朝、起きたらうっすら雪化粧だった。
今日は高知の宿毛(すくも)港から、九州の大分は佐伯(さいき)港へ車ごとフェリーで渡る。 フェリーは「しまんと」。サンフラワーよりも小ぶりの船だ。
宿毛港までは車で5分ほど、宿舎での朝食はパスして、フェリー乗り場手続き場内の喫茶店で、しっかりとモーニングを食べる。(思えばこれが間違いの始まりだった。)
フェリーは、2階建て。 車は船底だから厳密には3階建てかな。 2階の甲板に出られる付近のテーブルに陣取って余裕をかます。
その頃、これから尋ねていく鹿児島の方から携帯に電話が入る。
私:「今、フェリーが出航したとこです。また、九州に入ったら適当にご連絡さしあげます〜♪」
先方:「そう、気をつけて来てね〜。」
その数分後、海は荒れに荒れ、おまけに高速で進むものだから、全身が激しくシェイクされてしまうことになろうとは予想だにしなかった。胃がでんぐり帰ってしまった。 たった2時間半を甘く見たわたしは、その後、着岸寸前まで個室から出られなくなってしまった。とほほな九州上陸物語です。(笑)
鹿児島の方は、実は我が社の得意先の直近まで担当の方だった。 直近までというのは、暮れも間近の12月に入ったくらいだったでしょうか、いきなりその方の配置転換があったんだ。
金曜日の朝に辞令が出て、土日は休み、引き継ぎも何もナシに、月曜日から、まったく経験の無い部署に移された。
我が社の窓口のM下ヲジも私も心底おどろいた。 ちょうど、M下ヲジから貰ったその会社の元社員の告発本を読み終わったところだった。 怖い会社だ。。。。ブルブル((((ーωー;)))))ガクガク。。。
最近、アイフルの宣伝のチワワの「くーちゃん」が人気だけれど、同時に、くーちゃんに魂を抜かれる様子がキューティーなオジサンも人気らすい…。
『清水 章吾』… 得意先の元担当さんは、この方に雰囲気がとても似ている。
細長くってメガネが似合って、優しくて子煩悩な「パパ」って感じ。
実際の元担当さんも、お年頃の娘さんがお二人いる優しいパパです。
いつも、盆暮れには、薩摩揚げを送ってくれる。 これがまた、おいちいんだ。(ーρー)ジュル
私が、初めてこの担当さんに出会ったのは、仕事が異常に忙しかった4,5年ほど前です。 鹿児島から出張に来られたその方は、わたしのような何の役職も持たない一介の事務員に、ぴしーっと45°の立礼をされて、「お世話になっております。」と仰られた。
あまりにも背筋が美しかったので、その後、尋ねたところ、剣道をなさっているそうだ。
『実るほど頭を垂れる稲穂かな…』この方と触れ合うと思い出す言葉です。
“故郷の 訛りなつかし 停車場の 人ごみの中に そをききに行く”
石川啄木の歌を思い起こさせる、鹿児島県人の彼からの電話は、母が喜ぶ。
「すんご〜〜〜〜い、訛ってた。ひゃひゃひゃ〜 (∠T▽T)ノ彡☆」
岡山県人の母が馬鹿にしても五十歩百歩。
48歳の彼は、「下の子がまだ高校生なので、あと2,3年、がんばらなきゃ…。」と言っていた。
新しい部署では、「一応、なんでもない“フリ”をしている。」と冗談か真剣なのか真面目な人なので判別がつかない。 眠れなくて、息が苦しくて…っておっしゃっていたので、自殺しちゃうんじゃないかナ?と、心配だった。
最初のこの旅の目的は、高知のメル友さんに会いに行くためでした。 高知のメル友さんは、遠く海外にお嫁に行かれていて、機会がないと会えないからです。
そんな話しを問わず語りに、鹿児島の方に、
「お正月明けに、高知県のすくも市までお友達に会いに行きますよ。 九州(鹿児島)に近いですねぇ〜。」とポロリと言うと、
彼は応えた:「(ノ ̄∇ ̄)ノ わぁ〜い じゃっ、 フェリーでおいでよ〜ぅ♪(九州まで)スグじゃん!」
…( ̄ェ ̄;) そんなに、スグでも無いけれど。
それでも、この先、会えないと後悔を残すような気がしてきた。
「それは、使命ですね!行かないと!!」高知県のメル友さんが、きっぱりと私の背中を押したのでした。
こんな面(つら)でも、喜んで貰えるならお見せしに行きましょうぞ…。
年末のフェリーや宿の予約はあわただしかったが総て順調に取れたのでした。
つづく
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