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2008年07月30日(水)
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』

『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』@新宿ミラノ1

いやあ、劇場で観るの初めてですよ…嬉しい。今回のヴァージョンアップは、監督曰く「劇場公開時映画館で観ていないひとが多い。もう一度劇場作品としてこの映画を生まれ変わらせたい」との狙いがあったようです。新作カット追加、色味の変更、音響のリニューアル(台詞の新録、音楽・SEの再構築、6.1ch化)。「前作とは別作品と捉えている」そうです。とは言え、比べてしまうのが性。

イントロと潜水シーンの草薙、空撮カット、エンディングの街並辺りがまるっと3D・CG化。街並の方はすっごくよかった。拡がりといい光源の強さといい、デカいスクリーンで観れてよかったー。しかしイントロの草薙のカットは…特に、光学迷彩をまとった草薙が笑みを浮かべ乍ら消えるあの有名なシーン。あのカットに衝撃を受けまくった者としては、すっごいショックで。もう全然違う、悪い意味で(泣)あまりにも「があーん、こういう風に変更するか!」と呆然としてしまい、その後のオープニングシークエンス(草薙の義体が組み立てられていくシーン)はあまり憶えていない……。いや、光学迷彩をよりリアルに表現した場合、こういう見た目になるのかも知れないけど、でも……。草薙のあのニヤリとした表情も殆ど見えなくなっていて残念。その後のカットとの繋がりにも違和感がある。背景等はうまく馴染むけど、キャラクターの3D・CG化は、既存のカットとバランスがとれていない感じがしました。

それは色調にも言えて。暖色系になり『イノセンス』との繋がりを意識したようですが、これもちぐはぐ。そりゃそうだ、前のヴァージョンの色調が残っている部分もあるのだから。

台詞は新録だけでなく、声優さんの変更もありました。人形使いが家弓家正さんから榊原和子さんに。あとゴミ収集車のおっちゃんも変わってたかな。人形使いが男性から女性の声に変わっていたのはまあ…これはこれで面白かったのですが……口調も女言葉になっていたのにはううーん。見た目=ボディが女性なのに、そこから発する声、言葉遣いから性別の判断がつきかねるってところが、人形使いの得体の知れなさ、不気味さを出していたと思うので。人形使い、草薙、バトーの三角関係と言う図式も曖昧になったように感じた。

今迄見たことのないものを見た衝撃、なおかつ映像としての美しさ、強さを、最初のヴァージョンがどれだけ持っていたか逆に気付かされる結果になりました。3D・CG化って、よりリアルな画を追求するにはいいんだろうけど、この作品にそれはさほど重要ではなかったということなんだろうか。前述の光学迷彩のシーンは、前よりリアルになっている筈なのに、映像としての魅力があまり感じられなかったのです。

と言う訳で、2.0と言うならいっそのこと全てのカットを3D・CG化してみればいいんじゃないと思いました。そしたらまた違う印象を持つかも知れない。今回のは…うーん……1.2、くらいじゃないかなと………。

と、エラいブツブツ言ってますがスクリーンで観られたのはホント嬉しいんですよー!音響も映画館で観てこそだったし。音はホントすごかった。銃のSEの迫力なんて、もういちいちビクビクして聴いてた。古いミラノ座ですらこうだったので、最新鋭の音響施設で聴いたらもっとすごいんだろう。そしてこうなると最初のヴァージョンも劇場で観たくなります。併映してくれないかな。とりあえず『2.0』はミラノ座以外の劇場でも観てみたい…そして当然『イノセンス』ももう一度スクリーンで観たくなる。タイミングを合わせてリバイバル公開中なのでなんとか行きたいなあ。

ストーリーに関して全然書いてないけど、それは最初のヴァージョン観た時に散々考えたので今更書く気にならん……。やっぱりよりどころになるのって記憶だなーうううーとかそういうあれですよ(笑)ゴミ収集のおっちゃんのエピソードは何度観ても狼狽する、狼狽した自分にまたおろおろする。あのシーンがいちばん悲しい。

それにしても劇場公開は13年前。「ネットは広大だわ……」、この台詞は現在ますますリアル、すごい。



2008年07月29日(火)
フジ小ネタ

■食べたもの
お店の名前は憶えてないのでエリア別。
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1日目:
・おにぎりと豚汁セット(オアシス)
昨年〆に食べておいしかったとこ。会場着くなり食べた(笑)今回は鮭と梅、やっぱりうまいー。相変わらずおにーさんひとりで握りっぱなし。昨年と同じひとだ。交代要員はいないのか、火傷しないのか、腱鞘炎にならないのか。いつ見ても行列だった
・パエリア、フレッシュレモネード(ワールドレストラン)
パエリア、具が増えてないか…炊きあがりのタイミングにもよるだろうけど。魚介のだしがよく出ててうまいー
・もちぶた串焼/塩胡椒、ブルーベリー(オアシス)
例のとこですな。今回はタイミングがよかったのかそんなに並ばず買えた。ブルーベリーは凍らせただけのやつなのにやたらうまかった
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2日目:
・ソーセージ(ストーンドサークル付近のアイリッシュバー)
岩塩効いててうまかった
・グリーンカレー(オアシス)
からーうまー
・あさりトマトスープパスタ(場外駐車場)
これかなり当たりだった。具も麺も多い!味もしっかりしてる!夜食べるとあったまるー
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3日目:
・朝霧シチュー(アヴァロン)
なんかうすくなってないか…たまたまかも知れないが。でもうまかったーい。つけあわせって前はパンだけだったように思うけど、ごはんかパンか選べるようになってた
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あとドリンクものをちょこちょこと。ヘヴンで売ってたぶどうジュースが濃くてうまかったー。こざる(カール)がアイスクリームアイスクリーム♪(rez/cowgirl)連呼してたのでアイス食べたくなってたんだけどタイミングを逃した…売り場に行こうとした途端にどしゃ降りになったりとかで(泣)そしてヘヴンの窯焼きピザと冷やし桃が食べられなかったのが残念。

そういえば気になったものが。オアシスでもやし山盛りの丼持ってるひとをやたら見たんだけどあれは何?もやしの下は麺?ごはん?それを両手に持って笑顔で駆け寄ったら「なんで2つも買ってくんのよ!」「食べると思って…」「こっちでも他のもん買ってくるって言ったじゃない、責任とって食べてよね!」と嫁に怒られシュンとするダンナと言う光景を見た。ちょっと可哀想だった(笑)

■オモロもの
・ダフ屋
毎日入口付近にいるのでいい加減顔を憶える。刺青だらけおっちゃんがいたんだけど、このひと眉毛も刺青なんだよーアイブロウ要らず
・マッドマックスみたいなの
これ昨年いたギャートルズとおんなじひとたちかな?装備が増えてて重そうだったよ(笑)
・ホテルの朝食バイキングでにくだんごばっかりとって親に怒られるこども
・やよい軒のTシャツとリュック姿の集団
喋ってる言葉が日本語でも中国韓国語でもない。東南アジア系の顔立ちでした。団体旅行で来たのかな。でもなんでやよい軒?

今年も楽しゅうございました。



2008年07月28日(月)
帰ってきたどん

はー洗濯も掃除も終えてすっきりだー。フジから昨日最終の新幹線で帰ってきました。おいおい該当日に書き足していきますどん。

本編以外のおぼえがきをちょこちょこ。

・1日目は下にいりびたり
・2日目はうろうろ
・3日目は上にいりびたり

・行きと帰りに面白いことが
・とんぼがいなかったなあ、今年。毎年帽子にとまられるのが楽しいのにー

・webで評判だったので買ってみた日本野鳥の会のバードウォッチング長靴が大当たり!足首部分が柔らかいので疲れないし、持ち運びも楽だし、晴れてる時には裾を折り畳んで短く出来るし、勿論雨が降れば大活躍。次回からはもうこれ最初から履きっぱなしで行こうかな

ベストアクトは…やっぱり、マイブラかなー。



2008年07月27日(日)
『FUJI ROCK FESTIVAL '08』3日目

最終日だー。シャトルバス乗り場に清志郎の歌声。来年じゃなくてもいいから、ゆっくりしっかり治して戻ってきてほしい。
ふらふら散歩しつつまた奥地へ。

■SEASICK STEVE(FIELD OF HEAVEN)
有機ビール売り場でだらーんとしてたら、見知らぬ外国人のおっちゃんが「ほら、シーシック・スティーヴが始まるぞ」「俺は一昨日クリスタルパレスで観たんだが素晴らしかった。観た方がいい」と英語と日本語を交えて懸命に話し掛けてきたので観ることに。これがよかったー。ブルーズマンのおじいちゃん。弦を3本(1本のもあったかな)しか張ってないギターやその他珍しげな楽器を紹介し乍ら演奏して唄う。曲間にはぐびぐび角瓶(多分ジャック・ダニエル)をラッパ呑み。酒灼けしたような声も楽器も年季が入ってて格好いい。踏み鳴らす足もリズム楽器。全身で音楽を演奏する。
気付けば前方でさっきのおっちゃんが両手を振り上げて喜んでいる。よかったなあ

ヘヴン周辺のお店をうろうろ。このエリアは服や小物なども売っているのです。フェアトレードのお店ですんげいかわいいカーディガンを見付ける…ど、どうしようこれはいい!いやいやフジハイになってるだけかも知れないから落ち着け、持って帰るの面倒じゃん、いや小さくたためばウェストバッグに入る筈……とりあえず頭を冷やそうとアヴァロンに降りてごはん、3日目のみ参加のMIOさんポンチさんと落ち合う。携帯って便利だねえ(と言いつつ持たない)。ここらへんから雨が降ったり止んだり。酒呑みが増えたので、ヘヴンに戻って有機ビール呑み比べを見物したり、おやつをもらったりする。ソイルの社長がテレビの取材を受けている。スーツ以外の格好初めて見た。なんだ、私服のセンスはいいんじゃん!(暴言)ニット帽似合っててかわいかったです。

そしてまたカーディガンを見に。まだある…これは連れて帰れと言っているのでは…サさんに「作りしっかりしてるしこの価格でこれはおトクだ」、MIOさんに「ユー買っちゃいなよ〜」、ポンチさんからは優しく「これはかわいい〜」と言われ…買ってしまった……。フジで服買ったの(バンドTシャツ以外)初めてだよ!まあそれくらい今年のフジはまったりしていたと言うことでしょうか。

■J.A.M(FIELD OF HEAVEN)
カーディガンを無理くりウェストバッグに詰め込んでいるうち雨が大降りに。あの丈青が観客を心配そうに窺っている、気遣いを見せるMCをする…似合わない!(笑)
しかし演奏となるとやはり切れ味鋭い。手数多くて軽やか、モタらないけど決して走らない。やはり巧い。
中盤からはアッパーナンバー連発で、ずぶ濡れで踊り倒すひと続出。楽しかったー

あちこちに水たまりが。出店が手際良く側溝を作って水はけをよくしている、慣れてる。ぎゃー雷がすごいよー。

■ELLEGARDEN(GREEN STAGE)
先入観があり過ぎたのか、ヴォーカルさんとその他3人の間に深ーい溝と言うか温度差があるように感じました…。ヴォーカルさんが楽しそうにすればする程悲しくなってくる。曲がまたせつなくてなあ。
演奏自体はよかったし曲もよかったー。観れてよかった。前方はすごいことになってたな。観客から湯気があがってた。天神山で観たRATMを思い出した

■NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTET(ORANGE COART)
早めに着いたら雨が降っているのにすごく綺麗な夕焼けが拡がっていた。写メってるひと多数。
そのうちステージ上から「Monkey Mush Down」が。ええ!?よく見たらスタッフかと思っていた合羽集団はメンバーでありました。リハやってる。駆け寄ってみると、菊地さんは白いシャツにハーフパンツ、その上にビニール合羽。モニタの返りを確認しつつ、ラフに演奏する「Monkey〜」と言う貴重なものが聴けました。坪口さんがシーケンサーのチェックを何度も繰り返していた。それにしても珠也さんは私服でもこええな(笑)類家くんはカーディガンとか着ててかわいかったどん。こんなかわいいコが戦車に乗っていたのか……(いや乗ってないだろう…海上自衛隊の音楽隊所属だったとのことなので、戦車じゃなくて戦艦には乗っていたかも知れない(笑))
苗場食堂では本番も私服だったそうで。ああ観たかったなあ。しかしステージに上がりきったんだろうか、坪口さんはエレピでコンパクトにまとめてるようですが、木村さんの姿が見えません)
本番ではバッチリスーツでキメて出てきました。雨はまだ降っている。「山にスーツ、似合わねえと笑おうぜ〜」とか言ってたのに、そのスーツ族を眺めてるこっちは合羽族。ステージ側から見ればこっちのが笑えるわな…サさんがネタに例のうちわを持ってきてたんだけど(笑)出すことも出来ません。すごくシュールな光景に…くそお、山に似合わないスーツのヤツらを笑う気満々だったのに(何しに来たのか)
3曲しか聴いてないのに曲順が思い出せないダメっぷり。やはり疲れていたのか。「Orbits」「Dub Liz」「Betty-Go-Round」だったか…確認のためCD聴きなおしたらますます判らなくなった……もう別モノなんだもん忘れもするわ!(逆ギレ)いやはやそれにしても聴く度違う、あたりまえと言えばあたりまえだが。ソロもバッキングも、キー以外はフリーとすら言えそうだ(笑)リズムも生き物のように変化する、と言うかもはや変態。アブノーマルのほうじゃなく形態の方。
duoで聴いた時よりはブレイクからの入りが予想通りで、なおかつテンポやリズムがストレートだったので付いて行けた。バラバラではあるんだけど、それぞれのアタックがハッキリしていて倍数が掴みやすかった。鈴木くんを主に見ていると、どう動いていくかが判断出来る程度ではあった。かなり判りやすくやっていたかも知れない。ここらへんは場を意識してのことなのか、単にノリなのかは判断つかない。「Dub Liz」後半のリズムの変化っぷりはすごかった。
3曲目の終盤に差し掛かった辺りで、隣のヘヴンから爆音が。しかもラッパーの声がデーカーいー。こ、これは厳しい!ステージ上のメンバーも半笑いになっていたように見えたが気のせいか。「(I've Lost My)Taylor Burton」らしきソロ(そうもはやソロすらも化けまくっているので瞬時にどの曲と判断しづらい)が始まったところでタイムアップ。ああっこの曲がまたどう化けるかすごく興味あったのに!最終の新幹線の時間が迫っています

■LEE 'SCRATCH' PERRY(FIELD OF HEAVEN)
おめえ誰だよ!と帰り道見たらそうでした、リー・ペリーでした…(笑)あの後どうなったんだろうオレンジ……

■THE BIRTHDAY(GREEN STAGE)
ホワイト過ぎた辺りからもう音が聴こえてくる。やっぱこのバンドの音はデカい…声もデカい……。帰り道のBGM、贅沢

シャトルバス乗り場に着いて真っ青、2時間待ちとのアナウンス。そういえばこの時間に帰ったことはなかったな…翌日仕事のひとも多いだろうし…それにしてもヘッドライナーを観ずに帰るひとがこんなに多いとは予想してなかった。おいどうするよ、絶対間に合わないよ。タクシーとか走ってないかしらん歩きつつ、新幹線に乗り遅れた時の対策を練りつつ、こりゃーネタになるなと半笑いでとにかく歩いてみる。いや歩いても間に合いませんて。

こう書いてるとなんかノホホンとしてますが、現場では結構青ざめてましたよ(笑)とりあえず宿を仮押さえしてもらったり、MIOさんたちに「帰れなくなったら呑もうぜ〜(呑めないけど)」とメールしてもらったりする。携帯て便利だね……。

そうこうするうち、先方にご迷惑がかかるかも知れないので詳細は書けないが、カール・ハイド似のおっちゃんに出会って越後湯沢駅迄車に同乗させて頂くことになった。うへえ有難うございます(平伏)ホームに着いたの10分前。いやー焦った。シートに座った途端おなかが空く、トイレ行きたくなる。緊張のあまり身体の機能も止まっていたようです。疲れきってぐうぐう眠る他のフジ帰り客の横でがつがつ車内販売のいかめしを喰う。おなかが落ち着くと途端に眠くなって寝る。わかりやすい……(笑)

と言う訳で無事帰ってきました。いろいろあって面白かった。そういえば今年はホワイトステージ1つも観なかったな。アヴァロンも。



2008年07月26日(土)
『FUJI ROCK FESTIVAL '08』2日目

うーむ、何回来てもシャトルバスの時間が読めない。eastern youthには間に合わず、残念。やっぱり苗場泊は便利だよねえ。でもメンツで行くのを決めるので、宿を早く押さえられないのだ。

さて上の方へ行きますか。ボードウォークは涼しくていいねえ、飾りも毎回楽しみです。夜がまたいいんだここ。

■PARA(ORANGE COART)
何か好きそうな気がする…と寄ってみたら、あれー山本精一さんがいるではないですか。で、思い出した。PARAって山本さんとチャイナさんがやってたユニットだ。最初はなんだっけ、違う名前だったよな(調べた。Partieだ)。
実は前日フィーダー(ドラマーさんを亡くしている)を観た時、チャイナさんのことを思い出したりしていた。チャイナさんが亡くなって、山本さんは羅針盤を解散、と言うか止めてしまった。羅針盤は歌を伝えるバンドだった。
PARAはキーボードがメロディをとって、リズム隊とギターのリフでグルーヴを組み上げていくような感じかな。爽やかな昼の野外に合っていました

更に奥地へ。ストーンドサークルでは既にセッションが始まっています、てかここずーーーっとやってるんだよね。小さな楽器も売ってるのでふらりと寄って参加していくお客さんも多いよう。新しく出来たエリア、キャバレーフィエスタは模造紙で七夕っぽい飾りつけがしてあるところが手作りな感じでかわいいよ。メキシカンなおっちゃんやエロいダンサーさんが踊ったりしています。ホント好きにやってるエリアだなー(笑)

ドッグランのいぬ(5匹くらいいた。コーギーちょうかわいい)を見ていたら緑のジープがやってきた。しば犬が降りてきた、わードン吉だ、日高さんだー。日高さんはドッグランにドン吉を預けて行ってしまった。残されたドン吉は寂しかったのかいきなり粗相をし、係のおねえさんが悲鳴をあげていた(苦笑)

隣のアイリッシュバーみたいなとこでしばしだらだら。ここ飲み物をちゃんとジョッキやグラスで出してくれるんだよー。食べ物もおつまみ系ばっかりだ!すっかりのんべえエリアです。

■鈴木慶一 / Captain HATE and The Seasick Sailors feat. 曽我部恵一(ORANGE COART)
ぽつぽつ降ってきたところで「雨は、今日も、やみそうにない」てのがニクい!キーボードのねえさんとのかけあいヴォーカルもいい。ソカベさんはバリのおめん(なんか、こういうの)に似ているなあ。で、山本さんが飛び入りで1曲。楽しかった!

■ASIAN DUB FOUNDATION(GREEN STAGE)
「フジ6回目!」「最初に出た10年前、ここにいたひといる?」いたいた、ここっつっても豊洲だけどな。ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのことを話したのも憶えてるよ。あの頃はディーダーがいたなあ。
と言う訳でディーダー在籍時のアルバムしか聴いてないので知らない曲ばかりでしたが、「No Fun」のカヴァーやったりして踊れて楽しかったです。後任(て、いつ迄も後任とか呼んでちゃいかんがな…)MCのひと、不肖宮嶋と勝俣を足して2で割ったような顔だなあ。どこを見ているんだ

■ザ・クロマニヨンズ(GREEN STAGE)
チラ見。いや〜変わらないなヒロトもマーシーも。雅裕さん(ヒロトの弟の役者さん)はほっぺがちょっと落ちて柔らかい顔になってきてるけどヒロトは体型も顔も変わらんね…今では雅裕さんの方がお兄ちゃんに見えなくもない(笑)
過去のバンドの曲は一切やらないけれど、それぞれに印象に残る曲がある(熱心なリスナーでもないのに知ってる曲の多いこと!)ってのもすごいな

■ザ・トリオ de フォークジャンボリー(苗場食堂)
山本精一+不破大輔+佐々木彩子。しかしクロマニヨンズの爆音で殆ど聴こえません。これは気の毒だった……。すごいギャラリーだったので遠巻きにしか観れなくて、耳をそばだてるも断片しか聴こえてこない。ううー。途中で諦めてごはんへ。
翌日、近くを歩いていたひとからその後慶一さんが飛び入りしたと聞いてガーン(泣)そして山本さんがグリーンの音のデカさに激怒していたらしい(苦笑)

■TRICKY(RED MARQUEE)
逆光で殆ど見えませーん!が、そこに浮かび上がるトリッキーのシルエットは神々しくて素敵でござった。アッパーなナンバーはなかったのでひとの出入りが激しくちょっと落ち着けませんでしたが、まったり聴けてよかったです

■PRIMAL SCREAM(GREEN STAGE)
わあ今日はやる気があるよボビたん!CSSのラヴフォックスたんが飛び入り、彼女と一緒にかわいらしく踊ってニヤニヤするボビたんと言う貴重なものも観られた。あのデレデレ顔はなかなか見れませんぜ。
そしてマニはゴキゲンであった。いつもか。「マニー!」と声が飛んだら「今どっから呼んだ?」みたく手をかざしてきょろきょろ見回して、ぶんぶん手を振るの、かわいー。いいひとだ。
新譜からも結構やった。「Beautiful Future」は「(オレンジでやってる)マーク・スチュアート&マフィアに捧げる」と言っていた。
結構アレンジ変えてるものも多くて、バンド編成でやれるようにってのが見え隠れするのがちょっとうーんと思ったけど、これはこれで面白かった。
終盤は定番曲をドドンと。「Movin' on Up」は嬉しかった!「Loaded」は翌日にやったそうだ…(泣)

■UNDERWORLD(GREEN STAGE)
セッティング中どのタイミングでスパークスに行こうかと相談していたんだが、ステージ上や袖にデカい白い風船がみっしり詰められて行くうちに、あれは見たいよな…あれが降って来る曲が終わったら移動しようと言うことに。昨年の幕張でもやってたようだけど、これをグリーンの広さで観られるって、かなりいい光景になりそうだ。
しかし、内容はうぬぬぬぬー。最近のアンビエント色が強い曲も好きだけど、なんか組み込み方が身体に馴染まないと言うか…踊れるけど寸止めされる箇所が多くてかなり消化不良。「Pearl's Girl」をあれだけしか使わないのも寂しい。キックも手動で合わせてるみたいだけどこーれーがー合わないんだー。おかあさん(リック)がんばって!とか思う。こざる(カール)はいつものごとく元気でありました。
しかしなかなか部分部分しかアガらず…持続しない。曲順がアレなのかな?そして近くに絶対何か喰ってるだろおまえって馬鹿や陸上競技で使うスタートピストルを地面に撃ちまくる大馬鹿がいた(マジで!すげえ怖かった!)のでいやなグルーヴ略してIGが蔓延してくる…この感覚は知ってるぞ、ヤバいなーそろそろ退散しようかなーと思いつつ踊っていたら、風船が降って来たー!うわーすごい大量、こんなにあったのか!やっぱり残っててよかった、今年のベストシーイング。満足して移動

ボードウォークすっごい綺麗!照明もミラーボールも灯籠?も。ところ天国の森に映された光を観るのも好きー。ステージ以外にも、夜のフジにはいい景色が沢山。ワールドレストランやヘヴンのろうそくも綺麗だよねえ。

■SPARKS(ORANGE COART)
おお盛り上がっている!既に佳境でありましたが、それでも5〜6曲は聴けたかな。ポップでフリーキーでキッチュで変態。そしてオペラでハードロック。
こないだの来日公演でも使っていた映像を駆使しつつ、新しいネタもあり。そう思わずネタって言っちゃうんだけど(笑)オモロいなあ、かわいいなあ、そして音が若いんだよねえ。ロン兄今年還暦ですヨ!ラッセルも元気、跳ねる踊る。声もまあ元気(笑)最後の方は流石に高音苦しそうだったけど、本人もとても楽しそう。最後は兄弟揃って挨拶したんだけど、ロン兄が無表情乍らもなんかジーンと来てる風でゆっくりお辞儀をしていたのにはこっちもジーンとした。弟は「またすぐに会いたい!すぐ日本に来たい!」と言っていたので、近いうちにまた単独来日が実現するといいな。
その後の演出がまたよかった。スクリーンに過去のアルバムジャケットが映し出される。傍らに跪いたロン兄が、それにライターで火を着ける仕種。ジャケットは燃えてしまう。何枚も何枚も続く。30年以上も活動している彼らの作品はこんなにあるんだ。ほんのちょっとしか聴いていないし、来日公演も今回含めて2回しか観ていないけど、彼らはずーっと作品を作り続け、ライヴを続けていたんだなあ。それを全部燃やしてしまう。そして最新作だけが燃やされない。彼らの心意気を見たようで、これにはグッと来ました。
オーラスは「Suburban Homeboy」。よかった(涙)

案の定最前にいたヘイチンに声を掛けた後、「兄ちゃん見てるともすけさんを思い出す…」「私は嶋田久作を思い出す…」「順番が逆じゃね?」と笑い乍ら帰る。途中アンダワで降らしてたデカい風船をもてあましている集団を見掛ける。持って帰るつもりだったんかい(笑)



2008年07月25日(金)
『FUJI ROCK FESTIVAL '08』1日目

今年はサさんと一緒。そのサさんがいきなり新幹線に乗り遅れる(笑)チケット全部サさんが持ってたので仮チェックインも会場に先に行くことも出来んがな。まあとりあえず次の東京からの新幹線が着く迄ぶらぶらしよう…と越後湯沢駅近辺を散歩。駅前の温泉珈琲とプリンの喫茶店がよさげだったんですが…ここってフジに温泉珈琲出店してるとこと関係あるの?
そうこうするうち次の新幹線が来た、改札1箇所しかないので簡単に会えた。出発〜。

■SPOON(RED MARQUEE)
体調悪かったので薬飲んでたんだけどそれが今頃効きやがった、どろどろに眠い。
ああ〜でもいいなこれ。キーボードの音色含め演奏はちょっとなつかしめな感じ。でもギターの音がデカい。そしてヴォーカルの声がいい。メロディもひとなつこい。試合運び(試合言うな)も巧い。ひとが段々集まって来る。最後はかなり盛り上がりました。
見掛けが綺麗目なのでUKの新人にも見えなくもないけど、実はキャリアも長く苦労人だそうです。それであんなに瑞々しい音を出しているってなんかすごいなあ。好印象

■GOSSIP(RED MARQUEE)
ひともだいぶ増えてきました。今回は4人編成、サポートでベースが入っていました。
ギターのガレージ感が薄れて、レイヴ寄りな…これはUKでニューレイヴとしてブレイクしたことを意識している(逆説的に、かも知れないけど)のかどうかは判らないが……フェスでのツカミには効果的だったのでは。もともとあるグルーヴ感がより増して踊れる踊れる。折しも夕立ち、雨宿り的にレッドに入って来る客も多い。みるみるフロアは満杯に。ふらっと来たひとに「おお、なんだこのバンド!?」と思わせるに充分なインパクト、キャッチーさでした。
それにしても試合巧者(だから試合と言うな)だ、退屈させない、隙がない。ヴォーカルのベスは相当暑かったのか1曲目終わった途端にひっこんで、黒のボディスーツ姿で戻ってきました。その後もタオルを頭に巻いてみせたり(当然その夜の風呂あがりに真似が流行る(笑))曲間もアカペラで「Smells Like Teen Spirit」や「Like a Virgin」を唄ったり。頻繁にステージから降りる。巨漢巨漢と言われるけど実は相当小柄。すぐ見えなくなる。伸びやかでパワフル、そしてキュートな歌声だけが聴こえて来る。ホントこのひとの声の力はすごい、ますますひとが集まる。「コニチハー!フジー!」「ゲンキデスカー!(猪木?)」って日本語MCもかわいかったなあ。
「Standing In The Way Of Control」での大合唱はすごかった。いやーよかった。次に単独来日した時はひとが沢山来るといい!

■THE VINES(RED MARQUEE)
GOSSIPが終わるとどっとひとが入れ替わり、フロアは段々異様な雰囲気に。ギターのサウンドチェックが始まる。すんごいひずんだ音。うわー、来たー。
クレイグの病気(と言うか。どう言えばいいのかな)のこともあり、殆ど諦められていたような再来日が実現して、期待と不安が入り交じったような緊張感。出てきた時の歓声はすごかった!悲鳴、どよめき、笑い声。クレイグ笑顔、元気そう。様子もまあ大丈夫そう。「Highly」でスタート。途端にドッ、と言うような大歓声。飛び跳ねるひと、食い入るように見つめるひと、泣いてるひと。いやー…よかった、よかったねえ。
クレイグは上下緑。ホント緑好きだねー。似合う。途中シャツ脱ごうとあたふたしてるうちに曲が始まって、ヴォーカルパートが始まっちゃうところで脱ぐのを諦めてマイクへ向かう、律儀(笑)そのままどうやってシャツがひっかかってんのか判らない半裸状態で曲を続ける。
まあそんな訳でクレイグの一挙手一投足にハラハラしながら観た。何の曲か忘れたけど頭を撃つようなアクションをした時にはドキッとした…(泣)でも笑顔も多かったのでホッとしたり。最後ギター壊したりドラムに突っ込んだりして、やるとは思ってたけどヒヤヒヤした…そんなん心配して観るよーなもんじゃねーだろー!何やってるんだ自分。
でもライヴはとてもよかった。
1曲が短いので盛り沢山、20曲近くやったんじゃないか?「Get Free」での大合唱はすごかった。アウトキャストのカヴァーもやりました。あとミュージック(同じような時期に人気出たんだよね)の話もしてたな。オーラスは「FTW」。
思うように活動出来ない時期もあったようだし、これからも心配なことは多いだろうけど、マイペースで音楽が続けられるといいね

雨止んだー。降ってる時まるまるレッドにいたので合羽も出さずに済んだ、ラッキー。一旦ごはんを食べに出てハイパーメディアクリエイターのDJをチラ見。そしてまたレッドに戻る(笑)

■FEEDER(RED MARQUEE)
レッドトリですよー!タカさんの右目の上に大きなガーゼ。ど、どうしたの!?
どうやらこういうことらしかった。おだいじに…。
しかしタカさんは元気でゴキゲンだった。「フジロック4回目!」「本当にいいフェスがあって幸せ。スマッシュの社長もえらいけど、一番えらいのはオマエらだからな」と言っていた。終盤には汗でガーゼがとれちゃってた。大丈夫だったかな。
で、また観客がいい感じなんだー。あったかいと言うか。優しさがあるバンドに優しさがある観客。とてもいい雰囲気。
今日は天からのおくりもの声を沢山聴いたなあ。グラントの甘くて切ない声で「七つの子」唄われたらたまらんぞ(笑)困惑と笑い声を交えて大合唱です。こないだのヘドウィグライヴでジョンが唄った「赤い靴」を思い出した(笑)
最後迄聴きたかったけどここらで早退。すまん!

■outside yoshino(苗場食堂)
吉野さん泥酔です。歌はちゃんと唄えてるけど、刃物のようなギターも弾けてるけど、MCがもう何言ってっか判りません。ん?これは普段のライヴでもそうか?(笑)
ラストに「夜明けの歌」。ここで聴けてよかったな。しみるー

グリーンから轟音が聴こえて来る。走る。

■MY BLOODY VALENTINE(GREEN STAGE)
ホントにホントにマイブラだ。本物だ。演奏してる。動いてる。ホントにあの音だ。あーでもちょっと音小さいな。いやいやんなこたあこの際いいや。ノイズに埋まっているヴォーカルが時々浮かび上がる、そしてまた溶けていく。これだ!
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セットリスト
01. I Only Said
02. When You Sleep
03. You Never Should
04. Cigarette In Your Bed
05. Come In Alone
06. Only Shallow
07. Thorn
08. Nothing Much To Lose
09. To Here Knows When
10. Slow
11. Soon
12. Feed Me With Your Kiss
13. You Made Me Realise
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なんかもーツチノコを見るような雰囲気ダダ漏れで、前の方はどうだったか知らないが、私のいた周辺は盛り上がってんだけどそれが上手く表現出来ない状態になってた。すげーんだろうなと思って見たツチノコのホンマモンはやっぱりすごかった、と圧倒されてる感じ。皆イントロが始まる度に「おおお…!」とどよめきですよ。ケヴィンがサンキュー言うたら「しゃ、喋った…!」て呟いたり。曲が終わってもわー!じゃなくて「おお…」て呟く、ため息を漏らす。で、凄過ぎて笑けてくるのか「あっはっはっはっ」って声があちこちから。盛り上がってんだよ、でもそれをぎゃー!とかわー!で表現出来ないの。
で、時々「ビリンダ…!」て呟きも聞こえてくる(笑)そうビリンダちょーかわいかった…白のピタT、膝上5cmくらいのミニスカ、黒のロングブーツ。仕種もいちいちかわいい。微笑みを浮かべてトレモロ轟音。く、狂ってる。
『LOVELESS』中心のセットだったけど、『ISN'T ANYTHING』からもやってくれて嬉しかったな。「Soon」「Feed Me With Your Kiss」「You Made Me Realise」の流れはもうナミダもの。「Soon」のイントロ鳴った時は流石に大歓声が起きました。そうなのよ気持ち的にはすんげー盛り上がってんだけど外に出せなかったんだよ!
そんなこんなで楽しいやら嬉しいやら感無量やらで思うところは沢山あったけど、「You Made Me Realise」に全部持ってかれた感じだ…20分のノイズの洪水。音量もケタ違いにデカく感じる。最初小さいなんて思ってすみませんでした。途中ケヴィンのギターがトラブッて、ノイズが途切れる箇所もあったけど(そしてケヴィンは意に介してないようだった)なんかもー一生分のトレモロを聴いた気分。いつ終わるんだろうと思いもしたが(笑)この轟音がいつ迄も続いてほしいとも思った。音に包まれる感覚。幸せだった…このまま身体浮いて飛んでけないかなーとか思った……(大丈夫か自分)
きっとアンコールはないな、もうこれで終わってもいいやと思い始めた時、絶妙なタイミングで曲に戻って来た。この瞬間はたまらなかった、鳥肌が首の後ろに迄立った。ゾワー!ぎゃーとも言えず「わっ、うわわわっ!!!!」と叫んじゃったよ。背中にうなぎ入れられたようなリアクションをとってしまった(笑)。これはノイズの20分がないと、ライヴでないと味わえない感覚。そしてこうやってライヴで観ると、リズム隊のすごさがよく解った…。てか、こんなに巧いひとたちだったっけ?(笑)特にコルム。ノイズタイム中ずっと叩きっぱなし。これで轟音に起伏が出来る。体力的にもすごい。
夢のような75分。ビリンダが笑顔で一礼して帰って行った

もう呆然です。オレンジの電気@オールナイトフジ観たかったけど気持ちが戻ってこない。そしてオレンジで電気て無茶だろ、今から行っても絶対入れないなと諦めて宿へ。露天風呂でぼんやり星空を眺める。はー、本当にマイブラ観れたんだ……。



2008年07月22日(火)
ひとにたよる

自分で何を書いてるか判らなくなった時は、信頼しているブロガーさんとこの感想を読みに行きます。

■Bobbidaさんの『菊地成孔ダブ・セクステット@渋谷duo music exchange』
「(I've Lost My)Taylor Burton」の終盤迄全く流れが掴めなかった理由が解ったようなー(まあボケーッと聴いてたのもあるが)。そうそう、テンポすら分からなかったんだ、これ。
うちわ、既にウチには2枚あります。昨日は渋谷の街中でこれ使ってるひと見た。こんな形で菊地さんの姿を見ることになろうとは…(笑)

■peatさんの『sisters』
はああ、スッキリした!有難うございますー!
今回の「台詞の洗練度合い、言葉の美しさ」は、本当今迄の長塚作品とは違うと思ったところでした。『LAST SHOW』の時、鴻上さんが「舞台に上がっているものを観ると納得するけど、戯曲だけだとそれが伝わらない部分がある」と言うようなことを言っていた。頷きつつも、長塚くん言うところの「プロレス的なもの」があるからこその舞台だとも思っていて。上演台本があると了解した上で観ている筈の観客が引き込まれる舞台。「ワタシ」の登場シーンでの、観客席に溢れた驚き、笑い、悲鳴が入り交じった声と異様な空気は今でも忘れられない。
今回は、松たか子と言う女優を得たことで「美しい言葉を駆使してもなおプロレス的な舞台が作れる」と長塚くんは思ったのかも知れない。しかし、そこであの言葉を奏でられると言うのは……。正直、長塚くんの書く台詞を美しいとリアルタイムで思ったのは初めてだった。
そしてここで補足しますが、私が感想で「泣いた方が楽なのだ」と書いたのは、役者の表現方法にも繋がる。あのシーンは泣いた方が、雰囲気としては伝わりやすい。しかし松さんはそうしなかった。しっかり台詞を、言葉を伝える方法を選んだ。演出からの指示も有り得るが、これ迄の松さんの舞台での表現方法から考えるに、本人の演技プランだろうと思える。
ハイレベルな脚本をハイレベルな役者が表現する。舞台の上に火花が散るような、なかなか観れない“すごい”作品です、行かれる環境にある方は是非観に行ってください

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と言う訳でかなり『sisters』に持ってかれ、連休はボケボケと過ごす。

■にちようび
初めてバスに乗って上野へ行く。はしゃぎ過ぎて車酔い。『バウハウス・デッサウ展』@東京藝術大学大学美術館を観るも、おえーとなってるので集中出来ず(バカ)。しかし面白かった…建築セクションもよかったが、食器や文房具等のプロダクトものもよかったなあ。帰りに上野公園でねこと遊んだりしてるうち熱中症みたくなる(バカ)

■げつようび
東京ザヴィヌルバッハ VS stim@Shibuya O-NEST。ゴセッキーが「僕のお師匠さんがふたりもいるバンドと対バン出来るなんて、もう!」とかキャーってなってたのが微笑ましかった。しかしstimも格好よかったぞ。6拍子の曲がお気に入り。
はーやっと新編成のTZBが観れました。現在のメンバーは坪口昌恭(key)、三沢泉(per)、numb(elc=リアルタイムエフェクト)、菊地成孔(ts、ss)。5月のスーパーデラックスではVJも入っていたそうですが、これは毎回ではないのかな。
菊地さんは今回アルトは使ってなかった。CDJもなし。その分numbさんがエフェクトでCDJも使ってたような。
坪口さんの配線(Mね)を聴く趣もありますが、percが加わった分踊れると言うか、分かりやすくなったような印象でした。ちゃんと構成がある感じ。いやちゃんとって言うのも失礼な話だな…即興部分が見えやすくなっていると言うか。saxパートがよりハッキリしていた。
こちらでは掴めない共通のリズムをメンバーがそれぞれ刻んでいくうち、その公倍数みたいな部分があるタイミングで見えて来る、その瞬間がたまりません



2008年07月19日(土)
『sisters』とか

『sisters』@PARCO劇場

あ、抜けた。吹っ切れた。長塚くんの現時点での最高傑作ではないだろうか。そして集まったキャスト、誰も替えが利かないと思わせられる。他に誰があの役を演じられるだろう?松さん、杏ちゃん、哲司さん、まことさん、梅沢さん、鋼太郎さん。すごい座組になった。松さんの声が、強烈な存在感が、断然活きている。技術的なことは無論。

松さんが噛んだの(たった一箇所だが)初めて見た…それ程手強い作品だったと思う。一歩間違うと戯曲としてしか成立しないのではと思わせられる程の物語のおぞましさ、同時に言葉の美しさ、それを伝える難しさ。ストーリーに役者が喰われかねない。相当の強者でないと演じられない。それは他の登場人物もそうだ。

効果を含め、演出も素晴らしいです。女優たちの脚がどんどん白くなる。体温が奪われていくのが目に見えて判る。ショッキングな場作りは今回ありません…あ、一箇所あるかな。でもスプラッタな要素はありません。それでも恐ろしい、美しい、悲しい。

以下バッキリネタバレします。観るつもりの方は、以下は観る迄読まない方がいい。先入観を持たずにその場で起こることを目に焼き付け、台詞のひとことも漏らさず聴き入り、そしてひとりきりで考えた方がいい。美鳥が言うように、それは「ひとそれぞれ」なのだ。





父親からの性的虐待を受けたこどもがその後どうやって生きていくか。「虐待者からの見えない手はずっとついてくる」と言ったのはティム・ロスだが、こどもたちは肉体的なことだけではなく、精神的にも支配される。そしてロスは「その手を断ち切ることは出来る」とも言っている。さて、それはどうすればいいのか。

長塚くんの作品には、あの時あのひとがあの場でああ言えたらよかったのに、と言う願いのようなものを叶えてくれるキャラクターが登場することが多い。『LAST SHOW』で言えば「ワタシ」の存在がそうだ。生まれることの出来なかったこどもが、自分の母親に暴力を振るった男を叱りつけることが出来たら、自分の母親に感謝の言葉を述べることが出来たら、どんなにいいだろう。今回は馨がそれにあたる。しかし、実際にはそれは起こりえない。「ワタシ」が思いを母親たちに伝えられるかは現実的には難しい。そして、馨がそれを伝えたかったのは、礼二ではなく自分の父親なのだ。いつも間に合わない。それでもそこには一瞬だが光が差す。カタルシスと言ってもいい。カタルシスは、馨が三田村を刺す幻覚にも現れる。

終盤馨と美鳥の、そして馨と礼二の対決が待っている。どちらも理詰めで相手を喝破しようとする。しかしそこには間違いなく感情がある。感情を備えた理論なので、圧倒的に説得力がある。それは感情論じゃないか?と思うのはちょっと甘い。その感情の在り処を、馨は言葉でひとつひとつ発掘していくのだ。序盤に「言葉では判らない」と言っていた馨が、だ。そしてそこには、注意深く倫理が折り込まれている。これがなければ救いようがない。どちらが正しいんだ?と観ている方も感情が何度も揺れる。馨は、礼二は偉大で、誰とセックスするよりも幸せで気持ちいいと言う美鳥に、それはすりかえられたものだと丁寧に、しかし強烈なグロテスクさを持って示していく。そして馨は礼二に、こども=私が、(それには自覚的でない)美鳥が、どれだけ傷を受け、苦しんだかを伝えていく。泣きわめいたりはしない(泣いた方が楽なのだ)。怒鳴ったり大声は出すが、はっきり、相手に解るように、“おもちゃ”にされたひとりの人間の思いを伝える。

馨は礼二に「キチガイ」と言い放たれる。では、そのキチガイを生んだのは誰なのか?馨は、美鳥にもある感情の在り処を自覚している。

そこには恨みのようなものは希薄だ。乾いている。恨んでも何も元には戻らないからだ。諦めたり、記憶を封印すればいい?ところがそうすると必ず綻びが出来る。ずっと苦しむ。苦しみの原因は自分を置いて先に消える。残されたこどもは、どうやっても親から逃れることが出来ないままだ。

最後には倫理などでは到底納得させられない結論が出る。そこには悲劇ではなく恐怖が残る。だから観客は信助に救いを求める。信助お願い、馨を守ってあげて。馨についていてあげて。「最後迄食べると決めたから」と言ったことを信じさせて。起こったことはもうなかったことには出来ない。それ以前には決して戻れない。傷は絶対に、絶対に消えることはない。それでも光を残してほしい。信じる、助ける。単純かも知れないが、信助の名前はそれだけでも光を感じさせる。

「言葉では判らない」と言った馨に、「それでも言葉で話さないと何も伝わらない」と言ったのは信助だ。信助の存在によって、馨に何か変化があったと思うのは甘いだろうか。勿論何も解決はしない。信助の最後の台詞「帰ろう」に安堵し、それを受けた馨の感情のないような「はい」と言う返事に凍り付いた。何度でも言う、傷は決して消えない。傷を抱えた人間が光の方へ向かってくれるように、ただただ祈るしかない。見えない手を断ち切ってくれ。


2週連続でベストワンクラスをふたつも観てしまった。

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『愛流通センター』@Q-AXシネマ 2

朝はこれ。水橋研二くんが久々にガッツリ観れる作品です。初日で舞台挨拶もあり。いい役だったよう。

水橋くんはBREATHから独立して今はフリーになられたそうです。公式サイトも出来ました(teru☆さんMIOさん教えてくれて有難うー)



2008年07月17日(木)
ひやむた、きくち

■冷牟田さんがスカパラ脱退
理由が理由なだけに、なんて言えばいいのか……。
事故前も事故後も見ていたけどやっぱりショックだ

そういえばレピッシュ10周年の時、ブリッツ2daysでスカパラとバクチクと対バン予定だったのが、バクチクはあっちゃん(未だに素でこう呼ぶ)が病気でキャンセル、スカパラは治療中(つうかこの頃はシャレにならないレベルで、復帰なんて言葉すら出ない時期だったように記憶する)だった冷牟田さん抜きの編成だったんだよね。お祝いのようなイヴェントだっただけに、しょんぼりしたものだった。

自分も含めてだけど、歳もとるし身体も弱るし。無理にがんばれとか絶対言えない。寂しいけれど、本人が考えた上でのことならば、これからも元気で、としか言えない。冷牟田さん、自分のことを重荷だなんて言わないで。今迄有難う。これからも出来ればいい音楽を聴かせてね。まずは治療に専念してください。

今日の夜はNKDS@duoです。後で書き足します。

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と、ものわかりのよさそーなことを書いたものの、時間が経てば経つ程「こないだのNHKホールが最後だったのか…」「ホーンの脱退って雄平以来じゃん…18年不動だったのに……」「オリジナルメンバーが抜けるの、青ちゃん以来だ…」「9人で続けるってことは、アルトのパートはどうなるの?」「アジりは?」「いやそういう音だけの問題ではなく……」とどんどんロウになる。重い足取り(まあ夏バテもあるが)で渋谷へ。フジの話などもし開演前に場が沈む(苦笑)

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NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTET@duo music exchange

そんな訳で序盤はぼんやり気味、「類家くんパーマとれてる〜」「菊地さん痩せて顎がトガッてる〜」とかどうでもいいことに目が行き、変則リズムの中から芯を探し当てられずボケーッと聴く。あかん。「(I've Lost My)Taylor Burton」終盤のTsソロにアタリを見付けてようやく集中。まあこれは自分の都合ですな……。

セカンドアルバム『DUB ORBITS』リリースライヴってことになるのかな、オールシッティングとオールスタンディング、2パターンで魅せます。本日は初日のシッティング。duoに椅子、意外と快適。ここステージ低いからね。

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セットリスト

01. Orbits(Wayne Shorter)
02.(I've Lost My)Taylor Burton
03. Koh-I-Nur
04. Susan Sontag
05. Invocation
06. Dub Sorcerer
encore
(MC)
07. Monkey Mush Down

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3月に東京キネマ倶楽部で観た時より、メンバー皆さんリラックスしてる感じでした。曲間も前回よりは余裕があった。ソロはTp→Ts→Pfの順で回すパターンが多かった。類家くんの音はスモーキーで格好いいなあ。坪口さんは今回現代音楽みたいなフレーズ多用。キネマ倶楽部でやったようなサンプラー使いは少なめ(皆無だったか?)、ピアノの単音使いが多かった。

基本菊地さんのサインでフレーズの繰り返し数とかは決めているけど、アイコンタクトも多い。鈴木くんと坪口さんがよく周りを見ていたな。ふたりはやたらニヤニヤしていた(笑)鈴木くん楽しそうだったなあ。反面演奏の方はすごい緊張感です。ここらへん頭と身体が完全に分離している感じ。頭が冷えて醒めている程手がスピーディ、スムーズ、パワフルに動くようでした。こうなってくるともうミスなんて有り得ない領域。降りた!と思える瞬間がずっと続く。「Susan Sontag」〜「Invocation」のリズム隊はやはり凄い。

前回全く気付けなかったBとDrsの休みどころも確認。音が止んでないように思っていたのは、木村さんのダブ効果だった。成程ー。ノンエフェクトなので、その場で演奏しているように聴こえてたんだな。こちらも耳と目が完全に分離しちゃうので気持ちわるい反面トリッキーで面白いです。

演奏に集中力を持っていかれてるので、MCはぐだぐだです。それはいつもか(笑)類家くんがまたいじられていた。明日のチケットや野音のチケット買ってくれって言われたけど、このフェスシーズンになんでこう被らせてくんだよ!私だって野音行きたいよ!と思った瞬間、はっそういえばこの日はもう冷牟田さんはいないんだ…とどんよりする。スカパラと菊地さん一緒に何か演奏するそうですよー。何するんだろー。行った方教えてください。

アンコールの「Monkey Mush Down」はアルバムとは違うアレンジ。TpとTsのユニゾンでメインテーマを演奏していました。4つ混ざってるらしいけどYMOとマイルスしか判りません!つうかこれホントに4つか?8つくらいないか?聴き憶えのあるフレーズが端々にある。

ハードビターストロングにもちょっとスウィートな面がありました。面白かったー。

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それにしても今回のeweの力の入れ具合はすごいな(笑)duo前に菊地成孔ってノボリが飾ってあるのにもウケたけど、販促うちわもくれたよ!う、うちわに菊地さんが…面白過ぎる……本人も「今回すごい力入れられてる」と笑っておりました。



2008年07月16日(水)
「うえだだ」、警部

↑で笑えるひとはレピッシュファン(笑)窓を開けて入ってくるんだよ。どこにでも現れるから現なんだよ。台所の流しでお風呂。ネタがあり過ぎる。

■NHK『SONGS』
元ちとせさん特集。「ワダツミの木」「カッシーニ」では恭一とタツも参加。雪好は流石に無理か…keyがkyOnだったことにもいろいろと……そういえばメリィさんもサポートしてたことあったよね。そしてマグミはいなかった。tpで参加すればいいじゃんよー(半泣)

■そんなマグミは
トリビュートで「ワダツミの木」を唄う。
ああ、本当に音楽は残るんだな

■すげー
『十秒後の世界』、1日も経たないうちに復刻決定

■すごくうるさくなりそう(笑)
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Remasters
Nick Cave and The Bad Seeds and Mute announce the first four albums in a series that will see the band's entire album catalogue digitally re-mastered and remixed in 5.1 surround sound.
From Her To Eternity, The First Born Is Dead, Kicking Against The Pricks and Your Funeral, My Trial are set to be released at the end of the year.
Each deluxe double-disc collector's edition contains the re-mastered stereo album, the new surround mix, a specially commissioned short film made by acclaimed UK artists Iain Forsyth and Jane Pollard plus single b-sides and exclusive sleeve notes.
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「From Her To Eternity」の5.1chなんでゾクゾクするわ!
ロンドン、N.Y.、メルボルン、ベルリン在住のひとはいろいろ参加出来るぞ。いいなー。
あ〜警部日本に来ねえかな〜(もう何度言ったか)



2008年07月15日(火)
うえだ

■あああ〜…
『デュエット』、ボーイズの結樺健さんが体調不良で降板とのこと。おだいじに…。
代役は足立夏海さん。
ガールズも代わっていたし、いろいろ大変そうだ……

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■上田現 追悼プロジェクト
解禁、一気に情報出てます。モヒカン!雪好!
・レピッシュ公式『上田 現 追悼プロジェクトに参加します』
・Musicnet『追悼プロジェクト始動! 奇跡の遺作アルバム&豪華トリビュート発売』
・CDJournal.com『上田 現 追悼プロジェクトが始動、“奇跡”のオリジナル・アルバムも登場』
・ナタリー『上田現追悼プロジェクトで新作やライブが続々決定』

■別件で
・『十秒後の世界』が再プレスの可能性
オーダーのみ。ボーナストラック(初CD化)予定あり。規定数に達すれば再プレスされるそうです。お持ちでない方も、ボーナストラックが聴きたい方も、是非



2008年07月13日(日)
『Double Punch II』とか

■上田現 追悼プロジェクト
新譜出る、ライヴある

■清志郎さん
絶対治りますように、絶対元気になりますように

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『Double Punch II』@日比谷野音大音楽堂

2週連続で野音、雨降らなくてよかったー。THE BIRTHDAYとTHE BACK HORNの対バン。接点があるようなないような、どういう縁?

まずはバックホーン。結構レア選曲だったのでは。「ひょうひょうと」「美しい名前」「幸福な亡骸」が聴けたー。「美しい名前」ライヴで聴いたのは昨年のフジ以来。歌詞がまっすぐ伝わるなあ。轟音なのに聴き入ってしまう。山田くんは高音出づらそうだったけど、そんであんまり太い声ではないけど綺麗に通るよねえ。繊細な歌だとそれがすごく映える。

「ブラックホールバースデイ」で岡峰くんがモニターに躓いて仰向けにダーン!とひっくり返ったのでビビる。頭打ったように見えたがすぐ立ち上がってた。大丈夫だったのかしらん。この日はいろんな意味で岡峰くんがすげいかったです。演奏も。

菅波くんの髪型がどんどん訳がわからなくなっている。シンバくんを思い出した…似てる……。ライオンのシンバくんは写真を実物に変換出来るんだよー野菜や肉の写真をなめて出した材料でカレー屋を開くんだよ。それがまたうまくて(食べたことないくせに)。

先週の日比谷公園は、サミット警備でおまわりさんがすんごい沢山いた。もし今日もいたら「なにごと?」と思ったんじゃなかろうか…あんなデカい「ぐぎゃごえ〜〜〜」てな叫び声が聴こえてきたら。てなくらいチバくんの声はデカかった。ああデカい。喉強過ぎる。毎回思うがホントすごい声だな〜。皆さんコワモテ、貫禄すら感じる。出てきただけですごみがー。ここらへんギリギリに思うところもあって、格好よすぎてうわっさぶっみたいになる時もあるんですよね…。でもキュウちゃんのMCや、チバくんが時折見せるスットコドッコイな天然っぷりでバランスがとれていると言うか。日比谷公園のことを山って言うな、せめて森と言え(笑)

「タランチュラ」よかったなー。アンコールの「雨降らないかな」と言ったあと「KAMINARI TODAY」ってのもよかった。「SHINE」のヴォーカルエフェクト面白かったけど、その後音がヘンになったままだったような。

バックホーンは今回音の分離がハッキリしてて、バースデイは全員の音が渾沌として1つになってる感じでした。違いが面白かった。どちらも主にMCをするのがドラマーさんてとこに接点がありました(笑)ふたりとも天気を気にしていた。キュウちゃん携帯で天気予報見過ぎてパケット代が…とか言ってた、パケホーダイにしなさいよ(笑)松田くんは社交的ですねえ。

2日連続で有楽町ガード下で夕ごはんを食べた(笑)タイスキも韓国焼肉もうまかったーい。スンドゥブはホントお店によって味が違って面白いー。

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■おなかすいた
シンバくんの画像探してたら(見付からなかった…古い絵本だからか……)こんなの見付けた。
『カレーをたべたい日の本』
シンバくんのカレーも載ってるそうです

■野音の帰りに
MIOさんが最近ウチでぐりとぐらのホットケーキを炊飯器で作ってるって話を聞いてうまそう…と思ったのでした。絵本やまんがに出てくる食べものってなんであんなにうまそうなのかー

■炊飯器と言えば
むつきさんが炊飯器でチキンライス作ってたんで真似したくなってやってみたんだが、ウチの炊飯器だと上手くいかない…5分もしないうちに保温に切り替わってしまうよ!何故だ。古いからか。
仕方がないのでフライパンに移してパエリヤ風味にした。意味がない



2008年07月12日(土)
『ウドンゲ』

3軒茶屋婦人会『ウドンゲ』@ベニサン・ピット

いい脚本、いい演出、いい役者。無敵。

篠井英介、深沢敦、大谷亮介が女を演じる3軒茶屋婦人会。ハイフナーの『ヴァニティーズ』、ジュネの『女中たち』ときて、今回は初の書き下ろし、出演者がほぼ実年齢の日本人を演じる。脚本は赤堀雅秋。

演出のG2が「赤堀くんとしてはとても珍しい(と思うのですが)ハッピー・エンディング」と書いていたが、赤堀さんはハッピー・エンディングしか書かないと個人的には思っている。人生が続く限り、問題が全て解決した上でのハッピー・エンディングなどある訳がない、そんなものは書かない。と言うだけではないだろうか。人生が続かない場合もある。それが先日の『立川ドライブ』だろう。しかしこれも、バッドエンドとは言い難い。どこにでも希望はある。それをどう受け取るか、の描き方の違いなだけのような気がする。

今回もそれは変わらない。しかし『立川ドライブ』のような「希望に絶望する」ものではなかった。50歳を迎えるか迎えないかのかつての同級生。30年振りに会った。3人の女と1人の男が“奇跡の夜”を過ごす。男は姿を現さない。酔って奥の部屋で寝ている。しかし、彼は最後に女たちにとても素敵なひとことを残していく。

元々得意とするところだろうが、“青さ”を拾い上げ磨き上げる筆が冴えまくっている。しかもそれは女子高生のもの。どうすりゃこんな機微を掬い上げることが出来るんだ、おい。なんでもないことでいつ迄も喋り続けることが出来る、ちょっとしたきっかけで口を利かなくなる。どちらも傷付いているがそれを言い出せない、そのまま30年会うこともない。どちらも誤解をしたまま相手を憎み、それと同じくらい身を案じている。第三者から見ればなんと言うことはないことでも、当事者たちにとっては一生心に澱が残るのだ。

カセットテープ、コンサートのエピソードが光る。そうだ、あの年頃のおんなの子はそうだった。待ってしまうんだ。心配と不安と怒りが混じり合う。身に憶えがある。おとこの子もそうなのかな?どうなの、赤堀さん?

酸いも甘いも噛み分けた中年の女性たちが、ちょっとしたひとことで10代に戻る。篠井さんの意地悪さの裏にある寂しい気持ち、そして色気。深沢さんのはしゃぎの裏にある暗さ、何かを乗り越えた強さ、自分は憧れのひとにはなれないと言う諦観、それすらも笑いに持っていこうとする必死さ。大谷さんの現状への不満、不安、妬みと自己嫌悪、秘密。それぞれの全身から立ち上がるよう。それが最後に笑顔になり、それぞれがそれぞれのポジションに戻っていく切なさ。しかし何かが確実に変わっている。

笑いどころも泣かせどころも満載です。小さな棘のように心に残り続ける作品になると思う。派手なセットはない、テーマも地味。しかし、現時点での今年のベストワン。

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・それにしてもあかほりは「ひょっこりひょうたん島」が好きだねえ
・深沢さん流石に歌が巧い。あんな素敵なひょうたん島を…(笑)
・そして最前列だったので、深沢さんのパンツとブラの線がよく見えました……
・で、やっぱり何か食べるのな。あれどうすんだーとずっと気になってた
・ジャンクな匂いに包まれる小劇場空間(笑)

・宣美は鳥井和昌さん。ニヤニヤ
・プログラムにスズカツさんからのコメントあり
・スズカツさんもだけど、裕美さんもあかほりのホン演出しねえかな〜(言霊を飛ばす)
・『サド侯爵夫人』本チラゲット
・そういえば天宮良さんは昔「色の黒い窪田晴男」って呼ばれてたな〜、一部で(笑)
・『冬の絵空』これは本チラになるのかな?
・THE SHAMPOO HAT次回公演
 『葡萄』@ザ・スズナリ
 作・演出:赤堀雅秋
 2008年9月10日(水)〜23日(火)

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報道ステーションの上田現の映像見せてくれた方、有難うございます。



2008年07月10日(木)
『デュエット』2回目、『The 30th Anniversary of NYLON100%』2日目

『デュエット』@シアタークリエ

私的楽日(もうか)。うぬー3週目辺りにリピートしたかったのだが都合がつかずー。楽日は苗場におりますし。そして2回とも超上手寄り前方席だったのが惜しい。後方中央からも観たかった…ピアノのセットをひきで観たかったなあ。

ボーイズのアカペラ部分がアレンジ変わっていたりして、日替わりと言うかノリでいろいろ変えてってるのかなと思った。石井さんもアドリブ入れるし(汗ネタウケたー)ここらへんライヴ感があって楽しいです。石井さんも保坂さんも、台詞を歌にのせて伝える技量は流石です。違和感がない。ミュージカルそんなに得意じゃない自分も楽しめました。

ストーリーに関しては、ソニアがとても好きではないタイプの人間なので(個人的にな。まあこういうひとに惹かれるひとがいるのも解る)、とりあえず彼女のいいとこ探しをする訳です。こういうキャラクターの場合、ヤな部分を補ってあまりある魅力を表現するのが役者の仕事でもあると思います。保坂さんはその辺のバランスが上手かった。でもこれかなりギリギリだな。男性って寛容だなーと思った〜。

しかし例の知人は男女逆な訳ですよ…どうなのそれ。時代?大変ですね…まあがんばれよー(ひとごと)。でも両方からグチられるとこっちの胃が痛くなるんで勘弁してください(笑)

小ネタとしては、超ヒットメーカーのヴァーノンがパティ・スミスのTシャツを着てるのが面白かった。『HORSES』は1975年リリース。

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100% project presents『The 30th Anniversary of NYLON100%』@UNIT

2日目。この2日分の日記は静岡から来る予定だったのに直前にダメになったてらてらの為に書きますよ…残念だったね……言いづらいがとても楽しかったのよー。これで雰囲気ちょっとは伝えられたらいいなあ。それにしてもこの日はつきあいの古い友人知人に沢山会った。すぐ近くで手塚眞さんが観てた。当然だが手塚さんは知人でも友人でもない。

今日はトップから観れた、まずは若手(笑)のサエキけんぞう & Boogie the マッハモータース。しょっぱなから「焼きソバ老人」!オールハルメンズナンバーでうひゃーい。「私ヤヨ」「電車でGO」「ふにゃふにゃサイボーグ」「Q-Pダンス」…あと何やったっけ?もう笑いがとまらん。そしてサエキさんも即喉が嗄れる(苦笑)こういう本番に弱いところがニューウェイヴなのか。しかしそこがいい。ヘナチョコが死にものぐるいで何かやると恐ろしいことになるものです。

続いてスペースポンチ。岸野さんをヒゲの未亡人以外で観るの初めてだったので、ちゃんと音楽やってるのに驚いた(失礼)そして意外によかった…(無礼)ラウンジでポンチでスペイシーでモンドでした。生音ではないけど、ヴィブラフォンやマリンバの音色使ってて気持ちよかったです。賢祟が飛び入り。

で、ヒカシュー!バリバリ現役なので、この2日間でいちばん安心して観れた(笑)ライヴ慣れの度合いが違う。やっぱ継続って大事ですよね……。この時ばかりはお祭り気分もちょっと飛び、緊張感を持って観た。昔の曲を沢山やりますと言っといて、その直後から最近の曲「生きること」「入念」(アウトロ凄かったー)と続けた辺り、巻上さんらしい気もした。だってねえ、現役だもんな!

上手寄りDJブース横にいたんだけど、そこが関係者で溢れていて、しんごがもううるせーうるせー(笑)今日は出演しないし、酒も呑めて楽しそうでしたよ。声は嗄れていたが(笑)ヒカシュー出番直前にそこに来た巻上さんにしんごがにゃーって抱きついてえらい懐いてたのが微笑ましかった。ヒカシューの演奏中もうきゃーってなってて、「ぷよぷよ!ぷよぷよ!」とかリクエストしている。それに根負けしたかもともとやる予定だったか(後者だろうがあのタイミングでやるってのもおかしかったな)来た、「プヨプヨ」!しんご大喜び、よかったなあおい。そのうちDJブースからいなくなったので、お、どこ行った?と思ったら中西さんと一緒にステージに乱入していた。面白過ぎた。

ここで業務連絡、純ちゃんが呼んでるよーと賢祟が呼び出しされていた(笑)純ちゃんちゃんと来てる!とここでちょっとアガる。

東京ブラボーはベースが岡野ハジメ!近田さんに加えいとうせいこうも飛び入り。ブラボーのギターはやっぱ格好ええー。ここらへんの私的ニューウェイヴギターヒーローは表がブラボー、裏が窪田晴男なのです。ああますます今回窪田さんがステージにいないのが憎らしい(涙)サさんと東京ブラボーってしんご参加してなかったっけ?あれって星くず兄弟の時だけだっけ?と話してたんですが、ブラボーとしんごが一緒にやってたのはマッスルビートだよ。と帰ってから思い出した。ここらへん人脈被りまくりで混乱する…。

そう、今回出演したバンド、人脈が被りまくりで、元メンバーだったひとがその日いるのに敢えて演奏に参加してなかったりしたんですが(例えばヤプーズのナンバーをやっても泉水さんではなくカメちゃんが叩いてたり)まあそれはな…。「最後に皆でセッションするかと思ったー」と言ってたひとがいたけれど、ええとそれはなー。いろいろあるよなー。PINK人脈が同じ日に3人出た(!)だけでも驚いたもんな…。ケラさんがブログに「近田さんとも話したのだけれど、もうどうでもよくなっちゃうのね、歳とると。(まあ、近田さんは昔から誰とでもペラペラ話してましたが)」って書いてたのにウケた。そしてケラさん、エンちゃんを敢えて(PINK)と書かなかったのには何か意味があるんですか…。

そうそんでね、昨日窪田さんは出ればいいじゃんて書いたけど、今日エンちゃんとカメちゃんがいたってことはホントに人種熱出来たじゃん!ぎゃー!近田さんもいたし。なのに今日は窪田さん見掛けませんでした。ガーン。

さてそのエンちゃんとカメちゃん。戸川純ちゃんのサポートで出演でした。ぎゃー(泣)カメちゃんが叩いてたのにも驚いたけど、「ギリギリ迄出られるか判らなかったので、来た時と来なかった時と両方の曲順考えてたのよ」との純ちゃんのMCに続いて呼び込まれたエンちゃんの姿を見た時は悲鳴をあげてしまったよ……。うわーんてらてら、エンちゃんが出たよー!(泣)

純ちゃんのバンドメンバーは、カメちゃん、デニス・ガン、メリィさん、中原さん、だったかな。「ラジオのように」でスタート。「諦念プシガンガ」「吹けば飛ぶよな男だが」「玉姫様」でエンちゃんがコーラス!うわーん!(泣)「諦念〜」で呼び込んで、「このままもうちょっと唄ってかない?」「じゃあカメちゃんとコーラスする!」て3曲も唄ってくれたよーおおお。ちなみに「吹けば〜」は「しんごに捧げます」とのことでした。「しんごは歌のお師匠さんなんです。あ、でも捧げるのにこんな歌のタイトルじゃ失礼だわね」だって。かわいい。しんごと純ちゃんのやりとりは愛があってジーンときたなあ。

昨年純ちゃんが骨折して入院したのは知っていたんだけど、その後ずっと具合が悪かったよう。出演前にさっき呼び出されてた賢祟が「純ちゃんから手紙を預かっています」と出てきて、「骨と肉をしっかりつけねばと言うことで食欲増進剤を処方され、ダイエットも禁止され、デブデブになってしまいました。(リリースされたばかりの)『TOGAWA LEGEND』のジャケットを観たひとは『詐欺だ!』と思うかも知れないので先にお伝えしておきます。ショックを受けないで」と読み上げた。出てきた純ちゃんは確かにふっくらしていて杖をついていたけど、肌の綺麗さとかは全然変わらず。太ったことよりもそっちの方が衝撃的だったよ!そして声が全然衰えてないのにも腰が抜けた。腰に負担がかかるからあまりファルセットや大きな声出せないと言っていたのに、途中からはバリバリ全力で唄うから嬉しい反面大丈夫か心配に。「バージンブルース」とかすげいかったですよ…。

最後は「スタイルが良くないと唄う資格がない曲です…」と言うのでこれは…と思ったら、キター「バーバラ・セクサロイド」!!!アンコールは「蛹化の女」。泣き出す女子多数。客電ついても客が粘る、ダブルアンコールで「どうしよう、何やる?このメンバーでやれるのは…やれるかな?」とギャー「パンク蛹化の女」!!!!!泣き乍ら前方へ詰め寄る女子多数。いやあ…よかった……。

そういえば途中「混雑して危険ですから皆さんちょっと前方に詰めてください」って注意アナウンス(by賢祟)があったのがウケた。普通危険だと下がってくださいって言うよな(笑)客層が窺えます(笑)いやーよかった。すげい楽しかった。このメンツが揃うことってもう当分ないだろうけど、いつかまたあるとすごくすごく嬉しいです。その時にはてらてらもおいでよね。



2008年07月09日(水)
『The 30th Anniversary of NYLON100%』1日目

100% project presents『The 30th Anniversary of NYLON100%』@UNIT

NYLON100と来れば°Cと続けそうですが、今夜は%です。てかこれ、ケラさんがNYLON100°C立ち上げた時は「100°C?100%じゃなくて?」て散々言ってましたよねえ。今となっては逆になっている…ケラさんも「今日はNYLON100°C、じゃなくて100%!」言うてました。そんなケラさん、「俺45歳なのに今回の出演者でいちばん歳下!楽屋がやばい!もう!ここにいろと言うのか!」とのこと(笑)ステージもフロアも平均年齢高いです。

フロアに入るなりスミスがかかっています、続けてキュアー。クラフトワークとかブロンディはもう当たり前です。うはー今はいつだー。上野耕路 & His Orchestraは遅刻で逃す。15人編成だったそうですが、上野さん以外のメンバーって誰だったんだろう。ポータブルロックから観ました。真貴ちゃん素敵、ゲストでK一さんも出たよ!「昔ムーンライダーズが8 1/2とイヴェントに出た時、客席の真貴ちゃんから『早く帰れ、ジジイ!』って言われたんだよね…」「だってハッカの大ファンだったから」「早く終われだけじゃなくて、ジジイって!」と懐かしい話なども出ていました。これ結構有名な話ですよね(笑)

続いてケラさん。やっぱり歌上手いよなあ今更乍ら…いつも生き急いでいるように見えるので、ここ数年は観る度ヒヤヒヤする。プラスチックセックスでは立花ハジメののろいでギターがオシャカになった中西さんが「もう帰る!押したから8 1/2は出ないよ、もう!」と毒を吐く。やー中西さんて不思議ちゃんでかわいいよねえ。こちらにも真貴ちゃんが参加。

で、トリは8 1/2!しんご以外のメンバーが出てきてもフロアが比較的静かだったので(ほら大人が多いからな)不安になったのか、鈴木さんが「盛り上げてくれよな!」と言ったらフロアから「盛り上がるような演奏してくれよ!」と茶々が。お、言うねえと声の主を見たら、窪田晴男だった…(笑)その後も「しんごー!」「なんだその間は!」「音ちっちゃい!」「いいよいいよ〜」と終始ゴキゲンでヤジを飛ばしていた。そして終始笑顔で踊っていた。ファッションセンスは相変わらずだった。

てかパルヲは出ればいいじゃん。ファッションセンスがアレでも、何故かヤンサンを一冊持ったまま(他の荷物は持ってない)フロアで踊ってても、せっかくの美貌に全く無頓着でも、ギターを弾けば格好いいんだよおこのひとはあああああ!なんでそうなんだよおおおおお!もう何も言うまい…と思ったけど、やっぱり言いたくもなる。明日出ないかな。出ればいいじゃん(2回言う)人種熱で出ればいいじゃない(ビブラトーンズでとは言わない)。

そんな愛ある声援に笑顔で応える王子しんごも「アイアムフィフティーイヤーズオールドだから途中休むかもしんない」と言いつつ、声がかかると全力で「はーい!」「ありがとー!」と絶叫し、そして熱唱し、みるみるガラガラ声になっていく。ガラスの喉でありました、王子……。つうかこのひと、セーブするところを見たことがないような気がする(笑)短距離得意そう。「MCは苦手なんだ!言葉をあんまり持ってないから!」と言いつつ、ジーンと来ることをぽろっと話してくれたりして。いいひとだ。

つうかしんご50か〜。うっそーん。若いわあ。上野さんもそういう意味では全く外見が変わらないよな。泉水さんも格好よかったわあ。沖山さんはスキンヘッドになってた。



2008年07月06日(日)
『WORLD BEAT 2008』

さっき黒いレトリバーに抱きつかれそうになってすげービビッた。立ち上がったら私より身長高かった。素で「ヒー!」と言ったら飼い主さんに笑われつつ「すみません!(いぬに)こらっ!」と言われた。

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『WORLD BEAT 2008』@日比谷野外大音楽堂

プランクトン祭り、今年は野音です。去年はぼやぼやしてたら売り切れた(…)ので、今回は早めにチケットとってみた。そしたらあぶらだこ@ロフトと被った(泣)まあ仕方がない…。

今年のメンツは渋さ知らズオーケストラ、THINK OF ONE with CAMPING SHAÂBI、BALKAN BEAT BOX。例年になく無礼講と言うか、まったり聴けるものが少なかったので、座ってのんびり聴こうといらしていたと思われる年配のお客さんが困惑していたのがちょっと気の毒でした。すごく楽しかったんだけどねえ。

■渋さ知らズオーケストラ
今回は40人くらい。ホーンがもう殆ど知らないひとだ。やっぱり野外で映えるなあ。ホーンの人数多いと空にいくら吸い込まれてもなおかつ音がデカい。ユニゾンは深い。アガるー。
不破さんていつから渋さではベース弾かなくなったっけとか話す。初期は弾いてたような気がするんだけど…どうだったっけ?小編成だと弾くんだっけ?そしてダンサーズは白塗りで顔が憶えづらいのでずっと同じメンツか判らないよねーとか、あれは大駱駝艦出身のメンバーだろうけど、そもそも駱駝艦って太っ腹と言うか来る者拒まず去る者追わずだから、どんどん独立してっちゃって、入れ替わりに若手もどんどん入るから平均年齢はいつも若いとか(笑)話す。サさんは「そういえば初めて渋さ観たのって篠田昌已の追悼ライヴだわ…」と言ってしみじみしていた

■THINK OF ONE with CAMPING SHAÂBI
バンで旅して、その先で出会ったひとたちと音楽を作っていくデヴィッドさん率いるTHINK OF ONE。基本はパンクブラスのプログレですが、共演者によって趣が変わります。前回来た時はブラジル色。今回はモロッコ色。
前日の大阪には楽器が届かず(後述の川島さんブログに詳細)、今日もギリギリ到着だったとのこと。まあなんとかなるもんですな、よかったよかった。
ふたりの女性ヴォーカルと、あれはなんだ、鉄アレイみたいな形の金属カスタネットみたいな楽器を鳴らしまくる男性が今回のゲストってことかな?この3人はモロッコの民族衣裳を着ていました。男のひとの帽子がかわいいの。バンドのホーン隊はバッチリスーツでキメているので、見掛けだけだとどんな音出すのか判らない(笑)でも聴くと自然に身体が動く。踊り倒す

■BALKAN BEAT BOX
初来日!イスラエル出身、N.Y.アンダーグラウンドで活動するバルカンでクレズマーでミクスチャーな6人組。Vo+MC+Perc、G、B、Drs+LapTop、Sax×2。ホーンはアルト、テナー、クラリネットをとっかえひっかえ。この混成具合、フィッシュボーンの次世代と言われるのもなんとなく納得。配置もほぼ横一列で、Drs.も客席側ではなくステージ中央に向かってセッティングされています。コンピュータの情報出しでちょっと間が空くのはご愛嬌。つうか空けてくれないとこっちも持たん。
いやー盛り上がりました。最後だしもう客も出来上がってるから、Vo.トメルを「トメさん!」て言う客もいたりして(笑)指定席などもうどこへやら。さっきステージにいたひとが客席側にいて踊ったりハグしたりしているよ。こどもも走り回っているよ。水やら酒やらが飛びまくってましたが、笑顔のヨッパがゴミ袋持って踊り乍ら缶を回収しているのにウケた

最後の全員セッション中、不破さんが女のひとと手を繋いでにこにこステージを歩き回っていて、ふたりとも楽器も持たずただただ話しつつにこにこしていたので(しかも不破さんはいつものショルダーバッグを提げている)すごくシュール。ステージに迷い込んだバックパッカーのようでした。誰だろう、あの女のひと?と思っていたら、最後に不破さんが彼女をステージ中央に押し出した。プランクトン代表川島さんでした(ブログ始めてた、知らなかった)おおこの方が!いやーん有難うまた面白いバンド呼んでください!晴れてよかったー!



2008年07月05日(土)
『イースタン・プロミス』、『デュエット』初日

いやーウェルメイドなハシゴだった。しかもお互いの劇場、歩いて1分の距離なんだー。内容的には振り幅広過ぎた。20分で切り替えるのは大変だった(笑)

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『イースタン・プロミス』@シャンテ・シネ 1

おーっすごくよかった!そしてウェルメイドだった!切れ味鋭い上質な短編小説の読後感に通じるものがありました。展開もテンポいい。100分って長さもいい。無駄がない。

話運びもカーティス・ハンソンかと思う程のテンポの良さですが、話に没頭し出すと「はあーい、クローネンバーグでえす」な描写が出てくるところがまた面白かったです。ぎゃふーんえぐいえぐい。R-18ですよー。でもこれでR-18?と思ってしまう自分もいたりした。教育上よくないって部分はなかったように思えますがどうでしょうかね。むしろ思いやりを知らない若者には見せた方がいいんじゃないでしょかね。

そんな訳で(?)THE任侠な世界のお話ですが、その間にさりげなく入る「居場所がないひと」のエピソードがとても印象に残りました。アホの子キリルにしてもそう、チェルシーサポーターのド真ん中で「アーセナル!」とか叫んじゃう(ちょ、それ自殺行為)床屋のアホの甥っ子もそう。キリルはアホの子だけどあの世界に住んでなければそれなりに幸せに暮らせそうな子なのよね。床屋のアホの甥っ子も。ニコライもアンナもワケありで、「今いる場所に馴染めないひと」だ。それがほんのちょっと変化するラストも、切ない乍らもちょっと救いのあるものでした。すごーい切ないけどなあ。

出演者皆よかったなー!俺が俺がなひとは誰もいないんだけど、皆しっかりと存在感がある。アンナの伯父さんもお母さんも。風船を膨らませるキリルと楽しそうに話していたファミリーの女の子も。そんでキリルの父ちゃんがまたいいツラ構えで腹が立つのよ(笑)善人の振りしてあんた最低だー!しかしそこも「親切なロシアンレストランオーナー」「人身売買あたりまえっしょーなマフィアのボス」と言ったステレオタイプなものではないのです。その複雑な表情。ここらへんがもーすっごいいや〜で後味悪いのー。絶妙だったなあ。

こういう要素がきっちり入っているのに冗長にならず100分、うーん、やはりすごい。ウェルメイドと言わずしてなんと言おうぞ。鮮やかです。

それにしてもニコライは格好よかった。ありゃーキリルでなくてもめろめろになるであろうよ。極端な話これってキリルとアンナがニコライを取り合う話だよな!(違います)映画館を出た後ニコライの煙草の消し方を真似して火傷する男子が続出しそうです。

クロさん次回はヴィゴとファインズさんがサウナで全裸でキャットファイトとかそういうの撮ればいいんじゃない(キャットファイト…?)。微妙に身体付きも似ているような気もしましたこのふたり。筋肉つくところはついて、緩んでるところは緩んで脂載ってるって感じが。ファインズさんは脱ぐの大好きですから丁度いいじゃない。何が丁度いいのか。

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『デュエット』@シアタークリエ

う〜ん、ウエル・メイド!(真似してみた)

初日なのでなるべくネタバレなしで。情報としては、上演時間は劇場掲示では1幕75分、休憩20分、2幕60分。実際には5分程短縮されていました。カーテンコールで1曲リピート。

初演が1979年と知ってビックリ、むちゃ今な話だった。すごいなニール・サイモン!そしてこれが全くの初見なので、上演台本、構成、演出がどこ迄原作本来の要素なのか興味の湧く部分が沢山ありました。ボーイズ、ガールズの実体化、場面転換のアイディア等。面白く観れます。

上記のことプラス、翻訳家(実際の翻訳は小田島雄志氏、岩谷時子氏のおふたりです。言語とは別の、解釈の提示手法としての翻訳)スズカツさんの仕事としてもとても興味深いものでした。『THE LAST 5 YEARS』と構造が似ているストーリー、分析型と直情型。ボーイズ、ガールズはシゾイド型に関係してきますね。そしてちょっとこれ、松尾スズキさんや本谷有希子さんが“翻訳”したらどうなるだろうなと興味も湧きました。病理からの解釈も可能なものだと思いました。

個人的なこととしては

・知人のカップルにそっくり(性格は男女逆)でハラハラした…いろいろと……
・お互いの話を別々に聞いてるもんだから、それが現場ではこうなるのかねと思って面白くもあった(鬼)
・そしてアメリカ人は(お国柄でくくるか)いろいろ順番が間違ってるような気もした(笑)
・3列目上手寄りも上手寄り、スピーカー真ん前だったので音のバランスがいまいち。ヴォーカルパートが聴き取りづらい部分も

シアタークリエ、やっと行くことが出来ました。観やすいです。ロビーがちょっと狭い。しかし日比谷シャンテに直結していて、休憩時間中行き来出来るのは便利です。トイレの動線、ドアの工夫には感心した。赤坂ACTシアターは見習うといい(笑)

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■『冬の絵空』詳細出てきましたよ
ちょ、ギリジン!まこつさん!あっダブルまことだ、そしてだてちん!
そしてぴーとさんの言う通りキューブだらけです。
あっそうかスズカツさんだから上演台本書くんだよな



2008年07月03日(木)
いろいろ

うーん、カーディガンを裏返しで着て出社してた。

■ここに私信を書く
リネさんどでしたかー『イースタン・プロミス』!そうクローネンバーグなんですよ……。
で、思い出したが私が『ヒストリー・オブ・バイオレンス』を観てないのには理由があったんだった。
『スパイダー』後、レイフ・ファインズがクロネン次作出演のオファーを快諾とかってニュースを読んで「クロネンの作品に続けて出る俳優って珍しくない?うふふー気に入られたんだわー」とか楽しみにしていたんだけど、『スパイダー』があまりにも当たらなかったので(…何故だ!すごく面白かったのに!)資金繰りが厳しくなって次作は頓挫、その後ヴィゴで撮った『ヒストリー・オブ・バイオレンス』はヒット。で、キー何よクロ!ヴィゴに鞍替えか!メラッとする!とか言う私怨で……(バカなのは自覚しています)
土曜日に行けたら行きたい…なんで新宿渋谷でやってないんだー

■それにしても
クロさんは撮りたい顔の好みが分かりやすい。爬虫類とか両生類顔

■そしてまた私信
どるさんこないだの小林くんのライヴ、このみん先生?が来てたってよー気付かなかった。と言うか私はこのみん先生の顔を知らない。てか「このみん」でいいんだっけ?
そしてササキさんがMOON CHILDのひとだったと当日知って大層驚いた。ああそういえばこんな声だったね!

■あひゃー
oakから平井さんが抜けちゃったー
ここも平井さん抜けたらカオルさんひとりぼっちじゃないですか…。
そういえばPlanet Kに、平井さんのサイン入りドラムヘッドが飾ってあったなー

■菊地成孔 ダブ・セクステット『DUB ORBITS』
特設サイト(音が出ます)が出来たー。類家くんが自衛隊出身と初めて知った(笑)

■実は
フジでもオーダーメイドスーツ着るから汗ダラダラになって演奏する。不安。と菊地さんが言っていたので、うわ楽しみ!類家くんが熱射病になってフラフラで演奏すればいい!そこに凄みが!色気が!と鬼のようなことを考えてウキウキしていたのですが、自衛隊にいた方なら体力ありそうだな…(残念なのか)

■じゃあ
フラフラになるのは坪口さん辺りかしら〜いや意外と木村さんが…とニヤニヤしていたら、NKDSの出番は3日目オレンジトリ前になったのだった。涼しいやん。
いや、よかったですね。万全のコンディションでの演奏が聴けるとよい

■と言えば
NKDSは2日目苗場食堂にも出るのね。ちょ、苗食であれ聴けるってすごくないか!と色めきたったのだが、スパークスと被っている。苗食からオレンジって30分以上かかるだろう…走っても無理……なんで被るんだよ〜こないだのスパークス来日公演ではスパンクハッピーも出てたのに〜(泣)