歯医者のジィちゃん先生は、たまたまだが私が『ネット』で、いとも簡単に小林秀雄のカセット・テープを手に入れたので「へーっ!便利な世の中になったなぁ!(*゚.゚)ホ・(*゚。゚)ホーーッ!!」と驚いていた。
なんでもネットで簡単に手に入る世の中…確かに便利になったが…
『現代は飽食の時代で、24時間操業のコンビニ等により“夜の概念”が無くなり、なんでも手に入る世の中になったが、精神文明は立ち後れているのではないか?』という話題になった。
歯医者のジィちゃん先生は、なんでこないな思索好きになったかというと『子供の頃病弱でとりわけ結核で入院していた期間が長かった。』から、病院の天井を見つめながらベッドの上で思索に耽る時間が多かったからのようです。
確かに、入院生活は長く…それが何年にも渡ると今の時代のように貸しテレビ等も病室にないだろうから…考えざるを得ない状態になっちゃったのかも知れない。
幸いに病気は治って退院した。
家の隣の子が眼鏡屋の息子で、その当時貴重だった肝油の粒(缶入り)を分けて貰い、1日1個ずつ嘗めて栄養をとったらしい…。
戦前に廃業したか戦後に廃業したか忘れてしまったが、歯医者のジィちゃん先生の生家は缶詰工場をしていたらしい。
大阪の生家は空襲で焼けてしまったと言っていた。
何年も落第しながらのんびり歯科医の免許をとった彼は、
「これからの世界に目を向けなければならない。日本は資源が無いから何をするにしても頭打ちになる。」…先見の明があった彼は、船により韓国経由でアメリカに渡るつもりだった。
乗り込む予定の船は目の前で爆撃され、沈んでしまった渡米の夢と共に…。
…そして、現在に至る。(笑)
戦争経験者の彼は、現代の飽食を嘆く。 思考能力を失った現代人を嘆く。
私:「そうよねー。今は24時間テレビもやってるし、インターネットという媒介もあるし、情報は寝転がってたって手に入るもんねー。考える能力が退化したってしかたないよ。」
ジィちゃん先生:「贅沢になりすぎたナー。┐('〜`;)┌」
私:「戦争を知らない私の世代もそうやけど、平成生まれはもっと可哀相かもしれん。」
ジィちゃん先生:「アカンなー!もっと考える時間を作らないと!!」
私:「どやったら、モノ考えるようになるかなぁ…。」
ジィちゃん先生:「せやなー。手始めに夜は7時に消灯。電気使えんようにする(家庭への電力の供給を止める。)とかやねー。うん!(^^)」
私:「それ、イイねー♪真っ暗闇だとしょうことなしにモノ考えるようになるなぁ。」
二人で(・∀・)ニヤニヤ…。
そんな早い時間の消灯は困るが… ジィちゃん先生の考えは、突飛で面白い。(笑)
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