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2009年09月30日(水)
うへえ+『SINGER5 ―ウクレレを弾く女』

吉野さん日記更新。よかった。
ツアーに関しても今後吉野さんの意向やら何やら汲んで変更等あるでしょうから、こちらもゆったりしっかり見ておこうかと。

とか言って、更新してるって聞いて慌ててブラウザ開いて、画面見てじんわり泣いてもうたよ。本当に無事でよかった。

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『SINGER5 ―ウクレレを弾く女』@紀伊國屋ホール

大宮エリーさんの企画公演(構成、演出も)。日替わりでミュージシャンと役者が何をする?の5日間。この日はつじあやのさんと北村有起哉さん。当日目にする迄どういう内容なのか判らず、『ウェアハウス』みたいな朗読+即興?役者が演技してミュージシャンが音楽をその場で付ける?あるいは音楽を起点として役者が動く?といろいろ考え乍ら劇場に向かいました。

3部構成。エリーさんが協賛企業の商品をオススメする(笑)「ジャパネットエリー」、本編「ウクレレを弾く女」、アフタートーク「出演者による大反省会」。

本編は約1時間。台本はあって、演奏する曲も決まっていた。前半は北村くんの芝居とつじさんの朗読(物語のナレーション)で進み、途中からつじさんも劇中の登場人物になる。ここらへんの切り替えも器用に見せていました。しかしうまいこと余白のあるホンで、だからこそ役者の力量が問われるもの。「酒に溺れているが絵の才能があり、しかし金のために本意ではないものを描いている」と言う人物設定を短時間で観客に了解させる必要があり、そこらへん北村くんのツカみは流石でした。酒瓶をどっしゃんがっしゃん投げて割るシーンは、演技用の瓶(飴細工の)と判っていても怖かった。

つじさんも台詞のない役者として出演と言う感じで、歌と演奏以外にも何げに段取りが多い(笑)しかし堂々としたもので、アフタートークとのギャップに驚いた。腹据わってるわー。で、これは大丈夫だと判断したか、北村くんが結構つじさんに仕掛けていました(話し掛けたり、アドリブ(と思われる)を飛ばしたり)。しかし巧いさじ加減で、展開から逸脱せずに観客から笑いを生む効果を生んでいたのも好印象でした。

終演後数分で全員が登場し、そのまま反省会。出演者は衣裳のままで、北村くんは役が抜けておらず「こんなすぐトークなんて…裸で放り出されたみたい」とかなり挙動不審になっていました。しかしやっぱ、このひとマヤ系だわ…。北村くんは『ザ・ダイバー』の本番とこちらの稽古期間が被っていたこともあり、エリーさんは台本を手離さず立ち稽古を続ける北村くんを見ていて不安だったそう。でも、周りのひとが「有起哉は大丈夫、絶対大丈夫」と言う。で、出来上がりの舞台を観て「……(本番に)合っわっせってっくるな〜!」と感心したそうです。

で、どういう演技プランなのかみたいなことをエリーさんが根掘り葉掘り訊こうとしていたが、なんとものらりくらりな感じ。出て来るのは演技論よりも「瓶を投げる時、万が一のこともあるので、手が滑ってつじさんの方に飛んでいかないようにすごく気を遣った」「ウケようとして演技をすることはないけど、ウケた場合は次の台詞を言うのを0.5秒遅らせたりとかの微調整をする」と言った具体的なことばかり。や、こういうとこがすごいんですよ…って、ここらへん伊達くんも同じようなこと言ってなかったか(笑)。勿論役柄を頭で理解することも大事ですが、それをまんま身体に映せるかと言ったらなかなかそうはいかないものです。感情表現を自在に引き出す身体能力、本番にピークを持って来る調整法、と言った、心技体の重要性をしみじみ感じた芝居でした。

トークでのつじさんはもうかわいくてかわいくて。やわらかい関西弁もかわいい。エリーさんも関西のひとのようで、ふたりして西のイントネーションで喋るのがまたかわいいー。「もう、本当に緊張して!」と話し始めると、みるみるほっぺが紅く染まっていくのが見えるの。うへえこのひとさっきあんなにクールなモデルだったやん、うっそお。てなもんです。稽古でも北村くんからどんどんやっていいよといろんなプランを提案されたそうですが、それってこのひとは出来ると判断されたからでしょうね。しかし北村くん、我が子を崖から蹴落とす親ライオンのような鍛え方ですな…(苦笑)。

そして、最後迄台本を離さなかったのは北村くんと斉木しげるさんだった、斉木さんは終演後「(芝居そのものの出来ではなくて、自分が)ちゃんと出来たから嬉しかった」と言っていたって話が出て、しげるは外部出演でもシティボーイズと変わらんのだな…と思いました(笑)。

それにしても北村くんいい声。格好いい台詞を言う時バリトンになるのもいい(笑)つじさんのほわんとした声との対比が際立って、劇場に心地よく響きました。終演後話したけど、紀伊國屋ホールって古い劇場だけど音の返りいいよね。



2009年09月29日(火)
あああ

吉野さんの件で動揺していたのか眉毛カットを悉く失敗し、どうしようもなくなったので全部剃ってみました。いや、もうこうなったらいっぺん更地にした方がいいかなと……。

あーあー。チバユウスケみたいになってしまった。あ、こう言うとちょっと格好いいみたい…。実際は全然格好よくない。ちょっと怖い。どのくらいで生え揃うのか、こういうのって。

とにかく吉野さんはゆっくり養生してくださいよ。しかし早期発見でよかった。早めに見付かって、早めに対応してよかった。今見付かってよかったんだよ!今休めってことなんだよ!二週間で戻ってくるとかそんな無茶言わなくていいから、とにかくゆっくりしっかり治してほしいです。おだいじに。



2009年09月28日(月)
たのむよ

吉野さんおだいじに!無理しないでくださいよ…。

昨日清志郎とか現ちゃんとかアベくんの話してたんだけど、もう本当勘弁。

パールジャムの新譜、えーらい聴きやすい。エディの声もえらくスッキリ聴こえる。トータル37分弱だし、ついついリピートしてしまう。いいわー。エディが詞曲両方やってるのは弾き語りっぽいものが多く、ここらへんの他のメンバーのタッチ具合はどうなってるのかしらと思ったり。新譜聴く迄インタヴューの類は読まないようにしてたので、これから読みの旅に出ます。

ライヴ音源をダウンロード出来る特典が日本盤に付くか判らなかったので、今回外盤を買ってみました。まあ日本盤も買うでしょうがね…。どこのライヴにしようかなと迷い中。ハズレがないもん、このひとらのライヴ。それにしても、ジャケのイラストのメンバーが全然似ていない。エディとマイクはかろうじて識別出来たんで、あとはヒゲだからこっちがジェフで…と分けてって、最後に残ったのがストーンだったんだけど(右から二番目)、それで合っているのか。と困るくらい似てなくないか……。



2009年09月26日(土)
『スペシャル』初日

フキコシ・スペシャル・ソロ・アクト・ライブ スペシャル『スペシャル』@世田谷パブリックシアター

現時点での今年のベストワンです。来月期待のTHE SHAMPOO HATがあるが…。こういうのが観たかった!そしてこんなものが観られるとは思わなかった!本日初日なもんで具体的なネタバレは控えますが、下ネタ大丈夫なひとは(笑)是非観に行ってください。

ロビーでアンケート書いてるひとの多いこと、近年ではあまり見られない光景。終演直後の客席には妙な熱がありました。

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ある激しい雨の日の夕方、傘を差しながら花に水をやる少女を見かけた。それはとてもスペシャルな光景。花にそそがれる「雨」と「水」。私はスペシャルな気分に包まれる。(フキコシ)

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吹越さんの右脳と左脳と身体能力が存分に観られます。完成度の高いネタ満載。カーテンコールでやった没ネタすら面白かった。言葉、時間軸、視覚聴覚の誤読。観る側も五感をフルに使います。ああ、下ネタにこんなに頭をフル回転させるとは…(笑)。

新作+旧作のヴァージョンアップ版で構成、105分。以前PARCO劇場でやった時は「休憩させてください…(ぜえぜえ)」と幕間がありましたが、今回は休憩なし。大バコであの運動量は相当しんどそうです。「自分の体力の限界を考えると、もうやれないと思うネタもあるので、今回で最後のものもあります。どれがそうとは言いません。引退ってのをやってみたかった」とのこと。しかし冗談とも思えず。コルセットをしていましたが、あれ、単なる衣裳ではないんじゃないかな…。ひとつめのネタからもう汗の粒がぽたぽた落ちる程。ちょっと死相も…(縁起でもないこと言うな)クマも。そう迄してやる下ネタオンパレード。バカだ!最高だ!

でも最後の、下ネタなし、言葉もなし、身体+あれ(ソロアクト観ているひとにはおなじみの小道具)だけで表現したネタには感動して泣いてしまったよ。これ前にもやったことあるし、内容的にはなんじゃそれはってもんで、私が言葉で説明しても全然伝えられないんだけど。実際に観るのがいちばんですよ…。曲にも独特の力があるよね…。てか毎度のこと乍らソロアクトは音響がいい!音もデカい!好き!

ネタ的には普遍。他のひとには思いつかない。思いついたとしてもあれ程しつこく綿密に構成する気は起こらないんじゃないか。と言うかああいうネタをあそこ迄綿密に構成するしつこさと情熱が持てるか?と言う…(笑)。そしてそれは今の吹越さんだから出来ることで、劇場も世田谷パブリックシアターだからこそ出来るもの。ソロアクトをSePTでやるなら絶対天井の高さと客席への奥行きを活かすだろうなと思っていて、是非ともそれは観たいものだった。それが実際に観られるとぶわーとアドレナリンが出ますわ。

あと序盤のネタを観て、吹越さんなら『3人いる!』をひとりでやれるかもなーと思った…両方観てないひとには何がなんだかでしょうが。あー伝われー!

何度も言うが下ネタ多いし、知的教養とかが得られる訳でもない(あ、でも下ネタ的な教養は得られる…か?笑)。しかし冒頭に書いた吹越さんの言葉のように、無駄かも知れないその行為に涙したり大笑い出来るなんて、最高に贅沢で、スペシャルなこと。そしてそれは、今この劇場でしか起こっていないことなのだ。観られたことを幸福に思います。

はーネタバレ回避だとあれとかそれとかそんなんばっかりだ…以下ネタバレあります。未見の方はご注意を。





えーと本日わたくし最前で観てたんですが、客いじりに遭いしかもそれを失敗しましてん。うわーごめんなさい…フッキーに「あ〜ん?」て顔されたよ……本当に申し訳ない。言い訳しますとあのボール、ピンポンにマジックテープを着けただけのものだったんで軽いんだよ!力一杯投げたけど届かなかったよ!うわー今日の結果で「あ、届かないんだ。これ客に振るの止めよう」って明日以降なくなったらどうしよう!結構落ち込んだ…。明日も続いてたら当たったひとがんばって!あれだな逆に力入れないで投げた方が飛ぶかもよ……。あーでもフッキーに「来い!」て仕草されたのは嬉しかった(笑)。

感動還元+失敗のお詫びにTシャツ買いました…。

最後のネタはボレロなんですが、思えばこれの基本振付の元ネタはベジャールのやつですよね。ベジャールと言えば、あのー、ほらー。ねえ。このネタを最初に観たのは何年前だったか…その時とは違う感情がなんだかわきましたね……。

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■現在の世田谷
SePTでフキコシソロアクト、トラムでは大人計画。なんかすごい区だな



2009年09月23日(水)
『宮城野』楽日とか阿佐スパ新作とか

『宮城野』@草月ホール

ぬぬ、楽日になっても噛みが多かった(苦笑)そこは残念。公演期間短かったしね…グローブ座での追加公演ではまた進化した宮城野が観られるのではないでしょうか。

あばよと言った後の矢太郎のしぐさがひとつ増えていたような。初日もありましたっけ?このしぐさで、矢太郎の宮城野への思いが強調されたように思いました。利用しただけではない、と。

でも矢太郎は行っちゃう訳ですよ、本性はおっかねえお加代さんのところに。やっぱイヤだこの男ー(笑)そして宮城野もけなげやのうと思うものの、友達だったら絶対ウザい(笑)貢献欲ってホントやっかいだ…前日大人計画を観たこともあり、この手の困ったちゃんにツッコミを入れたい気分ではあった。そして草月と言うとどうにも『業音』を思い出す。松尾ちゃんがああいった作品を書くことって、これからあるのかなあ。あってほしいような、ないことを祈るような。

閑話休題。初日後『写楽考』の資料を読み直していたんですが、こちらに出て来るお加代は伊之(写楽)の情婦で十返舎一九とも通じており、しまいには自害する(その殺人容疑は伊之にかけられる)。『宮城野』に出て来るお加代は写楽の孫。近年写楽は特定されたようですが、謎が多い人物にまつわるこういったフィクションが数多く生まれているのって粋なことだと思います。って前にも書いた憶えが。

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■阿佐ヶ谷スパイダース『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』
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作・演出:長塚圭史
出演:池田鉄洋・内田亜希子・加納幸和・小島 聖・伊達 暁・中山祐一朗・馬渕英俚可・光石 研・村岡希美・山内圭哉
2010年1月21日(木)〜2月14日(日)本多劇場(ツアーあり)
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阿佐スパよりも早くパイパーのサイトに出ている(笑)
おいおいいい面子じゃありませんか!加納さんと光石さんが出るってのにも注目ですね…。加納さんはスズカツさんから縁が出来たか?
長塚くん9月に行ったから、もう帰って来てるかそろそろ帰って来るかだよな。どんなものを書くんだろう



2009年09月22日(火)
ねこと松尾ちゃん

『江戸東京ねこづくし』@江戸東京博物館

きたはらさんの日記で八代目団十郎の死絵が展示されていると知り、あわてて急遽行くことに。わあっ順路の初っ端にありました!

・下の方にねこがいて泣いてるでしょ

他にも二点。やー何度観ても素敵です…大人気役者の八代目が死んだ時、女と言う女がどんだけ嘆き悲しんだか!めすねこも泣いたよ!ってやつです。なんつうか、写真がなかった時代だからこそと言うのもありますが、こういうことを絵にしようって発想がすごい…。

て言うか死絵って絵はがきとかないのかな!不謹慎か!でもこうやって絵にしてるんだからいいじゃない!と思うのだがどうか。貴重な文化ですし!なかなか公開されてないのでもっと手軽に(?)観られればいいのにー!いやたまにしか観られないからいいのだろうか?ええーどっちだ。

5セクション。愛玩動物としての歴史「江戸東京に生きるねこ」、ねこと言えばの歌川国芳や安藤広重等の「浮世絵のなかの猫たち」、歌舞伎や映画にもなった「バケネコづくし」、漱石(達者な絵を描く)や朔太郎(ねこ装幀にすっごい注文つけてる)、百聞(自分ちのねこの捜索願を新聞広告に載せてる)の描いた「作家と猫」、身近な生活用品に名付けられた(ねんねことか猫足卓袱台とか)「道具のなかにねこ」。ああ〜ねこはひとの暮らしに寄り添っているね〜。

で、作品展示以外にも、捨てられているねこたちが処分されてしまう現状についての資料ポスターがありました。自分が住んでいる区は地域猫対策に力を入れていて近所に保護所もあるんだけど、そこの様子を見ていると、本当にいきものをいきものとして扱っていないひとが多くてどんよりする…いのちは大事にしましょうよ…責任を持ちましょうよ……。

時間が足りず特別展『よみがえる浮世絵−うるわしき大正新版画』の方は観られなかった…ううう。江戸東京博物館は何度行っても一日で全エリアまわれたことがない。いつも途中でぐったりする(広いわ面白くてテンションあがるわで)。

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大人計画『サッちゃんの明日』@シアタートラム

トラムを出て田園都市線に乗ったら、目の前にあった車内広告が障害者雇用援助についてと有害サイトからこどもを守るソフトの広告だった。ストライク。

なんとも判断に困る…まだ始まったばかりですし。内容は嫌いではない……時事ネタをエラい盛り込んだなあとは思いましたが。で、時事ネタをこんなに盛り込まなくても、松尾ちゃんは無意識の上から目線の足をすくいまくる鋭さを持っていて、それを書けるひとだと思っています。だからいろいろと、何故?と思ってしまう。

そしてやっぱりこのひとの暴力描写の説得力と言うものは抜群だと個人的には思っている。

役者陣の力量は流石と言うところ。クドカンってホントいい役者さんだなー。小松さんは「演出家の愛人。一演出家に一古田@野田秀樹」くらいな勢いで、どの現場にいても昔っからそこにいたかのような馴染みっぷりです。身体能力も素晴らしい。そして今回サモアリからもうひとり、家納ジュンコさんが参加してますがこれまた馴染みっぷりと身体能力が素晴らしい。サモアリは強者揃いですね…。蘭々ちゃんもこの濃いメンツの中、どろどろ爽やかと言う複雑な役を演じ切っておりました。度胸ある。そして星野くんも何故か薄っぺらく見えてしまう誠実な人物を丁寧に演じていた。

大事な台詞はかなり猿時に振られているんですが、説得力がすごい。それは猫背さんもそうで、あっこいつ偽善者だ、と見透かすカンの良さがまた上から目線を生むと言う構造をさらりと表現していた。ここ、下手に力入れると説教臭くなるし、しかしただ台詞をなぞるだけでは薄っぺらいものになるしで、さじ加減が難しい。そういう意味では、今回のホンは戯曲ではなくあく迄も上演台本なのだと思う。つまり、現在性は濃いが普遍性がちょっと弱い。勿論それはわるいことではないが…。

よだん。私は猫背さんの身体が大好きなのだが(むっちりしてた時の深キョンが好きだってのと同じ理由で)今回それが久々に堪能出来て嬉しかったです。そして松尾ちゃんちょっとふっくらしたけど、桑田佳祐に似てるね(笑)



2009年09月21日(月)
またかまくら

プロディジ祭でぐでぐで乍らも早起きしてまた鎌倉。祝日に行くのって初めてだっけか…混むの必至なのでひとの少なそうなコースを選びつつうろうろしたら、なんだか山登りみたいなことになった。もう脚ガクガクです。そして序盤に買ったばかりのピアスを失くし、ショックのあまり豪勢なビーフシチューとか食べちゃってろうぜきした。

浄妙寺→報国寺→釈迦道切通→本覚寺→寿福寺/北条政子の墓・源実朝の墓→亀ヶ谷坂切通→巨福呂坂切通→鶴岡八幡宮

お墓に沢山行ったな…まあお彼岸ですしね。報国寺って足利氏一族の墓があるんですが、これが岩肌をくりぬいて作られた横穴式墳墓=やぐらになっていて、今日まわったとこはこのやぐらが多かった。ふと見回せば、鎌倉って家のすぐ後ろに絶壁、とか建物と建物の間に切通、とかもんのすごく多い。ちっちゃい頃防空壕跡に入るのが好きだった(あったんだよ!オリエンテーリングで行ったりしたよ!)者としてはちょっとうずうずします。

しかし寿福寺とか銭洗弁天方面は、鎌倉のじんわり暗いとこが集まってる感じで、うっかり夕刻に行くとすごく怖いです(笑)なんか同じ寺でも、源氏山方面は雰囲気が違うよ…。今日はジャムを買いに行ったお店が寿福寺の近くで、標識見て寄ってみるかと進んだら、その道が寿福寺の正門じゃなくていきなり裏の墓地から入るコースで(…)間にトンネルあるしめっちゃ怖かった。お墓も年代物が多いし、もう何十年もお参り来てないなって感じの苔むしむしのものも沢山。政子と実朝の墓も相当で、見えるひとは絶対見える(何がとは敢えて言わないが)!と言う感じ。どんどん薄暗くなるし、ライトアップなんかされてないし(そもそも外灯なんぞない)お墓はやぐらだから(しかも深い)奥に何がまつってあるか全然見えないし。丁寧にお参りしましたよ!

その後またジャム屋さんの通りに戻って、こっからならこう行けば鶴岡八幡宮の裏に出るんじゃないか?そしたら巨福呂坂切通に行けるじゃんと歩いたらどこでどう間違ったのか北鎌倉寄りに出てしまい、巨福呂坂の前に亀ヶ谷坂切通を通る羽目に。ご存知の方なら分かるでしょうが、ここ、整備されているものの、坂の急斜面っぷりは鎌倉の切通の中でもかなり険しく長いコース。どんどん暗くなって怖いのでピッチあげなならんし、渡り終わった時にはもう腿が笑っておった。

まあ面白かったのでいい…。

翌日も休みだから遅く迄いて、鶴岡八幡宮に初めて夜お参りした。静かでいい感じでした。

あいだあいだにいろいろお店巡りもしたー。やっぱ休日に行くと開いてるお店が多いね…。この日絶対行こうと決めていたのは大佛茶廊。大佛次郎のおうちを改装して、土日祝日の正午〜日没(ってとこが風情あるー)迄営業しているカフェなのです。次郎は生涯で500匹ほどのねこを飼ったと言う程のねこ好きで、コースターには本人筆のねこイラストが載っててかわいい。ねこの置物もいっぱいあった。お茶もお菓子も上等でおいしかったよー。お庭も変に整備してなくて、草とかのびっぱなしでそれがなんかよかった。廊下に張ってある板も、壁の板もいい色でいい艶。おーちーつーくー。しかし屋内ではなく庭の席にしたので蚊に刺されまくった。虫除けスプレーが置いてあったのはこういうことだったのか…。

そして多可邑が開いてたのが嬉しかった!いやここ行くと閉まってることが続いたんで営業やめちゃったのかなと心配していたんだ…。そもそも最初は浄妙寺の中にある石窯ガーデンテラスってとこにねこがいるよとMIOさんに教えてもらってて、そこでお昼食べるつもりだったんだけど、行ったらすごい行列だったので諦めて(でもねこはいたので愛でてきた)そうだ多可邑どうかな、と行ってみたら入れたのでした。10数年振りにここの釜めし食べたわ…相変わらずのうまさでしたよう。

そんで鎌倉へ行く時は水曜日が多くて、水曜定休のため入ることがなかった豊島屋(鳩サブレーのお店)本店にも行けたー。本店でしか売ってない鳩グッズがあるのだよ。はとの形のクリップとかペンとかいろいろあるの。ニヤニヤ。かわいい。

あとはねこのマークのパン屋さん(キビヤだったかな)とか昭和の香り漂う雑貨屋さんとか道なりにいろいろ入ってみましたよっと。どこをどう入ったのか憶えてない…。ビーフシチューは小町通りの中の老舗のとこ。いやあこれはうまかった…そして給仕のおっちゃん(と言っても話し振りからしてオーナーっぽかったが…)の気配りがステキングだった。仕事早い!細かく見ていて食器さげたり次のもの出すタイミングが早い、なのにうざくない(うわー食事の進行状況めっちゃ見てるわー落ち着かないわーって感じを受けない)!店内に置かれているアンティークについていろいろお話してくれましたよ。面白かったー。

もうあちこちから金木犀の香りがふわふわしてました。今年は秋が早く来たなあ。



2009年09月20日(日)
『WARRIOR'S DANCE FEST』

『WARRIOR'S DANCE FEST』@幕張メッセ

行楽気分で行ったもんで、プロディジー以外誰が出るんだっけ?と言う……。

長丁場なのに再入場不可でうへぇと思ったものの、入ってしまえば退屈せずにあっと言う間の約7時間。まあ昼からやってるってだけで、時間の長さはオールのクラブとそんなに変わりませんからね。ライヴセットとDJセットを交互にやってくのでサクサク進みました。

15:30くらいから入場、autoKratz→MSTRKRFT→Hadouken!→Pendulum DJ Set & MC Verse→DJ Gedo Super Mega Bitch→The Prodigy。

オートクラッツはプライマルのカヴァーやったりしてそこはかとなく80年代末〜90年代始めのかほりが…。ハドウケン!は開始早々ヴォーカルの子にフロアから飛んだペットボトルが直撃してました、おいおい。あれは盛り上がっちゃってそうなったのかつまらんって投げたのが当たっちゃったのかどっちやねん。しかしがんばっていて健気だなあと思った。

プロディジー以外では、MSTRKRFT(未だに読めない)のDJセットがよかったー。乗り遅れた感じでまったり聴いてしまったがクィ−ンとかかけたんでおわっとなった。フレディの声はホント素晴らしい!ジャスティスも来たー。間に入れるリフとかリズムも面白くて、ちょっとこれは気になったわ…ちゃんと聴いてみよう。

そしてペンデュラム、噂には聞いていたがブートキャンプでしたわ。なんか体育会系でしたよ、踊らんと怒られるくらいの(笑)DJステージはちっちゃいとこだったんだけど、まーステージをはみだすことはみだすこと。あと音がちっちぇえし!とか言ってなかったか…デカいステージの方でやりたかったのかな。ダフパンからメタリカ(だよな確か)、そしてなんだっけあれ、ワーグナー?思い出せねえ!クラシックの!とどキャッチー連発、「Voodoo People」もかけて先輩に配慮してる感じで体育会系ぽい……。続けてキースの嫁のDJだったんですが、疲れ果てて寝てしもうたよ(すまねえ)。まったり始めたし、PCDJだったんだけど一度フリーズしちゃったしねえ。前が盛り上がり過ぎたんでプロディジー前にちょっと休憩、って感じで出て行くひとも多かったし、これはちょっと気の毒だった。

そんでプロディジーですが、流石の貫禄。フロアのドギャー振りも、照明の数も他と桁違い(笑)「Smack My Bitch Up」の全員しゃがんでジャーンプを幕張規模のフロアでやると壮観でした。何故か紙テープよろしくトイレットペーパー(あの紙幅はどう見ても)が飛んでいたがあれは何だったんだ。下手側の柵横にいたんだけど、すぐ近くでペンデュラムのひとが踊り狂っていて微笑ましかった。てかこのひとたち自分たちのセットであんだけ暴れといて何あの体力。やっぱ体育会系…。

それにしても、ハドウケン!のファンとかもいたのかも知れないけど、プロディジーの時に踊り狂っている若い子の多いこと。新譜からの曲の盛り上がることと言ったら。新規のファンが増えてるってことだよな、それって凄いことだよなあ。

つうかこちらも久々に踊り倒してへとへとですよ…京葉線で立ったまま寝て帰った。



2009年09月19日(土)
『青木さん家の奥さん』と東大学食

青年団『青木さん家の奥さん』@こまばアゴラ劇場

青年団と南河内万歳一座、お互いの戯曲を交換して上演してみよう企画。続いては青年団の「世界一静かな『青木さん家の奥さん』」。

の筈が。

どこが静かじゃ、こんなやかましい青年団初めて観たわ。序盤こそ例のブツブツ同時多発会話が発生し、きたきたと思ったのも束の間。その後のパワフルでラウドな展開は、南河内とタメ張る騒々しさでした。身体的な違いを感じたのは、瓶ビール20本入りケース×2+米10キロ×1袋+ミネラルウォーター2リットル入りペットボトル×2を、南河内の連中はしっかり持てていたが青年団は持てなかったところか(笑)。そしてプロレスはなくともビニールスティックで殴打しまくりです、娘さんが若い男を(笑)。そんで細身のおとこのこたちが本気で取っ組み合いをすると、受け身が出来ずに(そう見える)連日生傷が絶えない上演になるのではないでしょうか…ははは。

そして、アドリブがないとこの芝居は80分に収まるんですな。勝村さんが出たやつとか、すげー長かったよな……(笑)。

予想外に静かだった南河内版『S高原から』もそうでしたが、劇団のカラーに無理矢理引っ張り込まず、きちんと戯曲の本質を伝えることに細心の注意を払っていたようでした。冷静に見極めている。そしてどちらも、それにちゃんと対応出来る実力を持った劇団員が揃っている。今回青年団は海外公演と日程が被ったため若い劇団員で構成された座組だったそうですが、これが皆さんイイ役者ばかり。層の厚さを思い知らされました。

さて戯曲の方ですが、平田さんが新規に構成。初演は20年前のものなので、現在性が薄れている部分がある。その辺りが今様に変わっていました。マンションが増え(それでも青木さん家の奥さんは“団地”に住んでいる)、コンビニが増え、商店街が減り、酒屋の配達が減っている現状。南河内版では、何故配達するのにこれだけ特訓をするのかの事情を先輩たちが告白し、配達のプロとしての誇りと心意気を示すシーンが終盤にありましたが、青年団版はそれを中盤に持って来ていた。アルコール依存症の住人がいる家に笑顔で「毎度!」と配達せねばならない申し訳なさと苦悩は、「売ったらこっちも罪になるから、注文が来ても配達しちゃいけないよ」とさらっと流される。新入りバイトは「指示待ち」くんで(しじ町の住人(笑))、ある意味空気を読まない。そしてニセ青木さん家の奥さんが登場してしまうばかりか、加えてふたりの“美人”姉妹も登場し、彼女たちもニセ者であると言う引っかけがある。

もともとベケットの『ゴドーを待ちながら』の要素を持っているこの作品ですが、今回の青年団版で、その色がより濃くなったようにも思いました。青木さん家の奥さんは現れない。伝令が来る。奥さん今日留守にするから配達には来ないでって。明日また来てくださいって。残された酒屋の店員たちは、嬉々として特訓を始める。それは多分、明日も、明後日も続く。

あー、『朝日のような夕日をつれて』思い出した。個人的なアレですが。

それにしてもニセ姉妹を演じた田原礼子さんと村井まどかさんのザ・ピーナッツのカヴァーは素晴らしかった。なんかね、もうピッチが全く一致しているかのような歌声だった。わあー、ザ・ピーナッツみたい、と思ったら、ホントにザ・ピーナッツの歌だったんですね…知らなかった。その後、ニセ青木さん家の奥さん演じる申瑞季さんを加えて3人でキャンディーズを唄うのですが、これまた素晴らしいユニゾン!感動した……。

アゴラ劇場は駒場商店街の中にある。『青木さん家の奥さん』の風景が似合っていました。

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■アゴラ劇場の最寄り駅は駒場東大前駅
……と言うことは、東大の学食でごはんが食べられるのではないか。と調べてみたら、なんとキャンパス内にフレンチレストランがあることが判明。行ってみました。ランチ800円、ドリンク付けて1,000円でおいしいごはんが食べられました。窓から見える景色は草むらで、すずめが沢山いた(笑)
やー、学食らしい学食を狙っていたのだが…。しかし流石東大、国立なのにこんな小洒落たレストランがあるのか

■たまに食べたくなる学食
安いしねー。
以前の職場は上智大学の近くだったんで、時々学食におひる食べに行ってました。学参や教材を作る会社だったんで、資料探しで図書館もよく利用していたが、数年後学生カードがないと入館出来なくなってしまいました……。
派遣で行ってた会社に社食があったのは結構楽しかったにゃー

■あ、そんで
東大の入口に、学生サークル劇団の公演案内立て看板があったんだけど、それが『スナフキンの手紙』だった。遊眠社じゃなくて第三舞台なんだ〜と思った(笑)



2009年09月17日(木)
『宮城野』初日

『宮城野』@草月ホール

おお〜これはよかったです。初日ならではの緊張感も強く、台詞舞台が初めて、しかも和物、と言ったプレッシャーもあったか、草刈さんは固い部分がありました。台詞の噛みも多かった。しかし演出意図がハッキリしていること、それを役者陣もしっかり把握していることは伝わったように思います。戯曲の多面性が的確に浮き彫りになっていました。

以下ちょこちょこおぼえがき。若干ネタバレあります。上演時間は80分、一幕で休憩なし。

・横川さんも生演奏で参加。ちょっと即興ぽい部分もあり、役者もそれに呼応します
・協力クレジットに篠井さんの名が。所作指導かな
・『ザ・ダイバー』と続けて観るとヘコむで〜(苦笑)

神との約束を何がなんでも守る、と言うくだりは、グレアム・グリーンの『情事の終わり』を連想させるものがありました。矢代静一がクリスチャンだからかも知れません。『宮城野』が書かれたのは1966年(初演は1970年)、彼が洗礼を受けたのは1969年だそうです。

しかしその、自己犠牲を神々しいものとして扱いつつも、その裏には「貢献欲」がある、と言うところをしっかり描いていたところが面白かった。宮城野は七歳の時に奇蹟を体験して以来、常に貢献欲に駆り立てられることになる―「アレが好き」。神さまか仏さまは、奇蹟と引き換えに彼女に貢献欲を植え付けた訳です。ある意味神さまって罪ね〜と言う話でもあります。

しかし祈りの言葉から判りますが、宮城野にとっては、神さまでも仏さまでも、どっちでもよかった。そして実際のところ、あの奇蹟が神の御業かは誰にも判らない。種はもともと彼女の中にあって、芽吹くきっかけを待っていたとも言えます。つまり避けられなかった。それは彼女の育った家庭やその暮らしに無関係ではない。そしてそれは彼女自身の力では選べない。献身に命を賭ける宮城野の姿は美しい。そして哀しい。

そんでまあこの図式で行くとぶっちゃけ矢太郎はだめんずな訳ですが(苦笑)、それで片付いていないところも面白かった。矢太郎の「あばよ」の前の告白は、ああ言わない限り宮城野は“貢献”し続けることをやめないからだともとれます。そういう面から見ると矢太郎いいやつ。絵の才能もあった訳ですし。しかし個人的には宮城野に肩入れしてしまうなー(泣)まあ宮城野も「男は女におかあさんかおねえさんを見る」と自覚的でしたが。

80分の中にこんだけの要素がみっしり詰まっている。濃いです。今回上演台本のクレジットがありませんが、構成なしかな。矢代さんはこの作品をきっかけに、その後『写楽考』『北斎漫画』『淫乱斎英泉』の浮世絵師三部作を発表している。『写楽考』はこないだ舞台で、『北斎漫画』は映画で観たけど、『淫乱斎英泉』だけ未見だー。先日の鈴木裕美さん演出版を逃したのは痛い。



2009年09月16日(水)
かまくら

高徳院→長谷寺→宝戒寺→東勝寺跡→北条高時腹切りやぐら跡→北条時房邸跡

灼けた…毎年9月に鎌倉行く時は用心してたんだが、今年は結構早く涼しくなったので油断した……。しかしいい天気でよかった。

いつもより寺は巡ってませんが、間にこう、いろいろ寄り道を(笑)。普段通販で買ってるお店に直に行けたりして楽しかったー。やっぱり店頭売りの方が沢山あるんだよね…種類も。タイの子が作ってる雑貨や服のお店なんだけど、量産出来ないので1種3着入荷、てな感じなんで、通販にはなかなか回ってこない。でも鎌倉には年に1〜2度しか行けないからなあ。

そんでここにも行きました→shironeko
オーナーさんがしろねこ飼っててちょうかわいい(上記サイトの「note」で見られます)。そしてここもやっぱりなかなか通販には回ってこない…。最近入るようになった作家さんのどうぶつものがちょうかわいい!

あと鎌倉市農協連即売所にも行ったー。うう、近所だったらいろいろ買いたいものが…赤いおくらとかあった。ゴーヤや空芯菜が安かった…。

まあそんなこんなでうろうろしました。

高徳院では初めて大仏の中に入った。いつもはあっついので入る気しなかったんで、これはよかったー。長谷寺はもう十月桜が咲いてた!そしてこれ一周回したら有難いお経を一本読んだことになるんだで〜て書架経蔵が、老朽化で月イチしか回せないようになっていた…前は回し放題じゃなかったか(放題言うな)。ここ、もうずーっとどこそこ改修工事してるなあ。込み入ってたので弁天窟には入れなかったよー。

宝戒寺の萩はもう散りつつあった。やっぱ涼しくなるの早かったからなー。そんでたまにはとその裏の東勝寺跡と北条高時腹切りやぐら跡に行ってみたが、どちらも「跡」だけに、石碑があるくらい。しかし腹切りやぐら…や、やっぱなんか雰囲気がすごかったよー。天気いいのにあそこだけじめっとしててひんやりうすら寒くて!霊感ないんだけど、こ、こわっ!って感じはありありで早々に退散しました。まーいるでしょうね、鎌倉にはいろいろ…。北条時房邸跡はものっそ繁華街と言うか、若宮大路(鶴岡八幡宮の正面の通りね)と小町通りの間にぽつんと碑と看板があるだけです。情緒がない(笑)こっちはにぎやかなもんでひいーとはならない(笑)

で、間にソフトクリーム食べたりハンバーグ食べたり水出しアイスコーヒー飲んで、焼きカレーパンと玉子焼を買って帰った。ピロシキ屋さんは臨時休業だった(泣)。来週また行くのだーわーい。ひと多そうだなあ、いつも平日に行くけどそれでも結構混んでるもんね。しかしその平日にはやってないお店に行くつもりなのだ…楽しみだ……入れるといいなー。



2009年09月14日(月)
菊地成孔 3DAYSとか

■これか、これなのか
MIOさんに教えてもらいました、有難うございますー。
・松田翔太&高良健吾が青春ムービーで初競演
立兄ぃの新作。『Dust In The Wind(仮)』→『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』なのか?

■eastern youtu「このまま秋へ」
先日の公開レコーディング『ONE SONG BURNING!』で出来た曲がmp3公開されました。めっさ笛入ってる(笑)
いやーしかしくじびきで構成したとは思えない味のある歌詞だ

****************

菊地成孔 3DAYS デュオwith大友良英@新宿PIT INN

3DAYSの最終日。全て即興。アンコールは「ラス・メイヤー、聞いてくれ」だったけど、大友さんは初見(と言っても楽譜もない)だったんではないかな。1stセットはCDJ+Pf(菊地)vs TT+いろいろ(大友)ってな感じで1時間、2ndセットは菊地さん作成のくじびきで編成決め。TsとG、ピアノ連弾(菊地低音、大友高音)、プラスリーディング(菊地教則本、大友『日々の泡(うたかたの日々)』)対決みたいな感じであっと言う間の1時間強、終演23時前。

2ndも小品揃いで面白かったけど、1stセットの静謐なノイズのやりとりがなんとも心地よかった。

「おおともっち」と「ナルちゃん」の、腹割りまくりの関係性が見える感じで楽しかったです。もはや耳が目。アイコンタクトなんてしないもん。

おしゃべりも中高生みたいな感じで面白かった…ああなんですよねえ(笑)ピットインならではの口の滑りっぷりでした。でもちょっと加減してたかな。なんでもかんでもブログに書かれちゃうご時世、菊地さんは窮屈だろうな。と言う訳でMCの内容は書きません。

あー、観られてよかったな。



2009年09月13日(日)
ギターマガジン

アベくん、どうして死んじゃったの。


2009年09月12日(土)
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』@丸の内ピカデリー2

もう封切りから随分経ってるんでネタバレバレでもいいですよね……。

どあーダンブルドア先生迄死んじゃったよ…あんまりだよ……。しかもあんなに苦しんで水飲んでたのが無駄っつうか、やり損って言うか、酷い!(泣)あーそしてほんっとヘレナ・ボナム=カーターが憎たらしい〜もう出てくるだけでイラッとする〜いやそれだけすごい役者さんてことですよね……。

楽しい学園生活を間に挟んだりしてますけど、そんな和みシーンも消し飛びますよ。まあ逆にそういうシーンがないと全編重々しーものになってしまうのでバランスとれていいのか?いやでも充分重々しいです、もう。

このシリーズ、レイフ・ファインズ目当てで途中から観るようになった訳ですが、そのファインズさんのやる役ってえのがそもそもの悪の根源だもんで、彼が出て来て暗躍すればする程物語は重く暗いものになってしまう訳ですよ。肩身が狭いことこのうえない。シリーズをずっと観ている友人には「最初はとても楽しい話だったんだよ、魔法学校の行事とか…」とか言われ、ますますうへえごめんなさいとか思う。ファインズさんがいる限りこのシリーズはもう楽しくなりません!うひいー(泣)

しかし今回ファインズさんは姿を現しませんでした。一瞬過去シーンに出てたくらいか。はあ〜出てこなくてもこの影響力、素晴らしいですネ☆

あー楽しいとこを思い出そう…やきぐりの自販機?がかわいかったなーケースの中にちっちゃな竜がいて、その子が火ぃ吐いてくり焼くの(笑)あんなんあれば楽しいわー。あとルーナがいいわーあのキャラクター。マイペースでぽわーとしてるけど頭切れるよねー好きな子だ。

はああ、それにしてもうっかりシリーズ結末のネタバレをwebで見てしまって、最後の方で誰が死ぬかってのは知ってるんだけど、こんなところでダンブルドア先生が死ぬなんてのは知らなかったあああ。しかもあれよ、水飲む時に「年寄りは知識は多いが価値は少ない」とか言うんだよ。わーんそんなこと言うなよ!(泣)ショック過ぎた……。



2009年09月11日(金)
『屋根裏のポムネンカ』

『屋根裏のポムネンカ』@ユーロスペース2

イジー・バルタ監督24年振りの新作長編。この監督と言えば『手袋の失われた世界』を筆頭に、ちょっと不気味でダークなものを作るイメージでしたが、今回の『屋根裏のポムネンカ』は、かわいらしい作品でした。しかしそこはチェコアニメ、やっぱりどこかほの暗く、圧倒的な力の前に屈することなく前を向き、ガラクタへの愛が溢れているものでした。

屋根裏に放置されているトランクの中でくらしている人形ポムネンカとともだち。屋根裏が彼らの知っている世界の全て。くまのムハは駅長で、マリオネットのクラソンは妖怪退治が仕事。ねんどとがらくたで出来たシュブルトは、人間に踏んづけられて靴裏に身体の一部を持ってかれちゃったりするけど、あんまり気にしてるふうでもない。ポムネンカが銅像の手下に誘拐され、仲間たちは救助に向かう。ポムネンカも困難に立ち向かう。

チェコアニメと言えば人形劇からの伝統。その人形劇の発展にも、占領下に100年間も禁じられた母国語を守るためだったと言う歴史的な背景がある。代表的な監督は1950〜60年代に活躍したひとたちが多い。ここ数年でその頃の作品が随分日本でも観られるようになり、“当時”のものとして観ていたのですが、今回の新作でも作品全体のトーンにあまり変化がないのに驚きました。多少CGで上書きした線画がありましたが、人形の色合いや背景色が一緒。過去のものと新作を並列に上映しても、パッと見にはどっちが古いものか判らないのではないでしょうか。古いからこういうトーンなんだと思っていたけど、そうではないんですね。

ガラクタや使い古されたもので人形やぬいぐるみを作る。新しいものも汚してみる。と言っても単に汚くするのではなく、人間の手に何度も触れられた風合いにする。そこに住むひとたちと一緒に時を重ねてきたようなものばかり。そしてどの人形たちもデザインが素晴らしいんだなー。布製スリッパの寝袋で寝てるくまとかちょうかわいい。あと怒ったりムッとしたりすると、眉間に皺がくしゃって寄るのがちょーかわいいー。そういう表情の変化が繊細であーかーわーいー!

そしてどの作品でも(監督が違っても)必ずと言っていい程ぬいぐるみのくまの声をおっさんがあてている…なんでだ。チェコのくまのイメージっておっさんばっかなのか。あと動きがワイルドなのがいいー。コマ撮り独特の荒っぽさがチャーミング。おたまでシチューよそうとことか、おまっそれ投げてるだろみたいな(笑)あと食べものがおいしそうじゃない(笑)ねんどいろだからねー。そこがいいんだよ!

あとやっぱりどうにも話が…かわいいふりしていつも厳しいわ(泣)理不尽な不幸は誰にでもふりかかるとか、そういうの。そこで諦めない登場人物(ものか?)を描き、一応のハッピーエンドを見るのだが、不穏の火種は決してなくならない、またいつ災難がやってくるか判らない。それでも彼らはトランクの中で毎日誰かの誕生日を祝う。こういった一貫したテーマは、チェコアニメだからと言う無意識からにじみ出るものではなく、思想的なものも伝統として引き継いでいるのかも知れません。

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よだん:
・悪の帝国の親玉が銅像で(こういうとこにまた歴史を感じる)、その役は人間がやってるんだけど、どーもこの手の上半身像を見ると新春かくし芸大会のハナ肇を思い出すなー。世代…
・マリオネットのクラソンはチェコのおみやげの定番らしいんですが、ディテールがどうにもモテ王@ながいけんのファーザーに似ていた(笑)
・くまがガリク・セコ監督の作品に出てくるくまと感じが似ていた。チェコだからなのかは判らないけど。セコ監督は若くして亡くなってしまったので、短編作品しか残していない。本国ではもっといろいろ観られるのかなあ、日本では彼の作品集はひとつしか出ていない。長編も観てみたかったな



2009年09月10日(木)
“an anxious object”tour

mouse on the keys“an anxious object”tour@Shibuya O-EAST

か、完売。当日券もなくてビックリ。そういやmotkは『Kill Your T.V. '09』に参加しているけど、先週出なかったのは自分とこのツアーもあったからなのかな。

本日スリーマンでして、対バンはenvyとtoe。どのバンドもドラムがよかった。envyの途中から観ました。

envyはドラムの方が怪我してたようで(左手にテーピングしてて、曲によっては右手のみで叩いてた)、いつもより静かめのセットリストだったようですが、それでも音圧がすげー。ベースがハウるハウる。でも耳が痛くならない感じ。そしてヴォーカルがデス声なのになんだか心地よかったなあ、轟音なのにアンビエントにすらなりそうな美しさ。音が濃霧みたいだった。

toeを観るのは二回目か?前回もmotkとの対バンだった。motkの音源はtoeのMachu Picchu Industriasからリリースしてるもんで、山㟢さんが「ここにいる皆がCDを買ってくれたら…マウスには30円ずつ渡して……」とか言ってた(笑)。基本16、シンプルな変拍子(って矛盾してる?)で構成される曲が多いんだけど、柏倉さんのドラムの手数がとにかく多くてテンションが高い。手練が集まってる感じであんまりアイコンタクトとかもなく、それぞれが自分の演奏に没頭しているように見えるんだけど(美濃さんは激しいシューゲの勢いだし山㟢さんはずーっとアンプ向いて弾いてたり)、不思議と織物のように単音が綺麗にからまっていく様が面白かったです。ブレイクもバシッと決まる。1曲だけ歌ものがあった。

で、motk。うひゃー、すごくよかった。誰がどのパート弾いてるかキッチリ観たかったので二階席にいたんですが、関係者席をごく少なめにして開放してくれていたので、オーシャンビューな位置を確保出来ました。そしたらメンバーの親御さんだかご親戚だか、年配のひとたちが集まってきた。スタンディングで長丁場で大変だったでしょうが、なんだか皆さんとても嬉しそう。EASTくらいのハコだったら、年齢高めのひとでも比較的来やすいかも知れませんね。

このハコでやってよかったなと思ったことは他にも沢山ありました。EASTで初めてmotkの全貌が見えた気がしたくらい。今迄はやりたいことがハコに納まりきってなかった部分があったように思う…って程。まず映像が映える。裸舞台で背後の壁面を全部映像に使っていた。天井が高く背面が多くとれるEASTならではです。映像はずっとバンドのコンセプトにあるようで、nest規模でも拘って使っていましたが、やっぱり小さいところだと見えづらかったんですよね(苦笑)。失礼な話、映像がバンドに不可欠とは思えなかったので、何でそこ迄…と思っていたのです。しかし今回、あーこういうふうに見せたかったんだと…nestやQUATTRO規模でのライヴもよかったんですけどね。

とは言え、映像のメンバーはメンチェンを繰り返しているし、今は在籍しているひとはいない筈。この日のMCでも「(川崎、清田、新留)この3人でmouse on the keysです」と言っていたのでまだ試行錯誤中なのかも。

音の面の違いも大きかった。このバンドってとにかくドラムの音がデカいのが特色なんですが(川崎さんもコンセプトとしてそれがあるとインタヴューで言っていた)、今迄はドラムの地音込みの音がモロブチ当たる規模のスペースだったので、本当に音がデカ過ぎて、ピアノの音が聴こえづらいくらいだったんです(笑)それも味っちゃあ味なんですが、今回はPAがしっかりしていて、ピアノもガッツリ聴こえる。それぞれの音が埋もれない。しかも今回すーげえ練習しただろー!ってのがありありと!序盤はすごい緊張感で、それがフロアにも伝わって空間全体がピリピリしてるくらいでした。しかしその緊張感がたまらなくいい!

最新のアー写とほぼ同じセッティング(機材はもっと多いです)。皆が中央を向いて、正面が新留さんだったので、清田さんの運指も川崎さんのドラミングもよく見えました。ドラマーがフロアに背中を向けている構図ってなかなかないので、どう叩いてるかがよく見えてすごく面白かった。贅沢言えば新留さんの手元も見たかったな。でもそうなると全員がフロアに背を向けることになってしまう…どう配置すればいいんだ(笑)

1曲目からピアノのパッセージがキモの「最後の晩餐」。冒頭のコードを新留さんが弾いていて、その間清田さんがウォームアップしてる感じで鍵盤上に指を滑らせていた。そのままあのフレーズを高速で弾き始めた時の格好よさと言ったらなかったですよ。鳥肌たったー!二階席から観ててよかったー!そうそうこの曲、最近マキアージュのCMに起用されていてすっごいビックリした。マキアージュって数年前envyの曲も使っていた。資生堂の着眼点はわからん(笑)

これね。ちょっとアレンジ変えてます。



envyのはこっち。



基本のメロは清田さん、それを支えるのが新留さんと言う感じ。Keyのふたりは二台を積んで使っていて、新留さんはベースラインを上段のKORGで鳴らしてました。川崎さんがドラムとピアノを兼任(同時に演奏)していた格好よさも過去ありましたが、音の面では今の編成の方がずっと安定感がある。負担が減ってよかったのでしょう。そして今回は演奏がよく見えたこともあり、音もよかったこともあり、ラウドなドラミングだけでない川崎さんの巧さもよく判りました。終始スネアやシンバルをスレスレで触れる程度に鳴らしているんですが、その静かな音が何げにグルーヴを生んでいる。静から動への変容が滑らかで、しかしインパクトがある。ドラムがない「dirty realism」では川崎さんもピアノ。これもまたよかった。

アンコールの「the arctic fox」では新留さんが時々笑顔で演奏していて、今迄にない雰囲気でよかったなー。

「the arctic fox」は音源化されてない曲ですが、YouTubeで聴けます。デュオ編成、川崎さんが兼任してる頃の映像です。このDVD即完で入手出来なかったんだよう。



サポートの根本さん(Ss)と佐々木さん(Tp)もいい味出してました。てか今日気付いた、根本さんてZもやってるひとだ。もうここらへんのひとはいろいろやってるから混乱する…そしてZとZUをごっちゃにしていることにも今気付いた……ダメ過ぎる、自分。それはともかく、根本さんはhununhumだと本人言っていた通りハードコアトロピカルブルース(笑)で時々チャルメラっぽくなるんだけど(ソプラノの宿命)、motkではドスの利いた演奏で格好よかったです。佐々木さんのミュート音もよかった。motkの楽曲は結構ガッチリ作り込んであるので、管の部分で自由度が出るのが魅力でもあります。そしておふたりともmotkのメンバーよりMCが長い(笑)なごんだ。

アンコールで、川崎さんが感無量と言った感じで「こんな大きいところでやれるなんて」「しかもこんなに沢山のひとに来てもらって」「結成して3年目なんですけど、今回集大成で」としみじみ話しており、しかもスーツ姿なので選挙に当選したひとみたいだった(笑)親御さん?ご親戚?らしい方々もニコニコしておりました。よかったね!都内でのライヴは今年はもうないそうです。いやーホントによかった、これからもっともっと化けてほしいなあ。次が楽しみです。



2009年09月08日(火)
小ネタ

■みなさんめざとい(自分もな)
近所の園芸が趣味らしいおうちが、玄関先に大葉が植わったプランターをどんと出して「たくさんできました。ご自由にお持ち帰りください」と張り紙をしていた。わーい帰りにつんで夕飯に使うべー何にしよっかなーといろいろ考えつつ仕事を終えて、帰り道に寄ったら、プランターは更地(と言うか荒地と言うか…)になっていた

■そういえば
春に職場近所の呑み屋?定食屋?さんが閉店して、使っていた食器を持ってっていいよーとがさっと出してたんだけど、その中に森正洋さんのしょうゆさしがあったのね。以前持ってたけど割っちゃって、それ以来買いなおしてなかったのでわーい頂いて帰ろうーと思って夜寄ったら(以下同)

■やっぱ
「あとにしよう」ってのはあかんのだなと思いました……

■大森立嗣監督が新作を撮ってるらしい
しかも音楽がおおともっちらしい。
『Dust In The Wind』(仮タイトル)
以下大友さんのブログ↓
http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/20090815
http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/20090821
http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/20090830
『ゲルマニウムの夜』以来ですがな…誰が出るの……いつ公開なの……。
これは楽しみだ



2009年09月05日(土)
『S高原から』

南河内万歳一座『S高原から』@こまばアゴラ劇場

南河内と青年団がお互いのレパートリー戯曲を交換して上演してみよう企画。両者のカラーを知るひとからすると、なんじゃそりゃー!てなもんですよね…情報知った時興奮したもん(笑)即チケットとりましたよ。

と言う訳で、まずは世界一やかましい『S高原から』。サナトリウムでの一日の風景を描いた平田オリザさんの戯曲を内藤裕敬さんが演出。体育会系、プロレス同好会が母体(笑)の南河内がサナトリウム…もう面白い(笑)青年団の上演は残念乍ら未見なのですが、事前の内藤さんと平田さんの対談によると「ホンをそのままやります」とのこと。しかし場所はサナトリウムではない、と。以下ネタバレあります。思ったよりやかましくはなかったです(笑)

サナトリウムと呼ばれている場所、そこはホームレスの集落(に見える)。ビニールシート、段ボール、ボロ板等で作られた建物だ。そして内藤さんは全く台詞のない役で出演、空き缶を大量に詰めた袋を積んだ自転車で幕開けと幕引きに現れる。内藤さんの演出意図はこの枠組みのようです。これが不思議と「ホンをそのままや」っても、違和感がない。

“サナトリウム”に入院しているひとたちは何らかの病気であるらしい。しかし感染するものではない。外見で病状の進行は判らない。告知契約をしているひととしていないひとがいる。契約上本人に告知されていなくても、院内の噂で本人以外が余命を知られている場合もある。余命の具体的な数字は出て来ない。しかし多分告知されていないとされる本人は自分の寿命を知っている。医師や看護師が明るい立ち居振る舞いで患者たちと交流している。患者たちは病気の為に婚約が破棄になったり、恋人だと思っていた“友達”に捨てられたり、友人に彼女をとられたり、仕事が出来なくなったり、家族と疎遠になったりしている。

彼らは社会から置いて行かれている訳だが(患者のひとりはそれをサナトリウムが位置する高原とひっかけて「下界」と呼んでいた)、それに起因する不安や苛立ちを抱く反面、「何も考えないで過ごすと一日が長くない」ことに慣れ、心地よさを感じている。死がすぐ近くにあるが、それは場所がどこであろうと人間には平等に付属するもので、自覚的かそうでないかの違いだけだ。ラストシーンはひとりの患者が眠っているものだが、ひょっとしたら彼は眠っているのではなく死んでいるかも知れない。薄紙一枚のあちら側。

確かにやかましいサナトリウムでしたが(笑)戯曲の本質は漏れることなく伝わっていたように思います。南河内って、と言うか内藤さんってああ見えて(無礼)ひとの生き死にに関しての冷徹さと叙情性の裏表を描くの得意ですもんね…どっちもどっちよって言う。だから罵れないし、本当のことが言えなくて逃げちゃったりじゃれちゃったりすねちゃったりする人物たちが妙にリアルに映る。

あとベタな話だけど、今観ると新型インフルエンザへの対応に合致しているような印象もあってうむうと思ったり。「うつらない」と言われている患者たちですら、疎遠になる間柄がある。目に見えないものに対する不安、差別みたいなものが舞台上にべったり張り付いていたように感じました。こういった無意識の悪意が人間の自衛本能であるようなテーマは、平田さんの『ソウル市民』にも描かれていた。

初見の若手のひとたちがいい味を出していて、しばらく南河内の本公演行ってなかったんですんませんと思いました…とこれは下の話にも関連するなあ。

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■それにしても
内藤さんと平田さんの対談でも言われていたけど、関西の演劇シーンってそんなに危機的状況なんだろうか。確かに東京程若手〜中堅の注目株の話が伝わってこないけど、それは単に自分が情報を収集しきれていないのだと思っていたが…。
80年代末〜90年代前半辺りは新感線、売名行為→MOTHER、そとば、南河内と言った横の繋がりがあったように思うし、関西独自の公演も結構あったように思う。F.W.Fを大阪迄観に行ったりしたけど、今はそういうのってないんだろうか?ないことはないんだろうけど…うーん。
平田さんが阪大に教えに行くようになったのが今回の企画のきっかけだそうですが、これを機にこういった交流公演で面白いものが増えればいいなと。と言うか、自分でも注意して探そう……

■よだん
家を出る前に読んでいた新聞に、松田聖子の「風立ちぬ」の特集記事があったので客入れ曲にはちょっとウケた。ある世代は「風立ちぬ」と来たら「いざ生きめやも」ではなく「今は秋♪」が自然に出てしまいますよねえ(笑)



2009年09月02日(水)
『Kill Your T.V. '09 NOW!』とか

■『すゞしろ日記』山口晃
ちょ、なんでこんなに高いのアマゾンマーケットプレイス。まだ出たばっかりだし、普通に初版の在庫あるよ!定価だよ!2,500円+税だよ!
店頭で見掛けて慌てて購入。うわあすゞしろ日記が書籍に!
展覧会で読み出すともうすっごい時間かかるんで(笑)手元においとけるのは嬉しいー。しかも『UP』に連載されたものも50本掲載。こちらの方は下描きなし(らしい)の行き当たりばったり徒然もので、山口さんと奥さま(カミさん)の日常が描かれていてとても面白い。
ねこのくしゃみにビックリとか、郵便配達のバイトしてた時、ある家のいぬ(このシェパードのイメージ画(イメージってとこがまた笑える)がたまらん。今思い出してももうニヤニヤする)が怖くてポストに近付けなくて、隣家に「どうしても怖くて配れませんでした 明日こそは必ず… すいませんが届けて下さい」てメモ付きで置いてきたとかの話に腹がよじれた…。と言うかどのページも腹がよじれる。でも端々に柔らかい情緒や鋭い観察眼が見え隠れしてる。
メールやってないとか携帯持ってなさそう(公衆電話使ってる)ってのがまたイメージ通りで素敵です。重版されてないってしょんぼりしてた絵はがき画集買おうかな(笑)やー、やっぱたまには字を書かないと…とも思わせられた……最近めっきり字が下手になったし、漢字が読めても書けなくなってる自覚があるからなあ。
それにしても、つらっと描いてるようで絵の巧さは流石です。そして密度高い。ページすすまないすすまない(笑)すごくいい買いものしたーって感じです
・関連記事/ブルータス副編集長、鈴木芳雄のブログ『フクヘン。』
(追記:これ読んでる途中であげちゃったんだけど、その後読み進んだら2007年春に携帯を購入した話が出て来た、ガーン。イメージが…(笑)と言う訳で3日夜読了)

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『Kill Your T.V. '09 NOW!』@WESTビル

コンピ盤『Kill Your T.V. '09』ツアーファイナル+マイク・ワット来日公演。WESTビル内のO-WEST、O-nest、7th FLOORにて同時開催。スタートが遅れて7thのケイト・シコラから観ました。4人のバンドセットでしたが、アコースティック主体でグロッケン等も使っていたり、夏の終わりにいい感じ。ケイトさんは現在日本を拠点にしているそうで、はにかみ乍らの日本語MCもかわいかったです。彼女はThe Loyal Weと言うユニットでも活動中で、そのアルバムはまたもやコントラリードからのリリース。ぬぬう、気になる。

そのまま7thで日暮愛葉ちゃん。ソロで観るの初めてだわと思っていたら、ソロライヴ自体が今日で2回目とのこと。貴重なものを観た。メンバーはLOVES.の3人で、Drs、G+laptop、Voのバンドセットでアコもの、座って演奏。愛葉ちゃんがティンパニに使うマレットを持って出て来たんで何するのんと思っていたら、傍らに置いたサスペンダーシンバルをバシャンバシャンと叩き乍ら唄っていた。これが格好よかった。あとヴォーカルをlaptopでダブルにしていたのがよかったなあ。このひとの声好きだなあ。最近は落ち着いてるようでよかった、ゆったり聴けました。

どうでもいいがこの日の愛葉ちゃんの髪(短くなってた)とメイク、ボーイッシュな衣裳はジュンリーを彷彿とさせました。や、どっちがどっちって訳でもなく、似てるってのでもないんだけど。松尾ちゃん繋がりではあるけど、ふたりは会ったことあるんだろうか。

7thは板張りフロアだし、椅子もベンチもあって、大きな窓からは夜景が見える。ケイトさんと愛葉ちゃんの今回のセットになんだかしっくり来ていました。

nestに移動してshibaraku-yoshino。ミドリの変名バンドです。ミドリよりも先に観てしまった…それにしてもよしの。私の知っているよしの名字はeyの吉野さんとよしのきみかだけです。ええ吉野さんがゲストだったらどうしよう?いやでもよしのきみかかも知れんで?とひとりでドキドキしていたのだが(バカ)そんなことはなく、多分まんまミドリのメンバーなんだと思います…いや、初見だもんで後藤さんしか区別つかん……。Drs、Cb、Voのトリオ編成で(追記:あ、違うよ。Pfもいたから4人だよ)お題を出しつつジャジーに童謡やクラシックを即興で拡大していく感じ。かなりラフな演奏なんだけどこれが面白かった。脱線、再構成、分解とみるみる展開が変わる。15分くらいしか聴けなかったけど盛り上がったなー。

あっと言う間にトリのbrothers' sister's daughter。もうすっかりバンドですねえ、既存の慣れ親しんだ?曲も増えてて楽しかったし、探り合いみたいなものがなくなってきてる。即興部分が減ってきて、ジムもノイズだけ出してんじゃねえぜみたいな(笑)マイクさんがMCで言っていた、オープンハート、オープンマインドの姿勢から曲が生まれている感じで、聴いていて気持ちがよかった。メンバー全員がパンと懐開いてる感じ。

メタルっぽいギターソロでブイブイ言わせるナンバーもあり、アンビエント調のものもあり、勿論どパンクもあり。6曲+アンコール1曲(Iggy Pop & The Stooges「Fun House」カヴァー)だったのにバラエティに富んだセットで充実!マイクさんとあらきさんふたりがヴォーカルやリーディングをとる風景もすっかりおなじみかな。楽しかったー。

マイクさんは毎度のごとく胸ポケットにリラックマを連れていたんだけど(毎回違う子。いっぱい持ってると思うと微笑ましい…)、今迄はポケットにねじこんでて、演奏が進むとリラックマが段々沈んでいって見えなくなってしまっていたのだが(かわいい)今回はポケットの蓋部分のボタン穴にストラップを通してぶら下げていた。成程これなら沈まないよ、学習してる!(笑)カメラが寄ってくると、ちゃんとフォトジェニックな表情やポーズをとって向かい合ってくれているところにも人柄が感じられて微笑ましかった。最近頻繁に来てくれて嬉しい限りです。今回の来日ではジムともレコーディングするらしいので、リリースが楽しみ。

帰りにもらったフライヤーによると、今回のツアーはDVD化されるそうです。あー、メディアに残るのは嬉しいな、これ。