万葉集 二番目の歌
大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎立ち立つ うまし国ぞ 蜻蛉島(あきづしま) 大和の国は
ここ大和にはたくさんの山が寄り集まっているけれど、なかでもとりわけ立派なのが香具山。 その香具山の頂に立って領土を見渡せば、広々とした人の住む平国原には煙が立ちのぼり、海原にはかもめが飛びまわっている。豊かなよい国だよ,蜻蛉島と呼ばれる、大和の国は。
天の香具山 奈良県橿原市・桜井市
天上界にあった山が落ちて来て、その片割れが天の香具山になり、もう片方は伊予の国の「天山(あめやま)」になったそうな。この「天山」は、愛媛県に今も地名が残っていて、温泉郡石井村にある孤立丘がその山らしいです。
【単語】
★とりよろふ 未詳。《とりわけすぐれている》《拠り所とする》など諸説ある。 ☆国見 高所から国を見渡すこと。元来、支配者が春などにおこなう儀礼の一つであったそうな。 ★煙 水蒸気、陽炎、人家において料理する煙など。 ☆海原 奈良盆地は洪積世末期から沖積世にかけて、 海湾→海水湖→淡水湖→盆地と変化した。舒明天皇の頃(西暦七世紀)、大和郡山あたりまではまだ湿地帯であったので、これを海原と言った(樋口清之説)。埴安の池など、天の香具山周辺の池を言ったという説もある。
※ この歌は、舒明天皇 じょめいてんのう ?〜舒明一三(641) が、詠んだと言われています。 天の香具山は、奈良のではなかったという説もありますが、地形変動があったとすれば、やはり奈良説が有力では?と思います。
私が、明日香村を思い出すときは、この歌もセットです。 昔の建物だから、縦穴式住居でしょうか…草原の、そこかしこから料理をする煙が立つ風景が目に浮かぶようです。
今日は、春の麗らかな天気に誘われて、突然、明日香巡りを思い立ちました。 以前訪れた時は、5年ほど前でしたか…。 その時も、レンタサイクルしましたが、今回もしました。 レンタサイクルは1日かりて¥1,000。結構よい値段がしますな。 (高松塚古墳等、ガレージが無料だったので余計と対比されちゃったんだね。)
ずっと懸念だった「亀石」。最初に訪れた、その数年後… 心ない人にいたずらされて、消化器で真っ白になっていた亀石。 この目で、キレイになった亀石を確認できて良かった。
以前、見た高松塚古墳などはパスして、小さな古墳…、猿石や鬼のお手洗いを見てまわった…。
花粉をいっぱい吸い込んだようで、帰宅後の夜、えらいめにあった。 それでも、心地よい疲れでございました。
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