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re-invention



 こだわりと人間的な魅力に酔う

意を決して,妻と京都弾丸日帰りツアーを決行。
朝,4:30に静岡を愛車で出発,8:00ごろ京都に到着。
センター試験のためか,全く渋滞せずありがたい。
まずは妙心寺退蔵院へ。
拝観時間が9:00からとのことを,到着してから知る。
どうかなあと思って入口付近をいると係の方が声をかけてくださり,
時間前に拝観させていただけることに。
まずは,何といっても村林さんの龍と鳳凰から。

わずか2週間で書き上げたという,
勢いのあるタッチを真近で見れなかったのは残念。
描いている方と出会ったことがあるだけで,
やはり,見えてくるものが違うのだから,
無理だとは思うが,描いているところを見てみたいと思う。
何でもそうなのだろうが,迷いのない線が出せるかが大事。
自分の言葉は,まだまだ揺れやブレが多い。
龍の見ている眼差しの先は,何だろうか。
鳳凰は,何を見ているのだろうか。
襖絵プロジェクトの今後の展開も楽しみ。

残念ながらお抹茶は10時からで,
瓢鯰図を模したお菓子は売り切れとのこと。
次回のお楽しみに。


入口付近の枝垂れ桜や,奥にある枝垂れ桜は,
一度は満開の時期に伺いたいもの。
無理をしても,この春,行ってみようかとも。


実際に水が流れている余香苑(このネーミングも凄いこだわり!)は
冬の装い。

特別公開されているいくつかの塔頭を見たかったが,
時間がなくこれも残念ながらまたの機会に。

そして京都文化協会へ。
四条烏丸の交差点近くの趣のある廃校。


今でも生徒たちの声や,
先生方のご指導が浮かんできそうな感じ。
どんな学校だったのだろうかと,思いをはせていると,
京都文化協会の藤田さんがみえる。
メールだけでは,どんな方がわからないが,
お話を伺ってみて思うのは,
お会いして実際にお話を聞けて,本当に良かった。
あっという間に,次から次へと2時間お話して下さる。
なぜ複製を作るのかというコンセプトがはっきりしているから,
やっていることが明快。
退治なもんだから保存している。
けれど保存だけでは,その良さが伝わらず,
何のために保存しているのかが分からなくなるという課題を,
複製の作成によって乗り越える。
ただし,コピーが出回って氾濫するのは趣旨と反するから,
複製するのは一つだけ。
できればそれがあった場所に寄贈し,広く,公に見ていただく。
海外に流失してしまった襖絵や,保存が難しいものも,
これならガラス越しでなく,目の当たりにすることができる。
そして,単なる印刷物ではなく,
金箔を施し,一流の表具師の手を経て,
実は家が一軒立つほどのお金お掛けているとのこと。
もちろん,実際にやってみてみえることもあるのだろうが,
複製ならではの強みを十分に発揮されている。
さらに,国立博物館のプロが,
興味のある大学生を「文化財ソムリエ」として育て,
エンドユーザー(?)の小学生に伝承していくシステムもいい。
文化が文化として形作られていく場面では,
ある種の同じような方々の多くの切磋琢磨が必要だが,
それが文化として継承されていくには,
少なくとも三代先をも見通した流れが必要なのだろう。
世代を跨いた流れができているところが何ともいい。
藤田さんも,元は東京で
ファッションテナントの内装を手掛けていた方とのこと。
新しく流行として何かを創造する楽しさを感じる一方で,
常にそれがスクラップ&ビルドであったことへの違和感を
感じておられ,この仕事にたどりついたとのこと。
こういう話も,是非生徒たちに聞かせたい。

昼食後,今度は西大路御池付近の喫茶店へ。
今度は,フリーマガジン「ハンケイ500m」を制作されている
円城さんと中川さん。
ここでもこれまではメールと携帯だけのやり取りだけの方。
「お会いして,なるほど!この方が作っているからか!!」
と思わせる,こだわり,企画力,調整力,美的センス,
つまりは人間的な魅力といったところか。
ここで取り上げられているお店(職人さん)も
やはり,そういった自分色を持っている方々。
そんな方々にきちんとスポットを当てている姿勢も,
読者としてはたあらなくうれしくなるもの。

雑誌出版業界にいて感じたことや,
このマガジンのコンセプトもお聞きできた。
フリーペーパーであるけれど,
簡単に捨てられないものにするためのこだわり。
これがタダなのか!という驚きがある質の高さ。
紙面の隅々まで,見れば見るほどと思わせるものが揃っている。
どこかの学校の教育目標や重点とは大きく違う。
神経がいき届き,血が通っている感じか。

「営業ができなかれば編集もできない」
という言葉もなるほど。
分業してしまうことへの弊害,
プレイングマネージャー的な存在でなければ
できないことがたくさんあることを感じ,
今の自分のポジションが幸せなことも再認識。

ハンケイ500mや今回の企画の話しだけでなく,
学生時代の話やコーヒーへのこだわり,
パンやウナギの話まで,ここでも盛りだくさん。
それでも,相手を引き出す取材の極意や,
メモのとり方など,もっと聞いておけばよかった。
あっという間にここでも2時間以上。

残り時間を計算して,
正月のTVで見た伊藤若冲の襖絵を見に相国寺承天閣美術館へ。
さらに,cocon烏丸でSHAKE ARTを手に入れ,
今回の目的はほぼ達成。
とはいえ,Win-Winの関係にする何かが必要なことも感じる。


簡単に夕食を食べて,
四条烏丸を19:40に出て,静岡23:40着。
これは癖になりそう。


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