度に相づちを打っておく…。 字も細かい字でチマチマと「あれは、性格が現れているね。」とジィちゃん先生と結論を出した。(笑)
そんな話しをして大笑いをしたあと、診察台に登ると、ジィちゃん先生は、奥さんの話題を持ち出した。
「うちとこの家内も、わーわーうるさいけどね、家には一人くらいウルサイのがいてないと物事がはかどらないね。」
私:「奥さんは、いつも怒ってはるねぇ…。ヾ(´ε`;)ゝ 」
診療所と自宅は隣の町内同士で離れているのだが、時々、奥さんが寄られる。 奥さんは、琉球王朝の末裔だってさ。小顔のべっぺんさんだが、少し癇性のところがある。 いっつもイキナリ来て、ジィちゃん先生にガーッ!と怒っている。 ジィちゃん先生はニヤニヤしているだけ…。
いつぞや、ニヤニヤしつつも毒を吐きだし、夫婦喧嘩みたくなって、ヒヤヒヤした。
奥さんは、私に向かって「この人がどんなに不誠実か、お宅は知ってるの?!」と怒る。
少しは知ってますよ、若い頃は浮気性だったんでしょ?とも言えず、黙ったままで居ると…どんなに奥さんに冷たいかをなおもまくし立てるのです。
亭主族ってそんなもんでしょ? 外面が不誠実だったら患者さんは来なくなるし、診療所が儲からないと、奥さんもおまんま食い上げですよ…。とも言えずに、黙っていた。
そんな話しを思い出していると、ジィちゃん先生は、
「えっとどっちの歯やったっけ?(*゚・゚)ンッ?」反対側の歯茎に麻酔を刺そうとする。
私:「Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) 先生、先生、先生、今日は、右!右!!左はもう終わったの!」
先生:「そやったっけ?ヾ(@^▽^@)ノわはは〜♪僕みたなボーッとしてるのもかなんやろ?」
笑けるねぇ…。
昨日は合間に東京のご子息から電話がひっきりなしだった。
ジィちゃん先生は男の子3人いるのだが、「家計費の大半を教育費につぎ込んだ。」そうで、今は全員、歯科医でして東京の別々の地域で開業していらっしゃいます。
最近、同居予定の三男坊が開業している地域の別の歯科医が流行らなくなってきたもんで、因縁をつけてきているらしい。
私:「生きているといろいろ大変なことがあるねんなぁ…。」ひとりごちていると、
先生はこの言葉を覚えておきなさいと言った。
『 While there is life,there is hope. 』
生活(人生)には、希望がある。
つまりは、生きている間には希望がある。
先生:「人生には、辛いこともあるけれど、面白いこともあるねんで。」
ジィちゃん先生は、3歳の時に母親が亡くなって祖父母に育てられた。 下に妹がいる一人息子の長男だったので、戦争に取られぬよう祖父母が医師の道を薦めたらしい。
「ほんまは、医者なんてイヤやってん。」というから、私が「じゃ、何になりたかったの?」と尋ねると、しばらく考えたあと…
「そうやなー、祖父の缶詰工場を継いでもっと商売を広げていたやろうなぁ…。科学的な近代的な設備の工場にするねん。じぃさんと商売のことを話していたとき、僕は“まず、土地を買うこと。広い土地を買って工場をひろげるねん。”そう言ったら恐ろしい子やて言われてん。κ(`・´)κケケケケ♪」
そら、子供が土地のこと言うたら大人はびっくりしますがな。^^; ジィちゃん先生は昔から変わっていたのだな。(笑)
「僕なんかね、だから何の後ろ盾も無かったよ。天涯孤独だしね。昔のコトだし、もっとイジメはきつかったよ。だけど、負けなかったね。ジィッと話しを聞いていると、矛盾点が見えてくるの。そこをネチネチついていくから嫌がられるんだ。(^∇^)アハハハハ!最近の子供は(電話を頻々とかけてくる三男坊)あかんね!すぐに人に頼ろうとする…。ε=(・ρ・*) フゥ」
継ぎ足して厚みが出てきた犬歯にあわせてマウスガードも削り直して貰ったし、最後の治療になった。 来月、東京に移転するらしいが、東京の水が合わなくて、早く帰ってくればな…と思う。
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