うつろな時、意識は、あちこちに移動しやすい。
− 今頃、あなたは何をしているのでしょう。−
ふと、現実から離れてしまう。
タマネギをたて半分に切って、スライスし、みじん切りにうつる・・。
女性には、特有の“母性”というものがあるから、時々、やっかい。
− 栄養は、ちゃんと足りてるんだろうか。−
そんなことは、きっと大きなお世話なのでしょうけれど。
拭いても拭いても滲み出ててくる涙は、タマネギのせいではない。
想像の海で泳ぐ、わたしの中のあなたは、いつでも優しいし、綺麗なままなのです。
現実は・・・?
ちょっと、違う。
お互い加齢は容赦なく忍び寄るし、感情の起伏もある。
だけれど、現実に対峙しなければ、スクリーンに居続けることができる。
そうやって、後ろを向いたままむきあって、時は流れて行こうとも、それはそれで、かまわない。
そう、思えるあいだは、心に余裕があるのです。。。
そのうち、情念のほむらをむらむら燃やしたくなって、いけない賭に出てしまうかもしれない。。
いけない賭にでることは、わたくしの悪い癖であって、それで今まで笑いながらコケて来た。
わたしの中には、まだ、ぎりぎり感が生まれてこないんです。
いつまでも、夢みていたい。 いつまでも、夢みることは、不可能だとわかってはいても。
点と点が結ばれて、いつか線になる頃に、物語は静かな終焉をむかえるのでしょうか。
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