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2003年08月30日(土)
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虫の知らせと言うかなんと言うか。流石にこれはショックだ、TMGE解散。

とうとう来たかと言う気持ちもある。あの速度で今迄やってこられたってのも奇跡だったのでは。なんてな。いい景色をたくさん見せて貰ったが。

10月11日は幕張で会いましょう。



2003年08月28日(木)
『オスカーとルシンダ』(ウラ)

オモテがござれば ウラがござる〜
先日近所の子供が謡い踊ってて「ホントにはやってるんだ〜」と感動した。ややこしや〜。

と言う訳で、ウラではお話から離れた部分をウハウハ書きますよ。

****************

原作を手にした時は驚いた。分厚い。長い。エキサイティングな登場人物たちの魅力を損なうことなく、2時間ちょいにまとめた脚本は見事!ラヴストーリーを核にし、宗教的な重さや残酷さを適度に甘いものにしてくれている。悪く言えば「……なんかうまくまるめこまれた気がする…」って部分もあるわけさ。だってあれじゃあオスカーの人生って人生って〜(泣)とくだをまきつつそれじゃあ原作は?と読んだらもっとヘコんだんですけどね…。

原作は文学としての強みを存分に使い、登場人物の細やかな心情を丁寧に描いているが、映画には映画の強みがある。そうでなければ映画にする意味がないわけで。微妙な心持ちを表情や仕種ひとつで表現出来る役者陣、ガラスの教会、美しく恐ろしい水の動きを実際に目に出来るってのはやはり嬉しい。

会話のこなれっぷりもいい。「あの〜懺悔がまだなんですけど」の部分とか、オスカーボケのルシンダツッコミが面白かった。基本はオスカーもルシンダもボケなんだけどな!て言うかふたりとも不器用過ぎじゃ!ガラスの教会の賭のとこも、ルシンダが「あなたのお父様の遺産を」ってあんなに思い切って言ってるのに〜こりゃ告白じゃあないんかねオスカー!気付けオスカー!なのに「父はまだ生きてる」とか言うし!ボケにもほどがある!つうかお前、お前はなんでこう……!と観ていて握り拳。オスカーボケ!ボケ!かわいいんじゃ!(あれ?)

だんだん本性が出て来ました。そうなのよ〜オスカー=レイフ・ファインズがかわいいんじゃー!

ファインズさんのオスカーは、皮膚癌で死んだと言う母親と同じ、白い肌、赤い髪。皮膚も身体も弱いひとだったんだろうってのが自然で自然でもう大変。ぎゃひーん。つらい旅を終えて、教会を届けた時はもー日焼けで鼻の頭の皮とかむけちゃってかっさかさになっててさ、ほっぺが赤くてさ!メイクだろうけどあまりにもズッパマりでさ!このひと日焼けすると赤くなっちゃうタチだね!

そしてファインズさんにはあるまじき(笑)ウブっぷり。違和感なくそう見えてしまうのがこのひとの恐ろしいところで。少年のようですよ!役者って怖い!ファインズさんって怖い!これが人妻キラー(イングリッシュ〜、ことの終わり、太陽の雫)と同じひとだなんて〜。1つ難点をあげるとすれば、あまりにもかわいく美し過ぎるので、オスカーが貧乏でぼろを着ているように見えないところかな(大笑)だってキラキラしてるんだもんよ…かわいいんだもんよ…。

監督のジリアン・アームストロングがファインズさんにこの役をオファーしたのは、彼が『シンドラーのリスト』に出演するよりも前だったそうです。で、脚本を読んだファインズさんが「ぼくがオスカーだ」とスクリーンテスト用のビデオをアームストロング監督に送ったそうなのね。「ぼくがオスカーだ」て!「ぼくがオスカーだ」て!!!ああああファインズさん、かわいい…(壊)で、オスカー役をファインズさんに決定した後『シンドラーのリスト』を観た監督はひっくりかえったそうです。「これ観てたら彼にはオファーしてなかった!」って。すごい化けっぷりです。監督も「実際のレイフはオスカーにとても近い」なんて言っててさ…た、助けてくれ!

しかも原作読んだら「ぼくがオスカーだ」も納得。あのぐにゃぐにゃしつつもカクカクした、オスカーの挙動不振っぷりは原作にしっかり書かれてるんですよ。ヘンなコなのに何か愛らしいんだよね…いやーもーすごいよファインズさん、面白いよ!(え?)

はあはあはあ、ファインズさんのことばっかになってますが、ケイト・ブランシェット演じるルシンダも素晴らしいんですよ〜。いっつもイライラしてる感じがいい。強さもいい。革新的過ぎてつんのめっちゃう勢いもいい。こんだけの器量があるのにオスカーを捕まえられない不器用さも、やりきれなくていい。彼女以外のルシンダはもう思い付きませんよ!

ビデオを観た2日後にスパイラルガーデンで“しずく”って名前のガラス細工を見付けて、ああルシンダ!とかって買ってしまいました。ジュエリースタンドにしています。以降ガラスものを見るとオスカーとルシンダふたりのことを思い出しちゃってじわーっと来ちゃうよ〜(涙)

その他
■どうぶつポイント
ルシンダがねこ飼ってた、通りにいぬがいた、うまが沢山いた
■うたポイント
ふんふんふ〜ん♪って鼻歌うたいながら競馬のシステム帳簿を付けてた
■ぬぎぬぎポイント
こんな作品でも脱いでるよ…つうか、脱がされてるんだがな
等、ファインズさん出演作品における言動チェック的にも大層楽しいものでした。

と言う訳で見事な映画化だったと思います(いつの間にか論点がずれてる事は気にしない!)これはすごい。

そうそう、物語の語り手であるオスカーの曾孫の声を演じているのは、『シャイン』でアカデミー主演男優賞をとったジェフリー・ラッシュ。この年(1997年)はファインズさんも『イングリッシュ〜』で主演男優賞にノミネートされてたんだよね。授賞式のビデオ持ってる筈なのに見付からないよ!どこにやったんだ1997年の私!バカバカバカ〜(泣)



2003年08月26日(火)
星くずのひとつの気分はこんな感じ

ベイビー・スターダスト。今日は火星がすっごい近くに来るそうでー。6万年ぶりだそうですよ。次は絶対見れん。なのに雷が鳴っている。夕立ちが来そうだ。夜は晴れてくれないかなあ。

■うれしい
製作に参加した本がamazonのベスト20内をうろうろしている。昨日なんか5位とかになっちゃって職場が騒然(笑)専門書が『トリビアの泉』とか『メイキング・オブ・ウォーターボーイズ』に混じって5位て!一瞬でも嬉しいよ〜。製作中結構手応えがあったと言うか、読んでてこりゃ面白いなあと思っていたんで、沢山部数が出てくれるといいなあ。肩透かしにならないように、こっそり喜ぼー…返品来るな、来るなよ。
ちなみにこれ作ってる時はTMGEばっか聴いてました。切羽詰まると「シトロエンの孤独」ばっかリピートしてました。励みになったよ(笑)

■何がビックリしたかって
のろのろ『レッド・ドラゴン』の原作を読んでます。明日から下巻。
レクター博士の瞳って茶色だったんだ!アンソニー・ホプキンスのイメージが定着してたからアイスブルーだとばかり思ってたよ!
映画ではファインズさんが胸毛を剃っていたので、原作のダラハイドには体毛がないとか処理してるとか言う描写があるんかねえと言ってたら、鼻の整形手術をしたためダラハイドには鼻毛がないと書いてあった。こ、こりゃ胸毛もないって描写もあるのでは…(笑)

■と、とれた
『欲望という名の電車』楽日、某誌の先行でとれました。よかった…開始時間ジャストに電話がかかって助かった。気になって5分後にもう一度電話してみたら完売になってた。よ、よ、よかった。
友人にも協力してもらった抽選も全部外れて(その節はお世話になりました…今度お菓子あげるから!お茶持ってくから!)もうダメかなあ〜と半泣きになってたとこでした。よかった〜(泣)
円形ではそろそろやれなくなるかなあ。篠井さんもいつかはプロセニアムの劇場でやってみたいと言っていたし。でも円形ならではのあの空間は、観てる方としてはすごく楽しいもんなのですよ。やる方は大変だろうけどね

■どこの層にあるか
『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』を読み直したいのだが、どの本の山に入っているか判らない。暑いので発掘作業が進まない。秋になる迄読めないかもしれない



2003年08月23日(土)
『ENCLOSURE』+『東京JAZZ 2003』

『ENCLOSURE』@アテネ・フランセ文化センター

映画美学校の生徒が撮っているこの作品に大森南朋くんが出演している、と言う情報はピクトアップで得ていたのだが、一般公開されることはあるのだろうか?とずーっと気になっていた。1年半経って、ようやく映画美学校映画祭のオープニングプログラムとしてお披露目となりました。第3期フィクション高等科スカラシップ、中井友昭監督作品。

あーこれもう1回観たいなあ。深読みし放題なんですよ。想像の余白が沢山ある。多分意図的なんでしょうが。サスペンスとしても面白く観られるし、ローティーンの読めない心のうちを考えると空恐ろしい反面、実は共感する部分もあり。あの年頃、自分がああなる可能性は全くなかったと確信が持てない分、怖い話でもありました。以下ネタバレしてます。

両親を亡くし、姉夫婦と暮らしている中学3年生の妙。ある日、姉が行方不明になる。妙は姉の夫に疑念を積もらせていき…。

この展開なので、前半は「夫は妻を殺したのか?」「それは単に妙の妄想なのでは?」とドキドキしながら観ていた。実際夫は何を考えているのか判らない。姉がいなくなっても狼狽はせず、警察に捜索願を出しに行った時も淡々とした受け答え。

ところが姉はひょっこり帰って来る。誘拐・監禁されていたのを逃げ出してきたのだ。犯人は逮捕され、姉は無事に家に戻る。当然夫の疑惑も晴れる。ここから予想外の展開になる。妙は、今度は姉に興味を向ける。

後味は非常に悪いです。しかしこういうの、好きなんだよねー。個人的には『害虫』を思い出しました。あとロケハンが良かったなあ〜と。まっすぐ伸びる長い坂道、高台にあるマンション。景色が遠く迄見えて、どこにでも行けそうなふりして、実は物凄く閉塞感がある。「すぐ引っ越そう」と言った姉夫婦は、結果その家を出ることは出来なかったし、「どっか遠くへ行こう」と言った妙は結局家に帰って来る。

大森くんは夫役だったんですが、このひとの一種の気味悪さ(何考えてるか判らない感じ)がよく出ていて、怖かったです。彼が犯人か判らない間は「本当に犯人なのか?」「だとしたら目的は何だったのか?」「実は妹に興味を持っている?」「いや、妹には無関心?それとも扱いを迷っている?」「自炊しろよ!(笑)」など、目を離せない存在感。いやだわー。いや役が。役がですよ。

でも、草むらに捨てられていた腕が妻のものか確認しに行った時の表情や、その後無事発見され、病院に収容された妻の腕を咄嗟に確かめるところ、閉所恐怖症になった妻に「すぐに引っ越そう」と言ったところ等、いい方にとった。と言うか、とりたい。実際のところは判らないなあこれは。そこが怖い。

妙にしても同様で、食事を作ったり写真を撮ったり父親の事故現場に花を供えに行ったり、しかしそれを内緒にしたり故意に悪意に持っていったり、一貫性がありそうで実は全く真意が見えない、でも納得がいくような気がしてしまう。演じていた木村茜ちゃんがまた巧いんだ、これが。

これは妻もそうだったなあ。登場人物皆真意が見えない。まあそんな簡単に真意が見えるような人間を映画にしてもな。いちいち説明してくれるような親切さは一切排除されているので、非常に歯痒いがこの緊張感は面白かった。

もう1回観たい。また上映される機会があるといいな。

****************

『東京JAZZ 2003』@味の素スタジアム

ハシゴです。スピーチから観られました。star-sさんは彼が本命だったので間に合って良かったっすね!初見でしたが格好よかった。中盤ヒップホップ色が強い攻撃的なナンバーがあって、これは盛り上がったなあ。

ダイアナ・クラールが病気で急遽キャンセル、タイムテーブルが変更になったので17時台に早くもハービー・ハンコック・トリオが登場。このひとずっと変わんないよねえ、本当はいくつなんだっけ?あっでも手には年輪を感じるねえなどとユルいことを言いながらスタンド席でのんびり観る。すごい贅沢。スクリーンに、鍵盤上を滑るように動く指が映る。これを観ただけで幸せになるんだよねえ〜。

そしてこれ!ジョシュア・レッドマン・エラスティック・バンドがすっごい格好よかった!テナー・サックスのひとなんだけど、途中ハモンドも弾く。エレクトリックものもふんだんに取り入れてて、緩急自在のグルーヴがめちゃめちゃ格好よかった!いやーこれはすごかった、アルバム探そう。特に最後から2番目の曲はどれに入っているんだ〜。

最後は出演者全員によるスーパー・ユニット。2日目のみの出演予定だった渡辺香津美さんも急遽参加。全員でソロを回していくんだけど、夕方会場に着いた時には終わっていた(泣)ユッスー・ンドゥールの声がここで聴けたのは嬉しかった。いつ聴いてもすっごい声だ〜。聴いただけで鳥肌たった。

ハンコックから松永貴志くんにピアノがバトンタッチされる場面があって(!)しかもその後松永くんが暴走、すごいソロを弾き出して止まらなくなる(笑)17歳の天才少年なんて随分騒がれていたからどんなコなんだろと思っていたら…いやすっごいわ。これもちゃんとアルバム聴いてみよう。「そろそろ…」とハンコックが交替しようとしてたんだけど「どうしよう、止まりませーん!どうやって替わる?」と動揺した表情を見せつつ決めどころはしっかり決めてました。すげー。ハンコックに戻ったあとは、ニコニコとステージ端で踊っていましたが、その姿はやんちゃな男のコ、と言う感じでそのギャップにまたブルブル。

フラッと行ける感覚であんだけオイシイ面子(しかもクオリティが桁違い)が楽しめるのはいいっすねー。いやー楽しかった。



2003年08月22日(金)
『オスカーとルシンダ』(オモテ)

いやあ、こんな展開になるとは…そしてこんなに重い話だとは…。

と言う訳で、これちょっとでも観たいな〜と思ってる方は、以下の感想は読まないでください。バリバリネタバレしてます。予備知識がない方がいいです。こんなところに物語が着地するとは!と言う驚きも楽しんでください。

でもこれだけは。傑作です。滅多にこういう事言わないタチですが言っちゃいます。なんだろう、自分が好きなタイプにドンピシャだったんだよね…なのでそこらへんがツボじゃないひとは「じれったい!」「なんでこんなにうだうだ悩んでるの?」って思うかも知れない。でも私にとっては傑作。なんで公開当時映画館で観なかったかなと大後悔してます。

いろいろ思うことがあり過ぎるんで、オモテ編とウラ編に分けます(笑)その後原作についても。長いです。

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「神が私達に要求しているのは現世に存在するあいだ、すべての一瞬、一瞬をかけることです」
「生きている限り、その一瞬、一瞬を賭けなくてはならないのです」

19世紀半ば、神に仕えるオスカーとガラス工場の経営者ルシンダがギャンブルを通して出会い、オスカーの死によってふたりが別れる迄のストーリーが、オスカーのひ孫のナレーションによって語られる。

オスカーは賭によって人生を進んだ。父親を捨てる原因になった改宗、オーストラリアへの渡航、教会からの追放、ガラスの教会を運ぶ旅。賭の結果は神の御業だとオスカーは信じている反面、実は悪魔の誘惑ではないかとも思っている。彼の一生は悔恨と自責にまみれたものだった。神が見ている、神が守ってくれる、神に赦して貰わなければ。悔いてばかりの人生。

それでも、最後の水中でのオスカーの表情を見たら、これで良かったのかもと思ってしまうじゃないか。あの穏やかな表情は、罪悪感や苦痛から逃れられるからなのか、運命を受け入れた安堵から来るものなのか。自分は最初からこの運命にあった、それでよかった、としか思えなくなるじゃないか。そんなのって悲し過ぎるじゃないか。オスカーからすれば、自分の死すらも当然神が決めたことになるのだろうが、その選択をしたのは、結局彼自身ではなかったのだろうか。そんなことを考えるのは自分が無神論者だからだろうか。

神を信じているからこそオスカーが救われている、と感じる部分も多々ある。しかしそれを罪悪感に転換してしまう傾向が彼にはある。恐水症のオスカーが、川の上を滑るガラスの教会の中で「神に守られていてさえ僕は怖い」と思うシーンは、考え方によっては、ヒキツケを起こさない程度には安心していられるってことじゃないか。それ迄の彼は、海や川に近付くとヒキツケを起こしていたのだから。しかし彼はそう思えないひとだった。

一方ルシンダ。自分の努力無しに得た莫大な遺産を重荷に感じている彼女は、ギャンブルで「負ける」ことを望んでいる節がある。遺産を少しでも自分から追い払い、身軽になりたいからだ。その時代には珍しい女性実業家、その上ギャンブラー。彼女は世間に馴染めない。ギャンブルに信念を持っているわけではないので、罪悪感を感じてもいる。

ルシンダは、経営しているガラス工場に導入する機械をイギリスで買い付けた帰りの船中でオスカーと出会う。賭博の罪を懺悔しようとする彼女に、オスカーは冒頭の台詞を放つのだ。

オスカーはギャンブルに信仰を持っている。しかし果たして本当にそうだろうかと迷ってもいる。こんな堕落した自分がルシンダとの愛を望むなんてと思っている節もある。しかし彼は、ガラスの教会を運ぶ賭でルシンダへの愛と自分の信仰心を証明しようとした。勝ちに出た筈だ。勝てば自分の選択は間違っていなかったと信じられるし、それ迄の罪悪感からも解放されたかも知れない。神は自分を祝福してくれたのだと思えたかも知れない。

この賭に、ルシンダは全財産を投じる。自分に賭けるものはないと言うオスカーに、彼女は「あなたのお父様の遺産を」と言う。「父はまだ生きてる」と言うオスカー。彼女の言う遺産とは、オスカー自身のことではないのか?つまりオスカーは勝っても負けてもルシンダの愛情を得ることになる。ルシンダもそれを望んでいる。

オスカーは勝ちたい、ルシンダは負けたがっている。不思議な賭だ。結果も不思議なものになった。

オスカーは賭には勝った。教会は無事届けられた。しかしその日のうちにオスカーはミリアムに犯され、教会は水に沈む。オスカーも一生を終える。ルシンダに残されたのは、ミリアムが生んだオスカーの息子。

ひ孫がナレーションをしていると言う設定がこれでクリアになる。オスカーが賭をしなければ、この物語が語られることはなかったのだ。

オスカーは死によって安息を得た。ルシンダはオスカーの忘れ形見を引き取った。ふたりはキスしか出来なかった。幕切れとしては美しい、爽やかささえ感じたものだった。これで良かったのか?これはハッピーエンドなのか?結論は出ない。しかし気持ちは大きく揺さぶられた。久し振りに聖書を読み直したくなった。

楽しい時もあった。競馬に初めて勝った時、ふたりで暮らした日々、ガラスの美しさに魅入られた時。涙ガラスはオスカーそのものだったような気もする。ルシンダは水=自然。恐水症のオスカーが水に親しむルシンダと出会い、ガラスの教会と共に水に沈み、その息子はルシンダと水に戯れる。社会に馴染めないふたりの不思議なラヴストーリー。



2003年08月20日(水)
外堀は埋めた

■読了しました
『オスカーとルシンダ』進行状況
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47日目:なんで帰っちゃうんだよおうウォードレイ=フィッシュ!(泣)
48日目:ジェフリスが…
49日目:到着しました。そしてミリアムが…
50〜52日目:(今日読むと絶対読み終わる〜と思うと名残惜しくてお休み)
53日目:読了
+++++
時々出てくるバタンインコって知らなくて、面白い名前だなあと検索してしまった。バタンって擬音のバタンからとったんだろうか。でもボタンインコってのもいるよなあ。
……ええ、話がヘヴィーなので終盤は逃避気味でした。とは言いつつ読み終わるのは寂しいもんでした。読んでよかった。すごくよかった

■『オスカーとルシンダ』ビデオゲット
ヤフオクに安価で出ていた!しかも競争相手がいなくて(…)¥3,000↓で落札。元が¥17,000だから得したよな…。土曜に届く、楽しみ(涙)

パンフも原書も揃えたことだし…次は何だ。DVDリリースしてくれと本国に念を飛ばすか。感想もちゃんと書こう(ってずっと言ってるやん!)

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■いやったー!(泣)
『夜になるまえに 特別版』DVD、9月5日発売!
待った待った待ったよー!嬉しい、嬉しいよおおおおお。アレナスにまた会える!
オフィシャルサイトはこちら。ジョニデの女装も観られます(笑)

■瑛太くんが
プロミスのCMに出ているのは、『9souls』の役があれだったからですか

■小林建樹『WINDOW』
新譜が出た。嬉しい。このひとのピアノはほんっとーに好きだ。ピッチが微妙にゆらぐうたも好き。事務所もレコード会社も離れたようですが、いいアルバムが出来ました。珠玉曲揃い。ライヴもはよ観たい。
リニューアルしたオフィシャルサイトに近況と近影が載ってるんだけど、坊主になっててひっくり返った。ど、どうしたの…!

■またお菓子
某コーヒー店の手作りキャラメルがえっらいおいしくて(従来の感じじゃなくて、ホントに砂糖を丁寧に焦がしましたよーってなやつ)、先日おみやげも兼ねて大量に買い込もうと行ってみた。若いお兄さんが対応してくれた。
「キャラメルください」
「……あ、ないんですよ〜」
「え?この前新発売って」
「ええ〜、あの〜」
「寒くなったらまた出るとか?(ちょっとの熱で溶けちゃうので)」
「ええと〜、その〜」
「もう出ないんですか?(食い下がる)」
「ええと〜、あの〜、作ってるひとが気まぐれなもので…次いつ作るかわからないんです」
……パティシエの気まぐれキャラメルかよ!うわーんまた買いに行くからいいやっとかぱかぱ食べちゃったよ!次いつ食べられるか判らないと知ってればもっと大事に食べたのに!(泣)
知ってるひとは知ってるのでは、「コーヒーとは!」と店主が語る手作り小冊子を店内に置いてる新宿の某店です。誰かキャラメルまた作ってって頼んだってください。また気まぐれ起こしてくれ!



2003年08月17日(日)
八月納涼歌舞伎 第3部『神楽諷雲井曲毬 どんつく』『野田版 鼠小僧』+α

八月納涼歌舞伎 第3部『神楽諷雲井曲毬 どんつく』『野田版 鼠小僧』@歌舞伎座

夏恒例の3部制興業、全部観たかったんだけどお金も時間も余裕がありませんで(泣)

『どんつく』は、田舎者とからかわれていたどんつくが、郷里の田舎踊りを披露して場を盛り上げ、やがては総踊りになるめでたい雰囲気の踊り演目。『奴道成寺』を観た時にも思ったが、この手のリズムものって、古典がどうこう言う前に音が格好いい!うずうずしながら楽しく観られました。

そっしって、『野田版 鼠小僧』!『野田版 研辰の討たれ』から2年、こんなに早く野田版歌舞伎の新作が観られるとは。今回ものっけから客席乱入→幕を3層に使った劇中劇と言う導入部分のスピード感溢れる掴みはすごかった。毎度のことですが鳥肌もんです。後ろのおばちゃんが「まあ〜、そういうことだったのね!面白いわねえええ!」と大層大きな声で驚いてらっしゃいました(笑)

河竹黙阿弥の元テキストがあると言うこともあり、野田さんにしては人情よりの甘いお話なんだけど、裏切り、勘違い、大衆の無責任さと言った部分は流石このひと、厳しい。怒りがいつでも根底にある。

とは言うものの、しっかり歌舞伎を遊ぶ部分も見せ、三太=サンタが師走の24日に小判を撒くシーンは大ウケ。現在『阿修羅城の瞳』を上演中の新橋演舞場ネタも盛り込んでおかしかった(『阿修羅城〜』側でも歌舞伎座ネタをやってるそうです(こっちはチケットとれなかったんだよ〜)。回り舞台も使いたいだけ使います。役者さんたちの運動量は並ではないので、ちょっとヒヤヒヤしながら観る部分も…いや、勿論役者さんたちはもたついたりしてはいないし、観る分には存分に楽しんでいるんですが。千秋楽迄、全員怪我とかなければいいなと。

愚かで間抜けだけど、な〜んか憎めない主人公・棺桶屋三太を勘九郎さんが無二の存在感で演じていました。ヤなやつだけどおかしみがある。研辰もだったけど、「ちょっとはいいとこもあるんじゃん!」と思った途端に破滅しちゃう侘びしさ、儚さを出しつつ、それでいて「生きてみるのもいいもんだな」とちょっと前向きにさせられるのは、勘九郎さんの明朗な気性が反映されていると思う。

えーと、あとこれ言うと怖いかなーと思いつつ…三津五郎さんにあの台詞を言わせるのって、どうなの…?(笑)

勘太郎くんは色気があるなあ。走る姿が粋。あとやっぱり、あの中にいると現代っ子の体型。遠くから見ても目立つ。七之助くんの女形も面白すぎました。衣裳はひびのこづえさんで、獅童さんが着ていた幽霊装束がロックスターのようで格好よかった(笑)

そうそう、猫背椿さんが観にいらしてました。格好えがったー。

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■お菓子 その1
向田邦子さん御用達の和菓子店・菊家で水ようかんを買う、と言う長年の目標が達成出来ましたー。開店時間に行けなかったり、開店時間に行った筈なのに閉まっていたり、開店日に行った筈なのに閉まっていたり、でも電話して確認するのは嫌で、フラッと行って買う、と言うのが目標だったので(なんだそれ)
お、おいしゅうございます。品のいい味〜。また食べたい!でも向田さんがエッセイに書いてる通り、「一度に1個食べるのがいい、夏にだけ食べるのがいい」ので欲張らずに次を楽しみにしようっと

■お菓子 その2
ブラックモンブランはちいさい頃からよく食べていて、上京してからも近所のスーパー=サミットで売っていたので全国どこにでもあるもんだろうと思っていたら、九州のアイスだったのね。で、関東ではサミットでしか売ってないと。佐賀県製造だそうで。はなわくんが食べてる姿が新聞に載ってました。
そこで思い出したんですが、ウチの田舎(宮崎)ではブラックモンブランと同系のアイスでアルプスメイトってのがあったんですよ。どっちかと言うとアルプスメイトの方がメジャーだった。これはこっちでは見かけないんだけど、どこのアイスなんだ〜。思い出すと無性に食べたくなる



2003年08月12日(火)
舞台話いろいろ+最近のローテーション

■邪心
増沢望さんのサイトに『Hamlet』の稽古場、楽屋、打ち上げ風景の画像やレポートがアップされている。先日終了した新潟、これからのロンドン公演の様子も載せてってくれるらしい。
ロンドン公演。ジョナサン・ケント演出。多分ファインズさんが観に来るだろう。…となると……。
増沢さん、宜しくお願いします!(…何を)
それにしてもいい雰囲気のカンパニーですな。て言うか面白過ぎる

■因果と言うか巡り合わせと言うか
蜷川版ハムレットを勝手にキャスティング予想。公表されてない分ね。ハズれてたらご愛嬌。
ロズギルは井出らっきょさんとグレート義太夫さんと見た。月川勇気くんは劇中妃かな。
高橋くんはホレイシオだろう。観たい観たい。
…なんて考えていたら、そう言えばジョナサン・ケント版のホレイシオは横田栄司さんだったなあと。
高橋くんが降板した『近代能楽集』の「卒塔婆小町」で、詩人の役を引き受けてくれた(って言っていいもんだろうか)のが横田さんだったなあ。同時上演の「弱法師」には藤原くんと高橋恵子さんが出ていた。いやホントその節は…これからも宜しくお願いします…。
先日のニナガワカンパニーダッシュの公演、高橋くんは観に来ていたそうだ。またいつか出る方で観たいものですが。
…まあこんなことを私が心配しても仕方がない。まずは『ハムレット』の初日を待つだけだ

■それにしても
初日が日曜日って珍しいな

■JOHN POWELL『THE ITALIAN JOB』O.S.T
『ミニミニ大作戦』のサントラです。映画本編を観ていた時は画とのハマリッぷりにばかり気をとられていたが、改めてサントラ単体で聴いてみると…これ、すっごいいいよ!オーケストレーションとドラムンベースが何でこんなにいい具合に〜!とクレジットを見たら、PHOTEKが参加してました。おおお〜。
パウエルはメディア・ヴェンチャーズのひとだそうで、てことはハンス・ジマーのお弟子さんてことになるのかしら。こりゃいいわー。これからチェックします

■54-71『true men of non-doing』
いやいやいや、スコーンとな!音響がたまりませんな!またライヴで聴きたいよ〜。
佐藤くん髪伸びるとなんか普通のひとになったっぽくて(じゃあ今迄は何だと)格好いい

■JANE'S ADDICTION『STRAYS』
あっははははははっは!13年待った甲斐はあるもんですな。クリスがいついてくれるかが心配

■HERBIE HANCOCK『MAIDEN VOYAGE』
■HERBIE HANCOCK『PERFECT MACHINE』
東京JAZZへ行くので、予習と言うか何と言うか久々に引っぱりだし。高校時代はこればっか聴いてたなあ。いつ聴いてもいい

■『PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO』
真夏の夜のジャーズってことで。オールスタンダードナンバーカヴァーです。
でもこれ冬に聴いてもあったまり、秋の夜長に絶品で、春眠うとうとで聴くのもいい。つまりマスターピース。昨年出た第二弾『GOSH』ともに欠かせません



2003年08月09日(土)
ウーマンリブvol.7『熊沢パンキース 03』

ウーマンリブvol.7『熊沢パンキース 03』@本多劇場

クドカン主宰のウーマンリブ、今回は激選区。これのチケットとれたことで今夏の運は全部使い切ったと思われます。金券ショップでもオークションでもエラい価格にはねあがってましたよ…すごいなー。当日も当然満席、通路迄びっしり。上手側奥の席だったので「火事になったら逃げ遅れて死ぬね」と話す。

今となっては大人計画からの流れと、TVでクドカンを知ったひとらとの境目もつかなくなりげですが、今回のふれこみ「『木更津キャッツアイ』の原点!」ってのをまんま信じて来たひとらはビックリしたんではないですかね…。暴力的な要素が増幅されるのは当然とはいえ、最後が意外に前向き(ドン詰まりの前向きだが)なところも含め、クドカンのブラックな面がよく出た作品でした。やっぱり器用、と言うか、バランス感覚が絶妙なひとだなあ。

パンキース病(敢えてこっちにしときます(笑))感染者を隔離するための柵を設置することになる内藤役を、クドカン本人が演じてたってのも、何となく暗示的なものを感じた。最後に帰ってきちゃう辺りも。うっかり感染しちゃったであろうところも。結局彼もこっちに残ることになる。深読みし過ぎだろうか。

向井秀徳氏の音楽がハマッてました。音響もデカくていい。

田辺誠一さんの馴染みっぷりが面白かったです。『草迷宮』とか『グリークス』やってるひとが〜!(笑)とは言えNHK『トップランナー』での司会っぷりが天然ぽくて(失礼)面白く、ボケな役もハマるかもと思っていたので、今回それが観られて楽しかった。これからもこういう役と、美しい役を両方観たいなあ。

大人計画の面々は毎度のごとく…だったんですが、新発見と言えば荒川良々くんが美脚だったってことか。なんであの衣装が似合うねん!ヒールを履いた脚線美に悩殺ですよ!いやんばかん!

****************

■『オスカーとルシンダ』進行状況
+++++
43日目:オスカー旅に出発
44、45日目:(家にいなくてお休み)
46日目:ウォ−ドレイ=フィッシュがシドニーに着いたよ!なのに入れ違い〜
+++++
今週中に読了するかな…したいけどしたくない。だってさあ〜読み進んだら確実にさあ〜(泣)

■土佐犬のブリーダー
が近所にいて、数カ月ごとに新しい仔犬がやってくる。先日また3匹来ました。かわいいのう。しかしあっと言う間におっきくなってオッサン顔になっちゃうのよね…

■『レッド・ドラゴン』DVDその後
「プレイヤーとの相性だと思われるので、プレイヤーのメーカーの方に問い合わせてみてください」と言われガックリしていたら、数日後「交換します!」と電話が。よかった〜!しかし何があったんだろう。やっぱりソフトがおかしかったの?今度はちゃんと映るといいが…はやく帰っておいでダラハイド!(間違い)

■と言えば
star-sさんに「レイフてカーミットに似てる」って言われたよ…。厳密には爬虫類系の顔と。笑った顔がカーミット(会った時私がカーミットのTシャツを着ていた)に似ていると。言われてみれば…。そうか、だから私ファインズさんが好きなのか(納得するな)…カーミットはちっちゃい頃から好きでねえ

■ファインズさんとカーミットと言えば
先日のセサミストリート、ゲストがリ−アム・ニーソンだったのに観逃した〜!『シンドラーのリスト』繋がり。リーアムとカーミットが遊ぶシーンとかあったかも知れないのに!(それが目的かい)

■そしてMIOさんに
セコくまのかわいいポストカードを見せたら「……麩菓子が食べたい…」って言われたよ…。改めて見てみたら、くまの素材が麩菓子の質感と似ていたよ…食べられちゃうよ!逃げろ!



2003年08月06日(水)
『パンチドランク・ラブ』

『パンチドランク・ラブ』@恵比寿ガーデンシネマ2

ポール・トーマス・アンダーソン(以下PTA)監督の作品は、いっつも最初はジリジリイライラするんだけど、いっつも最後にはしみじみ笑顔になる、と言うか優しい気持ちになるなあ。今回もとにかく音がデカい、言葉が汚い、罵詈雑言の嵐とラウド!ラウド!ラウド!状態で、ビクビクしながら観ていたんだけど、最後は涙が出そうになった。

以下それなりにネタバレしてます。

主人公のバリーは食品キャンペーン広告説明の穴をつき、安価のプリンを買い込み飛行機のマイレージを貯めている。でも別に行きたいところがある訳じゃない。7人の口うるさい姉に囲まれて育ったせいか、シャイな反面癇癪持ちで、キレると大暴れしてそこらにあるものを壊しまくる。当たり散らしたあとには手も痛むし、悲しくなって泣いたりする。

そんなある日、バリーは姉の同僚・リナに一目惚れ。姉がいないとバリーは結構きちんと自分のことを表現出来る。リナもそんな彼に好意を持つ(実はそれより前に、リナはバリーに一目惚れしていたことが後で判るのだが)。ハワイ出張へ行った彼女をバリーは追いかけようとする。手続きに時間がかかるのでプリンのマイレージは使えない。でも会いたい。チケットを買って追いかける。最後に彼は「手続きが終わればいくらだって飛行機に乗れる。出張の多い君のところへいくらだって会いに行ける」と言う。

バリ−が姉たちに言いたい放題言われるシーンがすごくてなあ。皆いっぺんにしゃべりまくるんで字幕には目立った言葉しか表示されないけど、うるさいうるさいうるさい!これはも〜音聞いてるだけで消耗したもんよ。言葉がわかればもっとつらかろうよ。バリーがキレるのも無理ないって。この音のうざさはたまらんかった。

そしてこのうざったさを見せたことが、その後のバリ−の変化を印象づける。ハワイに到着したバリーが、リナの宿泊しているホテルを電話で姉に聞き出すシーン。姉たちの前ではいつもおどおどしていた彼が、この時ばかりは「教えろ教えやがれ!」と強く出る。リナのことを思う気持ちが、バリ−を一歩踏み出させているってのが感じられて、こっち迄嬉しくなった。寂しくてうっかりかけたテレフォンセックスで詐欺にひっかかり、恐喝されて泣きながら走って逃げたりしていたバリーが、リナと出会ったことで前向きになっていく。

うっるせー姉ちゃんが、最後にぽろっと「本当はそんなに変なコじゃないのよ」と言うとこも良かったな。あんなに弟のことダメだダメだ変人だって言ってたけど、他人に言われるとムッとしちゃうんだね。そこらへんを把握して受け答えするリナも素敵な大人。こういうとこがいつもニクいPTA作品。ちょっとしたエピソードがあとでじわっと効いてくる。

バリー(アダム・サンドラー)とリナ(エミリー・ワトソン)のカップルがホントかわいらしかった。ハワイで再会した時のキスシーンや、その後ホテルの部屋へ向かう時そっと手を繋いでちょこちょこっと歩いていくシーンがとても愛おしかった。サンドラ−愛らしいなあ。プリンを買い込んでるスーパーで小躍りするとことか、すごいかわいい。

あとルイス・ガスマンがよかったよ〜!このひとがいると和む。今回もバリーの相棒・ランスを言葉少なに演じてるんだけど、仕草とかホントチャーミング。バリーに合わせてスーツ着てきたり、一緒にプリンの買い出しに行ったりとかわいい。黙ってる時の間や無表情の表情に味があって、好きな役者さんです。PTA作品の常連、フィリップ・シーモア・ホフマンも、今回は少ない登場時間ながらいい味出してました。色気があるよねえ。バリ−の姉たちや詐欺グループの4兄弟(ホントに兄弟&いとこだそうで。エンドクレジットで同じ名字がずら〜っと出てきたので笑った)等、他の登場人物もいいカンジ。

歌ものの使い方がウマいのは毎度のこと。ジェレミー・ブレイクのアートワークを使った転換シーンもドランカーズの視点みたいで面白かった。時々本編にも不思議な光が入っていたんだけど、これはブレイクの作品ではなくて、撮影時に最初から設定して入れたものだそう。リナの登場シーンが逆光であまり顔が見えなかったり、光の使い方が印象的だった。

それから間が絶妙!猛スピードで走ってきた車がキュッと止まって、ハーモニウムをぽん、と置いていくところ。事故った時のリナの呆然とした顔、その頭からたらーーーっと血が流れてくるところ。暴力描写が巧い…と言うと語弊があるかな、とても印象に残る。小ネタがいちいち面白いのも好きです。ハワイでバリーが電話かけてる通りで行われてるパレードとか、リナのマンションの部屋が判らなくなってバリーが駆け回るシーンとか。パンパンと手を叩いたら消える仕組みの、バリ−の部屋の明かりにもニヤリとさせられた。

エンドクレジットにフィオナ・アップルの名前があった。ちょっと切ない。

公開前から話題になっていたブレイクのアートワークは、いろんなグッズとしてロビーで販売されていて、どれもがかわいくてなあ。ポスターとゼリーキャンドル買ってしまった。8種類のパターンチラシは全部集めたぞ〜。

それにしても。キスしてほしい時にキスしてほしいと言えるってのと、そう言われた時にキス出来るって実はすっごく幸せなことだな〜としみじみ…いや今『オスカーとルシンダ』読んでるからさ…(泣)

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■と言う訳で『オスカーとルシンダ』進行状況
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37〜38日目:(家にいなくてお休み)
39日目:オスカーガラス工場へ見学に行く
40日目:オスカー、賭けに出た!
41日目:オスカーとルシンダがキスしました
42日目:(パンチドランク〜を観てちょっと幸せな気分にさせといてください…とお休み)
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やっとやっとキス出来てよかったね!つかのまの幸せだ〜とウキウキする間もなく絶望の底に突き落とされましたよ。厳しい、厳し過ぎる

■どうしよう!
入稿ラッシュが一段落して仕事が休めたので、朝から『欲望という名の電車』イベンター先行発売に電話をかける。初日と中日はおさえたが、楽日がとれなかったよ!ここ12年間(と改めて年月を思い出してビビる)鈴木勝秀演出作品の楽日は欠かしたことがなかったのに!ちょっと待ってくれ〜(泣)と落胆していたところ、

■オスカーよろしく誘惑に負けました
結局通販申込をしていた『オスカーとルシンダ』のパンフが届きました…丁度家にいる時届いて嬉しい〜!配達記録郵便で発送ってなってたから、不在時に届いて持って帰られちゃうのがいや〜と思っていたので。オスカーがルシンダの靴を抱き締めるがごとくパンフを抱き締めたさ!大事にするよ!大事に読むよ!一気に読むのが惜しいのでちょっとずつ読むよ!

■『25th Hour』
ガーデンシネマにポスターが貼ってあって、2004年陽春公開となってた。嬉しい、来るんだ

■ミニミニを見た〜
今度は代々木駅前で緑のやつを。ボンネットに白い線が入ってた。昔フォルクスワーゲンを見るといいことあるっておまじない?がありましたが最近はミニク−パーを見るといいことありそうな気が…(単純)

■アホですか
セコくまのポストカード、職場の机に飾ってるんだけど、置いてけぼりにするのがなんか可哀相で、毎日連れて帰ってます。アホですね…



2003年08月03日(日)
『結んだハンカチ ―ティールロヴァーとチェコアニメ』Cプロ+α

『結んだハンカチ ―ティールロヴァーとチェコアニメ』Cプロ@新宿武蔵野館4

ここんとこ体調がどーも思わしくなく、サマソニキツいかもな、どうしよっかなあ〜なんて思っているうちにチケットが売り切れてしまった。恐るべしレディオヘッド効果…昨年は3日前に金券ショップで割安になってるのを買ったと言うのに!わ、ワンマンで来てくださいレディオさん…。

と言う訳で最後のCプロ・ファミリー編です。ちなみにDプロはアダルト編でした。日曜日だからか、家族連れも多い。子供らと一緒に観ると結構楽しい。反応がいいんだよ!水が零れそうになると「わああ〜」「あぶない〜」、主人公が活躍すると「すごい〜」。こういうのもたまにはいいもんですな。

とは言えこれ、ファミリー編でいいんですかと言う怖げなお話も多く。セコの作品はやっぱりかわいい中にもおっそろしーいものが…。サボテンが飼われているアパートの住人(多分じいさん)死んじゃうんだもんよ。あと身体のどっかが欠けてるひと・ものが多い。

もともとチェコは弾圧され続けた国で、パペットアニメも自国語が禁止された中で映画を観られるように、と作られた歴史を持っていたりするので(パペットアニメだと言葉があんまりいらないからね)ずーっと戦争をやってる国ではひとが簡単に死んだり身体が欠けたりするのが日常茶飯事なのかね、と言う話を観た後にした。ウチの田舎でも近所に片足のじいさんがいて、「戦争でなくしたんだよ」と聞いていたなあ。日本でこうなのだから、チェコ辺りでは見慣れた風景なのだろうか。

まあ日本でも状況によっては変わりませんけどね…どこで何があるかわからないもんです。

ティールロヴァ−のお話は、躾にもいいかも!と思えるものでした。そしてまた毛糸の作品があって、これがまた面白い。すっごいなあ。なんかすごいしか言ってませんが。また特集組んでほしいなあ。そ、そしてAプロの再上映を〜。

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■よよよよよ
『レッド・ドラゴン』コレクターズBOX、結局ユニバーサルに一式送って検証することに。タトラ−新聞もダラハイド日記も送らにゃならんのか〜特典映像ディスクだけ交換してくれればいいんだよう〜(泣)しかしここで泣き寝入りするのも癪なので、きちんと対応してもらうわよー!

■そして
恵比寿ガーデンプレイスのオープンシネマ、今日が『レッド・ドラゴン』の上映だったことを利音さんの日記読む迄忘れており。あああああ!(泣)その頃ナシゴレン食べ乍らセコのくまがかわいい!って話をしていたよ!ダメすぎる夏です

■復活よ〜!
岡村靖幸ちゃんがホントにホントに復活したらしい。まだ信じられませんが…いややはり自分の目で見ないことには…でも嬉しいよう!ZEPPのチケットとれますように!