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2009年08月31日(月)
『ドリアン・グレイの肖像』楽日

ぴーとさんおすすめのイタリアンで冷製パスタたべるんだーと台風の中出掛けたらお休みだった……。定休日ないって書いてあったのにー。臨時休業?

と言う訳で同じ通りのつきあたりにあるお店で冷製パスタ食べました。寒いのに。や、だって決めてたんだもん…そのお店もおいしかったですよー。

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『ドリアン・グレイの肖像』@世田谷パブリックシアター

と言う訳で初見が楽日でございます…ううう。やー、なんか、スカッと爽やかドリアン・グレイ!って感じでしたね。スズカツさんらしいわ…そしてスズカツさんの考える耽美ってこうだったわ……『C.B.』思い出しましたよ。近作では『ファントム』かな。

ホント篠井さんが言っていたように、「毎回違う出演者で違うスタッフでやって、スズカツはその稽古風景を見てるだけなのに何故か出来上がるとスズカツーって舞台になる」よね…『C.B.』とは出演者は被っていないし、スタッフも当時からやってるのは照明の倉本さんと音響の井上さんくらいでしょう(このふたり、てのは大きいけど)。美術の二村周作さんはここ数年組むことが多いですね。

全体的な構成はアッサリスッキリで、物語の流れが解りやすくなっています。毎度のこと乍ら刈り込みが巧い。それを濃密な世界に仕上げたのは出演者の演技に因るのでしょう。純粋無垢なドリアンの変化、しかし逡巡や悔恨も見え隠れする。一方ヘンリーも保護者的な指針を見せたり、自分の芸術哲学に確信を持っているようでいて、時々人間的な揺れも漏らす。多分どの面が強く反映するかは日によって違ったのだと思います。うー、一度しか観られなかったのが悔やまれる。ここらへん「均質のものを見せるのが作品として当たり前」と思うひともいるでしょうし、意見が分かれるところでしょうね。

前嶋さんの音楽とピアノ演奏も、複雑かつ力強く、印象深いものでした。スズカツ演出の音楽は、前嶋さん、横川さんが最近の二本柱ですね。あと深沢さんか。違いを観ていく楽しみもあります。

山本くんは、どんなに豪奢な衣裳を着ても、どんなメイクをしても、実のところスッピンで裸の姿がいちばん美しいんだろうなーと思わせられるので(『ヘドウィグ〜』の、ヘドがトミーになった姿は神々しい程だったもの)、逆に何着てどんなメイクすれば似合うんだ?って贅沢な悩みがありそうです(笑)宣美の写真が巻き毛のエクステを着けていたものだったので、銀髪で出て来た時にはちょっと驚きました。あれだ、『ハムレット』の萬斎さんがそうだったわ…宣美とすごく違ってガーンとなったんだ…。観るうちに慣れてきましたが、ここらへんもコスチュームプレイ、翻訳ものの難しさかも知れません。

しかし、その翻訳ものを翻訳ものと意識しないでいい状態になる程、すらすら流れが頭に入る台詞回しの加納さんは流石。立て板に水とはこのことですな。彼を筆頭に、皆さん身体を通した台詞に感じられてよかったです。あーでも、バジルが「ベストコンディションの時に…」って言った時は我に返ったわ(笑)これは役者のせいではなく…『トゥーランドット』の「今度生まれ変わったら、宦官になんかなっちゃダメだヨ!☆」くらいガクッとなった。スズカツさんの書く台詞って時々こういうとこあるよね…現代に上演しているからこその言い回しなんだろうけど、コスチュームプレイだと特に気になる。ここらへんも難しいですねー。

スズカツさんとこに出る伊達くんはいつもいい!(笑)おいしいとこ持ってく!三上さんは『リボルバー』終わってすぐの参加だったので大変だったでしょうが、要所要所を締めてくれました。あのいい声でなさけな〜い声出されるとブルッとくるわー。須藤さんもまっすぐな演技でよかった。

そうそう、米村さん、パンフのインタヴューがビジネスマン然としたインテリな感じで、役とのギャップが面白かったです。



2009年08月29日(土)
『ザ・ダイバー』

『ザ・ダイバー』@東京芸術劇場 小ホール1

意外と早く日本語ヴァージョンが上演されました。英語版が上演された時、これを日本語でやるには少し間を置いてからの方がいいのではと思ったんでした。作品の内容についての感想は、英語版と変わりません。

・現代能楽集IV『THE DIVER』@シアタートラム

もうこれ、感想をまた書くのすんごいしんどいわ…しかも今回日本語上演だもんで、受け取れる情報量が半端なく増えている。その濃密さと言ったら、上演時間が80分とはとても思えず、終わった時にはもうぐったりする程。

しかし正直、こういうものに出会えるからこそ、劇場に足を運ぶことがやめられないのです。東京芸術劇場の芸術監督に就任した野田さんが、最初のラインナップにこの作品を入れてきたことは、宣言ともとれる。このところの演劇に対する違和感を持つ者としては、この宣言は頼もしくもあり、だからこそタフであろう今後を見届けたいとも思う。以下ネタバレあります。

基本の演出は英語版と同じですが、変わっているところもかなりありました。美術も変わっています。能の型を所作に取り入れている部分は、日本人が演じているからこそ観る側の目も厳しくなり、正直ひっかかるところもありました。

あと、これを入れてきよったか!と言うところがあり…えーと登場人物がシャブをやってると推測出来る動作が加わっています。全然笑えないの、これが。と言うことは、風刺として入れたのではないんですね。ふたりの選択が、道を踏み外したと言う意味にとりました。笑いを狙ったと思われる要素も増えていましたが、英語版を先に観ていて、経過と結末を知っているともう全然笑えない。唯一笑えたのは、本筋とは関係ない野田さんのアドリブ(的な台詞。多分毎回言っているとは思う)の「(いっけいさんが)暑苦しいなあもう…」と言うところだけでした。

そして時間が経つにつれ、「これは笑っている場合ではない」と判断していく観客が徐々に増えて行くのが感じられた。その落差がすごい。終盤には、劇場空間が息が詰まりそうな程の緊張感に支配されていました。英語版では、正妻が最後に電話で言い放つ言葉に笑うひとがいたことが物議を醸していましたが、流石に今回笑うひとは皆無だった。

しかしやはり…英語版とは違う感情が残る。今回初見の姉と一緒に観たのだが、終演後「これ、日野の…だよね?」と言われた。日本の観客にはある程度の共通認識がある。そこがロンドンで上演された時との違いだろう。翻訳物を観る際、その舞台の背景を知っているのと知らないのでは、物語への共感度や理解度に違いが出る。それをまざまざと見せつけられた気もしたのだが、『THE DIVER』はロンドンでかなり評判がよかったように聞いている。作品自体の質が高く、出演者も素晴らしい仕事をしたからだとは思うが、ロンドンと日本ではやはり解釈に微妙な違いがあるように思う。それは面白く興味深いことでもある。

大竹さんはもう、演劇マシーンの本領発揮と言ったところ。狂気のパートはもう期待通りのものが観られます。カメラのシャッターを切るが如く、人格が次々と入れ替わる。あれだ…変な例えをすると、手旗で赤上げて白上げて白上げないで、てのを完璧に正確に出来るひとみたい。かなり振り切った演技もするので、序盤は笑いが起こることも。しかしこのひとがすごいのは、その狂気の裏側にある途方もない悲しみも表現出来るところ。今回、ほんの少しの表情や動作の変化で感情の流れを表現する部分があった。映像的な演技プランでもあるのだが、今回のキャパの劇場だったらそれが感じ取れる。本人それも判ってやっているのだろう。ラストシーンの、こどもを送り出し海の底へ沈んで行く海人の表情にはやられた。

いっけいさんは権威を振りかざす的な言動が正義感から来るものと感じづらいちょっと不利な役で、だからこそ嬉々としてイヤな人物を活き活きと演じていたように思います。かなり無茶な演じ分けもせねばならず大変そうでした。スーツの色が変わる程汗だくだった。北村くんは役柄が役柄だけに女性から嫌われそうだよ…ズバッと分けたらオメーがいちばん罪深いんじゃねーかって役だもんよ……光源氏が現代に生きていたらこんな人物な訳ですよ。うわ最低。それを色気たっぷりに演じておりました。TVショウの「自分好みの女を育てる」(夕顔のとこね)気持ち悪さが英語版より明確になったように思います。改めて観るとここ、紫上にも繋がるものがある。野田さんは初日開けた時喉のことがかなり心配されていたので不安だったのですが、今日観た限りでは問題なし。役者・野田秀樹はまだまだ観ていたいので、お身体おだいじに。

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小ホール隣の展示会場で『野田、来たる。〜野田秀樹芸術監督就任記念展〜』として、夢の遊眠社、NODA・MAP、その他野田さんが手掛けた公演のポスター展が催されています。『パイパー』の文字だけポスター初めて見たわ。そして遊眠社時代のチケット代が1,500円とかでいいなーと思った(笑)



2009年08月27日(木)
『狭き門より入れ』とか

■うう
パッチョ負けちゃった…。
しかし他の試合は千単位なのに、パッチョ対むすび丸は万単位で票が入っていたよ。記事にもなっている(笑)
・キャラクター選手権2009:いよいよ準決勝!
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初顔4体が争ったBブロックでは、まれに見る大激戦が繰り広げられました。武将姿が自慢の「むすび丸」(JR東日本東北・七十七銀行)と、出来たて着ぐるみ「火ぐまのパッチョ」(東京ガス)は、けた違いの票数を争う激烈なデッドヒートに。最後はむすび丸が猛烈な追い込みを見せ、18639票対17718票で逃げ切りました。
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ははは、4体って、「出来立て着ぐるみ」って。もうこうなったらむすび丸に優勝してもらいたい、がんばれむすび丸。
肝腎の野球の方は、東京ガスは勝ち進んでいるそうです。試合会場に行くとパッチョがハグしてくれるらしい。ええ、それちょっと羨ましい……

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Team申『狭き門より入れ』@PARCO劇場

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力を尽くして狭き門より入れ、滅びにいたる門は大きく、その路は広く、之より入るもの多し。
生命にいたる門は狭く、その路は細く、之を見出す者少なし。

新訳聖書『マタイによる福音書』第七章より

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パンフレットからの引用ですが、その通りの話です。

Team申は初めて観ました。前回の『抜け穴の会議室』も前川知大さんの作・演出だったんですよね。うーん、やっぱりすごく面白い。世代は違えど、同じような時期から注目され始めた劇作家の中ではいちばん気になるなあ(まあまだまだ観られていないものも多いのですが、現時点ではと言う意味で)…と言うか、作風は全然違うけど、個人的には赤堀雅秋さん以来の衝撃です。選ぶテーマやモチーフ、毒とユーモアのバランス、諦観の中に一瞬見いだす熱、未来に希望を託す賢明さ。そして“記憶”をとても大事に扱っているところに惹かれます。

舞台と言う制限のある場で観るSF(と言っていいかな)としての構成力も見事です。空間が飛んでいるのに一場で見せきるもん。うーん、でもこのひとなら、映像なら映像にピッタリのものも書きそうだなあ…。

で、この手のものって、ちょっとしたズレでとても陳腐で安易なものになったりするのですが、そこは実力派揃いの役者陣がガッツリ見せてくれました。人間のイヤな部分、ダメな部分、愚かな部分。それでも何故か愛されているかもしれない。それは誰から?信じるのは無理だと思っていても、やっぱり信じようとしてしまう。「人は信用するのが仕事」、そういったこと。

以下ネタバレあります、未見の方はご注意を。

コンビニが新世界への入口になっている。世界の更新は3日後。新世界に行けるひとはもう決まっている。旧世界はもって3年、もうダメなのは明白。事情を知っているひとと知らないひと、門番の役割、こぶとりじいさんの引用。

分け隔てなく愛して救うのは無理。絶対に差別がある。そんなことはない、というひともいるかも知れないが、優先順位と言い換えればどうだろう。こどもの命が優先、家族の幸せが優先。生き残ると言うことは命に順位がつくと言うことだ。自分と愛するひと、どちらを選択するか?しかしこの作品には、自己犠牲がどうこうと言うお涙頂戴的な方向には意地でも持っていかないぞという姿勢が感じられた。雄二のようにそれがあたりまえのこととして刷り込まれている、人間の本能に可能性を見出そうとしている。これは「人は信用するのが仕事」に繋がる。だから天野は残る。

口にしてしまえば元も子もない。打算や見返りが求められるのは、信用することに理由がつくからだ。あれだけ冷静だった岸が一瞬感情を荒げたのは、理由がつかない信用を信じる人物を前にしてしまったからだろうか。そして葉刈は可能性を諦めてしまっているが、それで納得している訳ではない。門をくぐってしまうと旧世界での記憶は消えてしまうので、「忘れてしまうこと自体が悲しくないですか?」と言っていた魚住は、忘れたことすらも気付かず新世界で穏やかに暮らしている。時枝にはおまけのように宝くじが当たっている。それはきっと天野がコンビニの外に向かって投げた三千万が変換したものだろう。彼らを送り出した天野は、岸と葉刈に向かって、「クソッタレな世界の夕焼けがこんなにも美しいなんてな」というようなことを言い放つ。「人は信用するのが仕事」なのだ。

ほらね、自分が書くとこんなにも青臭くなる…(ガクリ)。そんなデリケートなテーマを、おにぎりやおーいお茶や東スポを使って見せてくれる作品です。頭をなでるとか非常ベル押したい欲求を抑えきれずジャンケンとか、そう言ったちょっとした行動でも。

照明もすごくよかった!原田保さんだったー。あの、劇場に入った途端目に飛び込んで来たコンビニの灯りにはうわっとなったもん。外は真っ暗、中は妙に白く無機質な灯り。ラストの夕焼けも天野の台詞通り美しかった。

舞台の蔵之介さんは久し振り…多分『おはつ』以来……ひえー5年振り。だったもんであのドスが利いた発声に馴染む迄ちょっと時間がかかった(苦笑)しかしやっぱり舞台映えするなあ。腕長いし(申だけに笑)身体もキレる。こういうとこはピスタチオ時代を思い出したり(としより)。イヤ〜なやつの背景と、イヤ〜なやつになった経緯と、そういう自分にイヤ〜けがさしているけど後戻り出来ない意地っ張り。だからこそ最後の選択に到る流れが感動的なものになる。いい役者さんだなあ。クールに見えるけど実は熱いひとだよね。

亀治郎さんを現代劇の舞台で観るのは初めてでした。で、映像で観ている時には気付かなかったのだが、舞台で観ると…し、姿勢がいい(笑)と言うか、やはり立ち姿が違う…ええーと無意識なのか何なのか、見栄を切るような(=キメのところで観客席に正面から向かい合う)仕草が目につき、ちょっとこの座組の中では異質な感じ。でも他の登場人物と相容れない役柄からすると合っていたのかも。人間の無関心に絶望し、一種の復讐心すら感じさせる冷たい狂気は、後方客席にもビンビンに伝わりました。

ニヒルな浅野さん、出てきただけで舞台の空気が変わる手塚さん、この辺りは流石です。どちらもユーモアがあるし。そして有川さんがよかった!あの頭なでたくなる感じ!(笑)自覚のない“選ばれた”人物を絶妙な温度感で見せてくれました。中尾くんも長編舞台が初めてとは信じられない馴染みっぷり。映像の方ではもう有名ですが、舞台でももっと観てみたいと思いました。

と言えば、今回の出演者って全員舞台の身体を感じさせるひとばかりだったので、心地よく観ていられたように思う。浅野さんはもう見ての通りのルパン三世体型だし、手塚さんも相変わらず浮世離れした体型と動き。…あれ、それって舞台と言うよりマンガの身体?(笑)えーと要はカットなしに見ていける=一連の動きに無駄がなく編集いらずな身体と言うことです。

はー、『狂四郎2030』を読んだばっかりだったからいろいろ考えちゃったよ…30日は選挙だし。ある意味いいタイミングで観た。ひとりで世界を変えることは不可能だが、自分の大切なひとには無事でいてほしい、幸せでいてほしいと思う気持ちが繋がっていけば、オノ・ヨーコが言っていたような奇跡が起こるのだろう。行為と感情はシンプルだが、実現はとても難しい。ただ、可能性は信じてみたい。



2009年08月26日(水)
いろいろ

■で、ごろごろして何をしていたかと言うと
徳弘正也の『狂四郎2030』を読破。け、傑作……。
いやこれすごいわ。なんで今迄読んでなかったんだろうかー!
でもエロとグロがすごいので、ひとにすすめられまへん。あと弱ってる時に読むとエラい目に遭います。いろいろ言いたいがキリがなくなりそうだ……か、書けない

■そして今は
『DEATH NOTE』を読んでいる。どんだけ遅れてるんだあんた

■パッチョがたたかっております
・第80回都市対抗野球大会:キャラクター選手権2009
むすび丸も好きなんだけど、ここはパッチョがんばれと

■で、キャラクター紹介がまたいい
・火ぐまのパッチョ(東京ガス/東京都)
そう試合中に応援するために、とうとうきぐるみが出来たのですよ…あのおしりも再現しているところに並々ならぬこだわりが感じられます。素敵です。
動画がまたたまらん…一所懸命踊っている……

■『WHO KILLED AMANDA PALMER BOOK』
熱出してる間に何書けばいいかわからんくなった…。
ええと、ドレスデンドールズのアマンダが昨年リリースしたソロアルバム『WHO KILLED AMANDA PALMER』のアートブック。上記サイトの見本や、タイトルの通り、アマンダの死体写真集です。悪趣味だわー、でもセンスいいわー。衣裳やシチュエーションのチョイスの巧さで魅せます。チーム女子って感じ。
アルバムから随分イメージが拡大し、NEIL GAIMANの書き下ろしテキスト等が加わり、幾人もいるアマンダ・パーマーがどういった人物で、どうして殺されたのかの物語が綴られています。ダンサーだったり、ホテルで襲われたり、道端や沼に捨てられたりしている。
イメージ死体写真集と言うと、伊島薫の『死体のある風景』を思い出すなあ。このシリーズ、zyappu後もprints21で続いてましたよね。光琳社がなくなったのはショックだった……。
話がそれた。WKAPプロジェクトサイトはこちら→WHO KILLED AMANDA PALMER
興味ある方はちらっと覗いてぞわっとしてみては。暑気払いにいいかも知れませんよ

■悪趣味と言えば
この写真集、おまけで掲載されている作品のプリントが10枚セットで『CRIME EVIDENCE』として同封されていました。これがまたいちばんヒィとなるシーンのやつが入っていて…本よりこっちを先に見たもんだから「ほ、ほんもの!?」とマジでビビッた……ようやる。
Black Phoenix Alchemy Labのアロマオイルもついてきました。ここもNEIL GAIMANが噛んでるようです
NANSHEってやつ。古代バビロニアの夢を司る女神の名前だそうですが、結構キッツいです(笑)眠るどころか目ぇ醒めるで!アクの強い柑橘系のようです。この香り、ランダムに入れてるのかなあ。他のが来たよってひと教えて!



2009年08月23日(日)
おしゃー

陰性でございました。お騒がせしました…。

しかしどうにも熱が下がらんので(なんなんだ)、結局『ドリアン・グレイの肖像』と『ワンダーガーデン』は断念。今月こんなんばっかり(泣)

それにしても『ドリアン〜』、珍しく(…)初日から評判がいいのでのたうちまわっている。もう楽日にしか行けないもーん!ギャー!そして『ワンダーガーデン』は久々の花組関連で、しかも桂さん潤さん大井さん八代さんの同期四人が花組在籍二十周年の記念企画だったのだよ…おうおうおう。そんで今回公演が行われるシアター711ってとこ、シネマ下北沢→シネマアートンだったとこだそうで、あそこがどう劇場仕様になったのかも楽しみだったのだよ…おうおうおう(復唱)

やー久々に甲子園とか観ちゃったよ…都城商業は地元なんですが負けてしまったよー。九州物産展で買い込んでいたしろくまなんぞ食べてごろごろしております。



2009年08月21日(金)
どうでもいいが

昨日のey公開レコーディング、笛のプレイバック聴いてたら『ヤマアラシとその他の変種』の「たもつ」を思い出した(笑)


2009年08月20日(木)
『ONE SONG BURNING!』

■書いてるのは金曜日
インフル疑いで職場から帰されましてん。で、病院行ったら発熱後24〜48時間経たないとハッキリした検査結果が出ないってことでまた明日行かねばならぬ…(今日の検査では一応シロ)てか今日『ドリアン・グレイの肖像』初日なのに!うわーん!(泣)
と、元気そうですが39度とか熱あります。結構熱には強い…そして去年インフルになった時はこんなふうには起きてられなかったので違うとは思うんだが…あのーここ一週間結構出歩いてたんで、会ったひと用心してくだされ……

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『ONE SONG BURNING!』@Shibuya TOWER RECORDS STAGE ONE

イースタンユースの新譜『歩幅と太陽』発売記念イヴェント。観客参加で、一時間で一曲作ってレコーディングしちゃおう!と言うものです。事前のお知らせで、可能なら楽器持参してね、勿論コーラスで参加もOK!そして「この夏の思い出」から連想する七文字くらいの言葉を考えてきてね、とお題が出ていました。前日行けるのが決まったので楽器が用意出来ず、会場へ向かう電車の中で必死で七文字を考える。会場に着くとメモ用紙を渡され、言葉を書いて箱に入れるようになっていた。こっから選んで歌詞を作る訳ですな。

ステージ上にはホワイトボード、吉野さんがいろいろ落書きしています(笑)ごあいさつとか今回の主旨とか。絵も描いてあった。で、メンバーの皆さん出て来まして、流石に一時間で0から曲を完成させるのは無理なので(吉野製作所でやってるカセットシリーズも一曲一日かかるそう)骨格を作ってきました。それに皆さんが持って来た楽器と、歌詞をのせてレコーディングします、とのこと。

で、まず楽器持ってきたひとーと挙手させて、音階が出るものと打楽器系を左右で分ける。音階が出るものはリコーダーとかオカリナとかハーモニカとかカズーとか、ウクレレもありました。打楽器系はカスタネットとかお菓子の缶とか(笑)あとあれ、水戸黄門のテーマでカーッて言うやつ。なんでそんなもの個人で持ってんだ(笑)アフリカの楽器みたいなのもあった。友人がオカリナとリコーダーだったのですが(ちゃんと練習してきてた。えらい)やはりいちばん多いのがリコーダー。学校で使うもんね…私も実家にだったらあったよう。吉野さん曰く「笛ばっかりだな!」(笑)

と言う訳で、骨格となる曲を一度通しで演奏した後コードの説明。ギターが変則チューニングで、開放弦でドとファの音が出るようにしてるんで、ドからファの間だったらどう動いても違和感ないから好きにやってってことで、しばし骨格のプレイバックを聴き乍ら練習。笛チームはアルトリコーダーを持って来ていたひげのおにいさんがすごいやる気で、パートまとめみたいになってた(笑)初対面同士が協力しあう場の美しさよ…楽しいー。

その間歌詞選択。箱からくじびき形式で紙を取り出し構成して行きます。吉野さんが読み上げてニノさんがホワイトボードに書いて行く。ニノさん達筆。没もあり、手直しもあり。これが結構いい感じになりましてね…すごーい。最初はオモロフレーズも飛び出しゲラゲラ笑って和やかに進んでたんですが、段々真剣に。吉野さんがてにをはを整理して(すごい拘ってた)AメロBメロサビに割り振っていく。サビの部分のメロディを決めて、ここは皆でコーラスすることになりました。で、一発録り。

プレイバックを聴き乍ら吉野さん「笛、うるせえな!」(爆笑)確かにすげえ入ってた、笛(笑)しっかりマイクで拾ってるんですな…。「なるべく一発録りで仕上げたい、ダビングはしたくないんだけど、ものたりないところとかある?」と話を振ると「カーッてのがあまり聴こえなかった」との声。そうそう、ここでドラムに合わせてカーッ入れようぜ〜とか言ってたんだ。ここからニノさん主導でウワモノ録音。パーカッションものを2〜3種単独録りしました。親子連れで面白い楽器を持ってきているひとがいて(なんだろうあれ…面白い音がしてたー)その音を録る時ニノさんこどもにニコニコしてていいお父さんみたいだった(笑)最終的には一時間半程でおひらき、おつかれさまでしたー!

そうそう、水上バスって詩的なフレーズがあって、これ書いたの誰?って挙手させたらリーマンぽいおにいさんでした。吉野さんが「これ事前にこんな言葉が出てるよって聞いてたの、で、あーいーなーって思って。でも故意にはひきだせないからね、くじびきだから。で、いいとこで出てくれないかなーって思い乍らひいたら、出たの!」って嬉しそうだった。おにいさんも採用されて嬉しそうだったよー。

皆さんフェス続きだったせいか結構灼けてました。ニノさんは白いままだったが。タモさんはいつものことだが一言も発しなかった…表情も変わらなかった……一箇所だけウワモノ録ってる時に吉野さんが「他に録りたいものある?屁とか。すごく感動的な屁がこけるひとは録るよ、サンプリングしてスネアと合わせてブッブッブーとか使うよ」って言った時に笑ってたけど(笑)

それにしても、片鱗とは言えバンドでの曲作りってこうなんだーってのが垣間見られてすごい面白かったー。楽しかったけど緊張感があったし、観てるだけなのにかなり集中力使ったし。終わったらドッと疲れたもの…てかこれで知恵熱出たんじゃないのかと言う(笑)歌詞が決まる前の仮歌ってこんなふうなんだーとか、メロディが固まっていく経過も聴けたし。サビの部分とか、「メロディがかたまらないとコーラス出来ないからねえ」と言いつついろいろ唄い回しを変えていて、結局固まらなかったんだけど(笑)

どんなふうに仕上がってるかなー、楽しみです。出来上がったら裸足の音楽社で公開されるそうです。
(追記:現在はここからMP3がダウンロード出来ます。
・新曲「このまま秋へ」MP3プレゼント!|VAP



2009年08月19日(水)
『TAPPERS RIOT II』とか

■わー
アラーキーんちのチロの近況が、今出てる『猫びより』2009年9月号に載ってるー。
世田谷区から表彰されたんですって。元気そうでなにより

■わー
『WHO KILLED AMANDA PALMER BOOK』が届いたー。10ヶ月は待ったで!いい!オマケもひと癖。詳しくは後日

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熊谷和徳『TAPPERS RIOT II ―6Days 6Sense』@青山円形劇場

ソロ公演と思いきや、カンパニー公演でした。熊谷さんと菊地さんの即興ガチンコ対決だと思っていた…。

二部構成で、幕間に15分の休憩が入ります。タップ公演を観るのは初めてだったのですが、成程これは休憩要りますわ…すごい運動量。構成も凝っていて、円形劇場ならではの臨場感と360°どこから観ても映える演出でした。全部で10シーンくらいはあったかな、群舞にバトル的なソロ合戦も。4F(照明や音響卓があるフロアね)で高田洋平さんと中里たかしさんがパーカッションを生演奏する趣向も面白かったです。PAを通さない生音が上から降ってくる。勿論スピーカーからも出ているので、ダブルで聴こえるのです。これは二部にゲストで演奏した菊地さんの音も同様でした。マイクを通した音と生音が同時に違う場所から聴こえる。

タップと言えば固めのリノリウム床でカチカチ鳴らすイメージなのですが、熊谷さんのダンスはストリート寄りになるのでしょうか、フロアは板材。ドカドカ、ガスガス、と言ったような迫力ある音。震動もビリビリ伝わる。板を鳴らすので、丸く太い、暖かみがある音です。反面繊細な音も多く、コツコツ、と床をついばんだり、靴をスライドさせてゴリゴリ、ズスーッ、と軌跡音を出す動作もある。リズムだけで曲を奏でているよう。どうやったらそんなに細かいリズムが足だけで出せるのかとひたすら見入る。足ばっかり見る(笑)おかげで一部ではダンサーの表情をあまり観られませんでした。

と言う訳で、二部はダンサーの表情も観るよう意識…の筈が、やっぱり足を見がち(笑)菊地さんが出てきた辺りからようやく上を向きました。菊地さんはちょっとおすましな感じ(笑)、お客さんだー。靴も流行の、爪先が尖ったエナメルだったぜ!しかも坪口さんも出てきました、おお!菊地さんのサックスと坪口さんと来ればTZB!実際TZBで使うシーケンスソフト使っていたような。いやーラッキー、ここでデュオが観られるとは。熊谷さんのタップ入れてトリオ。菊地さんはテナー1本。マイクコードの裾さばきスタッフがいたのがちょっと面白かった。菊地さんの周りを熊谷さんが踊り乍らぐるりと二周程するところがあったんですが、コードのところに来るとそっとステップしていたのに笑いが。かわいい。

即興的な部分も多かったですが、リハも結構やったのかな、と言う曲調。なんだっけーあのー有名な曲もやったんだけど忘れてしまった…。お互いのリズムで掛け合うところもあり、流麗なサックスのメロディにタップでリズムを加えていくところもあり。あ、ここで表情!と見上げると、ふたりとも笑顔。

終わってちょっと挨拶。この時はいつもの菊地さん。坪口さんはタップが気に入ったのか、踊って拍手に応えていました(笑)しかし熊谷さん、思い切り菊地さんの名前間違えましてん。初対面?嫁に聞いときなさいヨ!思えば今回の日替わりゲスト陣、DJ KRUSHやハナレグミはこれ迄にも共演されていたから判るけど、菊地さんはどういう経緯で呼ばれたんだろう。やっぱカヒミさんからかしら。

二部ではカンパニーのひとりのヴォーカリゼーションと熊谷さんのタップ、と言うシーンもありました。このひと気になったー、その他のシーンにも出ていたけどタップはやらず、唄う時は裸足だった。なんてひとだろう?ショートカットのおんなのひと。かわいかったー。

カーテンコールで「まだ二日目なんですけど…(苦笑)」と汗だくの熊谷さん。早くもヘロヘロ?ステージ上ではそんなことは全く感じさせませんが、終盤はかなり汗をかいていた。落ちる汗の粒が照明に跳ね返るところが何度も。綺麗でした。

そうそう照明よかったなあ、暗闇基本、ピンスポ基本なんだけど、壁面に紋様を映し出していたり。円形ならではだなあ…とクレジットを見たら、倉本泰史さんだった。そりゃ倉本さんなら円形のことは熟知していますね。暗闇の中に浮かび上がる黒い衣裳の熊谷さん、格好よかったです。



2009年08月16日(日)
『オマージュ・ア・ベジャール』

第12回 世界バレエフェスティバル 特別プロ『オマージュ・ア・ベジャール』@東京文化会館

第一部は『ルーミー』、『「ザ・カブキ」より由良之助のソロ』、『「バレエ・フォー・ライフ」より「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」』、『鳥』、『アダージェット』。第二部は『バクチIII』、『さすらう若者の歌』、『ボレロ』。

モーリス・ベジャール・バレエ団やパリ・オペラ座からのゲストと東京バレエ団による、ベジャール追悼企画。数ある代表作の中から選りすぐりも選りすぐりなものが観られました。しかしガラでありながら構成がとてもしっかりしていて、ひとつの作品として観られるようになっていました。

舞台上のスクリーンにベジャールの姿が映し出されるオープニングから、第一部はシーンが変わるごとにジル・ロマンがベジャールへのメッセージと作品に関する解説をつけ、場面転換のアクセントにしていました。そのまま舞台袖の椅子に座ってステージを見守る場面も。フランス語だったので字幕がほしかったところです…が、字幕がないと言うことは、事前にあるシナリオからの台詞ではなく、ロマンがその場で発した言葉なのでしょう。『ボーン・トゥ・ラヴ・ユー』のところは英語の単語が主だったのでぼんやり理解。

しかしどの言葉よりも(まあフランス語が理解出来ればより伝わったものも多いと思いますが)、出演者のステージ上での姿に何よりもベジャールの残したもの、それを受け継ぎ伝えていく決意が雄弁に感じられました。ベジャールバレエ団のエリザベット・ロスによるクィーンの『ボーン・トゥ・ラヴ・ユー』、ロマンによるマーラーの『アダージェット』はすごい気迫が伝わってきて鳥肌。『ボーン〜』は音楽がロックなので、他の作品とは違うリズムで動きも細かいのですが、その中でポーズになるところがビシビシに止まる。激しい動きとの対比が鮮やかでした。現れたロスの黒衣のヴェールをロマンがとりさる転換もよかったな。ロスは『ボレロ』を踊れるひとだそう。観たいー。『アダージェット』はもともと曲も好きなのですが、一度つかみ取ったものを手放し、その軌跡を見送るロマンの一連の動作に永遠などないせつなさを感じて胸がつまりました。

思えばこのふたりは両者とも黒衣だった。

群舞の『ルーミー』や『鳥』は衣裳のドレープがとても綺麗。あの衣裳だと踊るの大変そう、でも全然そうは見えないところがすごいなあ。色彩もそれぞれ黒と白のシンプルなもので、肌色とのコントラストが映えるものでした。『ルーミー』のメンバーは同じ衣裳で『ザ・カブキ』の四十七士役をやっていたけど違和感なく格好よかったな。『バクチIII』を観られたのも嬉しかったー。『さすらう若者の歌』もよかった……。

ラストは首藤康之さんの『ボレロ』。踊るのは久し振りだし、ベジャールへのオマージュだしですごい気迫。終盤の床面を叩く動作のところで、バン!バン!と叩く音が実際に聴こえたのは初めてでした。ジャンプのしなやかさといい、身体や表情の変化も美しかった。

気が付いたらカーテンコール20分くらいやってた。ベジャールの魂はふわりと飛んでいってしまったけれど、きっといつでも近しいひとたちの傍にいるのだと思います。

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■ボレロと言えば
タさんに教えてもらった。小林十市さんが卓袱台の上でボレロを踊っている(笑)
それにしても十市さんのブログ面白い…思えばこのひとは落語の家の子でしたな。落語の方は弟の花緑さんが継いでいるので、十市さんのオモロ要素が表に出てるのを見る機会がありませんでしたよー



2009年08月12日(水)
『3人いる!』楽日

『3人いる!』@リトルモア地下

一回定員40名のところ、110番代迄整理券を出していたのでビビる。開演も遅れました。荷物を預けたり、薄着になったりして準備万端で臨むも、実際はそんなに混雑せず、集中して観ることが出来た。立ち見はみっしりいましたが。当日券並びのひとには「ステージが見えない可能性もあります」とアナウンスされていたので、諦めて帰ったひともいたのかも。空調も止まらなかった。期間中暑くて具合悪くなったひとでもいたのかな。

この日の出演者は(登場順)小駒豪(1984年生)、ハリーナップ(1962年生)、堀川理緒(1990年生)。男性ふたりに女性ひとり、日本人ふたりにオーストラリア人ひとり。前回と全く違います。そして演出、音響、照明も全く違いました。セットも違う。前回は地明かりが多めで比較的暖色が多かった。血の色も暖色。音楽は殆どなかったように記憶している(ノイズはあったが)。しかし今回は、照明は寒色で生活圏にはあまりない色(=異空間的な表現に感じた)、アンビエント音楽が終始流れている。上演後の挨拶で、飴屋さんが「全く違う12の照明プランを手掛けてくれた」と岡野昌代さんを紹介されていました。音響は飴屋さん本人がその場で操作。サポートは浜里堅太郎さん。

台詞には日本語と英語が混在する。ハリーナップの日本語発音(流暢ですが独特のなまりがある)、“おごまごう”と言う独特な発音の名前がいいアクセントになっていた。アドリブなのか用意されたものか、ハリーナップが「わからない。日本人の顔憶えにくい」と言うシーンもあり、日本語ネイティヴなメンバーだけでは起こらない笑いもあった。

そして前回は混乱から一種の仲間意識のようなものが少し感じられ、ひょっとしたら3人の意識を持ち、自在に入れ替わる3人は(実際は混在している自覚がないのだが)このまま共存していけるのではないか、と言う奇妙な明るさがあったように思ったのだが、今回は最初から最後迄お互いがお互いを受け入れる余地のない状態で進んでいったように見えた。そして今回は血の演出はなく、ハリーナップが首を吊って死んだと暗示されるシーンがあり、実際後のシーンでは「どうしてハリーさん死んじゃったんだろうね」と遺影が持ち込まれた。そして部屋から出て行った堀川理緒、最後にひとり舞台に残った小駒豪にも色濃く死のイメージがあった。

稽古期間を考えると、演出家と出演者が顔を合わせて数ヶ月と言うところか。出演者個人の本質と、演出家が提示した演出プランには、どのようなやりとりがあったのだろう。見る、見られるの関係。いろんな感想を読んでみたが、本当に皆違う。そもそも演者、演出が違うところ、そこには観る側の意識も介入するので、本当に同じ作品(名義上は)を観たのか?と不思議になる程。姉妹と母親と言うシチュエーションがあったり、飴屋さん本人が出た回もあり、演出内容に具合が悪くなり途中退場しようとする観客もいたそうです。そしてこれは出演者もスタッフも予想してなかっただろう、日曜日の上演中に地震があった筈。この時はどう進んだのかな。

演者の持つ身体と、それを今日迄育てて来た環境、バックグラウンドをそのまま舞台で活かすのが飴屋さんの演出だと思うのだが、それは案外“その時その場でしか出来ないことをやる”筈の“演劇”の本質であり乍ら、実際は相容れないものでもあるように感じる。(自分でない誰かを)演じるのが演劇だからだ。しかし公演として奇跡的に成り立っている。このマジックは何なんだろう?これからも飴屋さんの舞台仕事は結構観る機会があるようなので(嬉しい)、このことをずっと考え乍ら観ていくことになると思う。

うーん、もっと観たかった。と言うか、本当は全ヴァージョン観たかった。

終演後、音響卓から立ち上がった飴屋さんが「楽日なのでカーテンコールをやります」と、全公演の出演者(来られないひともいたそう)を呼び込んだ。あ、さっき荷物を預けた男の子だ。そういえば受付では前回観た時出演していた女の子が対応してくれた。列整理をしていたり、アナウンスをしていたひとたちは出演者だったんだ。

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■原宿
夜来ることなんて滅多にないので、スカパラの青ちゃんが好きだったお店でごはん食べようかと久々に行ったらなくなっていた。しんみり

■青年団
今回の脚本を書いた多田淳之介さんといい、サンプルといい、青年団から出て来た若手が今後手強そうだと言う話をする。まあ自分が気付くのが遅かっただけだが…アゴラ劇場や、平田さん絡みの芝居に行くといつも大量のチラシ束を渡されて、独自でいて精力的な活動をやっているのは伝わっていたが、なかなか足を運びづらいところもあった。しかしそうも言ってられんのではないか…話題性のあるキャストで派手なものも面白いけれど、正直疑問もある公演も多いので、ここらへんは注意しておきたいなと。
多田さんは『3人いる!』以降演出に専念しており、脚本執筆はしていないそうだ



2009年08月09日(日)
『SUMMER SONIC '09』3日目

当日券でお昼から。パエリア買ってマリンに入りました。このパエリア、フジに出ているお店とは違うところだったけど、えびがきまえよくごっろごろに入っていてうまかったー。

えびの殻をむくのに夢中になっていたらエレカシが始まりました。いきなりの「待つ男」で殻をむく手も止まるっちゅうねん、喰ってる場合じゃねー。これもすごすぎて笑ってしまうわ、痛快。なんだか気を遣ってMCしてるような感じもしましたが、唄い出すともうね、独壇場。いやーよかったー。

そのままマリンでKEANE、RAZORLIGHT、ユニコーン、NE-YOを途中迄。

KEANEのトムめちゃめちゃ灼けてた、真っ赤。デビュー当時の印象しかなかったので、痩せてて驚く。雰囲気も変わったねー。でもボクイケてる!ってステージアクションはまんま微笑ましく、そしてたくましくなった感じ。歌声はやはり美しい。ボウイのカヴァー「Under Pressure」よかった!

レザライから雨の降りが強くなる。機材トラブルもあったのか、ちょっと苦戦してた様子。ヴォーカルの子はちょっと神経質になっていたように見えた。

ユニコーンはすごい盛り上がったー。先日の武道館では聴けなかった“西川さんが叩く”「すばらしい日々」を聴けて嬉しかったな。「それでも君を思い出せば そんな時は何もせずに眠る眠る」「君は僕を忘れるから そうすればもうすぐに君に会いに行ける」。涙腺崩壊。

NE-YOはショウマンシップ溢れる内容で一見さんにも優しく面白かった!おねえちゃんダンサーズもエロくて素敵であった。

ここでメッセに移動、ごはんを食べてTHE FLAMING LIPSをフルで。ステージ後方のスクリーンに映し出される、サイケ映像の全裸で踊るおねえちゃんがおまたをひろげると、そこからメンバー登場。そしてウェインは透明な風船に入って出てきましたよー。そのまま観客の上へ。うまく行けば観客の上を歩けたんだろうけどそうもいかず(前の方はひとが殺到して将棋倒しになり、結構危ないことになってたそう)、わっしょいわっしょいされたウェインよつんばいで生まれたての仔鹿のよう(笑)ようやくステージに戻ってくると上空から無数の風船、紙吹雪、そこで「Race for the Prize」!!!もう泣くっちゅうねんうえーん。

しかし風船から出てきたウェインは乗りもの酔いしたか(笑)歌がへろへろで爆笑。たまらん。

で、妖精やら妖怪やらがステージに左右にわらわらいて演奏するメンバーを見守ってたんだけど(NARUTOもいたらしい。マジか(笑))下手側にいた赤いいがいがした子がちょうかわいかった。けど途中でいなくなっちゃった。どこ行ったの。そして近くにいたこどもがぬいぐるみたちを見て「こわい!」と泣き出し、苦笑した親に連れ出されていた…わかる、わかるぞ。私もひとの入ってるぬいぐるみあんまり得意じゃないよ…最近はその面白みが判ってきたけど。なんか怖いよねおおきいぬいぐるみって…。この辺りになるともう無礼講で、撮影してるひといっぱいいたけど止めるスタッフもいなかったなあ。

「The Yeah Yeah Yeah Song」も「Fight Test」もピースフル。「Yoshimi Battles〜」では大合唱とはいかなかったけど笑顔で唄ってるひと多数(すまんヘイヘイしか唄えなかった)。ピースサインを掲げたのは何の曲だったかな。ウェインはおセンチさんで、愛と平和について一所懸命話していたし、日本のファンへの感謝や賛辞を沢山言葉にしてくれた。「ビヨンセやってんのにこっちに来てくれてありがとね」とも言ってた(笑)

そうそう、中盤大きな風船が大きな音を立てて割れちゃったのね。その時ウェイン歌の途中だったんだけど苦笑して「Yes!」って言ったの。そこにハッとしたし、ジーンときた。まあウェインは合いの手くらいのつもりで言ったのかも知れないけど。物が壊れても、何かがダメになっても「Yes!」と言えるようでいたいなあ。

いやはやいろいろありましたけどなんかもー大団円って感じで満足して帰ってきましたー。来年行けたらチケットなくさないよう気を付けます…。



2009年08月08日(土)
と言う訳で

サマソニ2日目はチケットを確保出来ず、その他ふんだりけったりに遭いしょぼくれて帰ってきましたよー。まあ今日はスペシャルズの為だけに行くつもりだったんだが…あとトムトムクラブね。てかこんなことなら木曜日の単独行っておくんだったよスペシャルズ………(バタリ)

あ、あとジョーン・ジェットも観たかったんだった。

なんかもー絶望した!自分に!

で、帰ってきたらNIN台北公演がキャンセルになってて驚いた。どうしたの…丁度今大阪やってんだけど。日本で単独やらないからって台北公演行くひと結構いるんだよね…ど、どうすんの………



2009年08月07日(金)
『SUMMER SONIC '09』1日目

いや何がビックリしたかって、自分が3日間通し券を紛失したことだ。

あきれた!自分に!

その落胆以外はガッツリ楽しんできました。

しかしリチャの「Beep Street」ほぼ完コピにはビックリした。例のごとくステージ上は真っ暗で演奏者はシルエットだけだったので、え、ひょっとしてあそこにいるのリチャじゃなくてトムだったらどうしようとか思った(笑)あとあのふるいのかけかたな!それでも残った客にはあんな仕打ちな!(大笑)いやもうホント頭おかしいわこのひと。

NINに関してはもういろいろと感無量でございます。あの稲光ーひいー鬼神がおるでえー

後で書き足します。

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と言う訳で、自分の分だけでなくつれの分(こちらは1日券)迄失くしたんですわ、チケット。なんかイヤな予感はしてたんだよなー…こないだのパスケースじゃないけど、「失くさないようにしなきゃ!」て二週間前に思ったんだよ、わざわざチケット入れてる封筒確認して別にしといたんだよ。まーそこ迄やって失くしてんだから世話ないわ。

5万ちょいドブに捨てたようなもんだ……いろんな意味で痛い。幸いだったのはTATiさんの分のチケット代金は受け取ってなかったことと、カード払いだったんでポイントがついたことくらいか。当日券が出ていて助かったよ、自分はともかくTATiさんはNINの為に岐阜から出てきてたんだよ!肝を冷やすとはこのことですよ…あーよかったーーー!!!

いやはや皆さんすみませんでした……(どげざ)

マウンテンのPHOENIXからスタート。なんか今日(書いているのは土曜日)の大阪はWトーマスが揃って高熱出してキャンセルになったそうで…TAHITI 80は雷雨で中止になるし、呪われてる……(泣)しかしこの日のフェニックスはよかったよーちょっとしか観られなかったのが残念。「Too Young」はやったのかなあ。聴きたかったー。

マリンに移動、スタンドでじっくりBOOM BOOM SATELLITES。いやはやすごい気合いの入りようでした。盛り上がっていたし、新しいファンが増えるといいー。ポンチさんに「ちょっと、中野の服見て!」と言われオペラグラスを渡される。見るとにゃきゃにょがスカート履いててビックリした(笑)似合うやん。まあそれはともかく、マリン規模のとこでやっても映えてました。yokoさんのドラムはまあこれから慣れていくと思います…自分の耳がね。yokoさんのドラム格好いいですよ。

で、WAVE GOODBYEのNINE INCH NAILSです。セッティング間サッシャが例の「トレントがマイケミ喰ってやる発言」を引き合いに出して「マイケミ好きなひとー!」「NIN好きなひとー!」とおそろしい煽りをなさったんですが(笑やめれ)マイケミの時は「きゃああああ(黄色い)」、NINの時は「うおおおお(のぶとい)」の歓声でございました。トレント黄色い歓声じゃなくてごめんな(笑)その後もサッシャが「NINの楽屋の衣裳クロークはオバQみたいに同じ黒い服ばっかりだった」とか言ってて、もうこっちもハイになってるもんだから何を言われてもゲラゲラ笑う始末です。てかもうね、ハイつーか緊張するやらセンチになるやらで忙しかったんだよ!

そんでまあアリーナはどんどん黒くなっていきます、NINTシャツが黒いから。空も暗くなっていきます、いい感じです。しかしちょっと雲が多いのが気になる…数十分後にあんなことになるとは。

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セットリスト

01. Somewhat Damaged
02. Terrible Lie
03. Heresy
04. March Of The Pigs
05. Closer
06. The Frail
07. I'm Afraid Of Americans

08. Burn
09. Gave Up

10. The Fragile
11. The Big Come Down
12. Wish
13. Survivalism

14. The Hand That Feeds
15. Hurt
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トレントの上半身がこないだの来日時より更にムッキムキになっているのに笑い、1曲目でもうキーボードぶっ倒したのを見て笑い、2曲目でギターぶん投げたのを見て笑い、マイクスタンド放り投げるのを見て笑い。そしてトレントがロビンのマイクスタンド迄ぶっ倒して、飛んだマイクがロビンにあたったように見えたのだが気のせいか…またロビンに生傷が!と笑い(ひどい)。いやね、あんまりすごいものを見ると笑ってしまうんですわ。いやもう…あんだけ暴れといて音がよれないのもすげえわ。ヴォーカルもセンテンス間は肩で息してて、間をとってる時マイクを通してハァハァ言ってんのが聴こえて、観客から歓声と同時に笑いも漏れ、どよめいておった。「大丈夫?」って感じじゃなくて「おい全力じゃん、すげえな」って感じ。そんな状態で音をぶっつけられたらこっちも全力で聴きますがな!

そしてやはり音響がいい。前回来日時とはメンバーも代わり4人、Key専任がいないのでDrsのアイラン以外全員鍵盤ものを使い(追記:「March Of The Pigs」のブレイク部分のピアノはアイランが弾いていたそうです。ひいすごい)、それに合わせてアレンジも変わっている。コンパクト、シェイプアップされた分全体の音の鳴りも前回のサマソニよりシンプルになったとは思うんですが、でも前回も音よかったもんなあ。ハウりがないのは当たり前、豪雨や雷鳴の音も被り乍ら、それが効果にも聴こえてしまう程の轟音なのに音の分離が判るし、そのひとつひとつの音の形もハッキリしている。で、そのひとつひとつの音の形ってのが、あんま曲線がないみたいな(笑)でも「The Fragile」や「Hurt」ではひんやりしつつも熱を持った曲線があったような…まあとにかく演奏される曲に没頭出来るものでした。

そう「Heresy」辺りから雨がぽつぽつ降り出して、しまいには雷雨になったんです。ステージから目を離したくなかったんだけどあまりにもすごくなってきたもんで、ちょっと後ろに移動。あんまり違いはなくて(笑)最終的には全身ずぶぬれになりましたが。アリーナの端っこに水たまりが出来、そこでヤケクソになった客のスライディング大会が始まっており、それを観てまたゲラゲラ笑う。いやもう楽しいやら何やら…でも「The Fragile」では思わず泣いちゃったさー!でも雨が降ってるからどっちにしろ化粧も溶けてどろどろさー!

そんで雷がもー照明か?ってくらいビッカビカに光りまして、スタンド後方に稲光の線(なんつーのあれ、あれだよ絵に描いたような雷だよ)が夜空にバッと走ったのはもう何あれトレント何やった!?と思う程の効果であった。ちょっとこれは一生忘れられなさそうだわ……鬼神は雷も操りますよ。え、てことは風神雷神?雨の中「Hurt」ではアリーナにライターの灯がぽつぽつ浮かんで美しかったなあ。

あ−そんで前回のメンバーとは違うんだわああと改めて感じたのは「Gave Up」でロビンのあの妖怪コーラスを聴いた時だったわ。生で聴いたの初めてだったんで…わああ、あの声だああ!と思った。感動した。

あーあと「I'm Afraid Of Americans」聴けて嬉しかった。いろいろと楽しいセットリストだったー。

以下ロブんとこの動画から「Burn」。雨すげー。



トレントが「日本で最後、いや東京で最後のライヴだ」みたいなことを言ってしょんぼりした。いやあ、でもいろんな意味で思い出に残るライヴでした。

全身ぬれねずみでメッセに戻りKasabianをちら観、ソニックに移動してAphex Twinで〆。おお、ソニックビッシリです。オープニングでスクリーンに日本語字幕(カタカナ)でメッセージが流れましたが早くて読み取れず。ウチュウカラキマシターセンソウガドウノコウノとか言う感じの。

前回観たエレグラの時は肉ばっかり喰わされる鍋みたいだったが、今回は野菜多めだったかな。むしろ野菜多過ぎみたいな(笑)踊らせるもんかっつうような悪意も感じた(笑)踊りましたけど。つんのめりビートとミニマルビートを交互にゆったりと言う感じ。そんで飽きたひとたちがどんどん抜けて行く。この辺り迄は映像もかわいめだったのね、例のくまちゃんとか過去のアー写加工ものとか。まあそれでもまだまだ客はみっしりで、ようやく踊れるスペースが出来たくらい。そこにお見舞いされた終盤の映像は死体に手術にスカトロものでした。流石だ……。

で、前述のように途中SQUAREPUSHERの「Beep Street」をやりました。やったっつうより音源そのまま流した?ここがいちばん盛り上がったような気がする(笑)「Windowlicker」も盛り上がりましたがほら、すぐ切っちゃうから。マイケル・ジャクソンの曲(「Rock with You」だったそうです)の断片も鳴らしてた。他にも自分の曲じゃないやつをいろいろ流してた。面白かったー。

あ、あと映像で折元立身氏の作品流れたよね?知ってるもんがいきなり目に飛び込んできたのでビックリした。

踊った+人口密度が高かったので多少身体はあたたまったものの、服が乾かず寒い!サマソニであったかいものが食べたいなんて思ったのは初めて、魚出汁のラーメン食べました。う、うまかった……。お昼は宮崎県出身者として(笑)チキン南蛮丼食べた。ああちゃんとチキン南蛮だったよ!(意外とないんだこれが)南蛮一枚盛り二枚盛りグループ盛りとかあったんだけど、一枚でも充分なボリュームでした。お値段も良心的だったー。



2009年08月04日(火)
『NO MARK vol.20』とか

■何の予兆か判らない
この1ヶ月で井口昇さんに3回遭遇している。いずれも演劇や映画と全く関係ない時間、場所。流石にどういうことなんだこれはと思う。このまま続くと『中野の友人』みたいに手を振ったり会釈したりするような間柄になるんだろうか。え、それってちょっといい話じゃない?

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『NO MARK vol.20 ―UNIT 5th ANNIVERSARY SPECIAL』@UNIT

ありそでなさそなと言うより結構珍しいメンツ、どういうイヴェントなんだっけこれ?とチケットもろくに見ずに行ったんでした。UNIT5周年おめでとうイヴェントだったー。おめでとうございます。

遅刻してkamomekamomeは4曲くらい。格好よかった!わーヌンチャクのひとのバンドだったんだー。柏がホームなので、東京のこんなオッシャレーなところでライヴするなんてえとか言っていた(笑)機会があったらまた観たい…。

激混みでセッティングが見えないよ、次はどっちかな?年功序列?じゃあトリはイースタン?そうそう昨日『レッドクリフ』のイヴェントでフー・ジュンが来日したんだよ、41歳なんだよ、ええそうなの!?50代だと!いやでも格好いいよねなんて話をしていたらeastern youthの面々が出て来ました。

途中吉野さんが「俺も41歳なんだもんで疲れるから休憩させて〜」とか言ってヒィとなる。ええチバくんとタメ!?いやでもフー・ジュンともタメ?若いのか老けてんのかわかんねー!(無礼)いやそれ以前にイマイさんとかもいるのになんでバースデイの方が若いと思ってしまうのか…まあヒライくんが平均年齢下げてはいるけど。あっそういうことじゃなくて、バンドとしての年齢だよ!イースタン長いもん!わあごめんなさいごめんなさい。

ベテランと言ってもいいけれど、ベテランと言うには落ち着きなどない、いつでも全力。でもね吉野さんが「俺たちはずっとこのままやっていく」と言った時は、チバくんの前のバンドのことやらを思い出してしんみりした。ずっとこのままやっていくには誰かが死んだらダメなんだよ、まずは皆が元気で暮らしていくことだよ。皆さん身体にはホント気を付けて。

自分の前に外国人のグループがいて、とても楽しそうに観ていました。吉野さんのオモロMCの時はちょっと固まっていて、周りのドカンドカンな笑い声に「何言ってるんだろう…」って感じでキョロキョロしていたのを目にして、自分が外タレのライヴ行ってる時こうだわあと思った(苦笑)「砂塵の彼方へ」(!イントロのティリリリ…てギターが鳴り出した途端にどよめきが)が始まった時にキャーってなった子がドーンと飛び込んでって、そのグループのひとりにぶつかったんだけど、そのひと結構イカツイ感じのひとだったのね。イタリア人みたいな。なのに「きゃあっこわーい」みたいなビックリした仕草してたのが微笑ましかった。フジの野外ステージで虫に飛んでこられて「きゃああっイヤーッッッ!」て飛び退いたニールさん@PSBを思い出した(笑)

新曲もあったし、「いずこへ」や「夏の日の午後」、「街はふるさと」も聴けて嬉しかった。ニノさんのメタル魂を見た気がした(笑)そしてタモさんの髪型がどうなってるのかよくわからんかった…あれはサイドを撫で付けてるの?これからリーゼントみたいになるの?どの曲か忘れたけど(…)ちょっとインプロな展開な間奏があって面白かったです。

と言う訳でトリはバースデイ。ここ半月でチバくんとキュウちゃん周辺にはいろんなことがあり過ぎたので、正直不安もあった。実際、気のせいかも知れないけどチバくんもキュウちゃんも小さくなったように見えた。痩せたと言うより…いや痩せたのかも知れないけど……なんか、服ぶかぶか、みたいな。チバくんもいつもよりは声が小さかったように思った。まあそれも、普段が格段にデカいので、普通の「小さい」ではないのですが。しかしそこでちょっと驚いたのは、今回結構間近で観られたんだけど、チバくん唄う時全然力んでないんだね。それであのデカい声が出るってのにビックリした、今更乍ら。

あ、そういえばクマさんも痩せてなかった?どこを見ている…いやだっていつも見るじゃんクマさん、バースデイのライヴでは。

そんなチバくんでしたがフロアからの歓声に「やかましいな」と毒づいたり(笑)「UNITって、ごっごしゅうねんなんだってさ」(こんな時にも噛んでいる)とか言ったりしていてちょっとホッとした。バースデイのライヴって結構陽性なのでね。それでも「涙がこぼれそう」や「アリシア」はいつもと違って聴こえて(まあそんなのはこっちの都合なのだろう)思わず下を向いた。

奥迄目が届かず、セッティングが変わったらしいと言うキュウちゃんのドラムは見えなかった。セッティングの時やたらエフェクトかけた音を試していたので(BBSの時の平井さんくらい。何するねんとか思った)何か変わった曲をやるのかな、と思ったけど、そうでもなかった(笑)全体の音がデカいので、自分のいた位置から聴こえなかっただけかも知れないけど。

あ、あと今回キュウちゃんのハモりがよく聴こえてよかったな。やたらと歌が伝わって、その分グッときた。

終わってからバースデイってなんだかんだでずーっとライヴしてないっけ、ツアーもだけどイヴェントとかこまめに出ているよね。余計なお世話だけど、一段落ついてガクーッと来なければいいけどと話した。

で、帰宅してもらったフライヤーを見ていて、イースタン特集の『FOLLOW UP』(ディスクユニオンが作ってるフリペ)を見て腰が抜けた。



2009年08月01日(土)
『3人いる!』、『墨・彩』、motk

『3人いる!』@リトルモア地下

役者3人、登場人物約9人。役者名=役名×3。
上演中は空調が止まります。暑くなるのでご注意を。

旧知の友人に、「明日お昼に海岸で待ち合わせね」と置き去りにされたような60分。お昼って何時?海岸のどこらへん?しかし当日になると、何故か会える。

演劇における想像力を逆手にとった作品です。確かにこの脚本(多田淳之介@東京デスロック)はすごい。そして飴屋さんの演出って何がすごいか説明出来ないけれど、どうしてすごいのかのヒントがちょっと見付かったような気もします。自分が自分であることを証明し得ない不安定さ、それを自覚すること。自己からの乖離と他者への同一視の往復。

必見。あとで書き足します。

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この日の出演者は(登場順)桜木彩佳、上村梓、立川貴一。全員1986年生。

桜木(桜木)が自室で電話をかけている。そこへ桜木(上村)が帰宅してくる。ふたりとも驚き、どちらが本物の桜木か言い争いになっているところに桜木(立川)がやってくる。

演劇には、演者と観客との間に暗黙の了解=共犯関係がある。舞台設定はここ、この登場人物の性別はこうで、年齢はこのくらい。どういう状況にいる。これらを想像力で補完する。例えばセットが何もなくても音響でさざ波が聴こえてくれば「ああ、ここは海辺なんだ」、蝉の羽音が聴こえれば「季節は夏だな」、照明がオレンジ色だったら「夕刻だな」、と言う感じ。これはいちいち意識するものでもない。

桜木が2人になった時点で、観ている側は「ああ、これはどちらかが偽物であるミステリ的な展開、あるいは個人の区別がつかなくなっていくSFのような設定だな」と了解し、それをこの作品を観るにあたってのルールと想像する。しかし実際に目の前で起こることは、その想像を悉く潰していく。桜木が2人の時点では「桜木は女性。演じているのは女性2人」。まず個人の識別感覚を奪われる。立川演じる桜木が入ってくると「最後に入って来た人物は男性だけど、女性である桜木を演じているんだな」。ここで性別の識別方法がなくなる。この時点では、登場人物はひとり、演者は3人。

混乱した3人は、最初の桜木が電話で話していた上村の家へ行くことにする。その間上村演じる桜木は舞台上でメイクを落とし(役が入れ替わると言うことより、自宅にいる=お出かけメイクを落とすことに比重が置かれているようではあるが、これもひとつのフックだろう)自宅の部屋にいる上村になる。そこへ桜木演じる上村がやってくる。そして立川演じる上村も入ってくる。この時点で登場人物ふたり、演者は3人。そのうち桜木の元カレ立川の情報が台詞に入ってくると、立川は立川役になる。この時点で登場人物3人、演者は3人。

ところがそれでは治まらない。立川は立川と上村を演じ始め、台詞の応酬のうちにそこには桜木も同居していることに気付かされる。それは上村も桜木も同様で、最後には3人で9人分の役を演じることになる。立川は「貴一は俺でしょ?」と自分を指差し、「梓はあんたでしょ?」と自分を指差す。桜木は上村を「梓でしょ?」と指差し、「梓梓」と自分を指差す。

ルージュで壁や顔に落書きしたり、出血する(流石にこれは血のりだが)シークエンスがある。顔を識別し個人を特定する視覚と、声で個人を識別する聴覚が無効になっているので、信じられる肉体を使った感覚が触覚に限られてくることを表現しているのかも知れない。勿論それも曖昧になっていくのだが。

驚くのは、これだけ“鑑賞する方法”を奪われ続けても、観ている側の想像力が尽きないこと。誰が誰を演じているか判らなくなることがないのだ。ん、ちょっと違うか。誰が誰であることを際限なく許容し続けられると言えばいいか。“観られる”し、“楽しめる”。自分に限ったことではない。人間そのものの力だ。そしてこれは60分の上演時間が上限だろうとも思わされた。45分くらいでもいいのかも。肉体的疲労が集中力を奪っていくので、観る側が舞台上で起こることに「ノレる」状態であり続けるには限界がある。ここには人間の想像力は無限にあり乍ら、身体(これには肉体としての脳味噌も含まれる)から離れられないと言う絶対的なルールがある。

飴屋さんが表現し続けていることは、ずっとこのことのような気がする。自分は自分のものでしかないが、それを証明するものは何ひとつない。あるとすれば、自分の身体を自分のものだと自覚することと、それを他者に奪われないようにし続けること。キャスト表とプロフィールを見ると、役者を職業にしていたり、演劇を学んでいるひとは全体の4分の1くらい。あとはフリーターだったり、学生だったり、会社員だったり。年齢もバラバラだ。名前から予想するに(これも曖昧な識別方法だな)女性キャストのみの日や、外国人が参加する日もある。この日観た限り出演者のプロフィール(学校はどこ、サークルに入っていた等)が反映されていたようなので、内容も毎日違うだろう。

多分全員が違和感なく舞台に立てる。違和感なく他者を演じる。現在を捕まえ、それらが存在する場を作る、「ただ、ひたすら見る」演出家の仕事はここにある。

エキサイティングとすら感じる展開の早さと観る側の順応力(自分にビックリするで)。決して文章では説明しきれないので、是非実際に観てほしい。12日迄上演しています。

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恒松正敏 新作展『墨・彩』@ポスターハリスギャラリー

『ハゲタカ』で鷲津ルームに飾ってあった絵の原画と、その連作を観ることが出来ました。本編では殆ど映ってなかったから嬉しかった…。セットに飾られた原画と一緒にポーズを撮る鷲津=おーもりくんのスチールも2枚。サさんが「こんなシーンあったっけ?」と訊くので「ないっすよ!本編には殆ど映ってなかったっすよ!(悔)」とこそこそ話す。この『ハゲタカ』シリーズは“彩”パートで、青のバリエーションで構成されたもの。ダークであり乍ら鮮やかな色彩でした。

“墨”パートは、チャコール、コンテ、ガッシュで描かれたさわがにやなまず、かえるやかめ。わあ、かわいいよ?恒松さんの作品で無彩色なものってあまり観たことがなかったので新鮮でした。わあーこのシリーズの画集が出ますように…原画は手が出ません……。

音楽を担当した『美代子阿佐ヶ谷気分』のパンフレット等も置かれていました。意外なところでおーもりくんと水橋くんが同居していて嬉しくなった。

恒松さんご本人もいらしていて、来場したひとと気さくに話していました。ギャラリーにはギターも置いてあった。

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お互い夜の予定迄時間があったので、センター街でお茶しつつ「いやあ、本人に『どのシーンに(絵が)映ってました?』って訊きたかったんだけど、失礼かもと思って…」「訊かなくて正解(ブルブル)それに元フリクション=ちょうおっかねえってイメージがあって……」「あるある!東京ロッカーズ!」「ニコニコしてたけどやっぱりこわいー」「歳とってまるくなってるのかも知れないけど、やっぱりねえ」「そういえばこないだ面影のトークショウでアッキーが町蔵に怒られた話してたよね(笑)」「意外と(失礼)礼節を重んじる…」「そういやDRIVE TO 2010どうする?」なんて話をして、さて行きましょうかねと席を立った時パスケースを紛失しているのに気付く。

憶えはある…ギャラリーのトイレに入った時だ……手を洗う時に置いて「忘れないようにしなくちゃ」って思った。そこ迄気にしといて何故忘れる。半年分の定期+クレジットカード等も入っていたので真っ青。サさんと別れてギャラリーに引き返す。置いた場所になくてますます青ざめ、受付の方に訊ねようとギャラリーに入ると、「ああ!」と出てきたのは恒松さん。なんと、恒松さんが預かってくれていた……。

「定期が○○○(最寄り駅)だったから、あなただろうと思ったんだよね」。芳名帳に住所を書いたので、それを見てくれていたようです。「ハゲタカの絵を観に来たの?この展覧会のことは何で知ったの?」。いやまさか会って話すこともないだろうと思ったんで記帳した時はげたかの絵を観られて嬉しかったですーて感想を書いたんだよ……ぎゃーはずかしい!!!

恐縮するやらはずかしーやらですっかり挙動不振になりつつ(…)『百物語』が大好きなことと『白痴』の美術が素晴らしかったですと言うのは話した。動転していたので『百物語』を観たギャラリーの名前が思い出せず「神田の!」と言ったら「丸の内じゃなくて?」。「いや…神田だったと…15年くらい前で…」とか話す。帰宅して調べてみたらアートスペース美蕾樹だった。デルタミラージュと混同していた……。

いやはやすごくいいひとだった…穏やかな素敵な方でした……おっかねーなんて言ってすみません。でもやっぱりビビッていたので『百物語』の画集を初版でサイン入りで持ってます!とは言えなかった。有難うございました……。

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mouse on the keys@Shibuya TOWER RECORDS STAGE ONE

と言う訳で15分程遅刻。あああ、序盤は何やったんだろう…。
この編成で観るのは初めて。川崎さんがドラムに専念するようになり、ピアノ×2、sxとtpのクインテット。sxの根本さんってhununhumのひとだ、今日気付いた(…)
あーなんかこの編成ならうぬうとひっかかることなく曲を楽しめます。格好いい。来月のO-EASTが楽しみです。

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2Fでアベくんの追悼コーナーを見て帰る。アベくん有難う、絶対に忘れません、聴き続けます。