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2009年10月31日(土) ■
『ろじ式』とか
維新派『ろじ式〜とおくから、呼び声が、きこえる〜』@にしすがも創造舎 西巣鴨初めて行った。巣鴨乗り換えで自然に脳内に流れる「今夜、巣鴨でぇ〜♪」。そういえば来年頭の面影@クアトロ、対バンが新感線でもおなじみ冠さんのバンドなんですね。また異種格闘技戦ですわね……。 着いたところは廃校 。劇場としてだけでなく、ワークショップ等もやっているようで、世田谷ものづくり学校みたいな感じかな。メイン劇場は体育館だったようでした。維新派は野外にセットを作り込んでるのを観るのがいちばんなんだけど、東京ではなかなかそれが出来ない。屋内で変則的な感じはしましたが、廃屋と言うありもんの中で観るのもまたいいもんですな。 と言う訳で維新派を生で観たのは晴海でやった東京晴海演劇祭の『ヂャンヂャン☆オペラ ノスタルジア』以来。調べてみたら1992年、シェー、17年振り。で、この時は端から観てる分には判らなかったんだがトラブルがあったのか、松本さんが「なにやっとんじゃ、こら」と役者にキックを入れてるのが丸見え(まだハケてませんよ!)だったのでその思い出が強く(笑)、心穏やかに観たのは初めてだったような。 音楽はおなじみ内橋和久さん。タイトルから『ねじ式』を連想しましたが、ろじ=路地でした。あーでも見知らぬ街に迷い込むような感じは『ねじ式』もモチーフにあったのかな。生物の進化、旅、少年と少女、群唱、そして維新派弁。この辺りは普遍。公衆電話への独白等は普通の言葉(イントネーションは関西)で話します。ストーリーを追うより、その場で起こることをボーッとただただ観、そこに流れる音楽とも言葉ともつかない音をただただ聴いて、その時自分の中に生じたひっかかりやあたたかみ、恐怖や安らぎを持って帰る感じ。10に区切られたシーンは目の前を通り過ぎて行って、自分だけが取り残される寂しさもあります。維新派て旅団みたいだもんなあ。 そーれにしても、メンバーは殆ど入れ替わっているだろうに(衣裳、メイクだけではカヴァー出来ない身体のヴィジュアルからして、ずっと在籍している役者っていない気がするんだが)質感が全く変わってなかったのがなんか衝撃だった…少年マルタが参加している時期もあったけど、今はゲスト的な位置のひとは呼ばないでいるんだろうし。サさんが「海外公演に行ったら『ちっちゃい子たちががんばってるねえ〜』とか頭なでられそうだよね」と言っていたけど(笑)実際の演者の平均年齢っていくつくらいなんだろう。しかしまあそんなもん超越してるんだよと言われたら素直に納得しちゃいますが。旅団は時の狭間も自在にパレードして行くのかな。 維新派は公演地に屋台村も持ってくるんで、終演後はそこでうろうろ。にしすがも創造舎にはcamo-cafe と言うカフェがあり、営業が終わっていたお店の前で「うまそう…」とメニューを見ていたら、お店のひとが「今日は屋台村に入って営業してますよ」と声をかけてくれたのでした。camo-cafeのブログでも屋台村が紹介されていました 。 屋台村『ろじしきのろじ』建築の様子はこちら↓ 今度ここに来た時には、まっさらなくなっている訳で。うーん、旅団。帽子とか買っちゃった。かわいい。サさん(アパレル職)がそこのニット作家さんと染色について熱く語り合っていたのが面白かった。 **************** ■そんで 帰宅して、http://www.thee.asiaを見てぼんやり。『THEE DVD BOX』リリース日は私の誕生日ですが、自分で自分にプレゼントか。そりゃ罰ゲームか。 音楽系のニュースサイトで軒並み「映画で再結成!」って見出しになっているのにいらつく。 しかしアベくんの誕生日迄に完成させる、とか、各パッケージの価格とかを見るにつけ、のうやん始めミッシェルのスタッフへの好感度はいつも高い
2009年10月30日(金) ■
『空気人形』
『空気人形』@シネマライズ2F ううーこれはヘコんだ…。是枝監督の新作だよーと呼び出されて行ったはいいが。あーでもこれ、原作が業田良家なんですね。予備知識全然入れてってなかったので結構ビックリした。読んでみようかな。 と言えば、私に『自虐の詩』を貸してくれたのってどなたでしたっけ。私てっきりささんから借りたと思っていて、今回ささんが誘ってくれたんで、業田良家繋がりだと思っていた。で、訊いたらそんなん知らないと言われた…。 あーそれにしてもペ・ドゥナさんが綺麗だったーかわいかったー。身体の美しさは勿論だけど、顔がよかった。何せ空気人形なもんで表情にメリハリがないんだけど、そのメリハリのなさがすごいの。無表情の目ぢからがすごい。心を持ってからちょっとずつ表情のバリエが増えていくんだけど、それでも破顔する程笑ったりはしないのね。その分はにかんだりした時のふっとした笑顔もすごーくよかった。だから最後がもうなんかつらくてつらくて。声もよかった。もーなんもかんもよかった。はああ、つらい。 好きな子に会いに行く前、嬉しそうに一所懸命自分で自分の身体に空気を入れるんだけど、それがすごく綺麗だったな。はーヘコむ……。 『誰も知らない』もそうだったけど、是枝さんの作品て誰もわるくないよってことを基本理念として描いてるだけに何とも気持ちの持っていきようがなくていっつも観終わると無言になるんだけど(大概同行者と話がはずまないはずまない)、今回もやっぱりそうだった。唯一岩松了(敬称略が敬称)の役がうわ−おまえだいきらい!と言える役で、それがまたハマッていたのだが(…役者としては素晴らしいってことですな・笑)その直前に彼のフラストレーションが小さく爆発するシーンなんか入れちゃってくれてるんで、そこでまたこっちの気持ちの持っていきようがなくなる訳です。だってそれ迄はとてもいいひとに見えたんだもの。と言うか、きっといいひとでもあるんだもの。そういう薄皮一枚と言うか、いつも薄氷の上を皆が歩いているよと言うか。そういうところが絶対描いてあるので言葉につまるわ…。 だもんでいっつもうがーと思うんだけど、新作が出来上がるとまた観に行っちゃう。なんだろうなあ、私この監督のこと好きなのかな嫌いなのかな、といつも思う。 あとバックホーンの菅波さんはこれ観ればいいんじゃないのと思った。おんなのこのつらさを知るがいいさ。まあおとこのこもいろいろつらいんでしょうけどね。
2009年10月29日(木) ■
『印獣』
ねずみの三銃士『印獣 ―ああ言えば女優、こう言えば大女優』@PARCO劇場 はひーギリギリ入場、危なかった…。そもそも一週間前に@ぴあ覗いたらあって、慌てて入手したのだった。あんだけプレでも一般でもとれなかったのにどういうことだ、何の戻り?諦めてたひとはチェックしてみるといいですよ、友人なんか一般前売日に東京とれなかったから勢いで名古屋公演とって遠征ですよ…。 だいたい『鈍獣』もとれなくて観ていないのであった。DVDにもなってるし映画化もされたけど、どうも舞台を逃すとそのまま観ない性格なもので。と言う訳で前作と繋がっているモチーフや小ネタがあるかは判りません。 女優の業 VS 作家の業、どっちが深いか? 以前吉祥寺でクドカンを見掛けてギョッとしたことがある。あまりに異様な風体だったからだ。格好が変とか悪目立ちしていた訳ではないのだが、目だけがギラギラしている骸骨みたいだった。猫背でタワーレコードの袋を持ってゆらゆら歩いていた。即座に本人とは判らなかった程だった。 バラエティの構成もやるし、コントも書くし、常にギャグはあるしで時々忘れがちだが、このひとは『熊沢パンキース』の内藤のように、あっちとこっちの境界線に立っていて、あっち側に落っこちる。落っこちたそこで書く。そのバランス感覚がすごい。今回はその「あっち側」のクドカンが全開です。そしてそれも、「あの3人がこういう芝居をやりたいと言ってるから書いた」んだろう。そういうところがプロフェッショナルなんだろうな。以下ネタバレあります、未見の方はご注意を。 三田佳子を迎える、女優の自叙伝を書くために僻地に招かれた3人の作家の物語、と言う事前に判っていた要素だけでもこりゃヤバいと言う感じはしたし、観客はそういうエゲツないことへの欲求がとても高いので、ヌルいものなんかやる訳がないと期待している。とは言うものの、よくこんなもん書いたなあと思い、よくこんなもん演じたなあと思い、そしてよくこんなもん舞台にしっかり上げる演出をしたなあと思った。虚構だと判っていても、現実に起こったことをやはり連想してしまうし、現実がもっとエゲツないことであろうとも、目の前で起こる虚構を一瞬でも信じることが出来、少なからず心に穏やかでない波が立つ。虚構が現実を凌駕することは間違いなくあるのだ。それは事実と真実が違うことと同じだ。 これを観て、それでも「こっち側」からなんだかんだ言える程こちらも潔癖な人生を歩んでいる訳ではない。だからと言って、「こっち側」にいられることが幸せだとも思わない。「こっち側」でいられるひとたちについてもチクリと書いていたところも巧かったな。ちょっとした顕示欲、ちょっとした誇張、ちょっとした悪意。それがどれだけの破壊力を持つか。 三田さんと、生瀬古田池田の3人はもう鉄板ですが(て最初から思われてるからハードル高いよね…)、あとのふたり、編集者・岡田義徳さんと女優のマネジャー・上地春奈さんもとてもよかったです。岡田くんて調子のいいテンパッた人物やらせるとハマるよねー(笑)。上地さんは初見でしたがお笑い畑の方なんですね。芝居にお笑いのひとは強いと言う定説はありますが、それにしてもまあよく見付けてきたなと言う感じ。成志の九州弁は聴き取れたけどこのひとの沖縄弁は聴き取れなかったわ…。彼女のキャラクターが強烈だったが故、マネジャーが最後どうなったかが描かれていなかったのがちょっと残念かな。あの女優についていたマネジャーな訳ですから、何かしらの背景があると思ってしまうし。 いやーそれにしてもあのシーンで成志に「あんたは女優も母親もやりきれてない」って言わせるかね。当て書き、空気読まない(笑)。こんな時に嫁と娘がフィンランドにエアギター世界大会行ってるだけある(笑)。生瀬=二世作家であることにコンプレックスを持っているケータイ小説家、古田=量産型の風俗ライター、池田=他に書きたいことがあるけど今はこれをやってます絵本作家、と言う役柄なんですが、いちばん得体の知れない、書く根拠が全くないってのがふるちんってところも巧いこと当てたなあと…とは言っても、それは公的なふるちんのイメージ(それがイメージってのもすごいが・笑)の一面でしかないのだろう。最後に書ききったってのが生瀬さんだってことも。 そして三田さん。ランドセル姿やセーラー服姿、毒マグロ貴婦人姿と言うヴィジュアルだけでも相当すごかったが、「女優だから、女優なら」男役をやっていれば役に入り込んでいるので妊娠しないと言われても(そういう無茶がうっかり通用しそうなのが、女優と言う記号の恐ろしさでもある)妊娠はするし娘を産む人物。そして「あんたは女優も母親もやりきれてない」と言い放たれる。と言うヘヴィーな役を演じきる“女優”です。よく思い出すのが、つかこうへいが筧利夫を評した「彼は人間じゃなくて役者と言ういきものだ」と言う言葉。今回の台詞にも同じようなくだりがあった。三田さんは“女優”と言ういきもの、と言うか、“女優”と言ういきものとしての生き方を選んだひとなんだ、と思った。 あーあとここ最近のクドカンの作品は、父親になったこと、娘さんを持ったことがちらちら影響として出ているなあと思うことが多々ありましたが、これもきっと「父親になったクドカンがどういうものを書くか観たいんでしょ?」とちゃんと把握して書いてるんだろうなあと思ったりした。そういう面から、作家・宮藤官九郎の業が垣間見える作品で、役者陣がそれを真っ向から受け止めた作品にも思えました。その役者の業=懐の深さにも胸がざわめいた舞台でした。 **************** ■オープニングが 夜中に車で移動中、ってシーンだったんだけど、数秒のうちに『ヴァンプショウ』、PARCO劇場での再演、成志演出、最後に観た伊藤さんの舞台、と言う情報がわあーっと頭に溢れてちょっと動揺した。そういえば『ヴァンプショウ』再演にはマッチャーも出演していたな。初演で成志が演じた役だった ■音楽 よかった。カーテンコールは渋さ知らズだったんだけど、渋さがこんなに禍々しく聴こえるとは新鮮 ■ぴーとさんとこで知りましたが 今度の『情熱大陸』はふるちんです。『印獣』の稽古風景も観られるかな
2009年10月25日(日) ■
『翻案劇 サロメ』
『翻案劇 サロメ』@東京グローブ座 はあ〜結局千秋楽しか行けなかった。篠井さんとスズカツさんのグローブ座シリーズ、最終作はオスカー・ワイルドの『サロメ』です。 2年前にPARCO劇場で上演したリーディング(1日目 、2日目 )の発展型で来るかな?と思いましたが、結構直球で来ました。思いっきりアヴァンギャルドにやりますと言っていたけど、スズカツさんのポップな面がよく出た解りやすい仕上がりになっていたと思います。アヴァンギャルド=難解ではないと言う提示にもなっていてよかったな。 修験者であるヨカナーンは預言者でもあり、言葉を駆使するイメージがありますが、それを森山開次さんが演じると言うところも興味深いキャスティング。コンテンポラリーダンスの森山さんと、日本舞踊の篠井さんの対比も贅沢だったし、森山さんが力のある台詞を発し、篠井さんの舞が堪能出来たのもよかった。篠井さんは宗家藤間流の師範名取だけど、舞台で観られる機会はなかなかないので。上條さんと江波さんが後ろにどっしり構えているので構図的にも安定感があり、そして当然おふたりの声が素晴らしい!台詞劇でもあり、音楽劇とも言え、舞踊も火花を散らすと言う、詰め込まれている要素はてんこもりなのに仕上がりは清涼感のあるもので、他では観られないものになっていました。 うーん、こう書いてるとなんじゃこりゃ、って感じだな(笑)。でもこれが成立しているんだ、不思議なことに。面白い…。 邦楽の演奏者が重要な台詞を随所に担っているところも面白かった。箏のトレモロがエレクトロニカな音に聴こえるところも新鮮でした。 このシリーズはとりあえずひと区切り。今後どうなるかは判りませんが、定期的ではなくとも篠井さんとスズカツさんのタッグは続いて行くそうなので(そりゃそうでしょう)、楽しみに待っていようと思います。 **************** ■ひとつだけ不満を言う 今回の公演に限ったことではないけれど、宣美と実際に舞台に載ったもののイメージが違うとちょっとガッカリする…。今回の宣美 、赤基調ですっごくよかったんだもの。サロメのメイクと鬘はこちらが断然よかったなあ。 宣美を決める時点で演出プランが固まっていなかったってことはないと思うので、現実的な問題(予算や舞踊=動きの妨げになる等)があったのかも知れませんが ■グローブ座近所の 酒屋さんにいるしんたろう(ねこ)はますますぶにゃーな感じになっていた。かわいかった
2009年10月24日(土) ■
『真田風雲録』
さいたまネクスト・シアター『真田風雲録』@彩の国さいたま芸術劇場 インサイド・シアター キタコレビニールシート配布、飛んでくるのは水でも血のりでもなく、舞台上に敷き詰められた泥。舞台が客席床面と同じ高さのため、入場早々泥に足をつっこんでフギャーとなっているお客さんがいました…これから行くひとは気を付けてー。 隣席の初対面のおばあちゃんと「やっぱりこれ(ビニールシート)、使った方がいいかしらねえ…」「床にかなり飛んだ跡があるので絶対使った方がいいと思います」「そうねえ」「こう、ぐるっと腰に巻いてから座るといいと思いますよ」とか話す。と言う訳で肩くらい迄ビニール被ってたんですが、終わってトイレ行って鏡見たら顔にも髪にも飛んでやんの(笑)。最前どセンターでしたからねえ…。最前列とステージの間って、1メートルもなかったし。 大ホールのステージ上に組んだキャパ約300の特設劇場、舞台を見下ろす形(最前列は舞台と同じ高さ)でコの字型に囲む三面が客席。残り一面には関ヶ原の合戦と大坂城落城の様子が描かれた壁画。その向こう側が本来の大ホール客席部分。シーンによって壁画が開閉し、ホール全体をフルに使用する演出でした。 冒頭から関ヶ原の合戦シーン。走り込んで来た役者たちは泥に足をとられて素で転び、衣裳の鎧はガチャガチャ音をたて相当重そう。初っ端からもうカオスです。しかも続いて壁画が開くと、その奥にいた生バンドが演奏を始め、いきなり全員が唄い出す怒濤の展開。この間3分もあったか?もうニヤニヤがとまらん、むちゃくちゃやん。ツカミは流石です。 そんな「ツカミの場」を用意するのは蜷川さんの得意とするところ。そしてその空間に放り込まれるのはオーディションで選ばれたイキのいい若手44名。蜷川さんには演出家のエゴと残酷さが当然あり、それは例えば絵的にノイズがほしいがための、体型や見た目がバラバラの人選だったりする。デブ要員とかガリ要員とか。そこから「それだけでは終わらんわい」とはみ出していくのは役者側のエゴで、演出家はそれを待っている節もある。このやりとりがうまく噛み合えば作品はますます面白くなる。ギラギラした役者が沢山いました。 泥だらけで奮闘する若手=兵士たちとは対照的に、豊臣陣営の上層部は客演のベテラン役者たちが主体。彼らは坊主たちが押す台車に乗って舞台上を移動する。身体どころか足すら汚すこともない。ひとめで上下関係が伝わる視覚効果も見事でした。ベテラン役者たちに混ざって、豊臣陣営にいた若手もかなりのもの。皮膚一枚隔てた内に熱情を隠し持ち、終盤それを爆発させる豊臣秀頼(鈴之助)、大野修理(遠山悠介)は、ギラギラした役者たちの中にいるからこそ、その透明感が際立っていました。 一方、客演で唯一泥にまみれて戦うのは横田栄司さん演じる真田幸村。真田十勇士たちの議論台詞が、演者の力量のバラツキによって流れがちになるところをうまく引き締め、隊の動きもまとめあげて引っ張る大車輪の活躍です。のらりくらりとしたキャラクターも魅力、慕われる理由が解ると言うもの。 十勇士の面々も、荒削り乍ら魅力的な若手が揃っており、3時間超の上演を間延びさせず、いい緊張感で演じ切っていました。皆「顔が記憶に残る」役者ばっかりだったな。猿飛佐助役の隼太さんのラストシーンの疾走はせつなく美しかった。西村壮吾さん演じる筧十蔵の影には惹き付けられた。このひとプロフィール写真とツラ構えが全然違っててビックリ。短期間で顔って変わるもんですね…。 顔と言えば霧隠才蔵役の美舟ノアさんも、劇中でどんどんおんなの顔に変化していくのが目に見えるような演技でよかったなあ。話が話なだけに女優陣が活きるシーンは多くないのですが、それでも才蔵や千姫(春木美香)はあの時代に生きる女性の強さ/弱さ、美しさを見せてくれました。秀頼を失った千姫が、ふざけたようなことを言った直後に一瞬悲しみの表情を見せるのですが、あれはすごかったな…鳥肌たった。あの席じゃないと気付かなかったかも。そういう意味では映像的な演技なのかも知れませんが、頭に焼き付くような表情を観られてラッキーだった。ステージが近い舞台ならではでした。 オーディションで選ばれた若手と言っても、プロフィールを見るとズブの素人は殆どおらず、劇団や事務所に所属しているひとが多い。逆に言うと、そういうひとたちが多いにも関わらず、ここ迄熱気のある舞台が作れると言うことで、今後がとても楽しみです。キレイにまとまった舞台に飽き飽きしているひとは是非。燃えます。 **************** ■小ネタとしては 沢竜二さん演じる大野道犬の最期が、大衆演劇式の殺陣でニクい仕込みだった ■よこちん どこからどこ迄アドリブなのか判らない役の生きっぷり。入道の頭をはたいた扇子が壊れちゃった時のリアクションは毎回やってるの?(笑) ■どうでもいいが なんかバックホーンにいそうなひとたちが沢山いた(笑)どろどろやん ■ところで バックホーンの菅波さんって福島出身なのね。で、ソウルセットの俊美くんも福島出身なんだけど、彼が以前ライヴのMCで「ウチは親父が山でいのしし捕まえてくるとおふくろがつぶして近所に配るよ☆」とか言ってたのね。なんかもう…福島のイメージが……ウチも大概田舎もんですけど、いのししつぶしたりって光景には遭遇しなかったですよ……… ■それにしてもいい台詞が多かった と言う訳で戯曲買ってきたんでこれから読みます。どこ迄ト書き指定があるかも見どころだな ■内藤さんならかなり期待出来る この『真田風雲録』、来年兵庫で内藤さん演出でやるんですよ。うわ、観てー!!!こんなん内藤さん大好きやろ!
2009年10月23日(金) ■
TIFF
東京国際映画祭『笑う警官』@TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン7 舞台挨拶付き。登壇順に原作者の佐々木譲さん、伊藤明賢さん、宮迫博之さん、大森南朋さん、松雪泰子さん、忍成修吾さん、野村祐人さん、大友康平さん、角川春樹監督。 皆さん「スタイリッシュな映画になった」「リアリティよりスタイリッシュを重視した」「大人の映画」と言うコメントを繰り返してらっしゃいました。 いいキャストが揃っているし、宣伝も力入ってるし、メジャー映画ですし。いちばん大きなスクリーンでの上映でしたし、プレスの数も多かった。しかしやはり、「映画は監督のもの」なんだなあとつくづく感じた作品でした。そういう意味では、春樹色ってのはめちゃ強烈で強力ですな。原作を読んでみようと思いました。いやあははははは、皆さん格好よかったですよ。 以下映画の内容以外のおぼえがき。 ・佐々木さんに続いて出て来た明賢さんをおーもりさんと勘違いして「あんなに背高かったっけ?髪も伸びて茶色にしてウェーヴかけたんだ〜」と思ってよく見たら明賢さんだった(笑)。出演してるの知りませんでした失礼しました。メインキャストだった…… ・宮迫さんと大友さんが場を和ませてくれました ・おーもりさん、エレカシの宮本さんみたいな格好だった(笑) 帰りに豪華なプレスシートを頂きました。
2009年10月22日(木) ■
『晴れた日は巨大仏を見に』とか
DRIVE TO 2010のチケットをたてつづけにパーにしている。『サロメ』の初日も行けなかったよーい。シャンプーハットももう無理だ…また評判いいんだこれが(泣)。そうこうしているうちに圭史ィにめでたいことやトレントにめでたいことがあり、なんつうかひとの幸せが和みのもとになっている今月でございます。トレントの新郎姿かわいいよ…嫁さんも綺麗! DRIVE TO 2010でのメトロは加藤和彦さんのカヴァーをやったそうで、聴きたかったな。ヨタロウさん、HONZIの時は相当参っていたし心配。メトロも皆が元気なうちにどんどんやっておくれよ。でも来月のワンマンには行けないんだよ(泣)。うー、間がわるい。 ****************■『晴れた日は巨大仏を見に』宮田珠己 中村まことさんがオススメ本として紹介されていて、これは…と思い。書店で検索すると文庫情報が出ていたので探すも見付からず、店員さんに訊いたら発売前だった。なんだかすごく楽しみにしていたみたいで恥ずかしい…データベースは店頭に置かれてから更新してください……。 と言う訳で発売日に買いました。やっぱりすごく楽しみにしてたのか。 「マヌ景」として、日本全国の巨大仏を紹介。巨大の定義は「40m以上、ウルトラマンよりデカいこと」。いい定義だね!これが結構あるんだ…何考えて作ってるんだって言う。デカいことそのものではなく、そのデカいものが「ぬっ」とある異様な風景こそが惹かれる理由との結論。成程確かにそうかもしれない。webを見てまわるとかなりの数の巨大仏巡りサイトが見付かるし、皆そういう違和感を目にしたくて出かけて行くのでしょうね。あの「ギョッ」とする瞬間は、なかなか中毒性がありますし。異世界への入口が突然出現したようなちょっとした気味わるさと、思わず笑いが漏れる奇妙な風景はSF的でもある。 「何考えて作ってるんだ」と言うことへの見解と、それに対する地元住民の反応の冷たさ、無関心さも書かれています。ちなみに淡路市の世界平和大観音 は、この本が書かれた後の2006年に閉鎖され、そのまま放置されているそう。設立者が亡くなった後、子孫がこんなん受け継ぎたくありませんと相続権を放棄してしまったそうです。1995年の震災にも耐えましたが、老朽化が激しく崩落したらどうしようと怖がられているとのこと。困ったね…。この大観音、ルックスもなんか間が抜けてるからわびしさも人一倍です。あ、ひとじゃないか。仙台大観音は実際に行ったことがある 。その仙台大観音、ハードカバー版では表紙 だったのでした。ああ、マヌ景。 写真も沢山掲載されており、「ぬっ」「ギョッ」を仮想体験出来ます。冷めた文体で淡々とツッコミを入れ続けるテキストも面白く読めます ■ちなみに この本の著者が巨大仏を意識したのは大船観音 が最初だそうですが、こちらは上半身のみ(下半身が地中に埋まってるっぽい)で25mなので、別枠として紹介されていました。あー鎌倉行く時大船駅に近付くとワクワクしてくるもんね。あんなんちっちゃい頃見てたらそりゃ刷り込まれるわ ■ちなみに2 フジロックに行く為上越新幹線に乗ると、車中から高崎白衣大観音 が見られます。最初見付けた時驚いたなー。帰ってきて即調べた(笑) ■どうでもいいが 信仰云々関係なしに寺社仏閣等がレジャー地になっているのって、不謹慎だけど面白い。自然にひとが集って憩える場所になっていると言えば聞こえがいいのかしらん。 ちょっとズレるが、小学生の頃遠足でしょっちゅう行っていた都島公園は陸軍墓地 だった。特攻隊の慰霊碑や戦没者の納骨堂の横でドッヂボールとかしてた訳ですよ(笑)。緑も多くてきれいなとこですけどね…春は桜が満開になって花見客が沢山くるし。まあそういうのが自然に身近にあることはむしろいいことなのかな。勿論こういう戦没者慰霊施設は今後増えていってほしくないし、戦争も二度とないのがいちばんですが
2009年10月18日(日) ■
あひゃー
ええと、もう説明するのも疲れたのでメール転載してもいいですか……。 ----- 10月18日に振替ご予約及びご予約頂いたお客様へ この度、THE SHAMPOO HATの今公演に於きまして、出演者の多門勝、新たに梨木智香が新型インフルエンザの為、10/15(木)19時開演の回より10/18(日)19時の回まで、公演を休止する運びとなりました。 つきましては、「はえぎわ」よりノゾエ征爾氏を、劇団より岩堀美紀を代役とさせていただきまして、19日(月)19時の回より22日(木)19時の回まで公演を行います。 また、23日(金)19時の回より25日(日)14時の千秋楽までは多門勝が復帰致しますが、梨木智香は降板とさせて頂きます。 尚、この度の事態を受けまして、本来予定しておりませんでしたが、22日(木)14時開演の1ステージを追加公演として上演する運びとなりました。 休止期間に振り替え予約及びご予約をいただいたお客様には、深く深くお詫び申し上げます。 (後略) THE SHAMPOO HAT 制作代表 武田亜樹 THE SHAMPOO HAT 主宰 野中隆光 ----- まあひとりインフルになってるってことは、他のひとにも感染してるんじゃないかなあとは思ったのですが…。困った、もう行けないかも知れない…ショックだ……今年唯一の本公演なのに。 今回野中さんは客演のスケジュール(稽古期間?)と被っていてこちらに出演はしていないので、いろいろ心配だろうなあ。 仕方がないかなー。いやこちらも出来る限り努力してなんとか観に行きたいが…。とにかくおふたりはおだいじに。はやく治りますように。
2009年10月15日(木) ■
シャンプーハットだったんですけど
スズナリ前がやけにひっそりしている。あれ、開演まだだよね?と近付いたら、入口付近にいた制作さんがふたり寄ってきた。 多門さんがインフルエンザで、今日からの三日間休演だそうです。えええーーー 昨日の初日はやったらしいんですけど。 いやでも三日休んだからってインフルだったら…と思ったら、代役を立てるとのこと。何がなんだか判らない感じで、その場で振替日を決めて帰ってきました…。 結局シモキタにはごはんを食べに行っただけと言う(笑)あのじさんとYouTubeで20数人しか観ていない映像の話をして帰ってきた。いや発端は洋楽の話題だったんだが。おつかれさまでした。・お知らせ あ、こういうことなのね…ノゾエさん頼みます! そして多門さん復帰するんだ!ええーそんなあ! 何が何だかと言う感じで、行けそうなのが18日しかなかったのでその日を選んだが、思えばその日は代役立てての初日なのであった。ひいー、が、がんばれー!無事幕が開きますように……。 そして多門さんおだいじに **************** ■そして 帰宅したら青山円形から『ア・ラ・カルト』終了のお知らせDMが届いていた。白井さんと陰山さんが昨年限りで離れ、今年は「ア・ラ・カルト リニューアルオープン準備中」として『おしゃべりなレストラン』を上演するそうです。そして来年から新たな『ア・ラ・カルト』をオープンする予定とのこと。 『おしゃべりなレストラン』の出演者は、白井さんと陰山さん以外の『ア・ラ・カルト』メンバーと、山本光洋さん、本多愛也さん。日替わりゲストに(敬称略)石井一孝、川平慈英、篠井英介、羽場裕一、マギー、山寺宏一、ROLLY。 ああ、昨年が最後だったんだ。もう会えないんだ、あのレストランのひとたちに。 こんな別れ方はさびしすぎるなあ。でもどこかで予感はあったな。15周年を過ぎてからは、これが最後になるかも、と毎年思っていた。今は観られてよかったとただただ思うだけです ■と言う訳で 帰ってぼんやり『不毛地帯』を観ていたら、エンディングテーマがトム・ウェイツの「Tom Traubert's Blues」でビックリした。松重さん出るんですよねこれ…うわーいろいろ思うことがあるわー ■松重さんと言えば 昨夜の『深夜食堂』 よかったなあ。松重さん久々のザ・ヤクザ!綾田さん(随分雰囲気違ってビックリ)とのやりとりが面白かった。キャストも曲者揃いでいい。フードコーディネーターが飯島奈美さんってのにもニヤニヤです あーそれにしても呆然。ねむい
2009年10月12日(月) ■
天才マタバ氏のブッキング
面影ラッキーホール@O-EAST 大掃除をしたせいか季節の変わり目のせいか、鼻炎スイッチが入ったのでぐしゅぐしゅ言い乍ら(すんません…)吉野さんやらアベくんやらチバくんやらNINやらトムとフリーのバンドやら阿佐スパやら笑う警官やらのことをユーロスペース1Fのカフェでべらべら喋っていたらいつの間にか19時前、狂うクルーを逃す。あああ。 と言う訳でECDから。久々!イリシットツボイとのユニットでした。うへーやっぱ格好いいな、強烈。ツボイさんのキレ芸(キレ芸言うな)オモロい。いやいやそれだけではなくて、その場でバンバントラック変えるのね。ツボイさんTT、ECDサンプラー+Keyで、TTの音を繋いでKeyから出してるみたいだったんだけど(TTからも独自に音は出す)、ECDがKeyで鳴らす時にツボイさんがその元の音をどんどん変えちゃうの。そのやりとりがスリリングでもー。中盤ツボイさんがヘッドフォン使わずに2台のタンテをバキバキに操るところがあったんだけどすごかったー。ECDの言葉は無論グサグサ刺さりました。 続いてサブステージ、DOKAKA 。な、なにこのひと面白い!頭おかしい!ヒューマンビートボックスをこんなアホなことに使うってあんた最高だ!多分すごいスキルのあるひとだと思うのね…でもその使い方ってのがもー。素敵じゃないのさもー。サンプラー使いのひとり多重録音で、ゼルダの伝説とか渡る世間は鬼ばかりとかスーパーマリオのテーマ曲をドラム、ベース、弦、メロ、効果音と8小節毎にその場で重ねて行く芸(芸なのか)。サザンとプリプリとあとひとつなんだっけ忘れた、が同じコード進行でえすとリズムとコードを入れて最後にそれぞれの歌入れってのもあった。あいだあいだにちょー早口キレ気味(またキレ芸か)で解説と紹介、自分で書いたんであろうセットリストに「読めねえよ!」と激怒、動きもあんた血管切れるよと心配になるハイテンションオーバーアクション、キャー!変なひとがいますよー!こんなひとが電車で近くにいたら車両替える。 だんだんマニアックになってきて、キユーピープログレ五弦ベース(3分クッキングのテーマ。ドリームシアターのひとが使ってるみたいなベースですと解説。レシピ迄やったけど何作ってるかさっぱり判らない。揚げ物だった様子)、ひとりスレイヤー、ひとり電車(これすごかったな。電車の音と車内放送と東横線とかの沿線駅名羅列でひとりポリリズム(notパフューム)!)ひとりスペースマウンテンとか、怒濤も怒濤の20分?15分?嵐のように去って行きました。毒気を抜かれた気分で呆然。ちょ、次のライヴの予定はいつですか…! てか帰って調べたらこのひとビョークの『Medulla』に参加してるのね…なんなの……。 インタヴュー→Creators Dictionary | Public-image.org » Blog Archive » DOKAKA | ドカカ | Musician あ、しかもマイク・パットンとも……なんなの(復唱)………。 そして加護亜依ちゃん。そう加護ちゃんです。うわあほんものだあー。かわいいー。しかしアウェイもアウェイな雰囲気を感じ取ったか言動が固いです。すみませんね…。ソロの持ち歌が2曲しかないのでMC含めて10分くらいか?カラオケだったけど口パクじゃなかったし、歌も上手だった。 まあそういう訳でこんなブッキングしたのは、すっかり一部で有名なP-VINEの天才マタバ氏なのでしょう。ちなみに菊地さんによるマタバくんの話はこちら 。面白過ぎる…このイヴェント結局どうなったの……。 さてヘッドライナー面影ラッキーホールです。全員インフルエンザ伝染されたくないってことでマスク着用で登場、ホーンセクションに到っては口のとこだけ穴の空いたマスクをしている無駄さ加減です。結局演奏しづらいので1曲で外していたが。アッキーのマスクは勿論ピンク。いつものことですがまあボヤくボヤく。「2階盛り上がってますかー!いないのね」。ははは、2Fのシャッター閉まってんの初めて観たわ(苦笑)。「アニメの主題歌やって、マーシーともやったのに何も変わらねえ。印税生活とか…期待してたのに……」。いつものことなので面白がって聞きます。そして何故か今になってDCPRGに対抗心を燃やしており、「DCPRGはここを満杯にしたのにねえ、僕らときたら…」「(撒いたマスクには)僕の匂いついてるから。菊地さんと同じ(テュエリー・ミュグレーの)エンジェル使ってるから」あげく「あなたたち菊地さんて知ってるのかよ!」「変拍子とか使わないから踊れますよ」。こんな時迄菊地さんて敬称付けてんのにウケた。それにしても、DCPRG知らないひとにはどんなオシャレバンドかと思われたか…あんなヤクザバンド捕まえて何を言ってるんだ(笑)菊地さんはピットインには家からスウェットでやってきて楽器は生徒から借りるようなひとですよ……。 まあケースバイケースと言うことなのでしょう(なにそれ)。 大人の事情もあるのか?MCはいつもよりおとなしめ(と言っても言いたい放題でしたよ)、コール&レスポンスは勿論加護ちゃんネタでしたがまあかわいいものです。演奏の方は毎度のこと乍ら素晴らしかったー。EAST音いいしー!本編の最後にアッキーはジャケットを脱ぎ捨て、素肌にサスペンダー姿で踊ったのですが、それはもう『愛の嵐』のシャーロット・ランプリングのような退廃に満ちた神々しさでした。そしてシャーロットよりボインでした。「絶対アンコールって言うなよ!」と吐き捨てて帰っていきましたが、ここはもういやがらせの意味で皆大喜びでアンコールです。律儀に出て来たよ(笑)。各所曲間を空けないようにアレンジ変えていたり、「あんなに反対してたお義父さんにビールをつがれて」では、“スーパーで働きはじめ”を“イオンで働きはじめ”に変えていたりと何げにツメも細かく楽しかったです。「東京(じゃ)ナイトクラブ(は)」ではいつもジーンとくる。
2009年10月08日(木) ■
いろいろ
あー雨が強くなってきた。実は大雨好きです。晴れも好きだけど。 ■気まずい 仕事がパツパツになって、今週行く予定だったライヴやらのチケットをバンバン手放しているんだが、悉く悪天候(つーか台風)でなんだか申し訳ない…あの、特に今日、やばげだったら行かなくていいから!ごめんね! ■今頃気付く クドカンの歌舞伎、りびんぐでっどってことはゾンビものだよね。ははは ■どうでもいいが 彌十郎さんの件、福助さんのweb日記を見た友人からメールが来て知ったんだけど…未だに伝統芸能のひとがブログとかやってるとちょっとビックリする(笑)いやなんか勘三郎さんがポロシャツとか着てるとあれ?と思うのと一緒で……。歌舞伎のひとは江戸時代のひとじゃないんだよと自分に言い聞かせる(バカ) ■夢かと うとうとしてたら流れたんで見間違いかと思ったが本当だった。・『辛そうで辛くない少し辛いラー油』うまい!!篇 「人気ロックバンド『怒髪天』の増子直純さんが、表情豊かに表現します。」 び…ビックリした……。 うわあちゃんと目が覚めてる時に流れてくれ…けど、こういうのって待ってるとなかなか見られないんだよねえ。見られますようにー ■と言えば 音人の増子兄ィの連載、今月号は吉野さんのオモシロエピソード満載ですよ…チワワて…アイボて……。立ち読みしてて笑いで腕が震えたよ。その後チバくん(今は眉あるね)のインタヴュー読んでしみじみしたよ■『'09←'94 ~debut 15th anniversary best&tribute~』高畠俊太郎 俊太郎が15周年、うそー。トリビュートされる側、うっそおー。信じられん。いつでも俊太郎はフレッシュですからね。見た目も変わんないもんねえ。 ベストとトリビュートの二枚組。メジャーデビューしてから、ULTRA POP、POINTER、AUTO PILOTと言う3つのバンドをちぎっては投げちぎっては投げ、ヤバい歌詞のものはインディーから出し(ニヤニヤね。流石にこれの楽曲は入ってなかった…)、ロケンローバンドにソロ弾き語りにと、山あり谷ありの15年間、いろんな形で続けて来た音楽キャリアの中から選曲した16曲+8曲。 ベストの方は全て既存のトラックで、レコーディングした時期もレコード会社もバラバラなので、通しで聴くと音にバラツキがある。それがまた、あー15年渡り歩いてきたね!と感慨深い。そしてこうやって聴くと、今は随分声が柔らかく優しくなったなあ。「ジェットスクーター」とか声がわけー!そういえばこれ、確か気持ち悪いくらい爽やかにしようと、唄い方とか音質とかかなり拘ったとか言ってたよな当時。本当、気持ち悪い(笑)。ULTRA POPやPOINTERの頃の、サイケ色の強いヴォーカルスタイルも好きだったけど、そこを通過して今の柔らかい声に辿り着いたのかと思うと、この15年間に思いを馳せてしまいますよ…。いろいろあったね!それでいて最後の曲が「GOOD TIMES NEVER GONNA STOP!」ってのがまたニクいじゃない! と、熱(苦し)く語ってしまう程です。自分内一軍ベンチのうたうたいなのですよ…おらあ彼の歌をリアルタイムに聴き続けられる時代に生まれたことを幸せに思うー! そんな訳で、「俊太郎が唄っていない」彼の曲ってどうなんの?と聴いたトリビュート盤。うはあ新鮮。いやーホント俊太郎はいい歌書くなー(そっちか)! 皆さん元の楽曲のステキングさを失うことなく独自色がだだもれで面白いです。近藤さんのキラキラポップ「where I'm walkin'」や、HARCOのジャジー「月」アレンジとかビックリした! そんな中さわおくんと恭一がバンドセット。先輩!hurdy gurdyの木村さん(ex.ZEPPET STORE)は一聴バンド仕様で実は全部自分演奏。ひとりでできるもん! 恭一の「Time」は、サイケなのにまっすぐと言う恭一らしさ全開でこちらもえびす顔です。この曲、聴く前からすんなり恭一の声で脳内再生出来てたなあ。恭一と俊太郎はなんだか母音の発声が似ている気がするよ…。 そして、これ、上田現は参加していないんだなあと思う。 以前DBのイヴェントで俊太郎が唄った現ちゃんの「ドライブ」、すごくよかったんだ。おかえしと言ったら変だけど、現ちゃんの唄う俊太郎の曲も聴いてみたかった。でも、もう聴けることはないんだ。現ちゃんの周辺で音楽をやってきたひとたちが音楽を続ける限り、これはもうずっと、ことある毎に感じていくことだと思う。それは現ちゃんを憶えておくことでもあるし、イヤなことでは全くない。しょんぼりはするけどね あー長いよー!俊太郎のこととなると延々喋るぞ(笑)。 ■面白いので 続けてインディー時代のULTRA POPの音源聴いて、うわあもっとわけー!と爆笑(無礼)。ああ、ひとりのうたうたいの変遷を聴けるこの幸せよー!■『サザエさんうちあけ話・似たもの一家』長谷川町子 「『すゞしろ日記』は長谷川町子さんのマンガに影響を受けていて…」と言う山口晃さんのインタヴューを読んで、言われてみれば『サザエさんうちあけ話』ってこんな感じだったなと思い出す。小学生の時新聞連載で読んでいて、単行本も持っていた。絶版だろうなーと思いつつ探してみたら、『似たもの一家』と合冊で文庫になっていた。 当時読めなくて飛ばした漢字や、ニュアンスを読み取れなかった(「短気」のところで何故殿中でござるの絵が描いてあるか解らなかったり)ところの意味をちゃんと理解しつつ読むことが出来ました。 軽妙に描いてるけど波瀾万丈。戦時中の話とか、『サザエさん』を出版する迄、してからの紆余曲折は壮絶です。それを「ま、こういうこともあるわよ。なんとかなるわよ」と言うふうに描いている。そして同時に、くらしの中の暗い部分や悲しい出来事をあっけらかんと、醒めた視点で描いている。なんか元気出た…。 諸行無常、すべてこの世はうたかた。 それにしてもおかーさんがすごい。あだ名はヒットラー(当時こう呼ぶってすごい・笑)、判断の早さと言い金の使いっぷりと言い、豪傑です。本人の性格もあるでしょうが、信仰を持っているひとってのは強いよなあとある意味感心もした。 そして改めて見てつくづく感動する、達者なペンタッチ。つけペンと筆のストロークでこんなに均質な線が引けるって…大体つけペンって筆圧によってタッチの強さを変えられるのが特徴なのに。初期作品では強弱タッチあるんですよね。 と言えば藤子不二雄さん(FA両方)も、なんであんなに線がガビらず綺麗にひけるのー?すごいー。このお三方は、どうぶつ絵がとても愛らしいと言う共通点もあります。 『似たもの一家』は、『サザエさん』にも登場する伊佐坂先生のおうちの話です。初めて読んだ。ヒロポンネタにビビッた(笑)何げに過激な…… あーあとトムとフリーのバンドのことやら何やらあるんだけどもうねもい。雨音大きいと逆によく眠れたりすんだよね。
2009年10月04日(日) ■
しょげる
彌十郎さんが狭心症の発作でERに担ぎ込まれ、御園座の小林の役を降板。あとの二役はやるそうです。大丈夫なのかな…。こないだも一役お休みしてたのに。十二月もいくつも役があるし。無理しないでほしい。 あーなんでこう続くかなー。
2009年10月03日(土) ■
『世田谷カフカ』
NYLON 100°C 34th SESSION『世田谷カフカ〜フランツ・カフカ「審判」「城」「失踪者」を草案とする〜』@本多劇場 ちょこちょこネタバレあります、未見の方はご注意を。 おお、流石に見せ切ります。確かにこれ、プロデュース公演でやったらグダグダになると思う…。そういう意味では、客演の横町慶子さんと中村靖日さんの使い方は非常に贅沢です。逆に言えば勿体ないくらい。中村さんってナンセンスやコメディも出来る役者さんですが、それを完全に封じています。それにしても中村さん、結核で命を落とすカフカを想起させるにはいいルックスでした。真っ白(苦笑)。 個人的には、唯一未読の『失踪者』の比重がいちばん高い構成になっていたのであたふたして観た部分がありました。『城』パートは新国立での松本修さん演出版 (哲司さんがKだったやつ。思えばこれ、プロデュース公演であり乍ら長期ワークショップで仕上げたものだったな…そう考えるととても大変だっただろうな)を観ていたこともあり、入りやすかった。測量士Kの台詞で〆たところもストンと腑に落ちました。サブタイトルにもある作品以外にもカフカのテキストは散りばめられ、その中にはケラさん筆の『カフカズ・ディック』も含まれ、各所にタイトルと発表年が映し出される親切さもありました。『雑種』って短編が面白そう。探して読んでみようー。 ここ最近のナイロンは、ケラさんの完成度の高い脚本(本人曰く「誤解を恐れずに言えば、新劇的な傾向」)を、スキルの高い役者陣が劇団ならではのコンビネーションの良さで仕上げた作品が続いていました。今回は、稽古場でのエチュードやディスカッションから構成したもので、役者それぞれの個人技への要求と信頼度も更に高い。これ迄は古株の劇団員に目がいきがち(=メインキャスト)なことが多かったが、今回はそれぞれの見せ場が多い分、こちらの視野も拡がった感じがしました。 3人のK―測量士K、ヨーゼフ・K、カール・ロスマンはそれぞれ吉増さん、喜安さん、三宅さんが演じますが、吉増さんと喜安さんが三宅さんと堂々と渡り合っているところにハッとさせられたし、植木さんや水野さん、長田さんも妙に気になる魅力を発揮していた。ここらへんのひとたちって、勿論これ迄にも「な、なんだこの役者?」とひっかかるところがあったし、外部公演なら充分光るひとたちだと思うのですが、何せナイロンは濃くて特徴のある、しかもスキルの高い役者さんが多いので、なかなかじっくり観る機会がなかったのです。今回の公演には、犬山さんや峯村さん、みのすけさん、松永さん、大倉くんたちが出ていません。にも関わらず魅力ある舞台だったことは劇団員の層の厚さを示し、なおかつナイロンと言う劇団色の濃さをより強く感じさせる作品になっていたように思います。 こういうところを見ると、ケラさんてなんだかんだで面倒見がいいと言うか、劇団全体のことを考えているなあと言う感じはする。その分厳しいとは思いますが。 それにしてもナイロンの女優さんはいい声のひとが多いな。野田さんの起用する女優さんの声のよさとは違うものだけど、演出家の好みが反映されているなあと思った。
2009年10月02日(金) ■
いろいろ
■ある意味ホッとした・[極東最前線/巡業ツアーの残り日程すべてと、年内のイベント出演キャンセルのお知らせ] 12月のSFUとの対バンも気になってたけど、もうこれは仕方がない。ゆっくり休んでくださいよ…あんまり先のことばっか心配しても仕方ないし ■よかった… フキコシソロアクト、初日以降もあの客いじりはあったと教えて頂きました。そんでフッキーがボールを受け取れる(と言うか、ボードに当たる)ようにずずいっと前に出るようになってたそうです。 はあ〜なくならなくてよかった。 そこで考える。あれ失敗したの私だけだったらどうしよう… ■何ヴァージョンあるんだろう 貴金属刑事のCM ■とれるのか タさんからメール、歌舞伎座でもう発表されているそうです。 ----- 歌舞伎座さよなら公演 十二月大歌舞伎 12月2日(水)〜26日(土) <昼の部> 一、操り三番叟 勘太郎、獅童 二、野崎村 福助、孝太郎、彌十郎、橋之助 三、身替座禅 勘三郎、三津五郎 四、大江戸りびんぐでっど 作・演出:宮藤官九郎 染五郎、七之助、扇雀、勘三郎 他 <夜の部> 一、引窓 三津五郎、橋之助、扇雀 二、雪傾城 芝翫、勘太郎、七之助、児太郎、国生、宗生、宜生 三、野田版鼠小僧 作・演出:野田秀樹 棺桶屋三太 勘三郎 お高 福助 大岡妻りよ 孝太郎 稲葉幸蔵 染五郎 目明しの清吉 勘太郎 おしな 七之助 番頭藤太郎 彌十郎 おらん 扇雀 大岡忠相 三津五郎 ----- とうとう来た、クドカン歌舞伎。「昼の部4本立てのうちの1本だから、時間的には小品だと思う」とのこと。勘太郎くんの『操り三番叟』も観たい! 夜は『野田版鼠小僧』再演だし、チケットとれるのか…… 水曜日のとこに観たお芝居の感想を書き足します 書きました。なんかここんとこ前後してるなあ。