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2008年06月28日(土)
『KEEP ON!』とか

『KEEP ON! ―アコースティックバージョン』@Planet K

ササキオサムさん、石田匠さん、小林建樹さん出演のイヴェント。バージョンと言うからにはシリーズライヴなのでしょうが、今回小林くん目当てで初めて行きました。

ライヴはまる3年振りだった小林くんですが、変わってるようで変わってなく。しかしピアノは以前より複雑に弾くようになってたような。ああやっぱりこのひとの歌はいいな!(泣)やっぱりこのひとは歌を聴きたいな!ピアノもいいけど!ひとんとこのサポートや楽曲提供もいいけれど!

本人はマイペースっぷりに拍車がかかりまくっており、「いやあ、ひとのとこで弾くのは楽でねえ」「持ち時間40分て言われたけど30分にしてもらった」「でも、自分でも唄っていかないとなあと思ってたりはするんですが…うーんうーん」「告知は何もありません(笑)次のライヴの予定もありません」てことでした。今回の出演も、過去何度もオファーが来ていたところ断り続けてようやっと腰を上げたって感じだったようですし。

と言う訳で次が全く見えません……。

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セットリスト

01. メドレー(祈り、歳ヲとること、ヘキサムーン、告白)
02. シリウス
03. 最初のメロディー
04. 新曲?

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「告白」はRAG FAIRへの提供曲で、歌詞は自分で書いたものの方。デモ段階ではこっちの歌詞で唄っていたそうです。「シリウス」は嵐への提供曲。そんで新曲?がまたエラい暗い…曲調は穏やかで優しいんだけど、歌詞がもうネガでネガで…あれだ、「Largo」みたいな感じの歌。そういえば「Largo」って、現時点で最後のアルバムの最後の曲なんだよね……。好きにやればいいとは思うものの、いろいろ思うところはありますよ……。

まあライヴがあれば聴きに行くし、音源が出れば手に入れる。それしか出来ないしなあ、リスナーは。で、それがあるだけで嬉しいと言えば嬉しい。いいライヴでした。

ササキさんも石田さんも声に力があってよかったなあ。ピンでやるってすごいことだ。

最後は全員で『そして僕は途方に暮れる』『デイドリーム・ビリーバー』(タイマーズの歌詞で)のカヴァー。よかったー。

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『ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛』@池袋シネマサンシャイン2番館

ええと、カスピアン王子が角笛を吹いて、王と王女がやってきて、戦争して、平和が戻って、王と王女は現代に帰って、長男と長女はもう二度とナルニアには戻りませんよって話でえ〜うえ〜ん。

もうむちゃヘコむ…ファンタジーはなんでこうも戦争が好きなんだ!いっぱい死ぬだろうがよ!アスラン来るの遅えだろうがよ!門開けといてくれたあの水牛みたいなひと(ひとなのか?)とかかわいそう過ぎるだろう!閉じ込められちゃったあの子とかあのひととかもう全滅だろうがよ!うわーんねずみのしっぽはまた生えるんだー(まちがい)

あと前回から1300年経ってるって設定だったからタムナスさんがもうとっくの昔に死んでてショックだった……。

悪者の王があれだ、『300』の主役(?観てないからわからん…あのポスターとかになってたひと)に似ていたなあ。あのくらいの時代の武装で坊主ちょっと伸ばしてひげ生やせば皆似るかね…そうなのかね……。

どうぶつがいっぱい出てきてかわいかったです…つうかそれが目当てで観ているようなものだが。あなぐまがいいやつだった。



2008年06月26日(木)
『オーロラ・アンダーグラウンド vol.3』とか

『オーロラ・アンダーグラウンド vol.3 —謎の都市には、ゴジラも美女も』@STAR PINE'S CAFE

タイトル通りゴジラも美女もおったでうひひー。モスラもピグモンもささやきおかみ(マイクの性能がいいって話から三田さんがおかみに)もおった。魑魅魍魎か。面白かったー。

イノヤマランドは開場から開演迄の演奏だったそうで思いきり逃す。間に合いません。それ客入れBGMか!(泣)

と言う訳で会場に着いた時には既にPAITITIの演奏中。石田英範さんと洞口依子さんのウクレレユニットです。坂出さんも参加。巻上さんも1曲参加。かわゆい。洞口さんvo.の「パイク」が聴けたぞ!

ゲストの小川美潮さん(!いやー歌声を生で聴いたのって15年振りくらい…)はヒカシューとの共演で登場。おい小川さんvo.の「パイク」聴けちゃったよ!いーだろー!(誰に向かって自慢しているのか)冥土のみやげにします。即興も盛り沢山。低音がすごかった。顔面エステの気分になった。

巻上さんのシアトリカルヴォイスはいつも面白いんだけど、今回狂言の言い回しみたいな箇所があっておお!?と思ったり。『にほんごであそぼ』の歌コーナー、「いちじゅうひゃくせん」に参加してるんですねー。萬斎さんと会う機会とかあったのかしらん。

「いちじゅうひゃくせん」は今月の歌。再放送含めてまだ聴けます。オンエア予定はスケジュールを見てみてねー。てかしばらく観ないうちにかなりプログラムが入れ替わっているな…『蚊相撲』まだ観てない!

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■6/26付の
きくちなるぴよのにっきは久々に何か降りた!て感じで笑い過ぎて腹筋が痛い。ああそうだよドラえもーん!

■そして
長澤まさみちゃんが機関車トーマスに似てるってれいさんとこで読んでからもうそうとしか見えない。テケスター!

■どんどん更新
NIN公式が面白過ぎる。なんで長野があんなに伸びてんの!?



2008年06月25日(水)
ヘドウィグガラおぼえがきなど

セットリストと収録アルバム紹介は21日付の日記に追加しておきました。

・わーいヘドやイツァークやトミーコスプレのひとがいっぱいいるよー。サンプラザ周辺からもうカオスに
・ソウルから来てたひとがいた!タクちゃんファンかな、ジョンを追っかけてきたのかな

・望月さんも参加出来てよかった。イツァーク3人にヘド2人、トミー1人
・それにしても全員が美脚であった
・つうか望月さんはすごいええ子やなあ…なんていい子だ!うたもキュート!
・ジョンとハグしたり肩組んだりした時すっごい嬉しそうだったよ。よかったねえ

・ジョンが出てきたら客席はもう阿鼻叫喚。私の前にいたひとは泣き崩れておった
・それにしてもジョン……!あんなに出るとは唄うとは
・きゃしゃー!ちっちゃーい!かわいー!
・山本くんがヒール込みで190cmはあるデカヘドだから尚更その差が(笑)
・ジョン加齢ネタも満載「疲れた…休ませて……」「もうトシなんで」「ちょっと寝てくる……」「(腹が出てて)こどもが入ってるんだー順調に育ってるよ」
・アンコール時に望月さんを肩車しようとしたが立ち上がれず崩折れたのにはウケた。だ、大丈夫ですか
・しかし歌はパワフル。ヘドがいるよ、ヘドが!中野に!
・「赤い靴」の日本語発音が完璧でビビる。しかも4番迄唄いきる
・最後にお寿司食べに行くーて言ってたけど行けたのかな(笑)

・で、そのスーパーモデルのようなプロポーションの山本くんはその体格を活かしくまグミを遠投遠投
・あれ、当たったら結構痛いんじゃないか(笑)豆まきだったら鬼退治出来るで
・それにしても綺麗な身体だ。デカいホールだとまた映えるねー!
・進行MCも担当していたので、ヘドになったり素になったり(笑)「今日はどういうキャラで行けばいいかと」と戸惑ってたところも。それがまたライヴでよかったなあ

・ソムンさんはジョンを通訳したり、山本くんをうまくフォローしてたり、そして勿論歌はあれだし、もう大車輪の活躍でござった。ござったとか言いたくなる。なんつうかこうサムライの風格がありますね…韓国でサムライに当たるものって何だろう?いやもう男前で大変です
・てかソムンさんのヘドも観てみたいな

・中ちゃんの「Yes, I'm Your Angel」がすーげえよかった。声がー!振付がー!何もかもがー!
・あああー本当に綺麗な声だ。ハミングとかコーラスでそれが活きる活きる
・衣裳もいちいち似合ってて素敵!ピアノも格好よかった!
・そして中ちゃんのヘドも観てみたい

・山本くんがジョンと英語でコミュニケーションがとれるひとでよかった、英語歌詞で唄っててよかった
・ハイライトは「Wicked Little Town(Tommy ver.)」〜「Midnight Radio(Acoustic ver.)」
・山本ヘドがジョンヘドの手でトミーになる。ジョンが山本くんの額に銀の十字を描き、その顔に触れて客席に向ける
・悲鳴にも似た大歓声があがった
・そしてトミーのギターでヘドが「Midnight Radio」を唄う
・舞台にマジックが宿る瞬間だった

・やっぱり皆本番に強いなー

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ちょっと話ズレるけど、昨年観た『転校生』についてのテキストを読む機会がありました。飴屋さん曰く「ラストシーンがあの形に決まったのは、初日客入れ1時間前」「出演者は皆緊張してた、泣き出す子もいた」と。このラストシーンはかなり段取りが細かくそして多く、タイム感を掴みにくい(と思われる)ものだった。しかしその出来映えは、客席からは完璧なもののように映った。出演者は高校生。初舞台の子もいた。緊張していろんなことを忘れたり、テンパッてしまいそうなのに。

「1時間あれば、この範囲の決定についてこようとする若い柔軟なスタッフたちがいた」
「演出家は始まったらもう、なーんにも出来ないからね 信じてることしか」

全員がプロフェッショナルであること。それとは別に集中力を必要な時、最大限に発揮出来ること。このとても繊細なふたつが噛み合った時、舞台は現実をも凌駕するマジックを生み出す。

プロフェッショナルが集まってひとつの作品を形にして、解散。これを繰り返すのがプロデュース公演だが、その中でも「作品を育てる」ことは出来る。限られた期間内でどこ迄育てられるか。そしてその育てる過程が、その日限りの舞台に載り、その日限りでも感動を呼ぶものであること。毎日少しずつ違う舞台。それでも作品の核は確実に伝わる。実はこれは可能なことだ。再演にも言える。

エンドレスツアーが最初から約束されている(このままずっと再演が繰り返されるのが確実、と言う具体的な意味ではないです。ヘドウィグとバンドが、ずっとトミーを追ってツアーを続けて行くと言うこと)この作品には、それが出来る。そして勿論、全く同じ再演など有り得ない。ジョンが加齢をネタにしても、どうしようもなくヘドであったように。

何度でも観ていきたい舞台です。いい作品に出会えて嬉しい。また会える日を楽しみに。



2008年06月22日(日)
『名作の舞台裏「ハゲタカ」』『能楽現在形 劇場版@世田谷』

ヘド書き足しの前にこれだー。濃い土日だった…。

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公開セミナー第20回『名作の舞台裏「ハゲタカ」』@横浜情報文化センター 情文ホール

連れてってもらえることに。うああ〜有難うございますー!一緒に申し込んで外れた皆ごめん!枠が1人分しかなかったんだ……定員200人の募集に2300人の応募があったそうです、すげー。みっちり3時間でしたがあっと言う間でした。以下おぼえがき。

・1部は『ハゲタカ』第1話上映
・あー何度観てもおもしれー!「買い叩く!買い叩く!買い叩く!」
・いやそこだけではなくて(笑)演出のテンポもいいし話にもぐいぐい引き込まれるし出演者は皆ガチンコでいいツラ構えでそのいい顔をいいアングルで撮っていて!
・大画面で集中して観て、改めて気付いたことも多かった
・あと音楽がいいー大きな音で聴けて楽しかったー
・芝野からの電話をブッチ切る鷲津の女王っぷりに笑う。あんたそれ一応ビジネス電話だろう、感情的な内容とは言え。失礼極まりないな!(笑)

・2部はゲストを招いてのトーク、参加者からの質疑応答
・ゲスト(敬称略、司会:荻野慶人)
 大森南朋(出演:鷲津政彦役)
 宇崎竜童(出演:西野昭吾役)
 大友啓史(演出)
 訓覇圭(制作)
机上の名札が、第1話上映前は鷲津政彦、西野昭吾になっていた。上映後に大森南朋、宇崎竜童に変更。役名と役者名を確認させるためでしょうか。細かい気遣いだ!
役名の名札が置いてあった時は、おーもりくんわしづのコスプレ?で登場するのかとドキドキした。宇崎さんも西乃屋の羽織着てくるかと思った(笑)
以下印象に残った話など。記憶で起こしているのでそのままではありません。話が前後した部分はまとめて繋げたりしています。

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宇崎●1回目で死んじゃうので(笑)僕は大体2〜3日の撮影でした。1話目しか台本をもらえなかったのでオンエアを観て「ああこうなるんだー」と。
最後迄ちょっとずつでもいいから出たかった。普段は共演者さんと心合わせをしようと、撮影前に食事に行ったりするんだけど、ドラマの内容が内容なのでそんなこと出来ない。撮影期間も短かったし誰とも仲良くなれないまま終了しました(笑)
皆に迫真の演技と褒められたのですが…僕はライヴを軸に生活しているので、普段の仕事は大体19時くらいから。明け方に寝て昼過ぎに起きる。でもドラマの現場は朝早くて、6時集合、しかも千葉に、とかだったりする。そうなると眠れないまま現場へ行くことになって…なのであれは寝てなかったからじゃないかと……(笑)さっき楽屋で(第1話を)観てたら稲川淳二さんみたいですねえ(場内爆笑)なんだか幽霊が出る話とかしてそう
大森●メイクさんが「宇崎さんは役作りのため寝ないで来たんですよ」って言ってましたよ。そうじゃなかったのか…(場内笑)

宇崎●(自販機の小銭を拾うシーンは)監督が「開けて、小銭拾って、ポケットにつめてください」って言ったのをそのまま何回もやっただけ。何回やったかなあ……。大友さんの撮り方は変わっていて、メインカメラが動く。戸惑うこともあった
大森●最初にリハーサルをやらないと言われて。鷲津を演じることについてはこちらでちゃんと作るので他のことは監督たちを信じておまかせ、と言う感じ(おおたのもしいこと言った!)
司会●鷲津がメガネをかけている時とそうでない時がありましたね。あれは心境の変化等を表していたのですか?どういう狙いで?
大森●そうでしたっけ…憶えてません(笑)意識してないです
大友●あれは本能的にやってましたよね(鷲津そのものになってたんだーと場内ざわざわ)
司会●他のひとをいじめていじめて、えげつない役でしたね(笑)ご本人はこんなに優しい顔なのに(場内爆笑)
大森●(照笑)さっき楽屋で(第1話を)観てて、「俺怖い顔してるなー」と……(笑)

大友●(しつこい、何度もやらせることについて)常に緊張感を持たせたい。ドキュメンタリータッチで撮りたかったので、カメラ4〜5台をいっぺんにまわし、メインカメラをどんどん移動させた。「今、こっちから撮られている」と判らないよう、役者さんの自意識を刺激しないように
宇崎●そして編集で繋げるんですね。オンエアを観て「えっこうなるのか」と。「こんなところを撮られていたのか」と思った
大友●自分は役者さんが力を出せるお手伝いをしているだけです。撮影に入る前、柴田さんに「敢えて演じますか?それともリアルに行きますか?」と訊かれ、後者でお願いします。と
訓覇●役者の集中力が切れないよう、少なく撮るドラマも多いけど大友さんはそうしない。緊張感のあるシーン、泣いたり倒れたり…と言うのをを何度でもやる
宇崎●永島(暎子。西野の妻役)さんなんて何度僕に突き倒されたか……(申し訳なさそうに)
訓覇●プロデューサーとしてはヒヤヒヤしていたけど、「何回やるんだよ!」と言う文句は誰からも出ない現場だった
大友●頭の中に思い描いたものをほんのちょっとでも越えたいんです。カメラが演技に連動出来なくて台なしになることもある。役者の演技を制限したくないので、カメラと役者の一致点を見つけるのに時間がかかる。撮影前にきちんと説明して、納得して頂いてます
大森●鷲津がリハビリ中、ちゃんと歩けないことに苛立って地下道で暴れるシーンを撮ったんですけど…あれ、急に撮りましたよね。台本にもなかった。でも本編では使われなかった。DVDの特典映像にも入らなかった。格好よかったのに……(笑)いや、別にいいんですよ?あのシーンをやったおかげで鷲津の心情が繋がったと言うか、その後を表現するのに役に立ってよかったんですけど…あれ、最初から使わないつもりでした?フィルム回してなかった?いいシーンだったんだけどなあ……
大友●不思議ですねえ…なんで入らなかったんでしょうねえ……(ニヤニヤ)

大友●専門用語が多いでしょう、ホワイトナイト、ゴールデンパラシュート……格好いいなと思って。必殺技みたいじゃないですか、スペシウム光線!みたいな(笑)
大森●難しいし、長いし、多いし…。大友さんに「(台詞)減らしてください」と半分冗談で頼んだけど駄目でした(笑)でも憶えるのに苦労すると言うことはなかったです
大友●『必殺仕事人』や『女王の教室』のように、悪いと言われるひとが返り血を浴び、自らの身体を引き裂かれ乍らも相手をバサバサ斬っていくようなものを撮りたかったんです。単純な善玉悪玉で分けられない、複雑なダーティヒーローを描きたかった
宇崎●鷲津は冷たい冷たいと言われますが、回を追うごとに変わっていきますよね
大友●あれは役者さんたちの力ですね。あの文太さんさえ変わっていきましたから
大森●鷲津はひとを陥れていることを自分で理解している。その上で全て受け入れようとしていたんだと思います。そしてそれがパンクする……。彼は彼なりに、あの世界で真剣に生きているんだと思って演じていました。最初の段階からキャスティングしてくれたことに感謝してます
訓覇●ドラマの幕切れには批判もありました。「作りものを描かないで」と。前半3話の方が人気があるようです。でもラストに救いを描きたかった

宇崎●今回出演で本当によかった。音楽のひとすごく大変だっただろうなって。通常の作曲依頼とはかなり違うと思う。1〜3話と、4〜6話では(音楽の)当て方の傾向も違いますよね?
大友●専門用語も多いし、難しそうなシーンが続くドラマなので、「見せていく」ための音楽は重要でした。観ているひとに次はこういうことが起こりそうだぞ、と喚起させるような音楽。“ハゲタカ”ですから、それにまつわるキーワード…「托卵」とか「飛翔」とか、それでイメージを伝えて何曲も作ってもらった。音を当て乍ら編集していきたいので
訓覇●ハゲタカのサントラ、ニュース等で今もよく耳にしますよ。ただ猟奇的な事件とかを扱ってる時のBGMとかで…(苦笑)
大友●宇崎さんや大森さんは音楽をやってらっしゃるからセンスがあって、いい意味でフットワークが軽い。演技が重くならない

質問●銀行に勤めている者です。閉鎖的な銀行内をよくここ迄描けたなと思いました、どのように取材を?
訓覇●銀行側は非常にオープンでしたよ。こちらの取材にもきちんと応えてくれたし、苦しいことも沢山教えてくれた。銀行を一方的な悪者にしたくありませんでしたので、その苦しみを表現できたら…と思いました。私は(ここのところ問題が続出している)NHKの者なので、共感することも多かったです。ファンドの方がガードが堅かったですね。情報を殆ど教えてもらえませんでした
大友●仕事の内容もですが、例えば銀行の偉いひとの部屋ってどうなっているんだろう?と言うディテールも大事だったので、ちゃんと部屋を見せてもらえてよかった。あとバブルの頃はタクシーで送迎されていた偉いひとが今は電車通勤で、「嫌じゃないですか?」と訊いたら「いや、自分の好きなところで途中下車出来るし、焼き鳥食べに寄り道出来るから今の方が気が楽」と。そういう話も聞けてよかったです

質問●大木会長の「やりなおしたいなら、何もしないことだよ」と言う台詞を鷲津はどう思ったのでしょうか。また、大森さん自身はそれをどう思い役作りをしましたか?
大森●(鷲津としては)「このおっさん、何言ってんだ?」と(場内笑)鷲津は自分の考えこそが絶対だと思っていた。ここが大木会長と鷲津の壁だったんでしょうね。そしてあの言葉で鷲津は揺らいだとも思う

質問●同じ枠の『クライマーズ・ハイ』は映画にもなりました。『ハゲタカ』にその可能性は?続編等のご予定は?希望でもいいです
訓覇●『ハゲタカ』は準備含め1年半くらいかかった。本当にパワーがいりました。僕身体弱いので…(笑)もし続編を作るなら、体力を回復させてから……また1年半くらいかかるかも(笑)
大森●鷲津に戻るには時間がかかるので、続編が決まったら早めに教えてください(笑)

宇崎●本当に面白かった、とてもショックなドラマだった。今まで出してもらった中でベスト1の作品になったと思う、ここに来ている皆さんはきっと観ていると思うけど、是非、是非全話観てください
大友●よくスタッフに話すんですが、「天才イチローでも3〜4割しか打てないんだ」と。『ハゲタカ』は予想以上に成功した。次は失敗するかも、と言うか失敗したい。守りに入らないでチャレンジし続けたい。僕は1話と6話を演出しました。井上、堀切園が演出している回もあります。名前が出なかったスタッフも沢山います。『ハゲタカ』組は本当にいいチームだった。僕だけじゃなくて…『ハゲタカ』に参加したスタッフの名前を他のドラマ等で見掛けたら「『ハゲタカ』組、やってるな」と応援して頂けたら嬉しい。いつかまたこのチームでいい作品を作れれば
訓覇●今度大友さんと組んだら失敗しちゃうのか(笑)『ハゲタカ』は数字(視聴率)よくなかったんだけど、いくつも賞を頂いて、オンエア終了して1年以上経つのにこんな場にも呼んでもらえて…本当に嬉しいです

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ゲスト全員が「このチームでまた仕事をしたい」と言っていたのがとても印象的でした。面白かった!おーもりくんすごい水飲んでたな。セミナーでも立派なことを喋るようになりましたのう(笑)

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みなとみらい線が延びたので、情文ホールの最寄り駅から渋谷駅迄直行出来るようになっていた。便利ー。

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『能楽現在形 劇場版@世田谷 —能は能か、演劇か』@世田谷パブリックシアター

一噌幸弘さん(一噌流笛方)、亀井広忠さん(葛野流大鼓方)、野村萬斎さんのユニット。半能『融』、能『舎利』。『融』はいろんな流派を日替わりで見せるもので、この日は宝生流でした。よって『半能「融」遊曲』。『舎利』はスペクタクル能で退屈しない!面白かったー。照明効果も通常の能舞台では観られないもの。韋駄天と足疾鬼のバトルは宇宙戦争みたいになってた(笑)

上演後には3人と、『舎利』のシテ方・金井雄資さんのアフタートークもありました。能舞台と劇場の構造の違い、伝統芸能を現代舞台でどう上演するかの新しい試みについて等面白い話が沢山聞けました。大きな段差を組み、橋掛かりは中央に2本。照明は暗く、床面は黒のリノリウム。何もかもが能舞台と真逆のスペースで舞うのはとても大変だったと金井さん。面も付けているので視界は狭く、跳躍も多い舞なので「死ななくてよかった」「ケガしなくてよかった」と言っていました。それでもとても楽しそう。音響も、PAを使えるからこその効果をいろいろ使えて面白かったとのこと。

最終日だったから舎利投げて壊しちゃった!破壊衝動を抑えられなかった!ここにロック、パンクのスピリット!とか盛り上がっておかしかったー。

それにしても一噌さん、すごいキャラだ。それをあしらう萬斎さんの鬼っぷりもすごかった(笑)いちばん歳下の亀井さんがいちばん大人に見えた(笑)



2008年06月21日(土)
『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』ツアーファイナル大打ち上げLIVE(セットリストとか)

『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』ツアーファイナル大打ち上げLIVE〜ジョンも来るよ!@中野サンプラザ

ぎやーんすっごいよかったよー楽しかったよー!!!ええっと明日早起きなんで後でいろいろ書き足します。とりあえずウチの特色である(そうなのか?笑)ザズゥシアターマニア的な部分をひとつ。

1曲目にソムンさんが唄ったティナ・ターナーのカヴァー「The Bitch is Back(邦題:あばずれさんのお帰り)」は、アルバム『ROUGH』に収録されているナンバー。今回のヴァージョンは、『TWO ROOMS -Celebrating The Songs Of ELTON JOHN & BERNIE TAUPIN-』収録のため再レコーディングしたものに倣ったと思われます。

『TWO ROOMS』とは、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンのナンバーを名だたるアーティストたちがカヴァーした企画アルバムです。よって「The Bitch is Back」のオリジナルはエルトン・ジョン。アルバム『CARIBOU』に収録されています。

ふたりが共演した映像がこれ↓(20160509:リンク切れしていたので新しい動画に張りかえました)

いやしかしソムンさんのヴァージョンもよかったねえ。

で、これが何故ザズゥシアターマニア的なものかと言うとですね。『シープス』で使われていたからだー!『シープス』は『TWO ROOMS』からTHE WHOの「Saturday Night's Alright for Fighting(邦題:土曜の夜は僕の生きがい)」、シネイド・オコーナーの「Sacrifice」と3曲も引用されていました。

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ちまちま作業してたら3日経ってしまった……。ヘドのサントラ以外でやった曲が収録されているアルバムにリンクを張ってみました。廃盤等でオリジナルアルバムがweb上に見付からない場合はベスト盤。興味がある方は聴いてみてくださいな。「The Bitch is Back」は上記の通りです。'70〜'80年代にヒットした曲には味のある邦題が付いているので、それも併記しておきます。ソリストの間違い等ありましたらご指摘ください。

ヘドのostはこちら。

・オリジナルキャストレコーディング


・映画版


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セットリスト

01.「The Bitch is Back(あばずれさんのお帰り)」ソムン・タク
02.「Love Will Keep Us Together(愛ある限り)」望月英莉加


03.「You Light Up My Life(恋するデビー)」中村中


04.「Tear Me Down」山本耕史
05.「The Origin of Love」ジョン・キャメロン・ミッチェル
06.「Angry Inch」ジョン、山本
07.「Sugar Daddy」山本
08.「Wig in a Box」ジョン
09.「I Will Always Love You」タク


10.「Yes, I'm Your Angel(あなたのエンジェル)」中


11.「Starman」山本


12.「The Long Grift」Dai
13.「Wicked Little Town(Hedwig ver.)」ジョン
14.「Hedwig's Lament」ジョン
15.「Exquisite Corpse」ジョン、山本
16.「Wicked Little Town(Tommy ver.)」山本
17.「Midnight Radio(Acoustic ver.)」ジョン、山本
encore1
18.「赤い靴」ジョン


19.「Midnight Radio」全員
encore2
20.「Sugar Daddy」全員

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……長い。おぼえがきと感想は別頁に改めて書きますー。しかし思うところが沢山ありすぎてどうしましょうって感じですよ。ステージは基本記憶に残ればいいやと思うタチですが、映像とか残ってればいいのにね、とちょっと思ったり。せめてライヴ盤とかねえ……いやいや、あの場にいられただけでも感謝だな。



2008年06月20日(金)
『井上雄彦 最後のマンガ展』

『井上雄彦 最後のマンガ展』@上野の森美術館

平日特別ナイトチケットで行ってきました。最後の方はひとも少なくなってきてじっくり観られた。コンビニで買ったチケットを、入場の際オリジナルチケットの半券と交換してくれました。こういうちょっとした気遣いは嬉しいな。

145枚の『バガボンド』が1話分。全て描き下ろし。画法は、壁に貼った和紙に筆、水張りした和紙に筆、ケントボードにペン(基本筆だが背景に若干ペンもあったと思う)、ケントボードに筆、石膏(コンクリートかも)キューブに筆、壁に直接筆、ケントボードに鉛筆、と言ったところか。数点、下書きのままらしい鉛筆描きのものがありました(鉛筆描線を完成形にしたものとは感じが違う)。これはタイムアップだったのかな。鉛筆以外の画材は墨。数箇所意図的な彩色があります。それ以外はひたすらモノクロの空間。

「マンガを展示する」、と言う企画には「定形から脱したい」と言う狙い、と言うか願いもあったように思いました。誌面に印刷するマンガ原稿はサイズが決まっている。印刷が前提にある=濃淡が線数や網に置き換えられる。今回の展示作品は、通常のマンガ原稿の定形サイズから、美術館の高い天井迄届くような巨大サイズ、両手に納まりそうな変形サイズと様々。そして墨絵の繊細な濃淡を肉眼で観ることが出来る。墨の水分で和紙に皺がよったり、伸びたりしているところも直に観れる。照明は暖色系、若干落とし気味で、ポイントによって明度も違う。ひっそりとストーリーを追える快適な空間でした。

誰も死後の世界がどういうところか知らない。そんなところに行けるなんて、面白そうじゃのう。

そう、やっぱりストーリーが素晴らしくて。井上さんて画力そのものもホントものっすごいけど、「ストーリーを見せるための」画面構成とデザイン演出がズバ抜けている。やっぱりマンガ家なんだなあと思うと同時に、マンガ家って凄まじい総合芸術だと改めて思いました。そしてそれを絶妙に配置構成した空間デザイナーの方の仕事も素晴らしいと思います。最後のセクションルームに入った時は思わず立ち尽くした。ここはひとが少なくて本当によかったなー。数秒だけどひとりっきりで観ることも出来たし。こういうふうにマンガと対面出来る体験はなかなかない。行ってよかった……(涙)

そうそう、木刀が置かれているところがありますが、近付いて隅々迄観るといいですよー。本物ではないらしいですが、ギョッとさせられます。こんなところに迄演出が!

あっ、ひとつ不思議なことが。写植(台詞とか)が貼り込まれたものじゃなかったの。どの紙にも、直接刷られてた。あれどうやったんだろう?先に写植部分をシルクか何か(いやでも見た限りシルクじゃなかったっぽい…)で刷っておいてから絵を描いたのかな。『いのうえの 三日月篇』でもそのことに触れていたけど、実際どうやったかは内緒みたい。『いのうえの 満月篇』で種明かしされるかなあ。予約受付中だったけど価格未定ってのにビビッて申し込みしてないんだけど(笑)

周辺をぶらりとして帰宅。夜の上野公園もいいもんですな。



2008年06月19日(木)
TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA TOUR 2008『Perfect Future Tour』

DISTORTION@YELLOW今日で最後なんだよなと思い乍らNHKホールへ。皆YELLOW入れるといいね、入れたかな?

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TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA TOUR 2008『Perfect Future Tour』@NHKホール

そういえばスカパラをホールで観るのって初めてのような気が…(あ、でも冷牟田さんが復帰したときの武道館は観てるか)ツアー最終日と言うこともあり大盛り上がり。観客が熱い!メンバーもちょっと驚くくらい。

NHKホールだからか恐ろしく音がいい。しかも皆さん上手くなってるもんだからビビる。「やっぱり場数って大事なことだよね…」「でもあんまり上手くなり過ぎると面白みがなくなりそう…」と暴言。だってこんなにホーンのアタックビシバシ揃うひとたちじゃなかったじゃん!音色もやたらクリアだし!(としより発言)技量は必要だけど、勢いやその場でしか作れない雰囲気を大事にするために精度はともかく出力は常に最大、と言うイメージが強かったのですが、今はどっちも手にしていて末恐ろしい。文字通り鬼に金棒。

「Perfect Future(short ver.)」からスタート、新譜中心の選曲。ホールらしく、ビシッと魅せるショウ的な演出もきちんと折り込んでおり、そういうところもサービス精神旺盛。これは昔からそうだったけど、ホーンがフォーメーション組むのが楽しいんだー。ジグザグになったり、ソロ以外は後ろ向いたり。これが終盤に向かうにつれバラバラになってくのがまた面白い(笑)

谷中が「ネガティヴなことに時間を使うのは勿体ない」と言っていて、ここのメンバーがそういうこと言うと真実味がどしーんとあるのですごく素直に頷いてしまった。この日の谷中はいいことばっか言ってたなー。ポエマーの座は欣ちゃんに譲ったからなあ(笑)てか欣ちゃんていつからああなったっけか。フィッシュマンズの頃ってあんな子じゃなかったじゃない!とまた暴言。だって「心が高揚して…身体が俺の指示を聞いてくれないんだァァ!」とか言うんだもん。すまん、ゲラゲラ笑ってもうた。メンバー紹介の時にもいろいろおかしなことを言っていた。欣ちゃんの後につよしが喋ったんだけど、すごくホッとした(笑)つよしはスカパラのオアシスだわ〜。それにしても皆さん弁が立ちますね…キャラも立ってるしね…伊達男ばっかりだしね……いやー本当に格好いい。

そしてめちゃめちゃ言いましたが欣ちゃんのドラムソロはすごく格好よかったです。セッティングが独特(ハイハットを左に置いてオープンハンドで叩く)だから忘れがちだけど、このひと左利きなんだよね。変則的で面白かった。

GAMOUさんの「高校野球の応援でブラバンが『太陽にお願い』やってて、CMとかに使われるのも嬉しいけど、こう…駆け引きなしで(笑)僕らの曲を選んで演奏してくれてるってのがすごく嬉しい」ってMCがよかったな。スカパラの曲ってそういう風に広まって、いろんなひとに聴かれていくんだろうな。誰の曲か知られないまま、日本に限らずどこかの遠い国で「これいい曲だねー」と言われていたりもするんだろう。

本編ラストは「Pride of Lions」。キター、ゲストヴォーカルふみおくん!メンバーとおそろいのスーツです。ふみおくんがスーツ…しかも足首迄あるパンツを履いてると新鮮だわー(笑)靴はエナメルだったし。「ありがとうー!最高だったね!楽しかったね!楽しかったねー!」と保父さんみたいな喋りになってたけどいやはや本当に楽しかったです。あーそれにしてもこれはホントにいい曲だ、いい歌だ(涙)

アンコールは「ゴッドファーザー愛のテーマ」、スペシャルズのカヴァー「Monkey Man」、オーラス「Come On!」。2時間ちょいがあっと言う間、緩急織りまぜた全く隙のない(MC以外(笑)だがそれがいい)ステージでした。スカパラ観ると背筋が伸びます。来年20周年、いろいろ予定しているそう。楽しみです。皆元気で!

最後に、面白かった谷中の壊れMC。
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谷中「3階ー!」
客「イェー!」
谷中「2階ー!」
客「イェー!」
谷中「1階ー!」
客「イェー!」
谷中「やなかー!イェー!」
客と他のメンバー「(ざわざわざわ…)」
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冷牟田さんががくっとなってた(笑)



2008年06月18日(水)
ひとねこいぬいぬ

■『TO SURVIVE』JOAN AS POLICE WOMAN
いただきもの(有難うございますー)最近のおきにいり。ルーファス・ウェインライトやニック・ケイヴ等、数々のサポート、セッションに参加しているジョーン・ワッサー2枚目のソロアルバム。
ルーファス、デヴィッド・シルヴィアンが1曲ずつゲスト参加。
もともとはヴァイオリニストだそうですが、アコースティックなピアノとギター、歌が前面に出ています。声がいい。常に抑えた感じで、暖かみがあるのに、とても強い歌。そして強いのに、押し付けがましくない。北風と太陽だったら太陽ですなー。
でも陰がある。長く聴くことになりそう。
・PGS LIVE! Joan as Police Woman Interview
来日してたんだー。スティーヴ・ジャンセンの名前を思い出してくれてホッとした(笑)しかしこの記事、ジャンセンのスペルが間違っています。これじゃジョンソンだよー(泣)
ボーナストラックが入るらしいので日本盤買っちゃおうかなと調べたら、これも日本盤ディストリビュートはホステスだった……

■『続 まこという名の不思議顔の猫』前田敬子、岡優太郎
続編が出たよー。もう…この顔……たまらん……。
1冊目のひきとられたての時はあちこちはげててギスギスに痩せててどんより顔だったまこが、かわいがられてふくふくになってます。不思議顔なのは変わらないけど、表情が随分柔らかくなった。よかったねえ。
妹分しおんも、新入りしろたろもかわいい。しろたろオモロい柄だねー。
ちょっとショックだったのは、伊勢丹で売ってるいいパン(リヴレ)をまこが食べてたことだな(笑)あれウチではなんかいいことがあった時とかにしか買わないよ…うまいですよ……

■と言えば
このお店、広末涼子ちゃん似の店員さんがいたんだけど最近見ないなあ

■『ベルカ、吠えないのか?』古川日出男
文庫になったのでようやく読んだ。ぎゃー面白いー!てか文体にビックリした…文体そのものにビックリしたのって村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』以来かも。舞城王太郎にもビックリはしたが、なんかビックリの質が違うんだー!
それをちゃんと説明しなさいよ…出来ません!
あービックリした!あービックリした!このひとって他の作品もこうなんですかー!気になるー!
雌いぬがレディース口調だったのが気になります…ヤクザの嬢の口調もね(笑)あとはもう瞬きするのも惜しんで読んだ。
あー面白かった!あー面白かった!
1943年、キスカ島に取り残された4匹の軍用犬とその子孫たちが、国境と時代を越えて疾走した「戦争の20世紀」の物語。「雑じれ、穢れろ、犬種に『標準(スタンダード)』があることを否定しろ」。いぬは数を数えない。いぬは人間の思惑など受け取らない。
ねこ好きですがこれにはヤラれました。アイスがおきにいり。
文庫版にはイヌ系図も付いてるよ!

■『犬身』松浦理英子
ぎょぎょぎょ、すぎょい面白かった…リネさんありがとー!
いぬが好き過ぎて自分を「種同一性障害=ドッグ・セクシュアル」と定義付け、そうこうするうち本当に雄いぬになってしまう女性の話。と書くとファンタジーのようですが、すんげいなまなましーのでファンタジーとも言いづらく。あーでもラストはファンタジー的にほわんとしたなあ。ついよかったねと言ってしまいそうに…いや、よかった、よかったのかな……うーんよかったんだよね……。
人間の女性である時の記憶は残ったまま、性別も種も変化する主人公。セックスなしでお互いは満たされるのか?セックスと性的虐待の線引きはどこか?と考えていくうちに、そもそも性的欲求とは何なのかと言うところ迄行き着くことになる。そのうえ主人公はいぬになって飼い主に撫でられること、飼い主の側にいられること自体に快楽を感じてもいるので、それでは肉体的快楽はどこ迄が性的快楽なのか?と言う疑問も出てくる。
考え出すとキリがないぞー!
哲学的でもありますが、飼い主の家庭の異常さ(いやホントえぐいで。また描写がたまらん)をいぬが覗き見る構図は、『家政婦は見た!』を連想させもします(笑)

やーそれにしても、『ベルカ〜』にしてもこれにしても、いぬって一途ですね……。



2008年06月15日(日)
『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』TOUR FINALとか

『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』TOUR FINAL@東京厚生年金会館 大ホール

ここの2階席って2列目が最前列なんですね…3列目だったんだけど、その真ん前の2列目のひとがこなかったので、絶好の視界で観ることが出来ました。真正面。まるで私に向かってヘドが唄っているようよ!(違います)

FACEの場末感・閉塞感もよかったけれど、厚生年金の天井の高さや左右の拡がりを活かしたステージをじっくり観ることが出来ました。昨年のファイナルはちょっと席がよくなかったこともあって、ステージの大きさに合わせた演技やスタッフワークに気付きづらかったんだけど、今回はそれがよく見えてすごくよかったなー。無理にキャパを拡げた感じがしない。ヘドウィグがトミーになり、場末のクラブがジャイアンツスタジアムになる空間の変化がより楽しめる。山本くんもソムンさんも演技がより伸びやかになっていた。くまグミも投げまくってた、2階席迄届いてるのもあった(笑)

感動したのは照明!ライヴシーンでのカラフルさ、長く長く伸びてヘドを追うピンスポット、「Midnight Radio」での、明転とも言えるような白色逆光の美しいこと。その照明が一斉に消える絶妙のラストシーン。寒気がした。これはライヴハウスでは体験出来ないものだった。来週の中野サンプラザは打ち上げライヴだけど、ホールならではの構成演出、照明音響がどんなものになるのか楽しみです。

アンコールでソムンさんがキャンセルに関してのお詫び。「こういう時自分の言葉が足りないのを痛感する」と言っていた。いやはや戻ってくることが出来てよかったですよ…。また歌声を聴くことが出来て嬉しかった。山本くんが「タクちゃんは永遠のパートナーです」と言っていた。いいタッグだったなあ。

タッグと言えば、この日「Random Number Generation」前にヘドがクリスタルナハトを紹介するところ、「レディースア〜ンドジェントルメーン、ディスイズ、クリスタルー、ナハ〜ト〜!」てプロレスの入場かいって口調でちょっとウケた(笑)レスラー来たー!いやでもそれくらいパワフルな歌声のソムンさん。ちょー格好よかった。

最後に「Sugar Daddy」「Origin of Love」を唄って終了。山本くんが「またこの作品でお会い出来ることを」と言っていた。エンドレスツアーだ、またこの街に来ておくれーその日を楽しみにしています。おつかれさまでした!

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■『SING AS YOU ARE〜'07 LIVE LOG〜』高畠俊太郎
ハイラインレコーズ限定販売。なかなか下北沢に行けずでも通販はいやんとジリジリしていてようやく入手。
ソロ名義2枚目。全てライヴテイクです。ソロ1枚目の『爽雨』同様、俊太郎には雨が似合う。しっとりとか肌に吸い付くようなとか、そういう雨。天気雨もいいな。ベタベタになる一歩手前で色気になる。
ウルトラポップ時代の曲も、最新の曲も、それは変わらない。変化があったとすれば、最近ピアノを使いだしたことかな。これ何げにデカいよなー、これ迄やってきたバンドって皆バリバリのギターバンドだったもんね。
そんな新しい面も見せつつ、高畠俊太郎ROCK'N ROLL BANDではエレキでガンガン。バラエティに富んだ楽曲が俊太郎の声でまとめられ、バランスよく1枚のアルバムに収まっています。
ブログで本人による楽曲解説が読めます。あ、雨男なんだ。どうりで(笑)

■えー!
エルマロからアイゴンが脱退してもうた。ちょ、復活後まだライヴ観れてないのにー!
てかアイゴン抜けたら柚木さんのひとりユニットじゃんよ…

■ごはん
れいさんとこで、イトイ新聞の『吉田戦車の逃避めし』を教えてもらって、その流れで他のコーナーも見てってて『かもめとめがねのおいしいごはん』に辿り着く(今頃)
アンチョビ入りのポテトサラダ作ってみたんだけどこれうまいー!最近やっとスーパーにバターが現れ始めて仕入れることが出来たので、遠慮せずバターもふんだんに入れてみた。
飯島さんの連載『LIFE —IIJIMA Nami's homemade taste』にもうまげなものが沢山載ってますよー。ナポリタンは近いうちやってみたい。麺を敢えてのばす、てのがおかしい(笑)
またこの頁、見せ方が巧いわ…紙芝居風味でサクサク、ついついめくって見ちゃう

■と言えばさ
スンドゥブにキャベツ入れるとうまいですわ。もう何入れてもうまいんじゃないの…なんかもー1年中食べてる気がするスンドゥブ。こないだジェンヌに「なんでそんなにハマッちゃったの…」と哀れむような口調で言われたけどほんとなんででしょうねえ……魔性!



2008年06月13日(金)
The Birthday『BLACK ROYAL 12 NIGHTS』

ヘドファイナル、イツァークはソムン・タク!(土曜日に書いてます)
望月さんありがとうー望月さんのイツァークも観たかったよ。

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The Birthday『BLACK ROYAL 12 NIGHTS』@Zepp Tokyo

昼間に職場でコーヒーをぶちまけて(いや暴れた訳ではなく単に手が滑り…)左半身がコーヒーまみれな状態でZeppへ。あー黒い服でよかったよー。隣にいたお嬢さんから青りんごのようなとてもいい匂いがする。…隣のひとの匂いが嗅げると言うことは、こっちのコーヒー臭も嗅がれているのではないか!?……じりじりひとのいない方へ移動。あああー自分がコーヒーくさいよー!

まあそんなことはよくてですね…武道館ではミドルテンポのものをじっくり聴かせる構成でしたが、今回はアッパーセットであーやっぱこんぐらいのキャパで聴くのはいいなあ!と思った。観客のレスポンスもいい。新曲もいくつかやりました。

チバくんの声はデカいなー。このバンド、ギターの音が相当デカいと思うんだけど、それにも増して声がデカいわ(笑)どういうあれでこんなに声が強くなったかねこのひとは…今ミッシェル初期の歌をこの声で唄ったらどうなるかな。でもバースデイの曲は、この声以外有り得ないなあ。本当に強い声。

当日3時、お友達にこどもが生まれたとのことで「やる予定じゃなかったけど」と「オリーブ」をやりました。ド直球。この歌唄うのってすごく勇気があるか、厚顔無恥かのどっちかだと思う。チバくんは前者であり続けようとしてるんだろうな。

後ろにいたせいか?Zeppなのにとても音がよく感じた。コーヒーに感謝ですかね…(黙)



2008年06月12日(木)
JOY HEIGHTS 1st Album『COUNTRY KILL』Release Party!

JOY HEIGHTS 1st Album『COUNTRY KILL』Release Party!@UNIT

大友さんがブログで「オレがほかのメンバーにくらべて、あまりにおっさん」「ネットでおっさんおっさん言うな、ほっといてくれ(笑)」とか書いてて、何そんな気にしてるのん…ガラスのハート・良英!と大笑いしてたんですが(失礼)、実際現場でいちばんハジけていたのは大友さんでした。tt壊すわ水まくわギター投げようとするわ(笑)気合いの程が窺えました。「見た目はただのおっさんかもしれんが、音だけは負けないぞ!」がひしひしと伝わりました。いやもうおっさん言わなくていいから!(泣)てか大友さんはアツいひとだもんね…。いやーいいライヴだった。

いきなりライヴで聴きたかったので(なので昨年のピットインのチケットとれなかったのは痛恨ですがな)音源は未聴。配置は上手から中村達也(drs、vo)、大友良英(g、tt)、tatsu(b、key)、百々和宏(g、vo)。ドラムのパターン出しから始めてどんどん繋げていくので曲間は殆どなし。最初に中村さんが「7つの物語をお届けします」と言ったので7曲だったのかな?最終的に何曲やったかよく判らず。アンコールは2曲。

誰が遠慮することもなく、それぞれが自分の看板を持っているメリハリのきいた演奏。gの割り振りも結構ハッキリしてる。百々くんはロッキンなリフとコード、ディストーションを活かしたノイズ。大友さんはヒネッたリフと音響的なノイズ主体。中村さんは戦車みたいに周囲をなぎ倒すようなドラミングだけど、あとの3人も退かないひとたちだから、真っ向からぶつかって龍の滝登りみたいな上昇っぷりでした(何その例え)

しかし皆好き勝手やってるようで、やはりtatsuが周りをよく見ている。ベーシストと言うパート柄か、本人の性格か、興味深いところです。しかしあんだけ好きに弾きまくってるtatsuを観られたのは嬉しかったなあ。用意していたウッドベースは4小節も使わなかったけど(笑)即興的な部分も多かったので、その場で楽器をとっかえひっかえやるつもりだったのかも知れないが、単に持ち替える暇がなかったのではと思われる…ホント曲間殆どなかったから。アンコールの最後の方で慌てて使ってみた、って感じだったのがおかしかったな。bとkeyを同時に弾いたりもしていた。実は屋台骨…?

と言えばアンコール2曲目でtatsuがkeyで弾いたリフ(ループかけてリズムずらして展開させてた)、レピッシュの「ありがとう」のイントロを彷佛とさせる音色とリズムだった。不意を衝かれて実はちょっと泣いた。

大友さんのttも存分に聴けて満足。音源も聴いてみよう。早くもまたライヴが観たいです。

対バンのMETALCHICKSもよかった!あははは確かにメタルちっく(笑)シュガー吉永さんと吉村由加さんのユニットです。メタルなドラムパターンとギターリフなんですが、シーケンサーも使ってて、ブレイクビーツやドラムンベースな要素もあってこれがかなり踊れる。これは格好よかったなあ。「メタルだからツーバスを半年前から始めてみました」「メタルだから皆ヘッドバンギングしてください」「メタルだからTシャツ作りました」「メタルだから!」メタルって…いいな……(微笑)



2008年06月10日(火)
OM JAPAN TOUR 2008

OM JAPAN TOUR 2008@Shibuya O-Nest

対バンは54-71とmouse on the keys。ぎゃっガチで観たいのばっかりだ!

なのに遅刻(泣)3曲目くらいからmouseを聴く。んあー今となってはこの順番でよかったかも知れんと思ったり…今回ドラムがすげいひとばっかりで、全部を観た後ではか、川崎さんがんばれ!と思ってしまったよー。いや川崎さんが決して下手な訳ではない…しかし馬力が……いやmouseは馬力で聴かせるものじゃないとは思うけど……。つうかこのひとら音源が精緻過ぎるんだよ(言い掛かり)!なのでライヴだとちょっとラフさと言うか粗さが徒になる感じがする。続いての54-71のビシバシ精緻っぷりがまたすごかったので、尚更そう思ってしまったー。

まあピアノと言う楽器自体が10本の指で流れるように弾くものだし、ハードなタッチで弾いたからと言って、アタックは強くなれど鋭くなるものではないからなあ。で、そのピアノとのアンサンブルを考えた上でのあのドラムなんだろうし。ライヴは難しいな。と、ひっかかりはあったものの曲はやっぱり格好いい。また観たいー。

で、54-71。また4人組になりました。いんやーたまんねー!ザ・道場!阿吽の呼吸とかそういうレヴェルじゃねえだろう。ちょっとズレたら斬り殺されますよくらいの綱渡り緊張感ですよ!しかし綱渡るにしても力が入ってると言うことはなく。合気道か。なんでこんな例えばかりになるのか。格闘技じゃないの、武道なの!

なんかビンゴさんがプチデス声になってたで…なんかもーこのひと観る度にスタイル変わるから訳わからん。トリオの時はくるりのひとみたいになってたのに!その前の4人の時はもっとクリアな声で唄ってたよなあ。

やー、あまりにもステキングなおっかなさだったので何書けばいいかわからん。夏に新譜が出るそうなのですっごい楽しみ。

今更ですがこのひとら「ごじゅうよんのななじゅういち」と読むんですが、OMの時ベースのアルさんが「fifty four seventy oneありがとー」と言っていた。あたりまえと言えばあたりまえなんだがちょっとウケた。

で、OMです。初見。予備知識もなかったですよ…なので花月さんとこに学びに行ったら「お経ジャンル」と出てた。OMてΩのことなんですな。で、音も正にそんな感じ(笑)ドゥームでマントラ。低音凄過ぎて殆ど聴き取れませんでしたがサンスクリットがどうのと唄っていたので、歌詞も東洋思想に基づいたものなのかも。挨拶の時に手をあわせていたし。

そう低音凄くて!ずーっとビリビリ。ついついじりじりとスピーカーに近寄ってしまい…最終的にはスピーカー真ん前へ。低音がジェットバスのよう、全身で浴びれて気持ちいいのなんの。なんか憑き物落ちた感じだわースッキリ!大音量なのに耳が痛くならなかったし(低音だから?)ホントに身体にいいんじゃねいのと思った…。OMエステか。

ベースとドラム編成。で、いきなりドラムはもう二代目です。ベースのリフで進めていくんですが、リフ自体のパターンはそんなに多くなく…ドラムのパターンは多彩。主導はベース。しっかっしっこれが膨らむんだ!少ないリフだけどドラムとのアンサンブルで動く動く。どの曲も10分以上で、全部で5曲くらいしかやらなかったんじゃないか…なのに全然飽きないんだなー。ドラムのひとが「最後の曲でーす」と言った時フロアがえー!となって、そしたら「いや最後の曲は30分だから」と応えたのがおかしかった。

途中マイクのトラブルがあって、アルさんが「ちょ、このマイクどうにかしてよ!」と怒ってすぐ後我に返ったのか「あ、ごめんね心配しなくていいよ」とフォローしてたとこに人柄が(笑)スタッフにきちんとお礼言ってたり、キャリア長そうなのにいいひとそうでしたよ。燃料はレッドブルだそうです(笑・ステージ上でも飲んでた)。ドラムの子はビール?の小瓶をくいくい飲みつつプレイしてました。ベースのチューニングやセッティングの待ち時間、ドラムスツールから離れてステージすみっこをうろうろしていたのがおかしかった。

いんやー面白かった。また観たいー。



2008年06月08日(日)
モーリス・ベジャール・バレエ団 2008年日本公演とか

■下北沢シネマアートン閉館
ええー……こんなことで………いや被害に遭ったひとはお気の毒ですが、映画の現場とは全然関係ないことが原因で閉館なんて………。
山岡大祐監督のところで知りました。『ロストガール』が10月に公開決定、と発表されたばかりだったのに。
公開出来ますように。そしてシネマアートンはなんとか存続してもらいたい。でもこういう時、ただの観客って何も出来ないのが歯痒いな。署名くらいしかないのかな……

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モーリス・ベジャール・バレエ団 2008年日本公演@神奈川県民大ホール

Aプロ、『これが死か』『イーゴリと私たち』『祈りとダンス』『ボレロ』。東京公演は日程が合わず行けないので神奈川へ。海が近いとこに来ると妙にうきうきする盆地育ち。早めに出掛けて散歩。神奈川県民ホールは山下公園の真ん前で景色もとても綺麗。

ツアーは随分前から決まっていましたが、奇しくもベジャール追悼特別公演になってしまいました。ロビーには、笑顔でこねこを2匹抱えたベジャールの大きな写真パネル(これと一緒に撮ったんじゃないかな、ねこが2匹なの)と、愛用の椅子、『リア王 —プロスペロー』で道化を踊った時の衣裳が展示されていました。

レパートリーを継承しまとめていくのはジル・ロマン。Aプロでは『イーゴリと私たち』に出演。ストラヴィンスキーのカウント音声の中でシェフ(=マエストロ)が踊る。ベジャールが2007年4月に着手し、完成を見ないままだったものをロマンが仕上げたものだそうです。ベジャールの素描を活かし、振付には一切追加がないとのこと。日本初演。

肉感的なダンサーが多い。女性ダンサーの腰回りがとてもしっかりしている。ベジャール作品には不可欠のエロティシズムが際立つ。汗が光るのも美しい。生きている。『これが死か』は、ひとりの男性が、今際の際でかつて愛した女性たちに思いを巡らせる。最後のひとり、白い衣裳の女性ダンサーを迎え入れた時に死が訪れる。『祈りとダンス』では中東風の白い衣裳に身を包んだ男性ダンサーの群舞が美しい。日本人メンバー、那須野圭右さんのソロも。ひときわ大きな拍手が贈られていました。

で、『ボレロ』です。どんだけ『ボレロ』好きだあんた(自問)。しかもベジャール振付のばっかり観てるのね…他の振付もいろいろ観てみたいんだけどなあ。今回のメンバーで『ボレロ』を踊れるダンサーは3人(男性1人、女性2人)。当日朝迄誰が踊るか判りません。この日は男性ダンサー、オクタヴィオ・デ・ラ・ローサが踊りました。オクタヴィオ・スタンリー…だったひとだよね……?と話してたんだけど、名字が変わったのかな。

それにしてもダンサーによってほんっと印象が変わる作品だなあ。これ迄男性ダンサーの『ボレロ』は首藤康之さんしか観たことがなかったのですが(ジョルジュ・ドンは映像でしか観れてない)、首藤さんはちょっと人間離れした感じだったので…。デ・ラ・ローサはワイルド。精緻な踊りとは言い難いですが(いや勿論身体がブレるとか荒いとか言う意味ではない)それには生贄的な切迫感がある。3階席迄息遣いが聞こえるようでした。

そうそう、2年半前“最後の『ボレロ』”を踊ったギエムが、ベジャール追悼のために来年2月にまた『ボレロ』を日本で踊るそうです。理由はどうあれ嬉しいな。チケットとれますように。

エロや死を芸術にしようなんて輩は人間しかいない。面白いことです。

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中華街に寄ってお茶とか買って帰りました。久々で楽しかった。



2008年06月07日(土)
と、とった+『KYO-MEIライブ —裸足の夜明け』

バックホーン@武道館帰りの神楽坂の呑み屋でMIOさんに携帯でニュース見せてもらった時実は泣きそうになりましたが積年のなんやかやで実感がわかず「や、八百長じゃねえの…」とか言ってしまいました…それくらい絶望的な状況だったの!この16年間!問題は山積みで根は深いけど今夜はもうそういうのナシだ!素直に嬉しい!あー、ホントにホントにオリンピックに出られるんだー。おめでとう。

監督が「12人に入らなかった選手を含めた、全日本の選手たち全員の努力に感謝したい」と言っていたけど、それはこの16年間在籍した選手皆も含まれると思うよー。今ここに甲斐くんや千葉くんがいなかったのは本当に残念だ。宇佐美くんも最後はベンチだった。でも、彼らの貢献もあると思うんだー。勿論最後、コートに立っていた6人は素晴らしい。

最後決めたのが荻野くんだった(あ、明日は休ませてやって…絶対ボロボロだって……)ってのも嬉しかった。監督が大古さんとこに駆けてったとこも泣けた。もうホントどん底、どん底を見たひとたちが…また抱き合って喜べるなんてねえ……。

バックホーン@武道館とてもいいライヴでした。後で書き足します。

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THE BACK HORN『KYO-MEIライブ —裸足の夜明け』@日本武道館

腹が据わってるなー、地に足がついてるなー。なんだろうこの落ち着き。照明等は多少は派手だけど、舞い上がったような演出は一切なし。ドラムセットは低い位置に置いてあるし、メンバー間もそんなに広くない。武道館だからと言って変わったことはしない。まあオープニングの炎バン!にはちょっと面喰らいましたが(「火ッ!?」と思った。しかしこの炎、岡峰くんの趣味かと思うような戦国武将の陣地にあるような火だったなあ・笑)。反面観客の熱いこと。2Fからまったり観たのですが、2Fなのに空気が薄い。熱気がすごい。隣の女の子は時々グッタリなってました。しかしグッタリしつつもキャーってなってて微笑ましかった。山田くんのことマーシー!て呼んでたで(笑)でも岡峰くんのこともかわいー!と言うてたで。

そんなこんなで観客がもーすっごい嬉しそうなのです。結成10年、愛されてるー。客席を見渡すのが楽しくなる程。こういうとこでの「キズナソング」は映えるなあ。ストリングス30人くらいいたかな?壮大なアレンジもしっくりくる。殺伐とした歌詞や曲も多いバンドだけど、そういうのと一緒にやっても全然違和感がない。こういう二面性が気味悪い反面魅力にも思える。矛盾があることが矛盾でない、と言うか。そりゃあたりまえだ、矛盾のない人生なんてあってたまるか。

「罠」「世界樹の下で」「ジョーカー」の流れは格好よかった!蒸し暑い場所にいたのに鳥肌たった。悪寒と言うか。風邪ひいたか?と思った。菅波くんのギターは面白いリフが多いので、音源同様リフとコード弾きを重ねられればいいのになと思うところもあるけれど、単音弾きの音にやたら芯があって格好よかったです。

それにしても山田くんは綺麗な声をしてるなあ。歌詞のひとつひとつが身に沁みました。いいうただな。

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で、帰りの呑み屋でサッカー中継観てたら大久保がバカやったんだ(笑)ばかー。そして翌朝のスポーツ新聞1面はサッカーばかり…ええそうですよバレーはすっかりマイナースポーツに凋落しましたよふんふん。でもね、今回の試合を観てバレーって面白いなあと思ったこどもがバレー始めてくれるといいなあ。そんでプレー人口がまた増えるといいな。



2008年06月06日(金)
じゅうろくねんぶり

いや…まだ、まだ決定じゃないけどね………
いやーでも自分が生きてるうちにまた五輪に行けるとは思ってなかった…それくらい絶望的なとこからリスタートしてるのを見てるので〜うえーんアトランタに行けなかった時のお葬式のような中継は今でもハッキリ憶えているぞ!企業クラブが潰れていくのをいくつも見てきたぞ!

いや不安だらけですけどね…なんで5点差を引っくり返されるねんとかね……今日の試合内容は決していいもんではなくーとか後ろ向きなこと言うなって怒られそうだがだって今迄が今迄なんだもん!地の利もあるし。そんでこんだけひいきされるのは今季が最後だしね、アコスタ辞めるし。

でも今日3-0てのは大きいなー3セット目落としてたら今日もきっと負けてたに違いない。

でもでも植田監督が泣いたの見てつられてちょっと泣いた(笑)植田の現役時代知ってるもん!どんだけ大変な状況で監督のおはちが回ってきたかとか考えるとね…うううー

とりあえず最終日迄は喜ばないでおく…ふふ、ふ………



2008年06月05日(木)
TOKYO No.1 SOUL SET TOUR 2008

TOKYO No.1 SOUL SET TOUR 2008『“Just another days”〜さぁ どうなんだい』@SHIBUYA-AX

すげいいいライヴだった…踊り倒した……。うえーん。おでんくんも出たよー。ビッケに手をひかれて登場、踊って、ビッケに手をひかれて退場。視界がないきぐるみだからね…おおきいぬいぐるみは苦手だがこれはかわいかった。と言うか一所懸命たどたどしく踊る姿がけなげに見えて泣けた。

それにしても酒止めてからのビッケのハジケッぷりはなんつうか若返り過ぎて高校生くらいに見える。あの衣装も学園祭とかで気合い入れましたみたいな手作り感があるわー。体力的にはしんどいらしいですが(笑)瞬発力が異様にある。俊美が「ニュービッケに皆しばらく慣れないと思うけど」とか言っていた。メンバーも戸惑ってる(?まあお互い相手をどうこうしようと言う間柄、とはいちばん無縁であろうひとたちだしな)みたいで、それって相当じゃないか。酔いどれ詩人と言われた雰囲気はもう微塵もありません。40過ぎてビッケがこうなるとは誰も予想してなかったと思いますが、こういうビッケもいいなあと思う。

それは新譜の内容にも出ていて、感謝や愛情に溢れた、でもソウルセットにしか出来ないような作品になっている。それを素直に「沢山のひとに聴いてもらいたい」と言うビッケはMCでも何度も「ありがとう!」と言っていた。初の単独AX、意外と若いひとも多い。ソウルセットってどういう経緯でリスナーが流れてくるかよく判らないなあ。前はLBネイションからってひとが多かったんだろうけど、最近聴くようになったひとって何がきっかけなんだろう。リリーさん?

そして今のモードで聴く「Jr.」の祝祭感と言ったらなかった。「コロコロなるまま」登生Mixの登生も、今ではコロコロじゃなくてヤンサンとか読んでる歳だよなー。ソウルセットももう結構長い。登生をライヴ会場で見かけると、こっちはただのリスナーなのに「登生来てる」「おっきくなったね!」なんて近所のオバちゃん気分になったりしてた。こどもが育つってだけで周囲のひとが笑顔になる。これってすごいことだと思う。特に今の世の中。

ヒロシくんは相変わらず鬼トラックをぶん投げてて格好よかった。ハウスなキック多用。「状態のハイウェイ」聴けて嬉しかった!M-ON!の生中継が入ってたそうで、口を開くとやばいことも喋っちゃいそうだから、と俊美はおとなしめ(笑)アンコールではアニとボーズが旗を振るだけのために出てきました。そして途中でもう疲れていた(笑)ここらの世代のひとたちが40〜50代をどう過ごすのかなーと言うのはとても興味がある。それは自分も含めてのことです。



2008年06月03日(火)
いろいろ

■『かわいい子には旅をさせるな』鷺沢萠
黄信号だとブレーキじゃなくてアクセル踏んじゃうひとなんだよなと改めて。でもそれが分かったからと言っても

■鷺沢さんと言えば
『次世代を担う演劇人育成公演』シリーズに『ウェルカム・ホーム!』が入ってて、明日から公演予定とのチラシが手元にあるんですが、web上のお知らせだと違う公演になっている。チラシだと「1」が『ウェルカム・ホーム!』なのね。変更になっちゃったのかな…なんでだろう

■フジにも来るよ
・Interviews -Gossip-
ブレイスとハンナのインタヴュー。こういう話をもっと聞きたいですよーこのバンドに関しては。
ベスのインタヴューはここのが面白かった。
・Web Magazine『ハニカム』
両方読むとSOULWAXが手掛けたリミクスの経緯が判ってオモロいです(にっそり笑)

■掘れ掘れラザロ
・『DIG!!! LAZARUS DIG!!!』NICK CAVE & THE BAD SEEDS
・UK限定盤もあるでよ
ついつい限定盤も日本盤も買っている訳ですが…来日しておくれよ!ライヴ観たいよー!グラインダーマンでもいいよ!でもって言うな、本当は両方観たいんです…。警部祭りとか誰か開催しておくれよ。周囲には壊してもいいものばかり置けばいいよ(…)。
ブリクサが脱退してから2作目。ウォーレンの辣腕振りが際立ってきた感じも。『ジェシー・ジェームズの暗殺』OSTもウォーレン節満載だったもんね。警部はますますあんなだし、とてもタチが悪いです(笑)格好いいのう。
しかし何がビックリしたかってUKチャートで初登場4位ってことですよ…頼もしい知命でございます。
それにしても回るわこれ…聖書からの引用も多いのに全てがのろいの言葉に聴こえるのは何故ですか〜うへへへへ

■『THE BEST OF』RADIOHEAD
CDのベストも出たんだけどこっちは見送り…だってなんだか、だってだってなんだもーん♪タワレコのポイントがたまってるんで、それでもらおうかなー。
それはともかく、このDVDあれが入ってんですよ「High & Dry」のUKヴァージョンクリップ!
初期の3曲のクリップはいろいろこっぱずかしーので初商品化でもいい思い出として微笑ましく観れるんだが(ひどい)極端な話、今更商品化せんでもいいんだが(もっとひどい)「High & Dry」UKヴァージョンはなんで商品化しないんだよって思ってたんだヨー!USヴァージョンばっかり流れやがってこのやろーと血眼になってUKヴァージョンが流れる番組を探したものですよ……webもそんなに使えない時代に何この情熱。しかも当時ウチは地上波放送しか観れなかった。TVKが頼りでしたよ!
そんなどうでもいい思い出があるクリップですが、USヴァージョンも好きなんですよ。そうだよ当時本国よりもUSで人気が出てそっち向けのプロモーションいろいろやってたんだよなあ。
他のクリップもどれもすばらすいーです。シャイノーラの名前はレディオで憶えたんだった

■シャイノーラと言えば
これが好きだった。ベックの「E-pro」。


■そして現在
ウチはTVKも映らなくなってしまいました(地域ごとテレビショッピングのチャンネルに設定変えられた)。スカパーはアンテナ修理がめんどくさくて解約してしまいました。
……前より状況が悪くなっている!
と言えばこないだ花月さん(近所。1丁目と4丁目)と話したんだがウチは区と区の境目でケーブルテレビの契約とかがどっちの区からも対象外地域だったりするんだよ。宅配ピザとかもチラシ入ってるのにそこは配達出来ませんて言われるんだよ。せつない



2008年06月01日(日)
『95kgと97kgのあいだ』

朝宅配便が来て、受領書にはんこ捺して、はんこを渡して笑われた。ねぼけてたー。

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さいたまゴールド・シアター『95kgと97kgのあいだ』@彩の国さいたま芸術劇場 大稽古場

新川さんてマイク・パットンに似てるな〜。今回キャップ被ってたから尚更。

それはいいんだ。『95kgと97kgのあいだ』で印象に残っていることと言えば、「この作品の稽古中に蜷川さんにすっごい怒られて、それがきっかけで蜷川スタジオを辞めた」と言う鈴木裕美さんのインタヴュー記事と、『Note 1969-1988』に掲載されていた舞台写真。再演されたら絶対観たいと思っていた。23年振りの再演。やっと観ることが出来た。

とは言っても、当時と状況はかなり違うようだ。初演には年配の役者は出演していなかったと思われる。蜷川スタジオは20〜30代の役者集団だったからだ。今回はゴールド・シアターの年配の役者たちが「一群たち」、NINAGAWA STUDIOの若手とベテランが「行列」。扇動者の「青年」が横田さん。『真情あふるる軽薄さ』と同じオープニング。桟敷席の一般観客に紛れて役者たちが入場し、行列を作り、そこでいざこざが起きる。あっと言う間に観客席と舞台が地続きになる、蜷川演出お得意の導入だ。

そこからしばらくは『真情〜』をなぞるような展開。青年が行列を挑発し、列を外れた者は機動隊に滅多打ちにされる。それにもひるまない青年は行列に発破をかけ続けるが、ひとびとは彼に罵声や嘲笑を浴びせたりはするものの、列を離れることはない。

そこに老人たちの一群がやってくる。行列は分断される。一群たちは舞台中央を乗っ取り、身訓を始める。坂道を上るシークエンス。完璧なストップモーションは出来ない。身体がぐらつく。だがそれは、物悲しくも美しい光景だ。やがて彼らは架空の砂袋を抱え始める。30kg、50kg…だがしかし、95kgと97kgの違いを表現することが出来ない。95kgは抱えられるが、97kgになるとくずおれてしまう。たった2kgなのに、持ちこたえることが出来ない。

行列と一群はお互いを嘲笑したり、異物を見るような目をしたり、死んだふりごっこをしたりする。一群たちを煽動していた青年が砂袋を抱える。やはり97kgに持ちこたえられない。それ迄一群たちを遠巻きに見たり、写メったり、笑い乍ら見物していた行列のひとりが青年に声をかける。「さあ問題の97kgだ!たった2kg、たった2kgの差だ!」それをきっかけに行列たちは一群たちに駆け寄る。「がんばれ!」いつ迄も続くかのようだった不毛とも思える行為に一瞬熱がこもる。ところがそこにまた機動隊がやってくる。しかしその機動隊のヘルメットをとると、かつて一群たちにいた老人の顔があらわになる。

ラストシーンにマシンガンを持ったこどもはやってこない。その代わり、戦争とも自然災害とも思えるような音が聞こえてくる。行列はなくなり、一群たちも舞台から出て行く。暗転の中赤ん坊の泣き声。現在に着地する。

かつて行列に並んでいたであろう、かつて若者を警棒で殴ったり、警官に石を投げたりしていたであろう老人たちと、そんな時代を全く知らない若者たちが、かつての、今の自分自身を演じているかのように同じ舞台にいる。それはいとも簡単に破壊される。地震でもサイクロンでも戦争でも。その身体はどうしようもなく現在のものだ。

よこちん声嗄れ嗄れ。ずーっとどテンション芝居なので大変でしょうねー。しかしやはり映えます。新川さんや清家さんが場を締める。ベニサン・ピットをひとまわり大きくしたような空間、舞台奥は鏡張り。人数が倍増して見える。集団のモブは流石の蜷川演出です。シガーロス、JAGATARA、清志郎を大音量で聴けてニヤニヤ。