I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME
|
|
2013年07月27日(土) ■ |
|
『FUJI ROCK FESTIVAL '13』2日目 |
|
NINをひきずったまま起床、11時前迄ホテルでBSの『あまちゃん』一週間分を金曜日分迄だらだら観てしまう。あかん、あかんわー。ようやく出発すると、そうだった今日は土曜日だった…前日よりシャトルバスの列もリストバンド交換の列も桁違いに長い。駅から会場迄徒歩含めて計50分くらいのところ、3時間近くかかった。焦った。そして雨が降り出した。
■奥田民生(GREEN STAGE) 「俺にしては珍しいですよ、こんな雨は!」と言う程降りました。新旧織り交ぜハードなセット、「悩んで学んで」では「昔の曲はキーが高いぜ!」「死ぬかと思ったぜ」なんて言っていた。荒天の状況を目にしてか、久々のフジだったからか、結構厳しい表情が見られました。演奏も前述したとおりハードと言う言葉がふさわしい。でもMCはゆるくてそのギャップが民生らしいなあと思ったり。いんや格好よかった。 ベースが小原礼さんだった!久々に聴けて嬉しかったな。
雨が本気降り、これは参った。そういえばおひるごはんもまだだった…カールの前に何か食べとかないとこのあとはきっとありつけない。と言う訳で恒例おにぎりの長い列にとりあえず並ぶ。新メニュー「豚汁雑炊」なるものが出来ている。大雨のなか並んでいる間に考える、一年に一度しか食べられないおにぎりマスターのおにぎり…しかし前日の頁に書いたとおり、雨のなか立ったまま皿を二枚持っての食事は非常に厳しい……結局雑炊にする。要はねこまんま豚汁版で、ねこまんま好きはウハウハです。うまいわあったまるわでよござんした。 ちょっとでも雨を避けようとレッドへ移動すると、椅子がびっしり。ここはスタンディングエリアじゃないんかい。邪魔なんじゃいと進むうち、二列目迄来てしまった。
■DARKSTAR(RED MARQUEE) 一列目がおかーさんとちっちゃい女の子で、母「大丈夫なの?」娘「大丈夫だよう」の会話を何度か聞く。しかし始まると飽きちゃったか眠くなったか、女の子はステージに背を向けてしゃがみこんでしまいました(苦笑)。おかげで視界のよいことよいこと…と言いつつ、こちらはこちらで立ったまま寝た…ごめん! いやダークなエレクトロで非常に気持ちよいサウンドでですね…お腹も満たされてましたし……ホントすみません。いい曲だったんだよー!
このままではいかんと外に出る。雨は止んでいた。
■KARL HYDE(GREEN STAGE) バックドロップは本人が描いたのであろう巨大なドローイングが四枚。小柄なカールが中央で、UNDERWORLDのときとは全く違う佇まいで立っている。ソロアルバム『Edgeland』を聴いたときはそのあまり穏やかさに驚き、これはグリーンでのライヴだと苦戦するのではないか…なんて思っていたのでした。いやいやすみません、全然そんなことなかった。雨上がりの曇り空になんとも言えない色彩の夕暮れ、ステージ上空に漂う靄、ひんやりした空気。美しい高地の風景に、しっとりと漂うカールの声。空模様も彼に味方したかのようでした。 スケッチのような短い曲を、微笑を浮かべて唄うカール。本当に素敵な表情をするひとだなあ。そしてギフトな声を持っている。この声をじっくり聴けるソロアルバム、本人も歌とじっくり向き合ってみたかったのかな。 すごくよかったです。歌がすごく伝わるライヴだった。
ふわふわした足取りでレッドへ向かう。久々のHURTS!
■HURTS(RED MARQUEE) ----- Setlist 01. Exile 02. Miracle 03. Wonderful Life 04. Somebody To Die For 05. Evelyn 06. Sunday 07. Sandman 08. Blind 09. The Road 10. Unspoken 11. Illuminated 12. Better Than Love 13. Stay ----- 2011年1月の単独来日以来。なんか3.11以前のことは皆随分昔のことのように感じる。 と言う訳で二年半振り、今年出た新譜はリリースと同時に聴き込んでおりましたが、彼らの動向とか迄はチェックしておりませんで……こんなに大化けってかスケールデカいバンドになってたとは! 初っ端から客の盛り上がりがすごくて、フェスだから?なんて思ったりもしていたらいやいやいや、めっちゃシンガロングですよ。しかも男性ファンがすごい多くてセオー!とか叫んでて…野太い声で(笑)。しかもそのセオがさ、もう貫禄ってなくらいのステージング。初来日のサマソニでは緊張して手が震えてた子が!シャイなモリッシーみたいだったあの子が!黒革の手袋、スーツ、ときにはらりと落ちるオールバックの前髪、ビッシビシにキメたスタイルで自在に観客を操っておる!ぽろりと出る笑顔がまたかわいい、そしてそこでも「キャー!」ではなく「おおおおおお!」の轟き。いや初来の頃は「キャー」が多かったと思いますよ。こういうとき女性ファンの慧眼と言うものに思いを馳せますね。 とは言うものの、あまりの盛り上がりにバンドも面喰らっていたよう。ビューティフォーワンダホーエクセレントを連発してました。フジー!とか叫んじゃったり。胸に手をあててジーンと来てる様子を見せたり。 なんだ…何があった……確かにすごいポップでいい曲ですけど、大好きですけど、こんなに盛り上がるきっかけって何かあった?別にタイアップとかあった訳ではないし。web含む口コミだとしたらそれはそれですごい…洋楽も捨てたもんじゃないぜ。好きなひとはどこかに必ずいる!しかしこんなにいるとは! で、ここでふと思う。多分欧米ではもっと盛り上がってる筈だ。大物になりそうな気配、もはや本国ではアリーナクラスなのではないか?デペッシュモードみたいになっちゃったらどうしよう…日本のマーケットを相手にしてくれなくなるかも……いやー!それはいやー!!日本のスタッフさんがんばって!またつれてきて! バンド編成で、前回の単独ではお休みだった(上の日記参照)アダムもお初。お初と言えばデビューアルバムのアオリは「おハツです!大注目の男前ドラマチック・ポップ・デュオ見参」だったね…日本のスタッフさんがんば(略)オペラ歌手のサポートさんは来ていませんでした。その分インダストリアル色が強まったか。そういえばNINの『The Downward Spiral』のことがライナーに書かれていたな。もはやエレポップデュオと言う範疇では語れない…なんだろオルタナのオルタナと言うか、ひとまわりして懐古でもなく今流行りのものでもなく、まさに個性のあるバンドになったな!と言う感じです。スタイリッシュでい乍ら反骨精神溢れるマンチェ出身。もう最高ですよ。 あああ、新譜は国内盤で買ってるんだが、DVD付スペシャルエディションの外盤も買っちゃおうかなと思いました……。泥だらけの長靴でごめん、カッパでごめん。次の単独にはキメキメで行くよ!また来てー!出来るだけ早く!「Stay」をまた大合唱したい!
興奮冷めやらぬままグリーンへ向かう。寒くて持ち歩いてる飲み水が減らないので荷物が重く、腰が痛い。
■björk(GREEN STAGE) やはり激混み、うっかり前方へ行ってしまったらひとの背中しか見えない状態に。近くのひとが撮影してたカメラのモニタ画面で様子を知ったと言う…ズームで観れてよござんした。何しに行ったんだ。 ええと白状しますとダンサーインザダーク前後からアルバム聴いておりません。今どんなんやってるんだっけ?と言う…しかし後半は初期曲結構やってくれて嬉しかった!今「Army Of Me 」や「Hyper Ballad」を聴けるとは思ってなかったもの。もろEDM!って感じの音になっていましたが、これはこれで面白かった。 とにかく声の威力。女性コーラス隊を従え、人間の声にはこんな可能性があるのだと思い知らされ、そのことに敬意を抱かせる。聖歌隊のようにも、アニミズムどっぷりの霊的なものにも思える。圧倒されることしきり。 あとメタルのショウではおなじみの、あれなんて言うんだっけ火柱をぼわっと出す特効!あれをああいうふうに使ったところもビョークならではだなあと思った。何をやってもオリジナルに見える恐ろしさ。
ウィルコ・ジョンソンを観られなかったのが心残り。本人の体調次第のことだったし、急に決まったことなので仕方がない。フジに来られてよかった。また来れるって思ってもいいじゃない。元気で、また来てください。待ってる。
いやーなんか今回は狐につままれたかのような気分で観たものが多かった。山だけに何かいますよね。トンボも今年は多かった、バッタも沢山いた。 翌日はお昼過ぎ迄越後湯沢にいて買いものなんぞして帰りました、野菜を買って帰ると言うのを去年覚えたからね…こちらにはない神楽南蛮を買ったりしました。おいしいんだーこれ。そして路上で蛇を見た。最後の最後迄不思議な気分。
|
2013年07月26日(金) ■ |
|
『FUJI ROCK FESTIVAL '13』1日目 |
|
今年は金土参加。天候は例年通りと言う感じでした、昨年が珍しかったんだよねえ。個人的には雨好きなうえ暑さがちょう苦手(夏を憎むくらいに)なのでなかなか快適でした。しかしごはんやおやつの時間に雨降りまくられたのには参った…この時間に食べとかないともう暇がってなときに限って降るのねー。ジェラートやアイスは雨空の下で食べたら溶けちゃうし、お皿がふたつになっちゃうおにぎりと豚汁セットは屋根がないとこでは厳しい……結果いろいろと断念。今回いちばんうめー!と思ったのは、真夜中下山して越後湯沢駅付近のセブンイレブンで買った揚げ鶏でした(笑)。
早朝出発、新幹線からいつも眺める高崎観音が靄に隠れて全く見えません。こりゃ今年の天気は荒れそうだ。何せ金曜日のヘッドライナーがNINですし。前日、苗場で彼らがリハやってるときに豪雨になったと言うあまりにもあまりな話が伝わってきていたので、装備万全で慎重に動こうと決める。
■SOIL&"PIMP"SESSIONS(FIELD OF HEAVEN) 十周年おめでとうございます。丈青の服にウケた。いつもか。ここんとこ丈青観てても雨が降らない、雨男の称号は返上か?嬉しいことです(笑)。タブくんの音が柔らかくなった気がする〜弱音がすごく綺麗なの!トップバッターが似合うバンド、これ迄何度フェスの開幕でこのひとたち観ただろう。幸先いいぞ。
入場するなりいきなり奥地の方に来てしまった。下手にのぼったりおりたりして体力消耗するのはあかん、今日はとにかくグリーントリがメインだもの。どうしようかね〜と言いつつ更に奥地に行ってしまう(笑)。塩漬けきゅうり(うまかったー)なんぞを食べつつ日陰を探してまったり。
■あがた森魚(ORANGE COART) 妙に聴き馴染みのある声とギターが聴こえてくる。コーラスがムーンライダーズっぽいなあ…と見るとあれは白井良明ではないか?更に聴き憶えのあるギターの音色。そしてコーラスの声…白井さんがいた上手側から下手側へ目を移すと、サムライと言うか野武士みたいな男がギターを弾いている。 あれ……く、窪田晴男ではないか…………。 いやもう駆け込みましたよ前方に!知らなかった!最近あがたさんとお仕事してるってのはFBでも窺い知れていましたが、フジにも来ていたとは。フジで窪田さんを観られるとは…私の原点ですよいやマジで! 窪田さんと白井さんのギターバトル迄聴けてしまいました。しかもあがたさんが話振ってくれて「晴男くん呑んでる?呑んでないか」なんて。「いや、呑んでます」だってあはははは。いつからこんな呑んべえキャラになったかねえ、夜遊び人ではあったが(今もそうだが)。 ライダーズからは武川雅寛さんも参加しておりました。あとベースが、あの演奏スタイル…白い手袋……あれ?あれ?と思っていたら、ex.マルコシアスバンプの佐藤研二さんだった。むちゃ豪華!手練のメンバーがぐいぐいグルーヴを拡大していきます。 そこへ一陣の風のように吹くあがたさんの歌。「大寒町」が聴けた、嬉しかった。「(いつもやるとこより)ひとが多くて誰に向かって唄っていいかわからない。来なくていいのに」なんて言ってました(笑)チャーミング。 おら幸せものだ…いやもう今日はいい日だね、いいフジになるね!
この辺り迄は天気もよく日差しも強く気持ちよく、そのままオレンジの後方日陰で昼寝。BGMはTHE SEA AND CAKE。贅沢。さてSPARKSですよ。前方へ行ってみると、いるわいるわ知り合いが(笑)皆好きねえSPARKS。共通の知人とのトラブルに巻き込まれて、ちょっと疎遠になっていたひととも笑顔で会えたのが嬉しかったな。元気そうで楽しそうだった、よかった。ヘイチンとも久々に会ったんだが(と言うかここ数年SPARKSのライヴ会場でしか会ってない・笑)アベンジャーズ(て言うかスターク社長)にハマっており映画からフィギュアからコミコン迄短時間でマシンガントーク。濃い。
■SPARKS(ORANGE COART) 今年頭の『TWO HANDS, ONE MOUTH TOUR』と同じ編成、兄弟ふたりだけのライヴです。ロン兄のエレピとラッセル弟の声のみでステージがキラキラに。ハッピーに溢れたステージ。それにしてもエヴァーグリーンな音楽…ご本人たちも若々しいしね。演奏する側は全く変わっていないのに、イマドキのEDMぽく聴こえるサウンドもあったりして…時代は巡ると言うことか。そしてラッセル、今見るとベネディクト・カンバーバッチに似ている…って、順番が逆だ。年始に観たときはそんなこと思わなかったのになあ(苦笑)。足取りも軽くダンスダンス、エレピのリフに乗って踊るラッセルの格好いいこと!そうなんだよーこのバンド、リフに中毒性がある。同じフレーズの繰り返しでタイム感が狂うと言うか、延々聴いてても飽きないどころか迷宮に入り込んじゃった感じでいっつ迄でも聴いてられそうになる。 ラッセルのジャケットで汗を拭くロン兄、にんまりダンスのロン兄も観られて大盛り上がり。あーキュートな兄弟!素敵な兄弟! 最後の最後に雨が降り出した。雨用の装備に着替えようと、観客がわたわたしてるときに丁度ライヴが終わっちゃったって感じでちょっと残念でしたが、皆ニコニコで兄弟に手を振ってお別れ。また来てね!
すっかり本降り、とりあえずヘヴンに行ってみたはいいがこの雨ではおやつも食べられませんよ!お昼暑かったのできゅうりしか食べてないのね〜今食べとかないともうあとがないのね〜と思うものの、屋根のあるスペースがないよ。パン屋さんでカットチーズを買い、お店の庇を間借りしてちまちま食べる。山って感じー。このチーズ前にも食べた憶えがあるぞ、おいしいよー。紙に包んであるってのがまた山っぽい。そのうち小降りになってきたのでオレンジに戻る。
■TOWER OF POWER(ORANGE COART) わかっちゃいたがアホみたいにホーンが巧い!巧すぎてスタジオ音源のようにすら聴こえる!そしてヴォーカルのおっちゃんがノセ上手。いやんいけず! バリサクちょーかっこよかった…あとデヴィッド・ガリバルディのドラムセットが面白かった、バスドラの前にもうひとつちっちゃなタム?が設置されてるの(これ)。どういう効果があるんだろう?キックの振動を伝えて倍音を出すとかかな…サブキックとロゴが入っているので検索してみたら、解説が見付かりました。 ・バスドラム録音。サブキックとは!! - Selfish Sound labo ……マイクだったんだ! グリーンのNINに間に合うようにと時間を気にしつつ観る。被らなければフルで観たかった…当然だが終盤に向かうにつれどんどん盛り上がる訳ですよ。離れがたい!うひーんと思いつつ下山。
移動中FLYING LOTUSをチラ見。ステージ前にスクリーン張ってた?音もギチギチで面白かったんだけどグリーンに行かねばならぬのだ。
■NINE INCH NAILS(GREEN STAGE) 雨がまた強くなったきた…雷もゴロゴロ言い出した……。SUMMER SONIC '09の雷雨が思い出されます。あれは面白かったわー、大変だったけど。 それにしても今このサマソニ09の日記を読み返して気付いた。ロビンが帰ってきた!ロビンの声とギターで「Gave Up」やら「Head Like a Hole」が聴けた!と感激しておりましたが私ロビン観てるんじゃん。そういえばそうだった…アーロンが辞めたあと、WAVE GOODBYEツアーはロビンが戻ってきてたんだった。初来日を逃しているので、「あの」メンバーを生で観られていないと言う無念が強過ぎるんだな(どう「あの」かは察してください)。そして今回ロビンだけ遅れてアナウンスされたから「帰ってきたー!」て印象が強過ぎた。自分の記憶が信用出来ない、トホホ。 しかしこうやってみると、なんだかんだでロビンも長いですよねNIN。今ではいちばんの古株だ、トレントが荒れ荒れだった(いろんな意味で)頃を知ってる唯一のメンバー。ああ見えてトレントもロビンのことを信頼してるんでしょう、いざと言うときは声掛けるし。レコーディングではどうか知らないけど、ステージではロビンの好きなようにさせてる感じですし。 さてそれはともかく今夜のステージです。 どんな構成、演出になるんだろう……と待つこと数十分。上手側すみっこに置かれたMacにビニールシートがかけられる。アレッサンドロが使うのかな。後方には大きな白い幕。あれに映像を投影するのかな。両サイドからスモークが流され始めるが、風が強くて上手側のスモークはどんどん逆流している(笑)。それにしてもいつ迄たってもステージがからっぽだ…スタート時刻を過ぎてもステージに楽器が設置されない。どうなってる?何かトラブルでも起きているのだろうか。 不安になった頃、スタッフがちいさなシンセセットとマイクを持ってきてステージ中央へ置いた。歓声が起こるがまだ何が何やら判らない、あれだけ?と思っていたら……なんか四角いひとが出てきた。黒のタンクトップ、黒のハーフパンツ。と、トレント!?大きなどよめきが起こる。スタスタ(テクテク?)中央に歩みより、おもむろに演奏開始。ええ、えええ? ----- Setlist 01. Copy of A 02. Sanctified 03. Came Back Haunted 04. 1,000,000 05. March of the Pigs 06. Piggy 07. Reptile 08. Terrible Lie 09. Closer 10. Gave Up 11. Help Me I am In Hell 12. Me, I'm Not 13. Find My Way 14. The Way Out Is Through 15. Wish 16. Survivalism 17. The Good Soldier 18. Only 19. The Hand That Feeds 20. Head Like a Hole 21. Hurt -----
その入場してきた瞬間が入ってないが、こんな感じ↑です。段々楽器が運び込まれ、ひとりずつメンバーが現れ、五人揃って暗転した瞬間、やっと「わわわっ、始まった!」と実感出来た。一曲目はまるでクラフトワークのステージのようなヴィジュアル。何しろどんな編成でやるかも謎でしたし、皆さんマルチプレイヤーですので最初から最後迄これで行くのか?と思いもしましたが……そうはならなかった。生音ガッツリのバンドサウンドあり、アイランがチェロを弾いたりロビンがリュート(かな)弾いたりとアコースティックな側面も見せる。サンプリングも今回は多用。ううむ、エイドリアン・ブリューが離脱しなかったらどうなっていただろう。 帰宅後、今回のステージはトーキングヘッズの『Stop Making Sense』からインスパイアされたものだと言うことを知りました(Nine Inch Nails Is Back Onstage, With a Vengeance - NYTimes.com)。成程!非常に演劇的な、究極のアナログである人力をフルに活かしたステージだったのです。その転換スタッフの多いこと。曲毎に編成が変わる楽器やステージセットを運び込んだり、はたまた片付けたり、6枚(確か)ある(追記:映像で確認してみたら、8枚はあった)襖状のLEDフェンスを裏から支えてスライドさせ、フォーメーションをみるみる変えていく。まるで黒子のようです。当然のように彼らは着ているものの色味も黒に統一していました。しかもドリフばりの素早い転換。このたとえ、若い子にはわからんか……。どれもがきっちり制御された動きです。ステージにはバミリテープがびっしり張ってあったそうです(映像でも確認出来る)。これは演劇ばりにステージと同じ尺のスペース使って入念に稽古(もはやリハと言いたくない)したんだろうなと思いました。段取りが山のようにある。ひとつ間違えればフェンスが衝突して、ステージ中断どころかケガ人も出るかもしれない。注目される再始動バンドのツアー初日、初お披露目の楽曲も多い。相当な緊張感もあったと思われます。ちなみに今回フジでは珍しいライヴストリーミングが行われ、NINのステージはフルセットで配信されたのですが、YouTubeでの配信にも関わらず視聴出来るのは日本国内のみだったとか。その後すぐフジテレビNEXTでのディレイ中継があったので、権利の問題でしょうか。やー、ツアー初日に日本を選んでくれて有難うトレント! そんなふうに、ステージプラン含めて最新型のNINだったのですが、そのなかに過去のステージからの引用もあったのが嬉しかった。日本には持って来れなかったLights In The Skyツアーのステージアートが観られたのです。「Only」でトレントの顔にライヴでエフェクトかけるやつとかね。思えば初来日のステージアートの運搬費用ってトレント側の持ち出しだったんだっけか…なんてことも思い出した。見せたいものは見せたい!中途半端なものは見せない!て姿勢ホント素晴らしいし有難い。バンドのライヴアーカイヴとしても楽しめました。ここらへんフェスならでは。 そしてNINと言えばのPAスタッフ!もともとフジのグリーンはものっそ音いいんですが、いやはや今回もあの豪雨のなかめっさエグかった、音質も音圧も。特に「Reptile」はすごかった…モッシュピットより後方で観ていたのに、雨がバタバタ顔に当たる状況だったのに、それでも音圧で頬がビリッときましたよ。寒さでなく歯も鳴りそうな勢い。それに自然も味方(か?)したか、すっごいいいタイミングで雷鳴が轟くんですよ。「March of the Pigs」で“Now doesn't that make you feel better?”…ゴロゴロピシャーン!観客おおおおお、みたいな(爆笑)。もうこうなると面白い…ステージ上のメンバーには聴こえてたのかなあ。あれはよかったぞ!他では聴けないぞ!絵に描いたような稲光も何度も見ました、その絵になることといったら! “We're back.”とぼそっと言ったトレント格好よかったなー。途中パーカー着たので寒かったんだね…と思いました……ロビンも途中上っ張り着たよね(笑)。やっぱ雨の苗場は寒いよね。オーラスは「Hurt」。そしてここにもアーカイヴ、スクリーンに映し出されたのは蛇の映像…あの映像だ!瞬時に了解した観客から大きなどよめきが起こる。
これね。いやはやこれには鳥肌立ちましたわ…何度目の鳥肌か。蛇以外のところは新しく編集されてたかな。死体等のエグい映像の比率が低くなっていたのはテレビ中継を見越してのことか、それとも二児の父親となったトレントの心境の変化か。最新型であり乍ら普遍性を併せ持つ。ここには確かに時代を、トレント・レズナーの音楽人生を眺望する“劇場”が存在していました。 ライヴが終わるとほぼ同時に雨が止んだ。夢見心地で宿に戻る。温泉入ってさっぱりして、おやつ食べて(やっとありつけた)ぼんやりテレビ観て、部屋の灯りを消す。“I would find a way”の歌声が耳に甦りました。
|
2013年07月21日(日) ■ |
|
戯曲リーディング『時代を築いた作家たち アルベール・カミュ』 |
|
世田谷パブリックシアター◆戯曲リーディング『時代を築いた作家たち アルベール・カミュ』@シアタートラム
『誤解』『正義の人びと』の二本立て。演出は中屋敷法仁さん。二作とも初見です。中屋敷さんの演出を観るのも初めて。以下おぼえがき。
・チェコ(『誤解』)も!ロシア(『正義の人びと』)も!たいへん! ・『誤解』はね〜、もうね〜、この手のごんぎつねみたいなテキストちょーつらい!つらすぎる! ・もうねえこういう実はなになにでした〜て取り返しのつかない話はホントつらいのー!あーもうつらい、つらいしか出ない ・苦手と言うのとは違う…いややっぱ苦手なのか……? ・はーつらかった ・またねえ山中さんがあの見てくれで、いろいろ事情はあったけど故郷に戻って家族を助けるんだ!て言うもんだからもおおお、もおおお ・それにしても「言わなかったこと」が誤解に繋がるんだよな。言葉も捨てたもんじゃないわけですよ。だから言っとけって話ですよ ・でもね「ひょっとして」と思っているけど「言えない、訊けない」った気持ちも解るのでなあ…あーやっぱつらい!
・で、『正義の人びと』もちょーつらい!ちょーつらい! ・しかもロシアだし!つらい! ・革命って!つらい! ・こどもとか!つらい! ・興味深かったのは大公妃がこどもはいいのよあんな子たちってな感じだったとこかな ・あと宗教と信仰と自己啓発と依存の境目ね。ものは言いよう、解釈多様 ・ここらへん厳しいですよ私は(笑)
・どちらもとにかくつらしまな話だったと言うことです。つらい……
・スタッフクレジットはなかったけど、衣裳設定がちゃんとあったっぽい ・出演者の私服かは判らないけど、『誤解』は皆黒ずくめ、『正義の人びと』は白基調でした
・全体の印象としては黒木華劇場。二作とも荒ぶる女性役を担当していたからと言うのもあるが ・リーディングと演劇における声量、についてちょっと考えた ・とは言え舞台上には(セットとしての)テーブルがあり、椅子がある。場面場面によって登場人物が出入りしたり、ト書きの通りの動きをする。ホンを持っての立ち稽古にも見える。こうなるとどこからどこ迄をリーディングと言うのか?ってところに行き着きますね
・そうそうト書きも読むのです ・最近リーディングと言えばスズカツさんとこのばっか観てるんで、ト書き読まれると逆におろっとなった(笑) ・『誤解』の菅原さんは、ずーっと台詞がないまま舞台上に出入りする。彼が何をしているのかは、ト書きで説明される ・ドンスーモくんかへドラみたいな(しらゆきの名言から引用)もっさり髪で不気味。照明が暗く、前髪に隠れて顔が殆ど見えなかったので「あれ、菅原さん?菅原さんだよね?」とオロオロ。表情もわかんなくて不気味なのよ〜 ・このまま台詞なくて終わるのかしら…これはこれですごく面白くないか……と思っていたら、最後の最後に「いいえ、ダメです」とひと(ふた)こと。わっ、喋った!ビクッとなった!(笑) ・で、これに関してはト書き読まなくても面白かったかも知れないなと思った。彼がどういう人物かは、他の登場人物の会話から窺うことが出来るようになっていたので
・久世さんよかったなあ。二作とも「疲れた女性」で、倦怠がこちらにも伝わってくるよう。つ、つら(何度目か) ・中山さんはいやな役でした(笑)で、またこういう役巧いよね〜地か?て思うくらいよね〜(笑) ・初めて観る中屋敷さんはイケメンであった。役まわりがなんか、葛河思潮社における長塚くんみたいな立ち位置であった(わかりづらい説明)
二本立てと言えリーディングだし、二時間くらいだろうと思っていたら休憩込みで三時間。次の予定があったのでアフタートークには参加出来ませんでした、残念。濃かった!
|
2013年07月20日(土) ■ |
|
『盲導犬 ―澁澤龍彦「犬狼都市」より―』 |
|
『盲導犬 ―澁澤龍彦「犬狼都市」より―』@シアターコクーン
思い返してみれば、「劇作家」の原体験は唐作品なのだった。今作でも茶化されていたが「南の島」「九州?」と言われるくらい東京から離れた土地育ちなので、出会いはテレビドラマ。しかしそれは、野田秀樹作品よりも鴻上尚史作品よりも、そして蜷川幸雄作品よりも前の出会いだった。上京した年、日生劇場で『盲導犬』が上演された。しかし悲しいかな貧乏学生、チケットに手が出なかった。演劇ぶっくの裏表紙に載っていた広告を何度もうらめしく眺めていたので、今でもその広告のヴィジュアルが思い出せる…(笑)。その後何度か『盲導犬』は上演されたが、やっぱり蜷川演出で観たかった。変な拘りだと自分でも思うが、24年越しの夢が叶うことになった。
そんな気味の悪い思い入れもあったこの作品でした。観られて幸せ。えーとこっからは初演をリアルタイムで観た、時代の空気を知ってるひとからすると頓珍漢な解釈かも知れないけど、90年代頭からの四半世紀、現代演劇を観た者が感じたことです(こう書くとまだまだ若造だな私も・笑)。沢山興味ある舞台作品を観られた。その何倍もの舞台作品を観られなかった。その偏りが、こういう感想を持つに至った。作品だけから感じたこともだいじだけれど、それを観る迄の自分のなかにちょっとした蓄積があり、その蓄積が全く同じひとと言うのはどこにもいないのです。
蜷川幸雄にとって重要な劇作家は(シェイクスピアはこの際置いておく)、まず清水邦夫。そして唐十郎。同時代の演劇人でもある。評論家や研究家がどう検証しているかは知らないけれど、個人的にはこのふたりの劇作家には共通点を多々感じている。学生運動と言う時代背景、敗れ去り死に行く弱者と若者。『真情あふるる軽薄さ 2001』で蜷川さんと初タッグ、中年男を演じた古田新太はこう叫ぶ。「列を乱すな!」目の前には機動隊に撲殺された青年と女。そして今回の『盲導犬』、古田さんはフーテン青年とともに撲殺される側だ(死んでいないかも知れないが。しかし死んでいないとしたら、あの終幕をどう捉えよう?)。『盲導犬』の「天井からの声」は、『血の婚礼』の「蟹の女」の声を思い出す。『盲導犬』は70年代に発表されたものだから、80年代に書かれた『血の婚礼』よりも前に書かれている。しかし自分が目撃したのは『血の婚礼』が先で、ここには個人の矛盾が介在する。蜷川さん言うところの「千のナイフ、千の目」はこうやって増殖して行く。その時代を知らない者は、当時を象徴するさまざまなキーワードを取りこぼしている。「カナダの夕陽」は初めて聴く曲だ。赤木圭一郎の出演作品を観たことがない。十仁病院は今では高須クリニックくらいカジュアルな印象だろう。
それでも初期衝動は起こる。演劇は目撃、体験、そして心に深く刺さるナイフだ。暗闇にふっと浮かぶマッチの灯火、幻のように現われる女。コインロッカーの鍵穴にひとつ、ふたつと浮かんだマッチの灯りが一斉に輝くとき、非日常が日常をかき消す。あの光景、忘れられない。
当時のヒリヒリした空気と、疾走する者の焦燥を、例え違ったものだとしても追体験出来る。当時を知るひとたちの足元にも及ばないノスタルジーではあれど、彼らよりも若い世代(しかし彼らも今では中堅〜ベテランの域であろう)の演劇人たちの作品をリアルタイムで観てきた観客は連想する。『エッグ』で野田さんの寺山ルーツに気付いたように、今回南河内万歳一座=内藤裕敬のルーツを改めて思い起こした。美しい言葉の濁流、夕陽、喧噪のあとの静寂。四畳半に上がり込んでくる異世界。演劇は残らない、その場にしか存在しない。当時を知ることは出来ない。しかし、こうやって遡ることが出来る。
先生/男を演じる木場勝己は、スーツ姿にソフト帽と言うダンディな出で立ち。その姿に唐さんがダブってしまってどうにも涙腺が緩んでしまったのだった。昨年『下谷万年町物語』が上演された頃唐さんはお元気で、ダブルキャストで出演もしていた。今作の記者会見に唐さんは現れたが発言はなく、再演にあたってのコメントも発表されていない。五月、『鴉よ、俺たちは弾丸をこめる』上演にあたって書かれた蜷川さんのコメントを思い出す。同世代の劇作家が、現在思うように新作を発表出来ない状況にある。歯痒い。僕の使命は彼らの傑作を現代の観客に突きつけることだ。そう言う演出家も満身創痍だ。
それにしても木場さん素晴らしかったなあ……初演と同役(!)を演じたそう。この役に関しては、今の年齢こそがベストだったのではないだろうか。ハッタリの利くふるまいが、はっとするような魅力を孕む。ハッタリが利く、と言うのは古田さんも宮沢りえもそうで、情緒の洪水をハッタリとエモさで操縦する腕力がある。ミニマルに並ぶコインロッカーのセット(中越司)の奥からどす黒く赤い巨大な太陽が姿を見せるように、その腕力で現実世界に潜む非日常を引きずり出す。リアリズムなんてなんぼのもんじゃい、その熱量の前には冷めた視線など文字通り焼け石に水。正面切っての決め台詞のキマることキマること。ハーネスをつけられて暴れる宮沢さんの妖しいエロティシズムは、パンツ脱いで見せるとこよりムラムラしましたね。これは私の性癖ですかそうですか。そんな彼らとふとしたことで縁を持つフーテン少年は小出恵介。ギラギラした登場人物たちのなかで、涼やかな風を呼ぶ平熱の役柄です。フーテンだけど。シンナー吸いだけど。フーテン少年から見る影破里夫はヘンなめくらなおっさんで、銀杏にはとって喰われそうだ。だが、彼らははみだし者として共振する部分がある。小出さんと古田さんの小気味よいやりとりは笑いを呼ぶ。とぼけたようなふたりが終盤に見せる感情の爆発は、だから効く。しかしそこで終わらないところがまたいいよね。どこの世界なのか、新宿の片隅なのか。コインロッカーの上に座ってふたりはマッチの灯をともす。幻のように消える。感傷が取り残される。
盲導犬、ガイドの犬。いや、犬はガイドなどではない、主人の言うとおりに歩むだけだ。盲導犬は街に溢れている。不服従の犬ファキイルは、私の左隣にいるかも知れない。いつ喉笛を噛み切ってやろうかと、私を見つめているのかも知れない。
ネクストの面々もすっかりカンパニーの一員。やはりこれは、と言ったひとが起用されている。水面下ではかなりの競争があるのだろう(と言えば、当初土井睦月子も出演するってアナウンスあったけど出てなかったな……)。美丈夫の松田慎也がだっさださの研修生でビックリしましたよね……また上手いんだこれが。そして小久保寿人がすごいだいじな役で!銀杏の初恋のひと。まっすぐないい子、でも無力なタダハル。むちゃ嬉しい…キュンとしたね!(本音出た)ここ数作テンション高い役が続いているけど、このひとホレイシオとかの落ち着いた役のとき使う声のトーンもとてもいいんですよね。声に思いを乗せられる、色気のある役者さんです。かつての高橋洋を思い出す頭角の現しっぷりなので、いろんな意味で注目している。次回出演作も楽しみ。応援しています。
-----
おまけ。
・ほんもののいぬが出ました。シェパード五匹になんかかわいい小型犬一匹。かわいかったーキャスト表にも載ってた…ってことはあの五匹+一匹には代役はいないのだ!なんか素敵、プロいぬ(笑) ・シェパードたちはちょっとおびえてた様子もあったなあ。しっぽがすっかりだらーんとなっちゃってたし。そりゃそうだよね、ハーネスひいてる人物が急に叫ぶしなんか沢山のひとに見つめられてるし大きな音が鳴るし強い光あてられるし。ごくろうさまです…… ・その点小型犬はずっとだっこされたりなでられてる役だったので、ダラダラデレデレもいいとこだった。おまっそこまでだらんとしててもいいのかと思う程されるがままであった ・終演後舞台裏の搬入口を通ったら、そのいぬたちの小屋がありました。扇風機に囲まれていた。この日は涼しかったんだけど、それ迄の猛暑はたいへんだったろうな。無事千秋楽を迎えられますように ・そういや私がこどもの頃は盲導犬と言えばシェパード>ラブラドルだったけど、いつくらいからラブラドル主流になりましたかね
|
2013年07月14日(日) ■ |
|
『ゼロ・アワー ―東京ローズ最後のテープ―』 |
|
『ゼロ・アワー ―東京ローズ最後のテープ―』@KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
「ハロー、太平洋上のみなし子ちゃんたち。こちらはあなたの敵よ…。」
太平洋戦争中、日本政府が連合国軍向けに放送していたラジオ番組『ゼロ・アワー』。郷愁を誘う音楽と英語を話す女性DJたちの声は、任務へと向かう船中で放送を聴く米兵たちに愛された。そのなかでも特に魅惑的な声を持つ、東京ローズと呼ばれたひとりの女性DJがいた。彼女にひと目会おうと、終戦を迎えた日本に米兵、米国人記者たちが殺到する。
史実とフィクションを絡ませ、歴史の謎を追うミステリとしても歴史を振り返る物語としても、そして演出によってテキストを多面的に観る演劇そのものとしても、非常に魅力的な舞台でした。いやーよかった…余韻が残る。
東京ローズ裁判を軸に、ドイツが開発していた歴史上最初の実用テープレコーダー、マグネットフォンを同盟国である日本が入手していたら?と言う大胆な仮説が展開されます。『ゼロ・アワー』にはひとりだけ正体の判らないDJがいる。なんとも形容しがたい、魅惑的な声を持つ女性。自分が東京ローズだと名乗り出たアニー・小栗・宥久子・モレノ(孤児のアン)は国家反逆罪に問われ、米国籍、市民権を剥奪されます。裁判の争点となった、兵士たちの戦意をくじく内容のプログラムを彼女は担当していない。しかしそれを示す決定的な証拠はない、ダニエル・山田の耳以外。
入場時、やなぎみわ作品と言えばの案内嬢(今回も素敵な制服)からイアフォン付携帯ラジオを手渡されます。操作テストも兼ねて、イアフォンから聴こえてくる音楽に耳を傾ける。やがて開演、シーンによってラジオからさまざまな音が聴こえてくる。実際の音声が使われるパート、舞台上で演者たちが当時の(ものと設定される)テキストを読み再現するパート、フォルマント兄弟(三輪眞弘+佐近田展康)がデザインした加工音声が使われるパートがあり、ラジオ番組や、裁判で音声を聴くシーンになると、イヤフォンからその音が同時に流れてきます。番組で流れたであろうジャズや、玉音放送は実際(当時)のもの。海上の船で、裁判所の陪審員席で聴こえていたのであろうその音を観客は追体験します。トラフ建築設計事務所による、ミニマムな形状でマキシマムな役割を果たす筺体デザインも美しい。
ラジオ局の録音技師と、耳のすごくよい通信兵の物語でもあります。ラジオからの声を一度聴いただけで判別し、忘れることがない能力を持つ日系二世のダニエル・山田。ラジオ・トウキョウに勤め、東京ローズの正体を知る潮見俊哉。ふたりはチェスを通し、戦後60余年に渡り交流を持つ。山田がアメリカに帰国し、潮見が東京ローズ裁判のため一時渡米する。お互いのパートナーを失う。山田は光も失うが、彼の聴覚はますます鋭い。直接向き合っていた対局は、通信(郵便)チェスで続いている。山田の99戦99敗。そして100戦目、潮見が山田の家にやってくる。
再会を喜び乍らも緊張感に溢れる言葉のやりとり、そして進むチェスの駒。やがてふたりの手は盤上を離れ、言葉のみの対局へ移行する。東京ローズの声も、チェスのスコアもふたりは脳内で共有している。このシーンにはシビれた!サングラスをかけ、杖をついて歩く山田とは裏腹に潮見は終戦当時のままの姿です。想像を巡らせる。潮見は果たして山田の家にやってきたのだろうか?彼が知る東京ローズの正体は、潮見の口から実際に語られたのだろうか?
作品のなかに生きる登場人物たちへ思いを馳せる。実在しないひとたちなのに。彼らは、彼女たちはどうなったのだろう、今頃どうしているだろう。次第に暗闇に包まれる部屋に響く「チェックメイト」の声を、山田はどんな思いで聴いたのだろう。
作・演出は『エレベーターガール』をはじめとする案内嬢シリーズ、『マイ・グランドマザーズ』『フェアリーテール』等で知られる美術家やなぎみわさん。フェスティバル/トーキョーの『カフェ・ロッテンマイヤー』を手掛けたのもやなぎさんでしたね。今回の作品にはサミュエル・ベケットの戯曲『クラップの最後のテープ』も織り込まれているそうです。三年前に演劇活動をスタートしたやなぎさんですが、考えてみればあのストーリーテラーの才を発揮するのに演劇と言うフォーマットはぴったり。綿密な取材に基づいたテキスト、そのテキストに施される最適なデザイン。それら緻密で優れたデザインのなかに、しっかりと存在する人間。そしてそれらを「ただ観ている」だけではなく、「その場にいる」「登場人物たちと同じ体験をする」よう、観客に施される演出。英語部分のシーンには字幕も出ますし、かなりの情報量です。上演時間は二時間でしたが、終わったときの疲労はかなりのものでした。しかしこの疲労はとても充実したもので、クライマックスに差し掛かったシーンでは、この物語が終わることがさびしく、名残惜しささえ感じました。
潮見以外の登場人物は第一言語が英語と言う役柄。出演者は殆どが初見の方ばかりでしたが、誰ひとりとして埋没するキャラクターがなかった。そして勿論皆さん声が魅力的。山田を演じた松角洋平さん(文学座出身だそうで、長谷川博己さんから花が贈られてきてました)は新国立劇場のレパートリーに、潮見を演じた吉田圭佑さんは松井周演出作品に出演されているそうです。今後の活動もチェックしておこう。時代のスケープゴートにされた東京ローズ≠孤児のアンを演じた荒尾日南子さん、「鶯」と呼ばれた唯一のプロフェッショナルアナウンサー、ジェーン・芳子・須川を演じた高橋紀恵さん(文学座)も素晴らしかったです。裁判を煽るラジオDJ役、モーリー・ロバートソンさん(本職DJでもあります)は声のみの出演乍ら強烈な印象を残しました。
あいちトリエンナーレのパフォーミングアーツ部門(ベケットがテーマ)でも来月上演されます。気になる方は是非。
-----
上演後、やなぎさんとロバートソンさんによるアフタートークがありました。役柄と同じようなマシンガントークを展開させるロバートソンさんにやなぎさんが「このままでは夜公演の入場が始まる迄続いてしまう」とぽつり(笑)。ロバートソンさんが演じたDJにはモデル(ウォルター・ウィンチェル)がいるそうで、彼の活動内容、人物像についての言及は非常に興味深いものでした。先日ウチのtwitter上でちょっと話題になった「お笑いのひとが選挙に立候補することが多いのは何故か、ヴォードヴィリアンが大衆を動かせるのは何故か」に関してヒントになるような内容でもありました。検閲されたテキストを演出により如何にして違うニュアンスで伝えるか、誰をターゲットにしようか、何をやり玉にあげようかと鼻を利かせるマスメディア、それに喰いつく聴衆についても。
使われたテキスト、音声についての出典解説も面白かった。アメリカ人が原爆は是か否かと討論するシニカルな放送劇に驚いたのですが、実在した番組だそうで二度びっくり。8月9日の15時台にラジオ・トウキョウでオンエアされたという記録が残っているとのこと。広島への原爆投下後数日で制作され、放送しようとした直前に長崎へ原爆が落とされた訳です。放送を敢行したラジオ・トウキョウのスタッフたちの心中はいかほどか…ここでも思いを巡らせました。
・東京ローズ - Wikipedia ・公式サイト|やなぎみわ演劇公演2013|ゼロ・アワー 〜東京ローズ最後のテープ〜 ・やなぎみわ演劇プロジェクトのブログ ・あいちトリエンナーレ
|
2013年07月13日(土) ■ |
|
KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2013『P+』 |
|
KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2013『P+』@東京グローブ座
ライブポツネンinヨーロッパ、日本凱旋公演。やっとやっとの初ポツネンです。一昨年の公演は震災とご本人の故障で二度延期、三度目の公演日はサマソニと被り、それでもハシゴするつもりでいたんだけどハラカミくんが亡くなって、矢野さんがyanokamiは予定通りサマソニに出演しますと宣言したところで決めた。ポツネンに行っていたらyanokamiに間に合わない、yanokamiを観よう。どちらも二度と観られるものではないけど、小林さんの怪我は治るし、きっと元気で長生きして、また公演をしてくれると信じることにした。
と言う訳で、今回開演する迄ドキドキしてました。劇場前に貼紙あったらどうしようとかね…トラウマがね……。いやー観られてよかった。
前回一緒に行く予定だった友人は再延期公演を観られたので、そのときの話を聞いたり、映像で観たものが発展しているものもあり。ひとつのネタを磨いていく過程としても観られて興味深かったです。特に東海道五十三次のネタは、とても手に負担がかかるものだろうなと想像出来るもので、毎日ライヴでやっていたらそりゃ手も動かなくなるよねと思った…そこらへん今回は、ライヴと映像をうまく組み合わせて見せていました。これ面白かったなー、セロテープの工場見学に行ってみたい……(笑)そして当分「あのときのYAMAHAです」を思い出してニヤニヤすることでしょう。
最初の図形を組み合わせて展開させていく連想ゲーム的なもの、同じ音声のニュアンスを変え、さまざまなシチュエーションに当てはめるもの等、吹越さんのソロアクトを思い出したりもしました。似てると言うのとはちょっと違って…まずそのアイディアを思いつくのがすごい、そして思いついた後ここ迄昇華するか!と執念すら感じてしまう追求力がすごい。発想と着眼点の個性、それを形にするスキルひっくるめて天才なのだなと思えるところ。
あとやっぱり格好いいですねー。映像で観続けていると忘れがちだけどってこれ先日の大泉さん観たときにも思ったことだわ。幕が開いて本人がぱっと舞台に現れた瞬間「うわっ、背高!腕長!脚長!格好いい!」と思いました(笑)。プロポーションのよさ、姿勢のよさは舞台における宝物。
|
2013年07月12日(金) ■ |
|
『象』 |
|
『象』@新国立劇場 小劇場
入場してまずその美術に圧倒される。二台あるベッドの周りには、夥しい程の衣服が敷き詰められている。それをかつて着ていた、服の持ち主の行方を思わずにはいられない程に。その行く先には、どうしても生が感じられない。絶対的に在るのは、その服の数と同じだけの人間の死だ。それらを踏みしめ、踏み荒らして歩き走る登場人物たち。時折彼らは絡み付く服に足をとられる。まるで服の袖から手が出てきて、彼らの足を掴んだかのように。その美術か演者か音響か、何の影響か幻覚迄見てしまった。振り子時計の「カツ、カツ…」と言う音が響く場面で、舞台奥の暗闇に左右に揺れる時計の振り子が見えたのだ。「振り子がある?」と目を凝らした。確かに見える。しかしその後、同じことは二度と起きなかった。我乍らやばいなと思ったが、それ程想像喚起力が強い舞台だったのだと思うことにする。
原爆によるケロイドを見世物にしていた病人は、やがて重篤になりベッドから離れられなくなる。皮膚が硬くなり、ひび割れ、「美しい」ケロイドが醜くなっていることを気にした病人は、妻に「オリーブ油を塗って艶を出すんだ」と言う。「リヤカーを用意してくれ。明後日雨が降らなかったら街に出て、ポーズをとるんだ」。妻は消える。病人を見舞いに来ていた甥は、いつからか病人と同室の患者になっている。「そういうひとを妻にしたがっている」ひとと結婚した看護婦が身ごもった赤子は死んでいる。被爆者として生き残った人物たちは、知らない人々の死の上に自分の人生が成り立っているかのように苦しんでいる。「その後」全てが余生かのように。
大杉漣さんは濁声を駆使し、実演販売のように自分の身体を見世物=商品にしようと演説する。傷を見世物にする病人=被害者は、したたかさを生命力に変換して生き延びようとしている。その執念は、生きることへの執着か、「余生」に抗うことか。時折聴き取り辛い台詞まわしだが、因縁をつけるかのように周囲にわめき散らすそのさまは滑稽でもあり、同時にとても恐ろしい。
看護婦は赤子が死んだと話す場面で袋を引きずっている。その中身は到底赤子ひとりとは思えない、赤子ひとりにしては袋があまりにも大きい。何故あんなに大きいのだろう。袋のなかには彼女のこどもだけでなく、服を置いて消えた者たちが入っているかのようだ。あるいは、その服の持ち主が産むかも知れなかった誰か。産みたかったかも知れない誰か。その後、彼女は結婚などしていないと言う台詞がある。思いは巡る、彼女は病人が握手をしたちいさな少女の面影を持っていた。その少女にも「生きていた」と「死んでいる」と言う両方の噂があった。看護婦は果たしてどこにいたのだろう。紅を差したようなアイメイクの奥菜恵さんの、消え入りそうな美しさが印象に残りました。
別役作品だけにつらさのなかに笑いを見出したい一心で「脚だぞー!」を「脚だ象!」と変換してニヤニヤしたりしてました(バカ)。実際笑える場面も多かった。しかし、笑いで消費するにはあまりにも重い結末でした。
その他。
・戦時中〜戦後における「リヤカー」が記号として使用されているものについて。実際リヤカーは、荷物だけでなく人間も運んだ。こども、老人、病人、遺体 ・当然『寿歌』も思い出す。『アジア温泉』に出て来たふたり組もリヤカーをひいていた
・細川さんプロデュースの『象』では、確か病人の「姪」でしたよね。もともとは甥なのかな、どっちでもいいのかな。そうだよこれも細川さんプロデュースだったねえ…… ・で、別役テキストに鴻上さんのそれを想起させるものがあったのです。この辺り当時どう言われていたのだろう ・「〜ですね」「〜ですよ」と繰り返すときのリズム、「握手をしよう」と言う台詞、核と言うモチーフ ・『エッグ』で、野田さんのなかにある寺山修司を見たときの感じに近い。はっとした ・現代演劇は繰り返し上演されることで発見も増えるものだなと思いました
・雨のなか出て行く病人に、『はみだしっ子』のクークーを思い出しちゃったな…「衰弱した体に冷たい雨…発見された時すでに意識はなかったと言う」
|
2013年07月10日(水) ■ |
|
パール兄弟『お元気ですか?30th…集合は高円寺!』 |
|
Show Boat 20th Anniversary パール兄弟『お元気ですか?30th…集合は高円寺!』@Show Boat
----- Vo:サエキけんぞう、G:窪田晴男、B:バカボン鈴木、Drs:松永俊弥、Key:矢代恒彦 -----
ええと、23年振り?このメンツが再び揃うことがあろうとは。長生きするといいことあるぞ。いや〜何から書いていいかわからん。
窪田さんがパール兄弟をやめて(勘当されて)、バカボンもやめて、サエキさんと松永さんと矢代さんでバンドを続けるも活動停止して、窪田さんが戻って再開したとき松永さんと矢代さんはやめていて。松永さんはS-KEN & HOT BOMBOMSもやめてしまっていた。いろいろ邪推もしたりして、もう一緒にやることはないのかなと思ってて……だからすごく嬉しかった。
ひととひととの再会ってとこにもジーンときておりましたが、何よりも感動し震撼したのは、それぞれのフィールドで活躍し続け腕を磨いてきたミュージシャンたちが再び集ったときの演奏の凄まじさでした。もともとばかうまなひとたちだったけど、それを判っていてもうわっとなる変幻自在っぷり。なんだあれ…すごすぎた……。明らかに以前とは違ったんです、どう説明すればいいのか判らないけど。お互いのフレーズのしっぽを捕まえ、新しいグルーヴをみるみる生み出していくその拡がり、その膨らみ。特にまっちゃんがかなり演奏スタイル変わったと思う。16が基調になってて、過去の楽曲のリズムが全く違うものに聴こえた。それに窪田さんやバカボンがジャズ、インプロのアプローチ+ニューウェイヴ魂で乗っかってくるので、楽曲の構成は変えていないのに内容がまるっきり化けていると言う演奏のマジック。それでいてここぞと言うキラーフレーズの瑞々しさと言ったら。これをどう言葉で説明しろと……。
あまりにも演奏が巧いので、アレンジがどんなにややこしくてもポップスとして楽しく聴けてしまうのがこのバンドの恐ろしいところです。こんなのを十代のいちばん吸収率のいい時期に聴いていたのですよ…これで音楽聴きの素地は固まったと言える。恐ろしいやら有難いやら、改めて感謝。そしてその進化形をこの日聴けた。あー長生きするといいことある(再)。また皆楽しそうに演奏するんだ、窪田さんなんて終始ニコニコしてました。窪田さんほんとまるくなったよね…外見も含め……(笑)真剣に唄ってるサエキさんとぱっと目が合ったとき、彼にニコッと笑いかけたその姿にはちょっと萌えた(笑)。
この日のライヴ録音してないのかな、配信でもいいからリリースしてほしいくらいです。
これを機に定期的にライヴをやれたらいいね、「盆暮れのパール」(サエキさんが徳島の大学生だった頃、盆暮れに帰省したときにしかライヴが出来なかったためそう言われていた)復活でさ。次は年末にやれたら…なんて言っていたので期待してる。このメンツでの演奏、また聴きたい!もっと聴きたい!
以下おぼえがき。
・入場時に塩あめが配られる。ナイス配慮 ・前三列が椅子席。客層を判っておられる、ナイス以下同 ・めちゃ込み。即完にも驚いたけど(当日券もなし)皆どこから聞きつけてきたんだ!SNSってホント便利よね……とこういうときは思う。上手端っこに入り込む。近いがバカボンは殆ど、矢代さんは全く見えなかった ・最後の挨拶でやっと全員見られた。矢代さん見たの23年振りだったんですが、会社の社長さんみたいなロマンスグレーになっておられておおっと思いました。渋い(訂正:2009年にボンボンズで観てた。…けどそっからも随分渋くなられてましたわ…) ・めちゃ暑かった。最初のMCが「パール救援介護センターを設置しておりますので気分の悪くなった方は〜」でしたからね ・窪田さんもことあるごとに「大丈夫?皆水飲んだ方がいいよ?」と言っていた ・しかし本人がいちばんやばそうだった。白シャツが汗でみるみるシースルーに…… ・もはや「きゃ、エロい☆」どころじゃなく「だ、大丈夫?ネクタイとっていいよ?水飲んで!」とハラハラした ・1st setは全員白シャツ+黒パンツ+タイでキメていたが(これはちょっとアガッたわー。やっぱ皆さん格好いい)あまりの暑さに2nd setはどこぞの川遊びかみたいなTシャツ半パンor綿パンに着替えていた。特に窪田さんは夜中家からコンビニに出掛けるくらいの格好であった ・しかしサエキさんはリラックス服に着替えてもやっぱオシャレだわ
セットリスト(暫定。やった曲は全部出てると思うんだけど、順番忘れた) ----- 1st set バカヤロウは愛の言葉、少女マヌカン、江戸時代の恋人達、ヨーコ分解、しがらみクラブ、イノセント・グレイ、世界はGO NEXT、○。○○○娘 --- 2nd set メカニックやくざ(メカニックにいちゃんじゃなくて)、ゴム男、焼ソバ老人、終電ガール、酔ってらっしゃい魅てらっしゃい(新曲)、ケンタッキーの白い女、LIFE=事務、タンポポの微笑み、快楽の季節 --- encore AMのPARK -----
・一曲毎にアレンジとか全然変えてるんで、一曲に一本のライヴくらいの精力注ぎ込んでる。準備に時間がかかるんで、間にメンバー紹介とか入れるんですよ〜(サエキ) ・特に窪田先生がね、たいへんなんですよ(サエキ) ・単に皆トシだと言うのもある。客もな ・しかしサエキさんは若々しいわー、やっぱメンテちゃんとしてるわー ・むしろ歌は上手くなったよね。高音が出なくなっているのは年齢のこともあるだろうけど、声すごい出るようになったし、太くなったし、当時とは比べものにならないくらいの安定感 ・だって当時はばかうまなバンドの弱点とか言われてたじゃない(…)でもサエキさんには詞の才能と話術の巧さがあったから! ・てか今回のMC聞いててほんと名人芸の域だわと思いましたわ、あのうざさ、ねちっこさも含め。サエキさんじゃなかったらぶっとばしたくなるくらいです ・マーケティングが〜て連呼しててホントうざかった(笑) ・それにしても鬼に金棒とはこのことか(ちょっと違う)いくつになってもひとにはのびしろがあるしバンドは進化し強靭になるのだなあと思って嬉しくなったりもした ・あー聴けてホントによかったー!
・窪田さんは一曲毎に椅子に座っておった。しかし立奏出来るだけでも立派ですと思うことにした ・てか窪田さんはメンテしないからねー、ファッションにも頓着ないからねー。わかってた、わかってたよ…… ・おまえは自分の美貌をわかってない!当時から言われてたけど! ・まあそういう、ファッションに頓着ないのに演奏は素晴らしいってとこがまたいいんですけどね…… ・しかし演奏となるとシュッとするよ!そこがいいんだよ!錆びるどころか切っ先はますます鋭く ・ちょっと前腱鞘炎の手術したと聞いていたので心配していた。杞憂であった。冴えまくりでした。終盤爪割っちゃったようで「なさけない」と言ってたが、言われなきゃ判りませんてな演奏であった ・あ〜何度言っても足りないが何度でも言う、このひとのギターがいちばん好きだわ〜 ・あのパキッとしたギターはもはや私の血肉になっております
・MCでは主に松永さんがターゲットにされていた。窪田さんとバカボンの動向はずっと追ってて、サエキさんは追わなくてもそれなりに伝わってくるので(笑)松永さんだけ何してるか知らなかったんだけど、水樹奈々のバックで東京ドーム公演とかされてるんですね。知らなかった! ・久々の再会は武道館、僕は客席、まっちゃんはステージ…そうそうまっちゃんじゃないんだよ!違う名前なの!マーチンとか呼ばれてるの!(サエキ) ・マーチンじゃない、マーティン(松永) ・「まthなが」を思い出した(あこや会会報より) ・バックバンドには北島健二さんとかもいて、彼らだけのビデオとかあるんですよ!歌も唄うんですよ!(サエキ) ・歌は唄わないよ(松永) ・どっちがホントなんだ。サエキさん盛ってないか ・次に会ったのは東京ドーム。遠いところに行ってしまった、パールやめてよかったですよね(サエキ) ・そうですね!(松永) ・あーもーうざいサエキさん(笑) ・変わってしまった、と言う雰囲気になりそうなところをまっちゃんが反撃。パール兄弟が停止した後、「名古屋駅でKANちゃんのツアーで移動中のヤッシーにばったり会って、『やっしー!』って手を振ったら柱の影に隠れちゃったの。KANちゃんのバンドのドラマーの清水さんが、殆ど僕とは面識ないのに『やっほー』って返事してくれたんだよ。恥ずかしかった」 ・矢代さんは憶えていないふうだった(笑) ・ひとつのバンドを終えたメンバーは、いろいろぎこちない……(苦笑) ・それにしてもまっちゃんをちゃんと見たの23年振りだったので、いやもう…感慨深い…シュッとしたままだったことにもおおっとなりましたし ・やっぱタイコ叩くのってエクササイズ…… ・ブルースブラザーズみたいな格好しててね。サングラスにソフト帽で。サエキさんに「ビースティボイーズにいそう、サボタージュのビデオに出てそう」と言われてた
・パール兄弟と言うバンド名についてからおピンク兄弟の話に。どっちが先か?て言う ・本当に偶然で、お互い知らなかった筈なんだけど、ウチらのが先だと主張したいサエキさん ・おピンク兄弟はその後PINKに。「なんで僕たちパールにならなかったんだろね」と窪田さん ・「田村直美さんがいたからですよ〜」とすぐ返すサエキさん。どっとウケる観客。世代 ・「でもPearlが出てきたのもその随分後ですからね!」とどうしてもこっちが先だと主張したいサエキさん。うざい。芸風
・「江戸時代の恋人たち」の前に富士山が世界遺産登録されたことを『未来はパール』のアナログジャケットを持ち出し祝うサエキさん。時事ネタからめてきました ・三保松原も一緒に!と裏ジャケを見せてはしゃぐ ・数年前思い出巡り?で三保松原に行ってみたんだそうです。「あの頃より砂利が痩せちゃっててね…(しんみり)」 ・サエキさんのセンチメンタルな感性を垣間見る。繊細な歌詞を生み出す源泉ですね(といい方に解釈) ・しかしその後「世界遺産登録されたことだしそういうところも保護していきたいですね!」とか言う ・うざ(略) ・いや勿論保護はせねば!そのとおりです!
・サエキさんも時節柄と言っていたが、「タンポポの微笑み」を今こんな気持ちで聴くことになろうとはなあ ・「タンポポの微笑み」は、チェルノブイリの原発事故を受けて作られた曲です ・と言えばこれのレコーディング(残響込みで録るため)+MV撮影を大谷石採掘場で行ったんだけど、二ヶ月後そこが崩落したって思い出話。あったあった ・採掘し終わって観光用になっていた場所(大谷石資料館)で、近所に住居もなく、誰もいない時間帯に崩落したと言う意味ではよかったねと ・僕だってネタにするときは気をつけますよ!ケガ人とか出てたらしませんよこんな話!(サエキ) ・うざ(略)
・「焼ソバ老人」のバッキングがまるっきり変わっておった ・「ケンタッキーの白い女」、イントロ冒頭の「ハッ!」て掛け声をライヴで初めて聴いた。それがバカボンの声だったってのも初めて知った。「皆忘れてたよねー」 ・空海最高!空海最高!(どういう流れでそうなったか忘れた…)
・「ヨーコ分解」の前にバカボンのスティックに言及するサエキさん。「日本のトニー・レヴィンだよね〜」 ・髪型だけだよ(バカボン) ・スティック同好会とかあるんでしょ?喫茶店に集まったりとか(サエキ) ・ないよそんなの、知らないよ!(バカボン) ・やっぱサエキさん盛ってるでしょ…… ・そっからクリムゾン、ロバート・フリップ引退話になって、フリップは一日8時間練習する、僕は2時間くらいだよと言う話を窪田さんが ・これ+「しがらみクラブ」誕生の流れで若かりし頃のサエキさんが曲を作るため初めて窪田さんちに泊まったときの話を始める ・曲は6時間くらいで出来て、さあ寝るかってことになったらベッドを窪田さんが譲ってくれたんですよ。そのとき「おふろに入ってからベッドを使ってね」って言われたの!なんて上品なんだろう、しっかり育てられたんだろうなって感激したの!で、寝たんだけど、背後からカチャカチャカチャ…って音が聴こえてきて…ギターの練習を始めたの。寝られない!でも「なんて熱心で真面目なひとなんだ、こんなひととバンドをやってくんだ」とまた感動して、そのカチャカチャを聴いてて…そのうち窪田が「はあ」ってためいきひとつついて、練習が終わったの(サエキ) ・細かいニュアンス違うけどこんな感じ。長年追ってきたがこんな発掘ネタを今聞けるとは!あ〜長生きは(以下同) ・クロコダイルでやってた当時、ライヴ毎に絶対一曲は新曲入れるようにしてたって話も面白かった。この辺りはよく聞いた話だけど何度でも面白く聞ける。サエキさん話芸のひとつですね ・しかし今思えばこれ、窪田さんがやってた『GIRL GIRL GIRL』に繋がるなあ。FM横浜で毎週新曲かきおろしっての
あーもう面白かった…またの機会がありますように。待ってる!
|
2013年07月07日(日) ■ |
|
『ドレッサー』 |
|
シス・カンパニー『ドレッサー』@世田谷パブリックシアター
二日続けて集中力のある客席、わーい。グローブ座もだけど、天井高いところって客席のどんなちいさな音も響いちゃう感じですよね。その分静まり返ったときの空間の圧が絶大。実際どうなのかは知る術もありませんが、そういう冴えた空気のなかにいる演者と言うのは噛むなんて有り得ない、身体が滑るなんて有り得ない。そして実際そんなエラーは決して起こらない。「飛行機は墜ちると言う乗員全員の思いが一致したその瞬間に墜ちる」って言ったのは誰だったか…その逆版。同じ思いの集中力で場が満ちている劇場は幸福な場所だ。
バックステージものの名作『ドレッサー』。ロナウド・ハーウッド脚本だったんですね。『戦場のピアニスト』大好きで、原作(シュピルマンの回想録)だけでなく脚本も読んだくらいなんですよー。『テイキングサイド』もそうなんですね。どちらも戦時下における芸術家たちについて書かれたものです。『ドレッサー』も、非常時に幕を開ける舞台の様子が描かれます。空襲警報が聴こえてくる劇場、ノーマンは口上で「死にたくない方は」を言いかけ、焦って「お帰りになる方は」と言い換える。錯乱し疲弊した座長の状態だけでなく、芝居が上演される場所もそもそも非常時なのです。それでも幕を開けるか?開けるのです。そんなときに芝居を観るのか?観てるひとがいるんだなーこれが。そういう意味ではどっちもどっち、タガが外れていますな。狂気の俳優、それを支える裏方たち。舞台に立つ者のエゴ、その尻を叩く裏方のエゴ。それを観て好き勝手言う観客。笑えてやがては恐ろしい。どうでもいいがノーマンがカーテンから手を出すところ、『NO MORE 映画泥棒』のあれに似てた(笑)。
大泉さんと橋爪さんが素晴らしいのは勿論、今回三谷さんと初顔合わせの役者さんが多かったようで(女優は全員そうだとか)、それもいい効果をあげていたように思いました。いんやそれにしても、大泉さんのノーマンよかったなー。前半は座長がぐったりさんなので、その周囲であれやこれや世話をやく、殆どひとり芝居か!てな場面が多いんですが、ニヤニヤして延々観てられそうなの。淹れた紅茶が「うすい!」迄の歌といい身のこなしといいもー目が離せません。そして映像で観てると忘れがちだが大泉さんて結構大柄なんだよね、身体のバランスもよくて三つ揃いとかのしっかりした洋装が似合う。翻訳ものと相性いいかも!と思いました。
今回おおっ!?となったのは、画ヅラが非常に映画的だったと言うこと。座長のドレッシングルーム、その廊下、舞台裏と言ったレイヤーを、左右にスライドさせたり舞台ごと奥に滑らせる。これが単なる舞台における場面転換ではなく、映像におけるワイプのように見えるのです。定点の観客視点がバラエティ豊かなものになる。アングルは観客が決めると言う演劇鑑賞の常を逆手にとったような演出でした。特に奥へと滑っていく舞台(の上の舞台)と登場人物たちは、その遠くなっていく画ヅラ、ちいさくなっていく音声とともに、コメディ映画のエンディングのようなおかしみとせつなさを感じさせるものになっていました。劇場機構を巧く使ったなあ。新鮮な驚きがありました。なんだろう…決して画期的!発明!って手法ではないんだけど……絶妙でした。たまたま自分の席がそう見える位置だったのかも知れないけど(1階M列20番)。これ三谷さんのプランなのか、美術の松井るみさんのプランなのかすごく気になるところです。
三谷さんが『ドレッサー』に触発されて『ショウ・マスト・ゴー・オン』を書いたと言うのはよく知られています。『リア王』らしきお芝居の公演初日、舞台裏で起こるトラブルに次ぐトラブル。「幕をおろ」してなるものかと奮闘するひとびと。見事な機転と冷静な判断力で、数々の難局を切り抜ける舞台監督役を演じたのは西村雅彦さんでした。2005年にPARCO劇場で上演された『ドレッサー』でノーマンを演じる西村さんを観て、老境サンシャインボーイズ『リア玉』のことや、三谷さんと西村さんがまた一緒に仕事をすること、三谷さんが『ドレッサー』もしくは『リア王』を演出することをちらりと願ったひとは多いのではないでしょうか。そのうちふたつは現実になりました。残るは『リア玉』です。
-----
よだん。
グローブ座で客席の音がすごく響く話、ひとから聞いた面白いエピソードがあったの思い出した。どなたかのファンミーティングがあって、最後に「それでは客席の皆さんとご一緒に写真撮影をします」ってアナウンスがあった途端、コンパクトやらファンデケースを開けるパチパチパチ…って音が会場中に響き渡り、「グローブ座って音いいなー!」と思ったそうです(笑)。微笑ましい。
と言えば、菊地さんのPTAまたグローブ座でやってほしいー。なるぴよのタンギングを聴くならここだぜ。移籍に伴い一時縮小とのことだけど、メンバーが減るのかライヴの機会が減るのかどっちなんだろう。
|
2013年07月06日(土) ■ |
|
『アマテラス』 |
|
『アマテラス』@赤坂ACTシアター
何度も再演されていて、歌舞伎座でも上演された演目ですが初見です。『アマテラス』の神話を坂東玉三郎丈の演出で。長年玉三郎さんと太鼓芸能集団・鼓童の共演作だったところ、今回アメノウズメ役に愛音羽麗さんを迎えたとのこと。台詞はひとことふたことしかなく、ほぼ全てを舞踊と、太鼓や笛、箏といった和楽器の音色で表現します。
ACTシアター音よかった。太鼓の力強い演奏は勿論仏壇前で鳴らすお鈴みたい楽器(見せてもらったパンフに正式名称書いてあったが忘れた…)や、チャッパやジャンガラ(今回名前を知った)と言ったシンバル類の繊細な音も綺麗に響きます。一幕終盤、アマテラスが隠れて世界が真っ暗闇になったときの音がすっごいよかったなあ。客席もすごく集中していてい静まり返っていて。あれくらいのキャパがクラシックの演奏会場なみに静まり返るの久々だった…ある意味トホホですな……。いやホント、最近の劇場って落ち着きないんだなーと改めて思ったわ(苦笑)。グラスハープのように鳴らしたお鈴の音色が、鈴虫の羽音のように響く。暗闇の世界のなかに、命があることを感じさせる。命は光のような音をたてると同時に、黄泉の音楽のようにも聴こえる。
スサノオ役は鼓童のメンバーの方だったのですがひとりだけ長髪で(他のひとは皆刈り上げた短髪だった)、この役のために伸ばしたのかなと思いました。玉三郎さんが長身なので、美丈夫でないとバランスとりづらそう。その辺り流石の体格でした。皆さんすごくシェイプアップされた体躯の方ばかり。打楽器やってると自然とエクササイズになるのかもねと話した。大きな布を舞い上がらせ乍ら踊る場面も多いので、玉三郎さんの優雅でおおきな振りが映える映える。
愛音さんはアメノウズメの妖艶な踊りを披露。アマノウズメはアマテラスが「なになにあのセクシー課長は?」と岩戸を開けてしまうくらいのエロ美神なので(笑)セクシュアルさ全開、太腿も露な大股開きのダンスで魅せます。えっ宝塚にいたひとが?とちょっとうろたえた…いや、衣裳ちゃんと着けてますけど。ファンの方たちショックを受けないかしらと余計な心配をした。しかし聞けば男役のスターだったそうですが、在団中は女役もされていたとか、成程。
やーしかしホント太鼓っていいなー!普段は忘れている土俗的魂を思い出すわー(御されやすい)。二幕はアマテラスが隠れちゃうので殆ど暗いままなんですが、ちいさな灯りを見つめ、鼓童の演奏の響きに耳を傾けるのは至福の時間でした。玉三郎さんの出番自体は割合からすると多くはないのだけど(隠れちゃうから・笑)贅沢な時間でした。
それにしても打楽器ってのはホントいろんなものがあって、名前が判らないものが多いよなー。普段「チーンてやつ」とかで通じちゃうからな……。楽器でもこういう本あるのかな、ありそうだな。
|
2013年07月04日(木) ■ |
|
『シレンシオ』 |
|
『シレンシオ』@東京芸術劇場 プレイハウス
シレンシオと聞いて思い出すのはクラブシレンシオ(『マルホランド・ドライブ』)、ブルブルブル。沈黙、静寂を意味するsilenzio。と言う訳で不穏な予感を抱きつつ、ビクビクしながら芸劇へ向かいましたよ。
演者たちによってスライドされる机は、取調室の机になったり、食事をするレストランのテーブルになったり、ダンスのためのステージになったりする。照明は終始暗め、ソロを踊るダンサーを他の演者がハンディライトで照らす場面もあり、数々のイメージスケッチをオムニバスのように見せる。ダンスにはさまざまな動きがある。バレエ的なダンス、マイム的なダンス、超絶技巧を反映させる身体。ただ歩く、食事をする、日常の動作をステージで見せる仕様に変換する身体。ちょっとした仕草でその人物像があぶり出される。ハンドバッグをどのように持つか、カトラリーをどう扱うか。
男性三人、女性三人の衣裳はほぼ同じ。特に女性のワンピース、靴下の丈は全くと言っていい程に同じ。二階最前の席だったのだけど、序盤「原田知世さんこんなに背が高かったっけ?」と思ったら藤田桃子さんだった(苦笑)。やがて、各々の動きによって区別がつくようになってくる。反面男性陣は、同じような服を着ていても髪型と体格が極端に違う方ばかりだったので動く以前に区別がつく。その違いも面白かったなあ。何もしなくても個人が出てくる。女性陣の衣裳が制服的でもあった、と言うこともあるか。と思ったのは最近やなぎみわさんの作品『エレベーターガール』を見直したりしていたからですな。
首藤康之さんも川合ロンさんも、筋力が必要とされるポーズをゆったりと変化させていく、しなやかなダンスが印象的。対照的に梶原暁子さんは躍動感溢れるキレッキレのダンス。原田知世さんの前でテーブルに載り、踊る首藤さんの色香漂うソロにはグッときた。二階席からでも判る足の甲のラインの美しさ。観客に背を向けて首藤さんを見ている原田さんの表情を想像…いや、見えていたとしても無表情なのだろうが、その奥で何を感じているのかを想像する楽しさがありました。
ちょっと劇場が広いかなとは感じました。『日々の暮し方』くらいのキャパで観たかったな。と言えば、原田さんは『日々の暮し方』の南果歩さんのような、他のダンサーとの接触がなかった分その身体の必然性が見えづらかった。ダンサーに囲まれるダンサーではない身体の扱いが希薄に感じた。そこらへんもちょっと惜しい。継続して続けていくと見えてくるものもあるかも知れない。今回原田さんが声掛けしたプロジェクトだそうなので、一回で終わらず次もあってほしい。
暗闇のなかに消えて行く登場人物。「そして残るは沈黙」と言うハムレットの台詞を思い出しました。沈黙の先は死なのだろうか。彼らが融けていった暗闇を見つめる。プレイハウスはその広さの割に暗転がちゃんと暗くていいなあ。
それにしても隣のおっちゃんがいびきズーズーであった。なのにカーテンコールでむっちゃ盛大に拍手しておった。ずっと照明暗かったし台詞も殆どなかったからね……とは言えいろいろと納得がいかない(笑)いや、作品にではなくそのおっちゃんに。
|
|